ムーンペタ北部

憂「3人になったら、フィールドのBGMも変わったね。純ちゃん、これからどうするの?」

純「梓のレベルアップが必要だし、一度サマルトリアに戻って、それから、湖の洞窟に銀の鍵を

  取りに行こう。あそこのモンスターは強く無いから、梓も安全だし」

梓「私はまだレベル1だし経験値0だから、その方が助かるよ」

純「湖の洞窟は、二人で来てもよかったんだけど、三人だと断然楽だしね。それに、

  ムーンブルクの王女はバギが使えるようになるまで、攻撃要員にならないからね」

憂「梓ちゃんはMPは多いけど、今はベホイミしか使えないもんね」

純「そっ!だから梓は、レベル4になるまで基本的に防御のみね」

梓「防御のみ!?」

純「余計なダメージも喰らわないし、その方がいいの。梓部長には、後でたくさん活躍してもらうし」

梓「うーん…仕方ないかぁ」


湖の洞窟 B2F

なんと!銀の鍵を見つけた!憂は銀の鍵を手に入れた!

憂「あった!これが銀の鍵なんだね。ほんとに銀色だね」

純「よーし、もうここには用無しだから、さっさと退散退散!」


梓「ねえ純、私ってステータスを見たら職業が魔法使いだったんだけど、やっぱり装備できる武器

  や防具に制限があるの?」

純「そう。かなり先にある港町ルプガナまでは、防具は今着ているの布の服のままだね。武器も、

  今のところこの聖なるナイフぐらいしか装備できないよ。もちろん私も装備に制限があるんだよ。

  Ⅱではローレシアだけが装備制限が無いのよ。つまり憂は全部の武器防具が装備できるのよ」

憂「そういえば、純ちゃんは職業が魔法戦士だよね。上級職って感じでカッコイイよね」

純「そうでもないよ。どっちかって言うと、サマルトリアは役立たずの部類に入るんだから。

  メインキャラはローレシアになった憂だし。職業も戦士じゃなくて、勇者の子孫だしね」

憂「確かに、私の職業は勇者の子孫になってたね」

梓「ゲーム上は、3人とも勇者の子孫なのに、ローレシアだけなのも、何か変だね」


ムーンペタの町

武器屋「また来てくれよ!」

憂「だいぶ装備も強化できたね」

純「そうだね。でも、憂の装備はもっと強化できるのよ。この辺のモンスターだったら、ゴールドも

  どんどん貯まっていくしね」

梓「私は…しばらくガマンなんだよね。純のお下がりの聖なるナイフと、防具は布の服のまま」

憂「そういえば純ちゃん、この福引券ってどこで使えるの?福引所はどの町にあるの?」

純「Ⅱではたいていの町に福引所があるんだよ。リリザにもあったんだけど、銀の鍵が無いと

  入れない場所にあるの。ここムーンペタはそんなことないけどね。せっかくだし、福引きやって

  みようか?福引券は今3枚あるから、一人一回ずつ引けるね」

梓「ドラクエⅡの福引きも、ガラガラ回すあれなの?」

純「福引きっていってもスロットマシーンみたいなんだよ。3つの印をそろえると、印の種類に

  応じて景品がもらえるの。そうそう、上手く当てたら、梓も装備できる強い武器も手に入るよ!」

梓「そうなの!?じゃあ、やってみようよ!」

福引所員「ここは福引所です。福引きをいたしますか?」


福引所員「残念でした。この次は当ててくださいね。ではまたどうぞ」

純「梓も駄目だったか。これ結構難しいからね」

梓「これ100%運だよ…回る速さが3つとも違うし、全然タイミングわからない。最後、憂の番だよ」

憂「う…うん、うまくできるかなぁ?」

純「憂なら1等も軽く当てちゃうかもだね。1等は太陽の印をそろえるんだよ」

憂「太陽…さっきの純ちゃんや梓ちゃんがやってた感じだと、ここにあの印がきたときに押したら、

  太陽の印が来るはずだから…えい!」

梓「…月の印になった」

憂「そっか、あのタイミングなら月なんだ。それなら、月でそろえてみよう。真ん中はこのくらいの

  タイミングかな…えい!」

純「おっ、また月だ!憂、そのまま月でそろえたら、3等の魔道士の杖だよ。梓も装備できるし」

憂「最後のは早いから、このあたりのタイミングで…えい!」

パッパカパッパッパッパッパー♪

福引所員「おめでとうございます!3等、魔道士の杖が当たりました!」

憂「やった…やったよー!!梓ちゃん!純ちゃん!……って、いない」


梓「ちょっと純、何を買う気なの?」

純「今の所持金だったら、これを道具屋で買えば福引券がもらえるのよ。これで、また憂に福引き

  を引いてもらって、1等のゴールドカードを当ててもらおうよ」


菫「すごい、憂先輩一発で当てちゃいましたね」

SE「うーん、スロットの流れを読んでいるような感じですね。この調子だと、1等ゴールドカードも

  簡単に取っちゃいそうですね」

さわ子「さすが憂ちゃんね」

直「やっぱり平沢先輩に弱点は無いんだ…」


純「さーて、レベル上げも兼ねてね、今度はムーンブルク城に行こう。梓を仲間にできてるから、

  別に行かなくてもクリアはできるんだけどね」

憂「純ちゃん、ムーンブルクのお城はハーゴンの軍団に攻め落とされたんだよね?占領されてる

  感じなの?」

梓「……………」

純「占領されてるって感じじゃないよ。モンスターはいっぱい出るんだけどね。行ってみたら分かる

  から」


ムーンブルク城入り口

純「さっ、梓のお城に着いたよ」

憂「ここなんだ。毒の沼地に囲まれて、あっちこっちが崩れ落ちてて…酷いことになってるね」

梓「私、お城の概観は見れなかったんだけど、たぶん立派なお城だったんだよね。それが……

  こんなにボロボロに…なんだか悔しくなってきた」

純「…とりあえず、中に入ってみようか」

憂「わっ!炎が動いてる!」

純「魂なの。ここで、何人かの魂の話が聞けるのよ」

ムーンブルク王の魂
  「わしはムーンブルク王の魂じゃ。わが娘、梓は呪いをかけられ猫にされたと言う。

  おお、くちおしや……」

梓「王様だ…王様!梓です!私はここにいます!

