唯「ハッ」


目が覚めると私の部屋でした。


唯「あ、そうだよ…ちょっと疲れたから寝てたんだった…」

唯「……」


唯「………?」



唯「………………!!」


寝る前までは正直、体がちょっと重かったけど寝たらなんかすごいスッキリしてるよ!


唯「なにこれ…体の奥から力が溢れてくる…」


唯「勝てる!相手がどんな奴でも負けない!!私は今究極のパワーを手に入れたのだぁー!!」


この感動と興奮を誰かに伝えようとスマートホンを出したら時間を見たら私はすっかり遅刻してるよ?


唯「えっ!なんで?もしかして目覚まし時計止まってるの!?」

ギー太「ギィィ」

唯「さてはお前のしわざか!」

ギー太「ギィィww」

唯「こんちくしょう!」

ギー太にだまされた私はあわててギー太の首根っこをひっつかんで家を飛びだし走り出しまし






ブオオォォン


唯「あっ!?」


その時、静かな住宅街を走り抜ける1台の暴走トラックが!



キキィイイイイッッ




唯「あ…」





ド オ オ ォ ォ ン


私の目の前でとみおばあちゃんがトラックにハネ飛ばされ20メートルくらい吹っ飛んでいきました。


ガチャ

トラック運転手「わ、わぁあああ!?や、やっちまった…!!」

とみ「ウ、ウボォアー…」

トラック運転手「ばあちゃん大丈夫か!?今、救急車を…」

とみ「い、いいよ…そんなけったいなモン呼ばなくて」

トラック運転手「で、でも…」


とみ「それより10万円おくれぇ」


トラック運転手「えっ」


とみ「それより10万円おくれぇ」


大事なことなので2回言いましたみたいです。


唯「だまされちゃダメだよ運転手さん。そのおばあちゃん、いつもそうやっておこづかい稼いでるんだからね」

トラック運転手「えっ」

とみ「あらまあ唯ちゃんこのコシャクな小娘がぁあああ!!!」

唯「ひゃあッッ!?」

おばあちゃんはノコギリみたいなギザギザな歯をムキ出しにして飛びかかってきて


トラック運転手「ウォオアアアッッ!!」


バコォオッッッ

とみ「ミッ!?」


トラック運転手さんはその辺に落ちてた角材でおばあちゃんを聖闘士星矢の必殺技みたいにぶっ飛ばして私を助けてくれました。

唯「うわぁ…」


トラック運転手「お姉ちゃん、おかげで助かったよ。あやうく治療費を騙しとられるとこだったよ」

唯「う、うん」


お年寄りに暴行を振るって爽やかな笑顔を浮かべるトラック野郎に私は内心どんびきしました。


トラック運転手「ところでさっき、走ってたけどどこかへ急いでるのかい?」

唯「あ、はい!私、今から高校の学園祭ライブに出なくちゃいけなくて…でも遅刻してて…」チラッ

トラック運転手「そうか、そりゃ大変だなあ」



トラック運転手「じゃあ、がんばってな!」

唯「あれっ」



トラック運転手はトラックに乗り込んで颯爽と走り去っていきました。

私はというと「もしかして学校まで送ってくれる的な展開!?」を一瞬期待したので悔しかったです。


タッタッタッ…

唯「はあっ、はあっ…」


私は観念して走り出しました。

1年生の時の学園祭ライブはよく分からないうちに消滅して2年の時の学園祭ライブは忘れ物して寝坊して終了したらすごいやるせないからね!


 そういえば、入学式の時もこの道を走った。

 何かしなきゃって思いながら。

 何をすればいいんだろう?って思いながら。

 このまま、大人になっちゃうのかなって思いながら。


 ねぇ、わたし。


 あの頃のわたし。


 心配しなくていいよ。すぐ見つかるから。


 わたしにも出来ることが、夢中になれることが。


 大切な、大切な、大切な場所が…きっと見つかるから!




