唯「うーん……」カリカリ

梓「…………」カタカタ

唯「あずにゃん、辞書取って~」

梓「あ、はい」

唯「えーっと……」カリカリ

梓「……お茶飲みます?」

唯「ありがとー!」

梓「あ、唯先輩ここ重複表現になってますよ?」

唯「え!?ほ、ほんとだ……」

梓「点数引かれるから気をつけないと駄目ですよ?」

唯「ああ~、またやり直しだよ~」

梓「…………」カタカタ

唯「…………」カリカリ

梓「…………」カチカチ

唯「ねぇ、音楽かけてもいい?」

梓「別にいいですけどさっきも一緒に歌ってましたし、却って集中できなくなるんじゃないですか?」

唯「うー……」

梓「もう!先輩は集中力が無さすぎです!あともうちょっとなんだから一気に終わらせちゃえばいいじゃないですか!」

唯「そうは言うけどさぁ……」

梓「必須科目だから明日までに提出しなきゃ単位貰えないどころか留年なんですよ?ちゃんと分かってます?」

唯「あ!でもそうなったら今度こそあずにゃんと同級生になれるね!」

梓「大学の場合は十分あり得るんで、そういう洒落にならない発言しないで下さいよ……」

唯「わ、分かってるよ~、私だって頑張ってるんだよ~、でももう夜中過ぎてるし眠いんだよ~」

梓「さっきも仮眠取ったじゃないですか?」

唯「でもでもちゃんと寝てないんだもん!眠いんだもん!」

梓「まったく、私の方はもうそろそろ終わっちゃいますよ?」

唯「あ!じゃあさ、終わったら何かご褒美くれるとかなら頑張れる気がするよ!」

梓「え~、私がですか~?」

唯「あずにゃん以外に誰がいるのさ!?」

梓「もう、しょうがないですね……。で、何が欲しいんですか?」

唯「君が欲しい!」バッキューン

梓「はいはい……」

唯「も~、反応悪いなぁ~」

梓「あんまり無理な要求はしないで下さいよ?」

唯「じゃあケーキ食べたい!」

梓「別にそれくらいならいいですけど、今からじゃ無理なんで明日でもいいですか?」

唯「う~ん、それだとやる気が……、終わってすぐに貰えるものじゃないと……」

梓「めんどくさいですねぇ……」

唯「あ!はいはい!決めました!」

梓「なんですか?」

唯「終わったらご褒美にちゅーして下さい!」

梓「え~……」

唯「ちょ、ちょっと!そんなに嫌そうな顔されると傷つくよ!?」

梓「まぁ、別にいいですけど……。でも、それくらいいつもしてるじゃないですか?」

唯「分かってない!あずにゃんは全然分かってないよ!いい?好きな人とのちゅーはいつだってそれだけで幸せになれるんです!」

梓「あの……、真顔でそんな風に力説されると流石に恥ずかしいんですが……///」

唯「よーし!頑張るぞー!!」

梓「は、はぁ、じゃあ頑張って下さい……」

唯「…………」カリカリカリカリカリカリ

梓「…………」カタカタ

唯「…………」カリカリカリカリカリカリ

梓「…………」カタカタ

唯「………………よし!」

梓「え?」

唯「終わったーー!!!!」

梓「ええ?も、もうですか!?」

唯「元々あとちょっとだったからね!」

梓「ちょ、ちょっと見せて下さい」

唯「うん、いいよー」

梓「うわ……、本当に終わってる……」

唯「えっへん!」

梓「なんで最初からそれができないんですかね……」

唯「てへっ☆」

梓「私もこれで終わりなんでちょっと待ってて下さいね」

唯「はーい」

梓「……よし、後は保存して終了っと」

唯「あずにゃんもお疲れ様でした!」

梓「はい、流石に疲れましたね」

唯「えーと……、それで……、その……、ご褒美の方なんですけど……///」

梓「はいはい、分かってますって……」

