今日は軽音部のみんなで初詣。
年が明けて見る街は本当に新鮮だ。
なんだか、空気が丸くなった気がする。
年が明けて見る律もきっとかわいいに違いない。
律の部屋にあったパンツをハンカチのように折りたたみ、口元にあてながらそんなことを考える。
いい匂い…。もはやアロマと言っても過言ではないだろう。
もうすぐ神社。名残惜しいけど…少し…お別れ。
ちょっと待っててねパンツ。
ホカホカのパンツをもうすぐ拝めるんだけどね。
「みーおー」
いた。今年もかわいい。ブルーのパーカーに白のセーター。かわいい。
しかも、下はホットパンツと黒のタイツ。黒タイツ…。神様お年玉をありがとう。ついでにタイツも下さい。
…やっぱり後で直に嗅ぐからいいかな。
私と律は恋人同士なんだし雛始めなんて言葉があるんだから、初詣が終わった後は…。
「私が一番のりだぜー!エッヘン」
威張る律かわいい。エッヘンとか自分で言っちゃってマジかわいい。
「こら!新年のあいさつが先だろ?明けましておめでとう。今年もよろしくな」
「あはー。ごめんごめん。今年もよろしくぅ♪」
「澪先輩!律先輩!明けましておめでとうございます!」
「おおー!梓!今年もちっちゃいな~」
「おめでとう梓」
「律先輩も人のこと言えませんよね?」
「中野ぉー!」
「きゃー!」グリグリ
「うふふふふふ」
「ムギ?!」ズザッ
「明けましておめでとう。新年から素敵なお年玉ありがとう。」
「明けましておめでとうございます。ムギ先輩」
「あ、私に構わず続けて」
「おい」
「の、残るは唯先輩だけですね」
「唯ならもうすぐ来るだろ。さっきメールで「お~は~よ~ー」
「ほらな」
「えへへー。みんな明けましておめでとー」
「唯先輩遅いです!何してたんですか?!」
「あーん。あずにゃんごめーん。」ギュー
「もう…。人前ですよ」
「ほっほぅ。人前じゃなければいいのかにゃ?梓ちゃんは~?」
「違います!」
「うふふふふふふふふふオゥフふふ」
「とーにーかーく!唯先輩は何してたんですか?」
「んとねー。窓が曇ってたから絵を書いてたら夢中になっちゃって~」
「子供か!」
「おみくじやろうぜおみくじ!」
「私大凶出すのが夢だったの~」
「どんな夢ですか…」
「私は頑張って大吉出すよ」フンス
「お参りが先だろ…」
「「「あ…」」」
「今年は奮発して500円いれるよ!」
「あら?そんなにお願い事があるの?」
「さわちゃんの分もだよ~」
「おーい!順番来たぞ」
真剣にお願いする律を横目で見る。
タイツいいな…。律のスレンダーな足にピッタリだ。足に顔をうずめて深呼吸したい。律のはき出す息を吸い込みたい。涙ペロペロしたい。真っ赤な耳ハムハムしたい。後で全部やるけど。
…黒タイツは今度律の家から拝借しよう。
「今年はギター上手くなるようお願いしました!」
「叶うといいわね~」
「なら練習あるのみです」
「まあまあ、あずにゃん。そう言わずに」
「私は梓のためにお願いしたけどな~」
な に ? !
「何ですか?律先輩らしくない」
「かわいい後輩のためさ!なんてったって部長なのだから!」
「りっちゃん隊員…!」
「唯…!なにも言うな!」
「りっちゃんステキね」
「よせやい!ムギ」
梓のため?梓のため?
あ ず さ の た め ?
