#2-5.放課後の邂逅~平沢唯~
――高校生の頃から、私の毎日には音楽があった。
それは、今も変わる事なく続いていた……。
私が今でも私のままでいられるのは、きっと、音楽があったからだと思うんだ。
あの日、何かをしなきゃって思っていた私に応えてくれた音楽が。
何をしたらいいのか分からず、迷っていた私を導いてくれた音楽が。
あの頃の私を、みんなに会わせてくれた音楽が。
今の私を、あの子達に会わせてくれた音楽が。
私を、みんなと繋いでくれた音楽が私は……大好き―――!!
―――
――
―
その日、Poppin'Partyのメンバーもとい、花咲川女子学園高校2年の5名は、朝早くから電車に揺られ、花咲川から遠くの桜が丘へとやって来ていた。
今日の集合は、バンドの練習でもなければ、決して遊びに来た為でもない……学校の授業の一環として……である。
【桜が丘 駅前】
有咲「ふあぁぁ………眠……」
慌ただしく駅前を往来する人々を見ながら、欠伸混じりに有咲はぼやいていた。
有咲「しっかしなー……せっかくのテスト休みだってのに、なーんで職場体験なんてやんなきゃいけねーんだ?」
たえ「仕方ないよ、日数調整の結果、そうなっちゃったみたいだしさ」
りみ「でも、私は嬉しいなぁ、ポピパのみんなで職場体験、楽しみだったんだっ」
沙綾「しかも、幼稚園の職場体験なんてね……ふふっ、私も楽しみにしてたんだ」
たえ「有咲は、楽しみじゃなかったの?」
有咲「べ、別にそんな事言ってねーだろ……つか……香澄のやつ、遅っせえな……」
照れ隠しにそっぽを向く有咲だった、その時である。
声「ごめーーん! みんな、お待たせー!」
人波を掻き分け、一際元気な声が有咲達の耳に届く。
確認するまでもなく、それが戸山香澄の声だと言うことを、その場の4人は理解していた。
有咲「遅いぞ香澄……って、なんでお前ギターなんか持って来てんだよっ!?」
叫ぶ有咲の目線の先……そこには、肩で息を切らす香澄と、そんな香澄に背負われた、香澄愛用のギターが目に留まっていた。
香澄「いやー、持って来るのに時間かかっちゃって……」
有咲「だからって……そんなもん普通は持って来ねえだろ……邪魔になるとか考えなかったのかよ」
沙綾「まぁまぁ……確かに、案内にも、具体的に何を持ってくるかまでは明記されてなかったもんね」
沙綾が先日配られたプリントを見ながら言う。
そこには『幼稚園に職場見学に行く生徒は、エプロンを一着と、園児と一緒に遊べるものを一つ持って来て下さい』という一文が添えられていた。
香澄「幼稚園の子たちと一緒に遊べそうなものって言えばこれしか思い浮かばなくて……みんなは何持ってきたの?」
りみ「私は……小さい頃に、よくお姉ちゃんと一緒に遊んだお絵かきセットを持ってきたんだー」
沙綾「私は弟達が小さい頃に遊んでたオモチャをいくつかね、だいぶ古いけど、まだ遊べると思うよ」
たえ「私は、ウサギのお人形さんセットを持ってきたの、『ゴルドニアファミリー』……すっごく可愛いんだよ」
有咲「昔、婆ちゃんによく読んでもらってた絵本があったから、私はそれを持ってきた」
香澄「みんな偉いね……ちゃんと準備してたんだ……」
各自、きちんと準備をしていたことに感心する香澄だった。
有咲「へっ、香澄のことだからどうせ、準備のことなんかすっかり忘れて……んで、今朝になって慌てて用意したってトコなんだろうけどな」
香澄「有咲すっごーい! ねえねえ、なんで分かったの?」
有咲「お前のことだからなんとなく分かるんだよっ!」
たえ「ふふっ、有咲は香澄のこと、何でもお見通しだね」
有咲「だーーー! うっせー! いいから早く行くぞ!」
赤面し、照れ隠しに叫ぶ有咲。
そんな有咲に続き、歩を進める4人だった。
