・・・
澪「寒いなぁ~」
梓「はい」
澪「………」
梓「………」
澪(会話があんまり弾まないな…)
澪(今思えば梓と二人っきりな事なんてほぼ無いもんな)
澪「ん?」
若者A「キャハハハッハ!」
若者B「ヒャハハハハ!」
若者C「ブヒヒヒヒヒヒ!」
澪(う、うわぁ……パッと見、リア充ぽい見た目だけどよくよく見ると三人とも黒のダウンジャケットって…ww)
澪(もっと何かあるだろぉ~お前ら。もしかして制服か何かなのかwwwwww?)
澪(ハッ!これが噂の“黒の三○星”ってヤツか!?)
若者A「あ…」スッ
若者B「お…」スッ
若者C「ブヒ…」スッ
澪(ひぃ!?一列に並んだ!ジェットス○リームアタックか!?)
梓「あの…澪先輩」
澪「な、なんだ?梓」
梓「後ろから車来てますよ」
ブロロ…
澪「え!?あ、悪い悪い!」スッ
澪(なんだ、だから一列に並んだのか…道狭いもんな)ションボリ
ブロロロロ…
澪「はぁ…」
若者A「おっ、ねぇ君たち!今暇ぁ?」
若者B「よかったら一緒に遊ぼうぜぇ~へへへ」
若者C「ブヒヒwwww」
澪(ひぃぃぃ!!なんか話しかけてきた!)
梓「ひ…ぅぅ……」ピクピク
澪「あ、梓…」
若者B「なぁ、名前なんていうの?どこのガッコ?」
若者A「かわいいねぇ~?姉妹なの?」
若者C「ブヒッブヒヒ!」
澪(日本語しゃべれ!)
梓「や、いやぁ…うぅぅ…」ブルブル
若者C「フヒヒヒ!妹さんかわいい!フヒ」
梓「ひぃっ………!」ガクブル
梓「澪せん…ぱい…」ギュ
澪(梓…!)
澪「お、おいお前ら!妹が怖がってるからどっかいけ!」
若者A「えぇ~?別にそんな怖い事しないって~」
若者B「そうそう。俺たちは一緒に遊びたいだけだってぇ~」
若者C「そうでブヒッ!フヒヒヒヒ!カワイイヨォ妹ちゃん…」スッ
梓「きゃぁ!」
澪「あ!お前梓に触れるなぁ!」ドゴッ!
若者C「ブッヒィィィ!イデェェェ!」デモキモチィィー
若者A「あ、お前なんて事しやがる!」
若者B「この暴力女!オラ!」
澪「あ、ちょ…ひぃ!ごめんなさい!」
若者A「ゆるさねぇぞ!」
梓「や、やめ…」
ブロロロロ…ププー!ププー!
澪(あ、また車が来た!)
若者A「うわっ」
若者B「おととと…」
澪「ほら!梓、今のうちに逃げるぞ、走れ!」
梓「へ…」
澪「ほーら、はやく!」ギュ
梓「あっ…」
タッタッタッ
澪「はぁはぁ…ここらへんは角が多くて助かるよ…」
梓「ハァ…ハァ…」
澪「大丈夫か?梓…」
梓「ハァ…澪…先輩…」
澪(梓の頬が少し赤い…カワイイ…///)
梓「澪先輩、ありがとうございます…」
澪「ふふふ。どういたしまして」ナデナデ
梓「うぅ……///」
澪「さーて、気を取り直して何か服でも見に行こう!」
梓「はい」
・・・
澪「これなんかどうだ?」
梓「いいと思いますよ…ちょっと派手な気もしますけど…」
澪「ん~どうしようかなぁ、これにしちゃおうかぁ」
梓「私は…その…こっち着てる澪先輩が好きです」
澪「そ、そうか?///」
梓「はい」
澪(梓ってこういうのにはズボラで、あんまり関心が無いとか勝手に思ってたけど、こうやって一緒に買い物してるとすごく楽しいなぁ…)
澪(律と一緒だとこうはいかないぞ)
梓「澪先輩が今着てるポンチョは…どこで買ったんですか?」
澪「え!?あ、これか…?(これはしまむr…)」
澪「これは…どこだったかなぁ?ははは」
梓「?」
梓「ぁ…」ぐぅぅぅ~
澪「ふふふ。じゃそろそろ次のラーメン屋に向かうか」
・・・
澪「ここらへんは東西に大きな寺があるから、古い仏具のお店とかそれにあやかったお土産屋や古本屋がチラホラあるなぁ」
澪「お、なんだこの建物。浄土真宗…伝道院?なんだかすごい建築様式だ。チベットとかそこらへんのアジアンテイストな感じ」