「梓にかわいい後輩ができるようにお願いしたのだよ!」フフーン
「あ?」
「澪ちゃんが怖い」
「律先輩…」ジーン
「よかったじゃないか梓」
梓の肩に私はそっと手をのせた
「澪せんぱ…」
ギリギリギリギリギリギリ
「!痛い痛い痛い!肩が!もげる!もげる!」
「よかったな~。律にわざわざお願いしてもらえて」
「もげます!もげます澪先輩!」
「澪なにしてんだよ!」
「チッ…」
「ううう…」
「大丈夫?あずにゃん」
「澪ちゃんってば嫉妬深いのね~」
「問題そこか?」
「うぅーまーいーぞぉー!」
「なんですかそれ?」
「さわちゃんの家にあった漫画なんだ~。あずにゃん知らない?」
「焼きそばもうまいぞ~!」
「ムギ先輩まで?!」
「あたし次リンゴ飴買おーっと♪」
(皆さん自由すぎる!)
嗚呼…
リンゴ飴食べる律の唇ペロペロしたい。むしろ律の全身ペロペロしたい。今トイレに連れ込んだら怪しまれるかな?そこら辺の草むらでもry「うわっと!」
肩に衝撃。律の背中。ふわり。律の香り。
「ごっめん澪!大丈夫か?」
小さな律は人ゴミに押されたのだろう。
「気をつけろよ」
そう言いつつ、律に悟られないよう律の髪に顔を近づけ息を吸い込む。
「あずにゃんサイコメ〇ラーエイジって知ってる?」
「なんですか?急に」
「だって澪ちゃんが〇イコメトラーエイジの黒い人になってるんだもん」
「それ面白いの?」
「今度ムギちゃんに貸してあげるね」
「やったぁ~。ありがとう」
すぅううう!はぁああ…すぅううううう!いい匂いいい匂いいい匂いいイイイイ匂イイイ!
(?なんか頭スースーするような…)
「人間の舌ってあんなに伸びるんですね」
「あの顔サイコメトラーエイ〇で見たことあるよ~」
「サイコメトラー〇イジって黒くて変な顔する人ばかりなの?」
帰り道!
「なあ律。カラオケ行かないか?」
「へー。めずらしいじゃん。澪がカラオケなんてさ」
「それはほら…新年だし…その…な…あれから1週間もたつし…」
「?…は!かか帰る!」
「まあまあ」グッ
「行かないっつーの!」ズルズル
「まあまあまあまあ」
「聞けー!」ズルズル
カラオケ!
「予約してた秋山です!」キリッ
「秋山さーっすねーVIPルームになりゃーすがよろしいかっすかー?」
「はい!」
「予約してたのかよ…//」
「あざー!ご案内いたしゃー」
ドア「今からお楽しみですね」バタン
「/////」
「…」
「やっぱり帰る!」
「私、明かり、消す、防音、大丈夫」
「なんでカタコトなんだよ」
「6時間で終わるから!」
「長いわ!」
「こっちは律のタイツ嗅ぎたくてずっと我慢してたのに!?」
「変態か!」
「ホテルの方がよかった?!」
「そーゆー問題じゃ…ひゃぁあ!」
「ああああ律ぅ律ぅ」スーハースーハー
「ちょ!足くすぐった!やめ!わっ」グラッ
ドサッ
「はぁはぁはぁ」
「澪!落ちつけ!早まるな!」
「タイツタイツタイツ」スーハースーハー
「だから聞け!」
「律ぅううう」クンカクンカクンカクンカクンクン
「おい!澪!なんか黒くなってる!サイコな犯人みたいな顔になってる!」
「うん!律は最高だもんな!」
「…もう駄目だこの澪…早くなんとかしないと…」
「ところで今日タイツ洗っちゃうのか?」
「なんだいきなり」
「律のタイツ(アロマ付き)貰っていいかな?うん、いいよ。そうか!ありがとう!」
「何も言ってねぇよ!」
終劇
おまけ
「わかった!わかったからちょっと待て!」
「焦らしプレイか?散々焦らしたくせに焦らしプレイか?!」
「トイレだよトイレ!さっきジュース飲んじゃったからさ…」
「 」
「別にもう逃げないって…////」
「律…」
「…いや…どけよ」
「それはお年玉だよね?いや、ご褒美かな」ニッコリ
「はい?」
今度こそ終劇
最終更新:2013年01月06日 01:31