律「メールより電話したほうがいいんじゃないか?」
唯「そういえば、すごく言いづらいことがあるんだけど」
梓「私に告白するんですか?」
唯「携帯の充電きれてた」
澪「………」
律「梓、憂ちゃんの番号知ってるだろ」
梓「えっ、憂を呼ぶと私がぶっ殺されるみたいなんですけど」
律「そのへんは憂ちゃんのさじ加減にかかってるから何とも」
澪「中野とかいう後輩がいたこと、忘れないからな」
梓「話し合いで解決する道を探しましょうよ」
澪「だから電話で話し合うんだよ」
律「じゃあ電話しなくていいから携帯貸してくれ」
梓「貸せるか!!」
紬「唯ちゃんのいろんな画像が入ってるものね」
梓「見たんですか?」
唯「………」
澪「じゃあもう一人の友達に連絡してみてくれ」
梓「それじゃまるで私に2人しか友達がいないみたいじゃないですか」
紬「大きく出たわね」
律「お前みたいな変態と関わり合ってくれる子がそう何人もいるわけないだろ」
梓「いるもん!!」 プンスカ
澪「今さらそんなぶりっ子されても」
律「他の友達ってあれか、梓と一緒にジャズ研に入ろうとしてたのに突然裏切られた子か」
紬「ああ、梓ちゃんの元カノの」
律「なんで別れたんだ?」
紬「肉体関係は?」
梓「唯先輩の前で元カノとか言わないでください」
澪「お前がいつも私たちにやってるのはこういうことなんだよ」
梓「私はまだ可愛げがあるし、そこまでウザくないですよ」
律「先輩に向かってウザいとかぬかすな」
澪「もう一人の友達は憂ちゃんを裏切ってジャズ研に入ったんだっけ」
紬「ジャズ研の子たちも意外とドロドロしてるのね」
律「なんて言ったっけあの子、ホンダ…じゃなくてダイハツ?」
紬「マツダだっけ?」
澪「す…何とかじゃなかったか」
紬「スバル?」
澪「下の名前はなんだっけ」
紬「ジョー?」
唯「ジョン」
律「じゃあ梓、早いとこジョンちゃんを呼んでくれ」
梓「犬みたいになっちゃった」
梓「じゃあ電話して助けに来てもらえるように言いますから」
唯「うん」
梓「ちょっと私に可愛らしくおねだりしてみてください」
唯「………」
澪「うわぁ……」
律「うわぁ……」
紬「うわぁ……」
梓「なんなんですか!!それくらい可愛いもんじゃないですか!!
別に性的なサービスを要求したわけじゃないのに!!」
唯「今日は一段とキモいね」
梓「あっ、もうちょっとキツい口調でお願いします」
紬「服従させたいのか責められたいのかはっきりしてくれる?」
律「いいから早く呼べよゲスの極み乙女が」 ガスッ
梓「痛い!! 痛気持ちいい!!」
澪「たくましいなぁ」
梓「とぉるるるる とぉるるるるる」
唯「呼び出し音は声に出さなくていいから」
梓「あっ、もしもし? ジョン?」
梓「ジョンでしょ?」
梓「昴ジョン」
梓「昴ジョン」
梓「あ?」
梓「中野ですけど?」
梓「あけおめこ」
梓「は?」
梓「まだ明けてないから」
梓「バカなの?」
律「なんで助けを求める側が挑発してるんだよ」
梓「ところでいま澪先輩と下半身を絡め合ってたんだけど、ジョンも一緒に
澪「ちょっ、おま、ちょっと待て」
梓「どうかしました?」
律「お前がどうかしてんのか」
澪「わざわざ誤解を招くような表現をするんじゃない」
律「しかも何で3Pに誘う感じになってんだよ」
梓「憧れの先輩が淫らな行為をしてると聞いたら一目散に駆けつけてくれると思って」
澪「お前と一緒にするな」
律「まるで澪が行為の真っ最中に電話をかけさせるド淫乱みたいじゃないか」
梓「何も間違ってないじゃないですか」