ムーンブルク王の魂
  「誰かいるのか?わしにはもう何も聞こえぬ。何も見えぬ……」

梓「そんな…王様は私をかばって、目の前でモンスターにやられちゃって……」

憂「梓ちゃん…」

純「梓、今の梓の立場ならちょっと辛いだろうけど、もう少しの辛抱だから」


ムーンブルク城地下

梓「憂、純、ゴメン。私は階段の前で待ってるよ。下りちゃうと、ゲームの始めの状況がフラッシュ

  バックしてきそうで…」

純「そんなに衝撃的だったんだ」

憂「じゃあ私たちだけで下りるから、梓ちゃんはそこで待ってて」

梓「ゴメン…」

コツ…コツ…コツ…コツ…

純「ここに命の木の実が落ちているはずだから、それを回収して終了!」

憂「…あっ!奥で兵士さんが倒れてる!まだ生きてるみたいだよ!大丈夫ですか!?」

梓「えっ!生きてるって!?……トットットットット」

兵士「ああ姫様……。私は姫様をお守りできませんでした……。そのため姫様は呪いで

   姿を変えられどこかの町に…。しかし、もし真実の姿を映すというラーの鏡があれば……。

   姫様の呪いを解くことができるでしょう……。旅の人よ、どうか姫様を、姫様を……。ぐふっ!」

梓「そんな…兵士さん!死んじゃイヤだ!!ベホイミ!」

梓はベホイミを唱えた!しかし、何も起こらなかった。


憂「ああっ!兵士さんの体が消え…て、魂が浮き上がってきた…」

兵士の魂「ラーの鏡で、どうか姫様を、姫様を……」

梓「へ、兵士さん!?兵士さん、わかりますか!?私です!梓です!」

兵士の魂「も、もしやそのお姿は、梓姫様では……。そうでしたか……そうでしたか……」

梓「兵士さん!私が見えるんですね!?兵士さん!!」

憂「あっ…魂が消えてく…」

梓「兵士さん……消えちゃった……」

純「梓、兵士さんは梓が無事だと知って、安心して成仏したんだよ、きっと」

梓「…兵士さんは、最後まで私を守ろうとしてくれたんだよ。なのに……なのに……グス」

憂「梓ちゃん……グス」


直「……グス。すいません、ちょっとトイレに行ってきます」

さわ子「…ドラクエⅡって、こんな悲しい展開ってあったかしら」

SE「オープニングのムーンブルクのイベントは、開発チームができる限りのリアルさを追求して、

  こんな感じになったんです。このシーンも同様です。しかし、セリフ自体は原作のままですし、

  あとはムーンブルクのプレイヤーの対応次第なんですが…」

菫「…梓先輩は、冒頭のやられるシーンを目の当たりにしていますから、一番こたえますよね」


ムーンブルク城前

梓「私、このお城の亡くなった人たちのためにも、頑張らないと!」

純「そうだね。よし、頑張ろう!」

憂「うん、頑張ろう!」

純「とりあえず一度ムーンペタまで戻って、回復とセーブをしてから、今度は風の塔を目指そうか」


ムーンペタ東方向

憂「うわー、すごいね。海沿いに砂浜がずっと続いてるよ。岩山の後側はこんな感じなんだね」

純「道のりが長いから結構大変なんだけどね。でも、梓が魔道士の杖を装備できてるから、MPも

  節約できるし、わりと楽に行けると思うよ」

梓「純、ムーンペタで猫にされてる時、暇だったからいろんな人の話を盗み聞きしてたんだけど、

  どこかの塔の中に空を飛べるマントがあるらしいんだよ。そのマントを着けていると、高い所から 

  落ちたとき、少しだけ空を飛べるんだって」

純「さすが部長、よくご存知で。今から行くのが、その空を飛べるマントがある塔、風の塔なのよ。

  そこにあるのが風のマント。これがないと、ルプガナに行けないの」


風の塔1F

憂「着いたね」

梓「何だか怪しげだね。がらんとしてて。天井も高いし」

純「とりあえずMPが切れてしまう前に、取るもの取っちゃおうよ」

梓「そうだね」

憂「純ちゃん、風のマントってどの辺にあるの?」