澪(この屋根の上にビューポイントがあって、あたりを見回す事でマップ上にラーメン屋の位置をマークできたり…)
澪(もしくは倒壊寸前の建物から脱出しようと走り回り、足場が崩れてきて「やべやべやべ!」)
澪(なんてね…)
澪「へへへww」
梓「………?」
梓「ふふっ」
澪「あ、すまん梓。つい景色に夢中に…ってなんだ?なんか顔についてるか?」ゴシゴシ
梓「いえ、澪先輩って面白い人だなって…」
澪「え、そうか?あ、あはははは?(それってどういう意味だ!?)」
澪「あははは…はぁ……」
梓「………」テクテク
澪「………」テクテク
梓「…」ギュッ
澪「!?(梓が手つないできた!というか梓が一方的に私の腕を掴んでる)」
澪「………」テクテク
梓「………」ギュー
澪(ななななな…///)
・・・
澪「ここだな~」
澪(結構コジンマリしてるんだな~。周辺にはラーメン屋どころか飲食店も全然見当たらないし)
澪「さ、入ろ」
梓「はい」
ガタッ…ガラガラ…
澪(引き戸が結構重い…というか固い!)ガダッガラガラ
店員「いらっしゃいませ!」
澪(ほ~、狭い。カウンター席のみ。10席もないんじゃないか?)
店員「食券機で食券を買ってお待ちください!」
澪(おぉう、ここも食券なのか。しかし変な立地にしては満席だなぁ。ネットの口コミが200件超えしてるだけのことはある)
澪「さてさて何にするかな~?やはりここは看板メニューらしき“吟醸味噌つけ麺”かな?(またつけ麺か…)」
澪「お、ライスと味玉トッピングでちょうど1000円だ」
澪「梓はどうする?」
梓「私は味噌ラーメンにします」
澪「そうか、よし。じゃあ私は吟醸味噌つけ麺とライスと味玉を」ピッピッピッ
梓「…」ピッ
澪(店内はキレイってわけではないけど、落ち着きがあっていいな)
澪(店員さんの対応もなんだか素っ気ないけど、不快になるような感じじゃない。真面目に働いてるって感じでやる気が伝わってくる)
澪(よく店員さんが元気いっぱいの店とかあるけど、耳を劈くような大声で叫んだりするのはちょっとやめてほしいよな)
澪(ここはなんだか物静かでいいね)
店員「二名様、お席の方へどうぞ!食券お預かりします!」
店員「ラー油はお入れしてよろしかったですか?」
澪「あ、はい。お願いします」
梓「はい」
澪(梓も結構辛いのイケるのかな)
澪「あ、梓!席入れ替わらないか?」
梓「?」
澪「その…私左利きだからさ、食べてる時に腕がぶつかったりするから」
梓「あ~…」ヨイショ
澪「すまないな」
澪(ほぉ~厨房が丸見えだ。面白いな)
澪(ん?中華鍋でスープを作ってるみたいだけど、毎回注文の度に作ってるのか?)
澪(他の店員の人と味見しながら作ってる。凄く丁寧だなぁ)
店員「肉味噌ラーメンお待たせしました!」
澪「お、来たな梓」
梓「ぁ……ぅ…」ソワソワ
澪「ん?どうしたんだ。食べないのか?」
梓「澪先輩がまだ…」
澪「あぁ私か?気にせずに食べればいいよ。つけ麺だから結構時間かかるだろうし」
澪「それにラーメンは出された時が一番ベストな状態なんだ。早く食べないと」
梓「じゃあ、いただきます…」
澪(ふふっ、かわいいやつめ…)
梓「………」スンスン
梓「………」ズズズ
梓「………」フーフー
梓「………」フーフーフー
梓「………」ズルッチュルチュル
澪(ラーメンの方は、いわゆる“極細真空麺”ってやつか。今どき珍しいな)
梓「………」チュルチュルチュルズルッ!
梓「………」モグモグモグ
梓「………」ゴクリ
梓「はぁ……」ホッコリ
澪(ブフフwwなんて幸せそうな顔なんだ…なんか吹くww)
梓「………」ズルズルチュルチュルチュルン!