【桜が丘幼稚園】
駅から歩いて数分、プリントに記載された地図を頼りに、香澄達5人は目的地の幼稚園へと到着していた。
まだ開園の時間には早いのか、園内には教員の姿しかおらず、建物の中はがらんと静まり返っている。
静かな園内を通り、職員室へと案内された香澄達は、幼稚園の先生達に向け、挨拶をしていた。
香澄「花咲川女子学園高校から来ました、今日は職場体験でお世話になります、よろしくお願いしますっ」
一同「よろしくお願いしまーす!」
園長「はい、お話は伺っておりますよ、こちらこそよろしくお願いしますね」
園長と見られる教諭に挨拶を交わし、香澄達は自己紹介をする。
――そして。
園長「それでは、今日一日、皆さんの担当をさせていただく先生です、平沢先生、どうぞよろしくお願いします」
声「はーいっ」
園長の声に合わせ、一人の女性がデスクから立ち上がり――。
唯「
平沢唯です、今日一日、よろしくお願いしまーすっ」
茶髪をボブカットに切り揃えたエプロン姿の女性……
平沢唯は香澄達の元へと向かい、自己紹介をする。
香澄「戸山香澄ですっ、平沢先生、今日はよろしくお願いしますっ」
たえ「花園たえです、今日一日、お世話になります」
りみ「牛込りみです、よろしくお願いしますっ」
沙綾「山吹沙綾です、平沢先生、こちらこそよろしくお願いします」
有咲「市ヶ谷有咲です、こちらこそよろしくお願いします」
園長「では平沢先生、彼女達のことをよろしくね」
唯「はいっ! かしこまりましたっ」
園長の声に元気な返事をし、唯は準備に取り掛かる。
そんな唯の様子を見て、香澄達は口々に言葉を投げ合っていた。
香澄「平沢先生、すっごく優しそうな先生だねー」
沙綾「うんうん、子供に好かれそうな感じがするね」
りみ「ほんわかしてて、暖かそうな先生だね……」
たえ「うん……今日一日、すっごく楽しくなりそう」
有咲「あの人、私達より年上だよな……なんか、全然そんな雰囲気しないんだけど」
園長「では平沢先生、園児が来るまでに、このプリントをあの子達に配っておいてね」
唯「あ、はーい……ん?」
唯がプリントを園長から受け取ろうとした時……ふと、香澄達の視線に気付く。
その目線がプリントの束から香澄達に向けられた時だった。
余所見をしたせいもあり、手渡されたプリントが床に落ちていた。
唯「ああー、すみませんっ!」
有咲(テンポ悪っ……)
園長「あらあら……大丈夫?」
唯「はい……えっと、あと1枚……」
デスクの下に滑り込んだプリントを拾い、唯が立ち上がろうとした時。
――ごちんっ
唯「あいたっ!」
小気味の良い音と共に、デスクに頭をぶつけていた。
有咲「しかもドジっ子……あんなんで本当に大丈夫なのか……職場体験」
唯(何か……前にもこんな事あったような気が……)
頭を擦っては目元に涙を浮かべつつ、ふと昔の事を思い返す唯だった――。
―――
――
―
【空教室】
唯「えっと、それじゃあ園児たちが来るまでの間に、色々と説明しとこうと思うんだけど……」
プリントを手に説明を始めようとしたその時、ふと、唯の目線が香澄のギターに止まる。
唯「その大きな荷物は……もしかして、ギター?」
香澄「はいっ! 子供たちと遊べそうな物を持ってくるようにって言われたので、持ってきたんです」
唯「ふふっ、そうなんだ……」
ふと、ギターを見つめながら唯は言葉を止める。
そんな刹那の静寂の中、有咲が香澄に向けて言葉を放っていた。
有咲「それ見ろ、あんなでっかい荷物、やっぱり邪魔だったんじゃねーか?」
香澄「ううぅぅ……だ、ダメだったのかなぁ」
唯「あ、ううん! そんなんじゃないよ、戸山さん、ギターやるんだね」
香澄「はい……」
