─唯と律とムギのお化け屋敷クラス─


唯「ムギちゃあん、200万円ちょーだぁいっ!」タッタッタッ

紬「あらあら、いいわよ♪」


私のクラスのお化け屋敷まで行ってムギちゃんにお金をせびると、ムギちゃんは持ってた巾着袋から福沢諭吉のイラストが入った例の紙をわしづかみにしてバッとばらまきました。

唯「どうもありがとう」

私は廊下に撒き散らされたお金をせっせと集めて制服の内ポケットにたくさん詰め込みました。

予定より180万円くらい多い気もするけど、お釣りでおやつを買いたいナー。


唯「じゃあね!」


私はゴキゲンでその場を立ち去りました。


紬「待って待って」

唯「ほぇ?なぁに?」

私は生まれたてのなんかかわいい小動物のような顔で首をかしげました。

この愛くるしい仕草などをフル活用して、この200万円を踏み倒していきたいところだね!


紬「私、今、唯ちゃんに200万円渡したよね?」

唯「えっ、渡した…?」


唯「ゆい、落ちてたお金を拾っただけだもん…」

紬「違うの。アレは私が唯ちゃんにあげたお金なの」

唯「そうなの…?」

紬「そうよ」

唯「ふぇぇ…ごめんなさい。じゃあ返します…」

紬「あっ、いいのよ。返さなくて。お金が必要なんでしょ?」

唯「うん…」

しめしめ。

紬「そのお金は唯ちゃんにあげる、そのかわり唯ちゃんのおまん」

唯「本当!?ムギちゃん大好き!」チュッ

紬「!?」

私はムギちゃんに変な要求をされる前にムギちゃんほっぺたにチュウをかましました。

先制攻撃だよ!

紬「う、うおお!私の赤ちゃんのお部屋に(子宮)唯ちゃんの種汁を注いでうおおうおお」

唯「やめろ!」

ドシッ

先制攻撃をしかけたつもりがムギちゃんを興奮させてしまったみたいで壁を蹴り天井を蹴り、三角飛びで襲いかかってきたムギちゃんほっぺたに張り手をかましました。

紬「ぶるるァっ」


空中でふんばりが効かないムギちゃんはぐるぐる回転しながら壁に叩きつけられて気絶しちゃった!


律「うわっ、ムギ!?唯、お前なにしてんだよ!」

唯「私の中のモンスターが暴れ出したんだよ」


唯「だってここはお化け屋敷だから」


律「ふぅむ、納得できる」


駆けつけたりっちゃんも納得してくれました!


唯「りっちゃんりっちゃん、ところでお化け屋敷の調子はどうかなぁ」

律「アア、それがなぁ。あんまりお客が来ないんだよ」

唯「そうなの?」


お化け屋敷なんて、学園祭においては一二を争う人気ストポポッポトッポだと思うけどなー


律「ちょっと本格的にやり過ぎたのがいけなかったのかも知れない…」

律「お化け屋敷から出てきたお客さん、みんなひいてたしな」

律「あのお化け屋敷やべぇって噂が広がっちまったんだ、きっと…」

唯「ふえ?ウチのクラスのって、わりと普通のお化け屋敷じゃなかったっけ」

唯「幽霊とか厚紙で作ったカラ傘くんとか…」

律「いやぁ、それじゃ物足りないんじゃないかって唯が休んでる間に色々、変更があってさ…」

唯「そうなんだぁ」


律「あっ。せっかくだから客として見てったら?」

唯「え、いいよ。嫌だよ」

唯「だってお客さんが引くくらい怖いお化け屋敷なんて私はまっぴらごめ」

律「いいからいいから」


ガッ


と、りっちゃんにタックルをかまされ私はお化け屋敷の中に放り込まれてしまったのです…!