澪「違うよ!!何もかも!!」
梓「あっ、もしもし? 今の叫び声聞こえた?」
梓「澪先輩の喘ぎ声」
梓「え?」
梓「澪先輩、大きい声でもう一回」
澪「一回電話切れ!!」
梓「しかしここは恥をしのんで助けを呼ばなくては」
律「普通に呼べよ」
紬「ただでさえ人望なさそうなくせに」
梓「もしもし?そういうわけでちょっと私の家にきて欲しいんだけど」
梓「あっ、実家じゃなくて平沢家のほうね」
唯「………」
梓「あ?」
梓「私と家族とどっちが大事なの?」
梓「そんなこと言って本当は男といるんでしょ?」
梓「そんなこと言って本当は男といるんでしょ?」
梓「ふーん」
梓「本当は?」
梓「そっか」
梓「本当は?」
梓「そっちも取り込み中だったの?」
梓「いまジョンが想像してるようなことだよ」
梓「さっき突かれてるとか言ってたじゃん」
梓「疲れた?」
梓「突かれてて疲れたの?」
律「お前はどうしても下ネタを交えないと会話ができない病気なの?」
梓「もしもし?」
梓「えっ、助けにきてもらいたかったらここにいる先輩たちの下着の色と形を詳しく教えろって?」
梓「そんなの聞けるわけ
梓「じゃあ唯先輩から……」
律「切り替えが早すぎる」
唯「ちょっと一回電話変わってもらえるかな」
梓「えっ、私が私の携帯で私の友人と話をしてるのに?」
紬「じゃあ通話をスピーカーに切り替えてみてくれる?」
梓「ちょっと言ってる意味がよくわかりません」
梓「四の五の言わずに早く下着の色を答えてください」
澪「あの子がそんなこと聞いてくるわけないだろ」
梓「私の知り合いなんだから変態に決まってるじゃないですか」
律「なんという説得力だ」
梓「口に出すのが恥ずかしいなら見せてくださいよ」
唯「もっとやだよ」
梓「澪先輩なんて自分から大勢に見せてたんですよ?」
澪「うるさいよ!!」
梓「助けにきてもらえなくていいんですか」
唯「もう適当に答えてあげたらいいじゃん」
梓「私は友達に嘘をつきたくないんですよ」
澪「嘘つけ!」
梓「私にだけチラッと見せてくれればいいですから」
唯「それが嫌なんだってば」
梓「減るもんじゃないのに」
唯「減らなきゃいいってものでもないんだよ」
梓「どうせタイツ穿いてるんだからちょっとめくって見せたっていいじゃないですか」
唯「今日は穿いてないから」
梓「ノーパンなんですか!?」 ウホッ
唯「そうじゃなくてタイツが
梓「じゃあなおさら見せてくださいよ!!」
唯「ああもう」
律「酔っぱらったオヤジかお前」
梓「もしもし?先輩たち嫌がってるんだけどどうする?」
唯「その電話してる振りはいつまで続けるつもりなの?」
梓「なんか今度は先輩たちの胸チラ写真を送ってよこせって言ってますね」
律「お前ちょっと携帯よこせ」
梓「じゃあ澪先輩、胸元をこうグイッと」
澪「できるか!」
梓「じゃあちょっと恍惚とした表情でダブルピースを」
律「もう完全にお前の趣味じゃねーか」
梓「もしもし? えっ? 今度は唯先輩のオナニーの頻度を聞けって!?」
唯「とうとう名指しになってしまった」
梓「助けにきてもらうためには仕方ないですよ」
澪「こっちの状況を全く伝えてないのに助けがどうこうって話はどっから出てきたんだ」
梓「あっ」
紬「まあそれはこの際どうでもいいとして、結局ジョンちゃんはここに来てくれるの?」
梓「家族がどうのこうのってあたりで電話を切られてしまったので何とも」 テヘペロ
律「テヘペロじゃねーよ」
澪「死ね!!」