唯「よ、よろしくお願いします!!」

梓「目、閉じてて下さいね……」

唯「う、うん……」ドキドキ

梓「………………ちゅっ」

唯「あ、あれ……?」

梓「はい、お終いです」

唯「え?い、今ので終わり……?」

梓「そうですよ?」

唯「ほっぺ……」

梓「場所の指定はありませんでしたよね?」

唯「ひ、ひどいよー!」

梓「次からはちゃんとどこにして欲しいかも言って下さいね?」

唯「うぅー……、あずにゃんのいじわる……」


梓「うわっ……、もうすぐ三時ですね……」

唯「でもなんか目が覚めてきちゃって眠くなってきたみたいだよ!」

梓「ああ、なんか眠いの通り過ぎるとむしろテンション上がったりしちゃいますよね」

唯「うう~、指が痛いよ~」

梓「唯先輩もパソコン買ったらどうです?今時レポート手書きだなんて珍しいですよ?」

唯「あずにゃん……、私はもうパソコンでレポートは一生やらないって心に決めたんだよ……!」

梓「どうしてです?」

唯「だって!だって!!せっかく全部書いたのに保存しないまま終了したら全部消えちゃうんだもん!」

梓「そりゃ当たり前ですよ」

唯「そのおかげで私がどんだけ大変な目にあったか!」

梓「どう考えてもそれ先輩の自業自得じゃないですか……」

唯「頭の中で考えてる事が全部そのまま形に出来る機械とか発明されたらいいのにね~」

梓「なんかSFみたいな話ですね」

唯「そしたら私がどれだけあずにゃんの事が好きなのか分かってもらえるのに!」

梓「唯先輩の考えが全部形になったら何か色々と凄い事になりそうで怖い気もするんですけど……」

唯「もう!失礼しちゃうなぁ!こんなに愛してるのに!」ギュー

梓「それはともかくとして、これからどうしましょう?寝ちゃいます?」

唯「全然眠たくない!!」

梓「私も途中で少し寝たりしたせいかあんまり眠くないですね……」

唯「あ、でもお風呂は入りたいなぁ」

梓「結局二人で寝過ごして入れませんでしたもんね……」

唯「寮のお風呂はもう終わっちゃったもんねぇ」

梓「髪だけ洗ってきます?」

唯「うーん、出来れば体もちゃんと洗いたいんだけど仕方無いもんねー」

梓「あ、じゃあ今から銭湯にでも出かけます?」

唯「え?こんな時間にやってたっけ?」

梓「あれ?知りませんでした?あそこの銭湯は今月から24時間営業になったんですよ」

唯「そうだったんだ!行きたい行きたい!」

梓「明日の授業は二人とも午後からですし、お風呂行ってきてから寝ても間に合いそうですしね」

唯「うん!行こ行こ!」

梓「それじゃ一旦着替えとかお風呂の準備してきますね」

唯「こっちも支度しておくねー」

梓「はい、十分くらいで戻りますから」ガチャ

唯「はーい」

唯「……さて、私も準備しよ~」

唯「タオルとバスタオル~♪石鹸にシャンプ~♪」

唯「あ、下着はせっかくだしこの前買ってきた大人っぽくてカッコイイの持ってこうっと!」

唯「あずにゃんに見られちゃうしね~///」

唯「よし!こんなもんかな!」

梓「お待たせしました」ガチャ

唯「私も準備出来たよ~」

梓「じゃあちゃっちゃと行きましょうか」

唯「あ、寮の鍵持ってくね」

梓「私も持ってきてますよ?」

唯「あれ?そう?」

梓「だって唯先輩に任せたらどこかに落として入れなくなったりとかありそうですもん」

唯「もー、私だってそこまでドジじゃないよー。……あれ、鍵どこに置いたっけ?」

梓「ほら、やっぱり……」

唯「おっかしいなぁ……、この辺りにあるはずなんだけど……」ゴソゴソ

梓「鍵とか貴重品はTVの脇だって言ってるじゃないですか」