やや落ち込んだような顔で唯を見る香澄だった。
そんな香澄に向け、唯は微笑みながら言葉を返す。
唯「もし良かったら、あとでみんなの前で弾いてみてくれないかな? 楽しみにしてるね♪」
香澄「あ……は、はいっ!」
たえ「なんか、大丈夫みたいだね」
有咲「…………」
それから唯により、プリントを元に幼稚園の一日の流れや、施設の案内を進められること数分。
程なくして、通園する園児達の出迎えの時間が迫っていた。
唯「じゃあ、荷物はここに置いて……まずは、幼稚園に来る子供たちのお出迎え、行ってみよっか?」
香澄「はーいっ!」
唯に連れられ、持参したエプロンを身に着けた香澄達は正面玄関へと向かう。
広い玄関先には、バスの送迎で来園した園児の他、保護者に手を引かれて来る園児など、既に多くの園児と教諭達とで溢れかえっていた。
園児A「せんせー、おあよーございます」
唯「はーい、陸くんおはようーっ」
園児B「ひらさわせんせー、おはよー!」
唯「うん、海くんおはよー! 今日も元気だねー♪」
園児C「ゆいせんせー! きょうもおうたのじかん、ある?」
唯「うんっ! 空くんの大好きなお歌、今日もやるよー! 楽しみに待っててねっ♪」
沙綾「……………………」
りみ「……? 沙綾ちゃん、どうかしたの?」
沙綾「えっ……? あ、ううん……別になんでもないよ」
多くの園児がまず最初に唯に駆け寄り、元気な挨拶をしていた。
その光景から、唯が多くの園児から慕われているということが香澄達にも伝わって来る。
香澄「平沢先生、子供たちの人気者なんだねー」
沙綾「うんうん、みんな、先生の事が大好きなんだってのがよく分かるよね」
唯「ほら、よかったらみんなも挨拶してあげて?」
香澄「はいっ! みんなー! おっはよーっ!」
沙綾「おはよー! みんな、今日はよろしくねー!」
りみ「おはよー、みんな元気だねー」
たえ「おはよー、ふふっ……みんな可愛いなぁ」
有咲「なんか……こういうの照れるな……」
園児D「ねえねえ、おねえちゃんたち、だーれー?」
唯「お姉さんたちはねー、今日、みんなと遊びに来てくれたんだー」
園児D「ふーん、そーなんだ、おねえちゃんっ! おはよーっ」
園児の一人が有咲に向け、元気な挨拶をする。
有咲「お、おはよー」
無邪気な笑顔の園児に対し、有咲もまた、笑顔を作って挨拶を交わす。
その時だった……。
園児D「ていっ」
――むにっ
突如、無防備な有咲の胸目掛け、園児の手が伸ばされる。
有咲「ひゃっ…………! な、ななななななな何を!?」
反射的に触られた胸を両手で抑え、赤面する有咲。
そして、その小さな手に残った感触を確かめるようにして、園児は一言呟く。
園児D「ママよりもおっきい……」
唯「こーらー、だめでしょそんな事したらっ」
園児D「へへーん、ゆいにはやってやんないよーだ」
唯「も~、また先生を呼び捨てにしてー、まちなさーーい、お姉さんにあやまりなさーいっ」
園児D「やーだよーっ」
そして逃げるように園児は走り出し、教室へと駆けていく。
後には、まだ硬直して動けない有咲と、やれやれと言った風な顔で園児を見る唯が残されていた。
有咲「ま、まったく……とんでもねーエロガキだな……」
唯「市ヶ谷さんごめんね……あの子、すっごいいたずらっ子で……気を悪くしないであげて?」
有咲「い、いや……別に平沢さんのせいじゃないですし……」
有咲(はぁ、子供……苦手になってきた……)
そして、有咲の状況を近くで見ていた香澄達が有咲に駆け寄り……。
りみ「有咲ちゃん、大丈夫?」
沙綾「いやー、有咲、一本取られたね」
たえ「有咲、元気出して」
香澄「あはははっ、やんちゃな子だったね」
有咲「香澄……笑ってるけどお前もいっぺんやられて見ろ、すっげえ恥ずかしいんだぞっ!」