澪(………)
澪(しかしこうやって見ると梓って結構色っぽいよな…)
澪(麺をすする時に尖らせる唇は、スープの油で輝いてより一層麗しさが増してる。それに髪を耳へ掻き上げる仕草…セクシィだ)
澪(って何考えてんだ私は。オッサンかよ!)ブンブン
店員「味噌つけ麺お待たせしました!」
澪(おっとやってまいりまいした)
澪「いただきます!」
澪(ラーメンのスープもそうだけど、つけ汁もすんごい濃い色だなぁ)
澪(つけ汁の上にラー油と、今どきのつけ麺には必需品(?)の魚粉の山が浮かんでいる。後から溶かす事もできるって事か)
澪(ちょっとつけ汁を味見してみよう)ズズズ
澪「熱っ!」
澪「…」フーフーフー
澪「……」ズズズ
澪(!?なんだこれ!すごく味が濃厚だ!)
澪(そりゃあつけ麺だから味は濃いだろうけど、なんだろう…このガツン!と来る辛味噌の味は)
澪(こ、これはヤバい…こんなウマい汁で麺なんか頂いちゃったら、一体どうなってしまうんだ?)
澪(よ、よし…)
澪「………」ズルズルズル
澪(うほほほ!これはたまらん。濃い味付けが好きな人間にはたまらんなぁ)
澪(麺はスタンダードなつけ麺の太さだけど、比較的柔らかめに茹でてあるんだな)
澪(冷水でしっかりと締めてあるにも関わらず、つけ汁につけた途端、麺の芯まで熱くなる…これは凄い)
澪「………」ズルズルズル
澪「………」ズゾゾゾズルッ
澪「………」モグモグ
澪(辛さと甘さがバランスよく共存している…このつけ汁に入った肉そぼろもたまらんなぁ!白飯がウマい!)
澪「………」ハフハフ!
澪「………」モグモグモグ!
澪(つめたっ!味玉冷たい…ちょっとつけ汁で温めておこう)
澪「………」ズルズルハムハム
澪「………」ズズズ…
澪「ふぅ~…」コトン
澪(割スープを入れると、これまた違ったあっさりスープに大変身。すごいなぁ、計算し尽されてるって感じ)
澪(つけ麺の具が少ないのが残念でならないけど)
梓「ふぅ~…」
澪(梓はやっぱりスープまで完食するんだな。結構辛いのによくやるなぁ)
梓「ぁ…ヨイショ…」
澪「ん?どうした梓。上に何か…」
澪(おぉう!?カウンター席の真上にティッシュ箱がへばり付いてる。なんかシュールだなぁ、厨房ばかり見てて気が付かなかった…)
梓「うぅ…」ノビィ
澪「あ、ティッシュの位置が高すぎて取れないのか。ほらっ」
梓「ぁ、ありがとうございます…」
澪「ふふっ」
店員「いらっしゃいませー」
澪(次から次へと客が入ってくるなぁ。大人気だ)
澪「じゃあ、そろそろ出るか」
梓「はいっ。美味しかったです」
澪梓「ごちそうさまでした!」
店員「ありがとうございました!またお待ちしてます!」
・・・
澪「………」テクテク
梓「………」テクテク
澪(さっきのつけ汁の甘みが口の中に残ってなんだか気持ち悪いなぁ…口直ししたい)
梓「ぅ…ん…」フラフラ
澪「ん?梓、ちょっと疲れたか?」
梓「ねむぃ…です…」ウツラウツラ
澪(やっぱり食後も眠くなるんだな)
澪「繁華街の方に前から行ってみたかった喫茶店があるんだけど、そこ行かないか?ゆっくりできるぞ」
梓「は…ぃ…」グッ
澪「ふふっ。いくらでもしがみ付いてていいから、喫茶店までがんばれ!」
梓「ぅ…ぐ…」ギュ
ワイワイガヤガヤ
澪「土曜日だから人が多いなぁ~」
梓「……」フラフラ
澪(しがみ付かれてちょっと歩きにくいなぁ…ま、悪い気はしないんだけど)
澪「しっかしこの街の通りは広いよなぁ。この繁華街のもう一本先にある通りはこの2倍近く幅があったりするし」
澪「なんでも大戦中に、空襲の火事で向かいの建物まで火が燃え移らないように道を広くしたらしい。その名残か」
梓「ふわ…ぅぬ…」ギュー
澪(なんか周りの人の視線が気になるなぁ…///)
最終更新:2013年02月09日 22:57