唯「あ、そうだったそうだった!えへへ……」

梓「もう!しっかりして下さいよ~」

唯「お待たせ~。それじゃ行こっか?」


唯「あずにゃんと~♪おっふろ~♪」

梓「足元暗いですし転んだりしないで下さいよ?」

唯「うわー、星が綺麗だねー」

梓「ほんとですね、なんだか夏フェスに行った時を思い出します」

唯「あの時も綺麗だったねぇ……」

梓「まだ二人とも高校生でしたし懐かしいですね……」

唯「あ!そうだ!あずにゃん今度高校の制服着てよ!」

梓「い、いきなりなんですか!?嫌ですよそんなの……」

唯「だって制服姿のあずにゃん可愛いしさ~」

梓「今更着たらなんちゃって女子高生になっちゃうじゃないですか?」

唯「大丈夫大丈夫、あずにゃんはあの頃と全然変わらないから通用するってば~」

梓「そんな風に変わらないって強調されるのも複雑なんですけど……」

唯「あの頃も今もずっと可愛いまんまだよ~」ナデナデ

梓「そりゃ、どうもですけど……///」

唯「そういえばさ、小さい頃ってこんな真夜中の時間があるかどうか信じられなかったよね~?」

梓「どういう意味です?」

唯「だってその時間って寝ちゃっててどんな世界なのか分からなかったもん」

梓「あー、なるほど……」

唯「寝ないで確かめようと思って何回もチャレンジしたけど結局いつも途中で寝ちゃってさ~」

梓「私もタバコやお酒みたいに深夜は子供は起きてちゃ駄目って法律で決まってるんだって思ってたりしました」

唯「あははは。でも、そう思ってたのに今はこんな風に好きな人と一緒に外で歩いてるなんて、なんだか不思議な気分だよね~」

梓「それだけ私達も大人になっちゃったって事なんですかね」

唯「そうだねー」

梓「ま、唯先輩はまったくこれっぽちも大人じゃないですけどね」

唯「えぇ~?これっぽっちも~?」

梓「はい、私が保証します」

唯「ちょ、ちょっとくらいは大人っぽくなったかな~?とか思ってくれないの!?」

梓「うーん…………、ちょっと真面目に考えてみたんですけど微妙ですね……」

唯「がーん!」

梓「見た目だけならそれっぽい服や髪型の時はそう見える事もたまにありますし、ステージの上だと格好良いなって思うことも時々はありますよ?」

唯「そ、そんなカッコイイだなんて……///」

梓「でも、普段の生活も知ってる私としてはとてもじゃないけど唯先輩の事を大人と呼ぶには無理があるんですよね……」

唯「ががーん!!」

梓「部屋の片付けはできませんし、服も脱ぎっぱなしで洗濯物貯めてますし、未だに一人じゃ中々起きれませんしね」

唯「そ、そこら辺にして下さい」シクシク

梓「けど、唯先輩はそれでいいのかも知れませんね?」

唯「そうかな?じゃあ、あずにゃんがそう言ってくれるならそれでいいや」

梓「あ、やっぱり駄目です!もっとしっかりして下さい!せめて生活態度はもうちょっと気をつけて下さい!」

唯「ええ~、どっちなの?…………あ!猫!」

梓「首輪してますし、この辺りの家の飼い猫みたいですね」

唯「猫会議の帰りなのかな~?あずにゃんは参加しなくて良かったの?」

梓「あの……、別に私は猫じゃありませんから……」

唯「おいでおいで~」

猫「………………」プイッ

唯「あ、行っちゃった……」

梓「フラレちゃいましたね」

唯「いいもん!今の子も可愛かったけど私のあずにゃんの方がもっと可愛いんだもん!」ギュー

梓「ちょ、ちょっとやめて下さい!」プイッ

唯「ああん、待ってよ~」

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最終更新:2013年02月05日 22:05