香澄「ふっふっふ……じゃあ、私が触って上書きしてあげよっか? なんてねっ♪」
有咲「マジで殴るぞ香澄いいいいいい!!!」
香澄達にからかわれた事で緊張も解けたのか、いつも通りの感じに戻る有咲だった。
有咲「大体な、近くにいたんなら助けろってえの!」
りみ「あ、あの、ごめんね有咲ちゃん、すぐに行けなくて……」
沙綾「いや、別にりみりんは悪くないでしょ?」
たえ「有咲……いくら有咲のお願いでも、小さい子相手にそんなひどい事できないよ?」
有咲「おたえは一体何を想像してんだよ!」
香澄「もー、有咲もそんな怒っちゃやだよー」
――そんな5人を見て、ふと唯は思う。
唯(ふふふっ……この子達……凄く懐かしい感じがするなぁ)
お揃いの制服を着てふざけあい、また笑いあう5人の姿に、かつての自分達の姿が映って見える。
きっと、私もあの子達と同じぐらいの頃、あんな感じで笑い合っていたのだろう……と。
そんな事を考える唯だった。
園児「ゆいせんせー、あのおねーちゃんたち、すっごくおもしろいねー♪」
唯「……うん、そうだねぇ」
香澄達の姿を微笑みながら見つめる唯、そして……。
唯「さあ、みんな、そろそろ教室に行こっか!」
一同「はーいっ!」
唯の声が玄関内に響く。
彼女達の職場体験はまだ、始まったばかりであった。
―――
――
―
【教室】
唯「はーい、みなさーんちゅうもーく! 今日は、遠くの花咲川から、お姉さんたちが遊びに来てくれましたっ」
およそ20名ほどの園児達が集まる教室に、唯の元気な声が響き渡る。
そして、改めて園児に向け、香澄達の紹介がされていた。
香澄「みなさんこんにちわー! 今日一日、よろしくお願いしまーす!」
園児達「よろしくおねがいしますっ!」
香澄の明るい声に負けないぐらいの元気な声が響き、教室内に活気が宿る。
そして……。
たえ「これからの時間は何をすればいいんですか?」
唯「今からの時間は、みんなのお昼ごはんの時間まではお遊戯の時間なんだ」
沙綾「今からだと……だいたい2時間ぐらい……ですか、この予定表だと」
唯「うん、それで、お昼ご飯が終わったらお昼寝の時間があって、そこで職員の休憩の時間になるんだ」
有咲「じゃあ、昼食はその時に取るって感じになるんですか?」
唯「うん、そうだね。もちろん、その間に連絡ノートを書いたり、午後のお遊戯の準備をしたりもするんだけど」
りみ「大変なんですね……休憩っていっても、あんまりのんびりできなさそう……」
唯「まぁねー、でも、慣れちゃえば割と早く終わるんだけどね」
沙綾「次の仕事に備えて空き時間を使って効率的に……か、ウチのお店もよくやるから、やっぱどこも一緒なんですね」
香澄「それを一人でやるって、やっぱり、幼稚園の先生って大変なお仕事なんですね」
唯の働きっぷりに関心の声を上げる香澄達だった。
それから程なくし、唯の号令に合わせて園児達と香澄達は動き出す。
唯「じゃあ、牛込さんと花園さんはペアであっちの子たちと遊んであげて……山吹さんと市ヶ谷さんは向こうの子たちをお願いね」
たえ・りみ・沙綾・有咲「はいっ!」
香澄「平沢先生、わ、私はどうすればいいですか?」
唯「うん、戸山さんは、私と一緒にお歌のお手伝い、してもらってもいいかな?」
歌の手伝いという言葉に香澄の眼が一瞬煌めく。
香澄「わぁ……じゃ、じゃあ、私、ギター持ってきてもいいですか?」
唯「うん、お願い。……あ、もし良かったら、アンプもあるんだ、私の私物だけど、使ってみる?」
香澄「えっ!? いいんですか??」
有咲「つーか、なんで幼稚園にアンプがあるんですか……?」
唯「いやー、実は、私もたまーに演奏するんだよねぇ」
一同「……え? ええええ???」