─お化け屋敷・内部─

唯「!?」

お化け屋敷の中は薄暗く、がら~んとしていて

教室の真ん中に1枚のお皿が置いてあります。


唯「ふぇ…なんだろコレ…」


お皿の横には


「えぐり出された臓物」


と書かれた立て札が設置されていて

お皿には焼き鳥がのっかっていました。


─外─

律「ど、どうだった?」

唯「な、なにが?」

律「まさか高校の学園祭のお化け屋敷ごときで本物の胃袋が置いてあるとは思わなかったろ…?」

唯「砂肝だったね…」

律「富士急ハイランドのお化け屋敷でもそんな猟奇的なマネは出来ねぇだろうからな」

唯「まぁ、アレをお化け屋敷に置こうなんて言い出した人の脳ミソは猟奇的かも知れないね!」

律「まぁ、アレをお化け屋敷に置こうなんて言い出したのはアタシだけどな」

唯「ひどい…」


唯「周りの人はりっちゃんを止めなかったの?」

律「大便を2回叩きつけたから大丈夫だった」




何が大丈夫か私には分からないけど、とにかく私はダッシュで逃げ出しました。


─どっか─

唯「はぁ…はぁ…」

病み上がりで走り出したせいか、すぐに息があがってしまいました。


唯「こうなったらなんかもうアレだね…」ハァ…ハァ…


唯「休もう」


廊下で栽培されていたグリーンハーブをひきちぎってムシャムシャ食べたら体力が回復した気がした私はそこら辺で喫茶店の模擬店をやってる教室に足を踏み入れたよ。


女子「おかえりなさいませご主人様ー」

澪「あっ、本当に来たのか唯」

唯「むぇ?澪ちゃん」


よく見たらそこは澪ちゃんのクラスがやってるメイド喫茶でした。

でも、メイドさんの格好してる人が一人もいないメイド喫茶なのでよく見ないとメイド喫茶だと分かりません。


それってメイド喫茶なの?


ちなみに澪ちゃんは


裸エプロンでした。


唯「澪ちゃん澪ちゃん」

澪「なんだい唯」

唯「ここってメイド喫茶って言ってなかった?」  

澪「言ってた」

唯「じゃあなんでここにいるウェイトレスさんたちは、スクール水着エプロンちゃんや裸エプロンさんばかりでメイド服のメイドさんがいないのは何故?」


澪「メイドと言っても結局、どんな格好をさせられるかはソイツのご主人様次第だからな」

唯「うん」


澪「ここは変態ご主人に付き合わされ、恥辱にまみれた格好ばかりさせられる不憫なメイドさんのいる喫茶店というコンセプトなのさ!」


唯「はぁ」

腕を組んで得意気にふんぞりかえる澪ちゃんだけど、裸エプロンなんて恥ずかしくないのかなぁ。


唯「でも、そんな格好で恥ずかしくないの?」


実際、聞いてみました!


澪「恥ずかしいに決まってるだろ!」

ゴチーンッ!

唯「ぐえぇ」


殴られました!


唯「今、殴られたのはナットクいかないよ!ひどいよ!」

澪「ごめんな」

唯「あ、うん」

澪「それよりどうだ?せっかく来たんだからオムライスでも注文していかないか?今なら1500円でトマトケチャップで何か書いてあげるよ」

唯「高いよ!あと、殴った件に関しての話し合いはまだ終わってないよ!?」

澪「分かったよ。ささいな事で殴ったりしてちょっとひどすぎたな。本当に悪かった。ごめんな、唯」

唯「あ、うん」


澪「というワケでどうだ?さっきも言ったがオムライスでも注文していかないか?2500円でトマトケチャップで何か書いてあげるよ」


唯「早いよ!反省の色が見られないよ!あとかなり値上げされてるよ!」

澪「ねえ、反省の色って何色?」

唯「え…」

唯「う~ん…やっぱり青色とかネズミ色とかちょっと暗い系の色じゃないかなぁ」


澪「おーい、誰かマジックの青色と灰色持ってない?」


和「持ってるわ。使う?」

澪「使う」

唯「そのマジックで何をする気なのかな!?」

澪「え?まあ、紙とかに青色や灰色で『ゴメンね!』って書いて反省の色を唯に見てもらえたらなって」

唯「そのあんいな発想がもはや反省してないよね!」

澪「くそっ、面倒だなあ。もう私のオッパイでも揉んで納得しろよ」

和「待って、せっかくだから私のオッパイ揉みなさいよ。きっといい気持ちよ、私が」

唯「知ったこっちゃないよ!?」


唯「略して知ったこ」


澪「げきおこ!みたいだな」


唯「知ったこ!」


たのしいなあ!


