夏休み前!
唯「ねぇりっちゃん、今年は合宿しないの?」
律「そうだなー…」
紬「ウチの別荘なら大丈夫よ?」
澪「でも去年も使わせてもらったし…本当にいいのか?」
紬「ええ♪」
梓「ムギ先輩のお家って…」
律「ああ!すんごい金持ちなんだぞー!」
紬「そんなのじゃないわ」フフッ
「そうそう、今年は海か山のどちらか…」
承太郎「…海にしてくれ」
律「えぇーっ!?去年も海だったし今年は山だろ!」
唯「そうだよ!りっちゃんの言う通り!」
承太郎「…俺の言う事が聞けねぇっていうのか?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
律「あれ!何だか急に海に行きたくなったな唯!」ガクガク
唯「そ、そうだねりっちゃん!今年も海を満喫しよう!」ブルブル
澪(………)
律「そうと決まれば買い出しだな!」
梓「新しい機材でも買うんですか?」
澪「…水着だよ」
デパート!
律「という事で今年も留守番頼むよジョジョ!」
唯「すぐに戻ってくるよ!」
ダダダダッ
承太郎(…行ったか)
(…俺も買い出しに行くかな)
スタスタ
二時間半後!
澪「ごめんジョジョ!また遅くなった…って」
紬「承太郎君もお買い物してきたの?」
承太郎「ああ、少しだが」
律(全然少しじゃねーよ…袋が1m超えてね?何買ったんだ?)
梓「先輩は何買ったんですか?」
承太郎「…いずれ分かるさ」
合宿の別荘!
律「…去年より大きくなってないか?」
紬「ええ。去年のは小さい別荘だったから」
澪(あれで小さいのか…)
唯「うわー!ここの海もすっごく綺麗だね!」
梓「本当です!」
律「よし!じゃあ遊ぶか!」
澪「練習だ!」
律「また多数決とるか!?」
澪「のぞむところだ!」
律「遊びたい人ッ!」シュバッ
唯紬「は~い」
澪「3人か。という事は梓とジョジョはこっちか」
「…ってそういえばジョジョは?」
梓「あれ?そういえば見ませんね…」
律(またこのパターンかよ…)
律「また船にでも乗ってんじゃないのか?」
紬「それはないわ。この近辺の船は全部移動させたの」
澪「まさか…行方不明じゃないだろうな…」
唯「どうしよう、りっちゃん!」
律「なーに、あいつならひょこっと戻ってくるさ」
梓「そうだといいですけど…」
どこか!
承太郎「…」シュコー
夕方の浜辺!
唯「承太郎君帰って来ないね…」
律「本当だな…」
澪「…なあ、そろそろ本格的にヤバいんじゃないか?」
紬「警察を呼んだ方がいいかしら…」
梓「それも考えた方がいいかもしれませんね…」
「!」
「あ、あれ見てください!海から何かあがってきます!」
バシャバシャ
澪「ジ、ジョジョ!?」
律「1人で何してたんだよ!?」
唯「そうだよ!すっごく心配したんだよ!」グスッ
承太郎「…」ポイッ
ドサッ
紬「これは…」
梓「網一杯の…ヒトデですね…」 (3桁はありそう…)
律(…ていうかデパートの買い物はこれか…)
夕食の準備!
紬「買い出し戻ってきたわよ」
梓「お疲れ様です」
澪「じゃあ夕食作るか」
律「腹減った~…キャベツ食わせろー!」
承太郎「…構わないが…俺は知らないぜ」ヒョイッ
律「キャベツうめー!」ボリボリ
夕食!
唯澪律紬梓「いただきま~す!」
律「今回はバーベキューかぁ!」
唯「おいしそうだね!」キラキラ
梓(このおにぎり…絶対承太郎先輩が作ったのだ…)
(爆弾おにぎりみたい…)
澪「なあ、キャベツない?」
紬「あれ?買ったわよね?承太郎君?」
承太郎「ああ…しかし、無いという事は誰かが食ったって事だ。生のうちにな…」
「いいか…『生のキャベツ』を食った奴を発見する方法がある」
「それは…生のキャベツを食ったら…」
「額に血管が浮き出る」
律「えっ!」
承太郎「…」ニヤッ
唯「ほんと!?」
澪「嘘だろ!?」
承太郎「ああ…嘘だ」
「しかしマヌケは見つかったようだな」
唯澪紬梓「あっ!」
澪「りーつー…」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
律「えっ!?あいつ自分から渡してきて…」
澪「言い訳するな!」ゴンッ
律「いてっ!」プクッ
(あいつひでぇよ…)
夕食後!
律「花火しようぜ!」
唯「おーっ、いいね!」ワクワク
承太郎「…持ってきたぞ」ドスン
梓「うわっ!凄い沢山」
紬「楽しみましょうか♪」
キャーキャー ボンボーン
唯「やっぱり締めは線香花火だね」ジリジリ
澪「綺麗でいいよな…」ジリジリ
ジリ…ジリ…
承太郎(何ッ!?もう終わるだとッ!)
(クソッ仕方ねー。セコい手を使うかッ!)
バッ
承太郎「合体だッ!」ジュオッ
律「あー、セコいぞジョジョ!」
唯「こうなったら私達も合体しよう!」
唯律「合体!線香花火マン!」
承太郎「線香花火マンだか何だか知らねーが…俺は誰にも負けないぜッ!」バッ
律「何!?あいつ合計で10本近くあるじゃないか…」
唯「私達の負けだね…」シュン
承太郎「…フッ」
澪(いや…ドヤ顔されても…)
帰宅日!
梓「そういえば、ヒトデどうなったんですかね?」
律「さあ?毎日戯れてたんだろ」
ガタンゴトンガタンゴトン
駅!
承太郎「…おい」
唯澪律紬梓「?」
承太郎「…渡したいものがある」
「手を出してくれ」
唯澪律紬梓「??」サッ
承太郎「中身は家に帰ってから見てくれ」
田井中家!
律(楽しかったな…)
(でも…あと一回きりなんだよな…)
(そういえばジョジョから貰ったの開けてねーや。開けるか)
シュルシュル ポトン
律「!」ゾクッ
(干からびた…ヒトデ…)
ピロリロリン
律(メールか)
律(!)
(ジョジョから!?珍しいなー!)
(ん?それにみんなに一斉送信だ。何々…)
承太郎《俺の選りすぐりのヒトデ5匹をそれぞれに入れた。勿論自分の分はある》
《これが俺達の何らかの絆の証になればと思ったんだ》
《そして、提案なんだが、そのヒトデの形を俺達軽音部のトレードマークにしないか?》
律(フフッ…)
全くおかしな奴だ
私は了承のメールを送り、私達の絆を握り締めた。
第三部 完ッ
最終更新:2017年05月28日 21:54