ギターを弾く素振りをしつつ、照れながらも唯は答える。
その返答に5人の目が点になり、相次いで言葉が投げかけられていた。
香澄「もしかして、平沢先生もギターやるんですか?」
唯「うん、まぁね~」
沙綾「そういえば……SNSに……あああった、桜が丘幼稚園のアカウント、ほらこれ見て」
沙綾「このギター演奏してる動画……これ、平沢先生じゃない?」
沙綾がスマートフォンの動画を再生させる。
そこには、軽快にギターを弾き鳴らす唯に合わせ、元気に歌を歌う園児達の様子が撮影されていた。
たえ「すごい……上手な演奏……」
りみ「うんうん、園児のみんなも、楽しそうに歌ってるねー」
香澄「そっかぁ、平沢先生、ギターやるんだ……」
唯「うん、だからさっき戸山さんがギター持ってきたの見て、つい嬉しくなっちゃってさ」
香澄「あ、ありがとうございますっ! 平沢先生!」
唯「うふふっ……じゃあみんな、お願いね」
一同「はーい!」
唯の言葉に従い、それぞれがペアを組み、園児達の元に駆け寄る。
こうして、香澄達の職場体験実習は始められるのであった。
―――
――
―
りみ「みんな、おえかきセット持ってきたんだぁ、私と一緒にあそぼっ」
園児「うんっ! おねーさんとあそぶー♪」
りみ「わぁーっ……この子達、めっちゃ可愛い……」
園児「おえかきよりもにんじゃごっこやろーよ! おねーちゃんもやろー!」
りみ「ええぇぇ、あ、あの、おねーさん、忍者ごっこなんてやったことないよ~」
たえ「みんな、ウサギさんは好きかなー?」
園児「うんっ! うさぎさん、だーいしゅきっ♪」
たえ「今日は、みんなの好きなウサギさんをいっぱい持ってきたんだぁ」
園児「わぁ~~、かーわいいーっ」
たえ「ふふっ……持ってきて良かった」
園児達「…………」
沙綾「あ、ええと……陸くん、海くん、空くん……だっけ? 良かったらおねーちゃんと一緒に遊ばない?」
陸・海・空「うんっ♪」
沙綾(……何だろう、この子達、初めて見るのに他の子達とは違う……凄く、すごく不思議な感じがする……)
陸・海・空「おねーちゃん! なにしてあそぶのー?」
沙綾「うん……そうだね、えっと……」
有咲「さすが沙綾だな……すげえ手慣れてる……」
園児「ねーねーおねーちゃん、がいこくのひと?」
有咲「えっ……?」
園児「だって、かみのけきんいろだし、おっぱいおおきいし……」
有咲「……っど、どこ見てんだよっ!」
園児「あははっこのおねーちゃん、おもしろーい!」
園児「あったかくていいにおーい! おねえちゃん、いっしょにあそぼー!」
有咲「ひゃっ! ちょ、ちょっと! うぅ、急に引っ張るなって……」
沙綾「あははっ! 良かったねー有咲、大人気じゃん♪」
有咲「さーあーやー! 笑ってないで助けてくれえええ!!」
唯「うん、みんなも大丈夫そうだね……じゃあ、みんなー! お歌を始めるよー!」
園児達「わーーいっ!」
唯「戸山さん、準備はどう?」
すっかり子供たちと打ち解けている他の4人の姿に安心し、唯は音を確認している香澄に問いかける。
そしてしばらく、演奏の準備を終えた香澄が唯に向けて告げた。
香澄「お待たせしました、いつでも行けます!」
唯「じゃあ、戸山さんは私のオルガンに合わせて、演奏お願いね」
香澄「はいっ!」
唯「はーい、じゃあみんなー、カスタネットの人はいつものとおり、『うんたん♪』のリズムで叩いてねー」
園児達「はーいっ!」
園児「……うん、たんっ♪ うん、たんっ♪」
唯「あははははっ、そうそう、そんな感じでねー」
唯「お歌を歌う人は、大きな声で歌おうねーっ」
園児達「はーいっ!」
準備が整ったのを確認し、唯は香澄に問いかける。
最終更新:2019年12月15日 07:54