唯「あー、疲れた…休もう」


私はコンビニに寄った。


─桜ヶ丘高校、学園祭ライヴ、本番30秒前─

梓「いよいよですね…」

澪「ついに唯は間に合わなかったか…」

律「まあ仕方ないよな!」

紬「ぶっちゃけ、唯ちゃんより さわ子先生の方が上手いしライヴ経験者だから頼りになるという現実」

さわ子「えへっ、まかせときなさいよ」

梓「クズメガネが初めて頼もしく見えますね!」

さわ子「えいっ」

ドスッ

梓「う、うう…」

紬「今のは梓ちゃんが悪いわ」

律「というか梓が正しかった試しが無いぜ」

紬「まさに」

さわ子「で、急な話だからバタバタしてアレなんだけど曲順って結局、どーなの?なに演奏るの?私が知ってる曲なんでしょーね」

澪「あ、えっと…まず始めの曲がふでペンボールペン。2曲目がカレーのちライス。次がときめきシュガーで最後、ふわふわタイムで〆です」

さわ子「ん?他のは分かるけど、ときめきシュガーってどんな曲だったかしら?」


澪「大切なぁなたに~~~カラメ~ルソ~ス~♪」


澪「って感じのやつです///」

さわ子「大切なあなたにカラメルソースみたいなドロドロ濃厚な種汁をドピュドピュ顔射しまくる歌?」

梓「はい」

澪「ちがうよ!?」

紬「はぁああ澪ちゃんそんなつもりであの歌を書いたの???うひょオゥオオオオオ」

律「いやらしい!いやらしい!この秋山ンコ!」

澪「ここに来て衝撃的なアダ名を私につけるんじゃないよ」

さわ子「まあ澪ちゃんイジリはこのくらいにして」

律「澪、ごめんな」

紬「澪ちゃん、ごめんなさい」

梓「澪先輩、すいませんでした」

澪「よし、お前たち。これからは私に毎月10円払えよ」

さわ子「私、そのときめきシュガーって曲、たぶん知らないから弾けないんだけどどうする?ねえ、どうする?」

梓「はぁ!?」

律「今さらなに言ってんだ山中出しさわちゃん先生が!!!」

さわ子「アナタだって田井中出しりっちゃんでしょうに!?」

律「いや、さわちゃんの方が中出しだし!」

さわ子「いーえ!りっちゃんの方が中出しっぽい表情してるし!」

紬「そそる表情だわぁ…」

澪「あの、中出しのなすりつけあいをやめてください」

律「なら、外出しさわちゃん。わたしの恋はホッチキスは演奏できる?」

さわ子「知らん」

紬「いさぎよいわぁ」キュン…


梓「じゃあ時間もないし3曲目はいっそ、私が単独で1曲演奏しましょうか?」


澪「ん?」

律「ほう?梓一人で…」

紬「それ、梓ちゃんのオリジナルの曲?」

梓「あ、はい。家でひそかに作ってたです。趣味みたいな感じで作っただけで、お披露目する気はなかったんですが…」

澪「すごいじゃないか!」

梓「えへ」


律「でもカレーのちライスとかふでペンボールペンみたいな澪節のきいた曲の中に、あんまり場違いなカッコよすぎる曲とか泣かせる真面目な曲はなんだか雰囲気に合わないけど、その辺、大丈夫か?」


梓「ようするに親しみのある食べ物とか身近な文房具だとかをタイトルに絡ませれば放課後ティータイムの親しみやすいソレっぽい曲になりますよね」


紬「ふむ、心得ているようね」

澪「で、なんて曲?」



梓「糞尿まきちらし寿司」



澪「お前バカなの!?おバカさんなんじゃないの!?このブタ野郎が!」

律「し、しかし食べ物を絡めるっていう条件は満たしているぜぬふっw」

澪「しかしもカカシもあるか!」

紬「澪ちゃん、もう時間も無いしコレで行きましょうひひっw」

澪「お前らなにノリ気になってるのォ!?」

さわ子「待って、そんな歌歌わせたら監督不行き届きで私の教師生命が」

和「軽音部、出番よ」

梓「オッシャアアアアやってやるです!!」

律紬「オオォ!!」

澪「3曲目になる前に梓をステージから突き落とそう」

さわ子「手を貸すぜ天津飯」


─講堂─

ざわざわ…

ざわざわざわざわ…

純「軽音部ライブ、人いっぱいだね!4月の部活紹介が衝撃的過ぎたから、もしかしてお客さん来ないんじゃないかって思ってたけど…」

憂「おぇえあんぉうばまにゃうがあをいんああらいいいらんらよぉ~」

純「な、なに言ってるか分かんないよ憂…」


学園祭に何故かあったホスト全員女子高生な宝塚チックなホストクラブ模擬店で不思議な色のジュースを飲んで何故か酔っぱらった憂を介抱しつつ、私は梓のライブが始まるのを待ってます。