梓「切られたっていうか私の携帯も充電切れてしまって」
律「途中から何と会話していたんだ」
澪「さっきから状況が何ひとつ好転しないな」
梓「近場に住んでるクラスメイトとか他に友達いないんですか」
澪「こんな時間に遠くから来てもらってわざわざ恥を晒せるものか」
梓「でもさっき純を呼べって凄い剣幕で」
澪「あの子はほら、なんか大丈夫そうだろ」
梓「ムギ先輩の家の奴隷たちは」
律「奴隷て」
紬「年末は家族で海外に行ってるから家には最低限の使用人しかいないの」
澪「そんなスネ夫くんみたいなことに」
紬「時間も時間だし、今残ってる奴隷も来れるかどうか……」
澪「奴隷って言うな」
律「っていうか憂ちゃんどこ行ったんだ?」
唯「和ちゃんのとこ」
律「じゃあ和に連絡とってみるか」
澪「誰ひとり生徒会長の連絡先を知らないってどういうことなんだよ」
律「お前もだろ」
唯「私は知ってるけど覚えてないだけだよ」 フンス
律「わかったから充電器を探しててくれ」
紬「2年生になってから同じクラスだったのに、澪ちゃんも知らないの?」
澪「登録してたはずなんだけど……」
梓「嫉妬深い幼なじみが生徒会長の連絡先を消去してしまったのでは」
律「してねーよ」
唯「本当は?」
律「ちょっとだけ」
澪「えっ」
澪「ちょっとだけってどういうことだ」
律「いや、1回だけだって」
梓「人の携帯見るとか最低ですね」
唯「ところであずにゃん、私が携帯にパスワードかけるようになった理由を聞きたい?」
梓「そんなことより早く助けを呼びましょう」
唯「私が自分の部屋にカギをかけるようになった理由も聞いてみたい?」
紬「胸が小さいと人間としても小さくなるのかしら」
澪「そういうガチな厄介ごとは警察で聞いてもらうとして、割と本気で助けを呼ぼう」
梓「警察を呼びますか?」
唯「自首するの?」
梓「そうじゃなくて救助を」
澪「恥ずかしすぎるだろ」
梓「恥ずかしいの好きそうじゃないですか」
澪「お前と一緒にするな」
梓「ライブ中にパンツ見せつけた時ってどんな気分だったんですか?
ステージの上でもベッドの上でもMなんですか?」
澪「その場にいた全員の眼球が破裂すればいいなって願ってたよ」
澪「今は小生意気な後輩が爆発すればいいなと思ってるよ」
澪「心から」
紬「まあ仮に眼球が破裂したところで女子高生が自ら見せた下着の柄は
その場にいた男たちの記憶に焼き付いてそう簡単に消えないけどね」
梓「むしろ視力を失う前の最後の光景として永遠に残りそうですけどね」
紬「不特定多数の男性の記憶の中で慰み者になり続けるのよ」
梓「どこで買ったんですかあの縞柄」
澪「うっさい、どこだっていいだろっ」
紬「どうなの?」
律「私が知るか」
梓「やっぱりしまむらですか?」
澪「やっぱりってなんだ」
梓「縞だけに」
澪「やかましい」
梓「澪先輩がMということは律先輩がSなんですね?」
律「ということはじゃねーよ」
梓「でも律先輩もよく殴られて興奮してるしMっぽいですよね」
紬「彼女たちは苦痛を伴うものしか愛と認めないのよ」
梓「ムギ先輩は公衆の面前で律先輩に引っ叩いて欲しいと懇願したっていうし、
唯先輩は札束で頬を叩かれると興奮するっていうし、軽音部はM女の集まりなんですか?」
梓「けいおん最高!!」
律「もう寝てろよお前」
澪「来年まで二度と目覚めるな」
梓「けっ、カマトトぶっちゃって」
律「まったく……」
澪「コイツの相手をしてると疲れるな」
紬「Mなのに?」
澪「うっさい」
最終更新:2015年12月28日 21:19