─オムライス注文入りましたぁ─

唯「そういえば、しれっと和ちゃんがいるけど澪ちゃんと同じクラスだったんだっけ」

和「そうね」

澪「お前たちが私を裏切って唯紬律の3人だけで同じクラスになったからな。何度、お前たちの紅茶に睡眠薬を入れてくぱぁ画像を撮ってネットに流出させようかと悩んだことか…」

唯「はっそうがこわいよ。あとクラス分けは別に私たちがいじわるしたワケでは…」

澪「でも和と友達になることで私の精神はずいぶん安定したんだ」

和「あら、私は澪と友達になった覚えはないけど」

澪「!?」



和「ただの友達じゃなくて……親友でしょ?」



澪「う、うおおおおのどか!のどか!のどかアアアアア」

あんいに発狂した澪ちゃんが和ちゃんにとびかかったけど、和ちゃんは鎧武者風の甲冑を着こんでいて澪ちゃんの肉体は鎧によって弾きかえされました。


澪「あぁん」

唯「和ちゃんはそれでメイドさんのつもりなの?」


和「それよりオムライスにケチャップで卑猥な言葉を書いてあげるから3500円払いなさいよ」


唯「だから高いよ!?あと、そんなもん書いてほしくないですけど!」


梓「すいません、私の股間のオムライスにおま●こグチャグチョって書いてください」


唯「もうめちゃくちゃだ!」

私は私の知り合いがいない静かな場所で休みたいなぁと思ってとりあえずどっかに行きました。


─正午、ライブまであと3時間くらい─

唯「けっきょく、高校の学園祭なんてカスみたいなもんだよね」

律「お前そんなこと言うなよ!?」

梓「そうですよ、あんなサービス満天なメイド喫茶は秋葉原にもないですよ」

紬「私たちが唯ちゃんのためにお休みをあげたのに…」

唯「まあね」

唯「でもね」

唯「そもそもあんなお化け屋敷に人員がそんなに必要かなあ」

律「まあ、ぶっちゃけアタシらのクラスの控え教室で開催されたマリオブラザーズ殺しあいトーナメントの方が盛り上がってたよな」

紬「すごい楽しかったぁ♪」

唯「呼んでよ!?」

澪「よし、お前たち。お祭り気分はそこまでだ」

澪「そろそろライブの準備とかなんか始めるぞ」

律「面倒くせえなあ」

唯「機材とか全部、運ぶのが大変なんだよね」

澪「まあ、それはな。部室と講堂は結構、離れているし」

梓「じゃあ張り合いをもたせる意味で、機材を運ぶのが一番遅かった人は罰ゲームということにしませんか」

紬「面白そうね」

澪「ふむ。苦しいことを楽しいことに変換するのはいいことだな、梓」

梓「えへへ」

唯「ねぇねぇ、罰ゲームはなにがいいかなあ」

律「定番のデコピンとかかぁ?」

澪「もう少しヒネリが欲しいぞ」

梓「まったく律先輩の安易で単純な脳細胞には困ったものですぅ」


律「へへへ、けけ」


紬「梓ちゃんは何か考えがあるのかしらぁ」

梓「そうですね…えっと」



梓「一番遅かった人は脱ぎたてパンティを私の喉の奥に」



律「そんじゃ梓の頭をとんかちで殴るってのはどうだろう」

紬「それ最高」

唯「決まりだね!」

澪「よし、じゃあさっそく作業にとりかかるぞ」

唯律紬「お~!!」

梓「ちょ待てよ」

澪「口答えか、梓」

梓「ふ、ふにゃっ!」


あずにゃんは不服…というより大好きな先輩たちに頭を殴られる喜びで興奮した顔で踊り出しました。



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最終更新:2015年06月20日 08:44