憂「ムニャ…」

純「もう、憂ったらトロンとした目をしちゃってぇ」

純「憂のお姉ちゃんの活躍、しっかり見てあげなよ?」

憂「んーーーん」


だめだこりゃあ。


私はおへその下あたりにある丹田で練り上げた気を手のひらから放出して憂に渇を入れた



って、そんなこと出来るわけないですけどー



憂「もろぇえええ」

純「えっ!?」


ビシャアアアアっ


憂は水圧砲のように吐瀉物の塊をノド奥から噴出して、吐瀉物は元気玉みたいに勢いよく飛んでって講堂を突き抜け、空を突き抜け、大気圏に溶けていった。


憂「あースッキリした!」

純「実によい笑顔だね」


和『えー、みなさん。大変ながらくお待たせいたしました…』

和『おまたせ…?』

和『おまた…』



和『お股sex!』



和『いたしました』

和『次は桜ヶ丘高校軽音部、放課後ティータイムによるなんか変な演奏をご覧ください』


澪「なんか変な演奏ってなんなんだっ!?」


ワアアアッ


澪「ひぎィっ!?」


赤いメガネの生徒会のお姉さんに抗議しようとステージ上に飛び出してきた澪先輩を見て、歓声が湧いた。

澪先輩、ちょっと変わった一面もあるけど美人だもんね。

校内には既にひそかに秋山澪ファンクラブみたいなものも存在していて、ステージ上の澪先輩をスマホでカシャカシャと激写しまくっている。

一方、澪先輩は微動だにしない。

さすが!場馴れしているんだなあ!って思ったら


よく見たら立ったまま失神していました。


律「おい、澪。しっかりしろ!」

紬「こうなったら澪ちゃんのパンツを脱がせましょう」

梓「えーっ!?そんなことしていいんですか!?」

紬「今日は特別よ」

梓「そっかー!特別な日かー!」

子供みたいに無邪気な表情をした梓が、澪先輩のスカートに頭を突っ込んだ。


ずるるっ


梓「獲ったどー!」


梓は澪先輩のスカートから這い出し、掲げたその手には青と白のストライプのぱんつがシッカリと握りしめられていた。


私はもうアレが私の友達、中野梓の真実の姿なんだと薄々感じていたのですべてを受け入れることにしたよ…


憂「どうしたの純ちゃん?涙、出てるよ」

純「私は何があっても友達を見捨てたりはしないんだい」

憂「そうなんだー」



さわ子「ちょっとあなたたち。そういうことは部室で、一目につかないところでやりなさいよね!」


ずるるっ


梓「にゃあっ!?」


さわ子先生がぱんつを高々と掲げる梓のスカートに手を突っ込み、梓のぱんつを剥ぎとる。


かわいいネコがプリントされたぱんつだった。


さわ子「獲ったどー!」



梓「返してっ!私のネコさんぱんつ返してくださいっ!」

さわ子「はい」


梓「ウオオオオ」


ずるるっ


さわ子先生が梓にネコさんぱんつを差し出した一瞬のスキをついて梓がさわ子先生の下半身にタックルを仕掛けて電光石火の勢いでさわ子先生のアダルティな黒下着パンツを剥ぎとった。


さわ子「ちょ、このクソ野郎!?」


梓「いっくよー!」ポイポイポーイ


アーティストがライブで観客に水を飲んだペットボトルを投げる感覚で、梓が澪先輩、自分、さわ子先生のパンツを講堂の観客に向けて放り投げる。


恵「親方!空からウひょオオオオ!澪ちゃんのながぐついっぱい食べたいわ!」

澪先輩パンツに秋山澪ファンクラブの人たちがアイスにたかるアリのように群がり、一人ずつ順番にパンツを口に含んでは次の子に姦した。


生徒会長、曽我部恵先輩統率の元、実に無駄の無い動きだ。


かたや、さわ子先生のパンツには桜ヶ丘高校の全男性教員がエヴァ2号機にたかる量産型エヴァみたいに群がり、一人ずつ順番に鼻にパンツを押し当てて深呼吸をしていた。


堀込「スゥーッ…はぁ~っ…スゥーッ…はぁ~っ…さ、さわこ…ッさわこッ…」

校長「堀込先生、3秒ルールを守り給へ」


一方、梓のぱんつには歴史が足りなかったのか誰もがスルーして、講堂の床にクタッと横たわっていた。


そんな人気のないネコさんパンツを悲しそうな瞳で見ている梓。



純「はぁ、仕方ないなあ…」


私はそんな梓を喜ばせるために梓のぱんつを回収する。


梓「///!!」


あ、なんか梓が嬉しそうだ。


純「獲ったどー」


梓「ああ、純!私のかわいい純!!!」


私は死んだ魚のような目をして席に戻り、梓パンツをポケットにしまった。


本音を言えば早く捨てたい。



律「まったく、ここにはイカレ野郎しかいないのか」


紬「りっちゃん!私たちも!」スポーンッ


律「アタシもその一人かよ」ズルルッ



そしてステージ上の全ての登場人物がパンツを脱ぎ捨てた。



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最終更新:2015年06月20日 08:46