純「2階にあるの。塔の端っこの階段から、順番に上がっていって、途中から階段を下っていくの」


風の塔2F

梓「こんなところに階段があったんだね」

憂「あれ、階段登ったところに戦士さんが…」

戦士「塔の外壁の通路を歩くときは、足もとに気をつけろよ」

憂「そうですよね。危険ですしね」

戦士「なかなか素直なヤツだな。さては、もう足を踏み外して落ちたことがあるのだろう」

梓「落ちてないデス!失礼なこと言いますね、まったく!」

純「梓、いちいち構わなくていいから。次に進むよ」


風の塔5F

梓「なんでこう、壁が無い外側の通路ばっかりなの?」

純「ゲームだからでしょ。下を見なければ、どうってことないよ」

憂「そういえば、今ってゲームの中なんだよね。すっかり忘れてたよ。だって普通にこうして、

  会話もしてるし、戦闘もしてるし、お互いの体にも触れられるしねー」

梓「ちょっと憂、押さないでよ危ないんだし!っていうか、ゲームなのに何でここまでリアルなのよ!」

純「梓、もうちょっとのガマンだから。よし、下りの階段だ。もう落ちる所は無いよ」


風の塔2F

なんと!風のマントを見つけた!憂は風のマントを手に入れた!

憂「これが風のマントなんだね。せっかくだから身に着けてみるね」

純「おおっ!なんか勇者って感じでカッコイイ!」

梓「そうだね。憂の今の格好だと、さまになってるよ」

憂「えへへ、そうかな…」

純「じゃあ、戻ろっか。帰りに、風のマントの効果を試してみない?さっきの5Fから飛び下りるの」

梓「ねぇ、それはまた今度にしない?MPもまだあるし、レベル上げも兼ねて、歩いて戻ろうよ」


ムーンペタの町

武器屋「ゴールドカードを持っているから、500ゴールド割引きしておいたよ」

憂「ありがとうございまーす。ゴールドカードがあると、Ⅱだと25%も割り引いてくれるんだね」

純「そうなのよ。おかげで装備は現時点で最高になったしね。それじゃあ、今度は舟を取りに

  ルプガナまで行くよ。ここからの道のりはすごく長いんだけど、今の私達なら大丈夫と思う」


ムーンブルク西のほこら

梓「ほこらの地下に教会があるんだね」

純「ここのほこらはトンネルのような感じになってて、向こう岸までつながってるの」

憂「それにしても、何で教会なんだろ?」

純「本来は、ムーンブルクの王女を仲間にしていないと、神父さんが道をふさいで通れないように

  なってるわけなの。セリフも、ムーンブルクの王女を探しなさいみたいな感じなのよ。今は3人

  だから道をあけてくれて、セリフも普通の教会の神父さんのセリフに戻ってるの」

梓「教会なんだから、ここでセーブできると便利なんだけどね」

純「昔のドラクエだから仕方ないよ。Ⅲまでは基本的に王様でセーブをするんだし。元祖のFC版

  なんて、Ⅱは復活の呪文って言う52文字のパスワードを入力するシステムなんだから」


ドラゴンの角 南塔前

純「ふーっ、ようやくドラゴンの角に着いたね。道のりが長いから大変だし、疲れるよ」

梓「案内してくれてる純の方が先に疲れてどうするのよ」

憂「まあまあ。純ちゃんのおかげでスムーズに進めてるんだし。それじゃあ、中に入ろうよ」


ドラゴンの角 南塔 1F

梓「うわぁ!天井高いね!吹き抜けになってるんだね」

商人「旅の人!知ってますか?」

憂「えっ、何をですか?」

商人「ここがドラゴンの角と呼ばれる、有名な双子の塔ですよ。なんでも昔は、向こう岸の塔と

   つり橋で結ばれていたとか…。しかし、今はこの有り様。どうやったら向こう岸まで行けるんで

   しょうね……」

憂「そうなんだ。ねぇ純ちゃん、向こう岸まで行く方法っていうのは、ひょっとしてこの風のマントを

  使うってことなの」

純「そのとおり!塔の頂上まで登って、そこから飛び下りるんだよ。そうしたら向こう岸までたどり

  着けるから」


ドラゴンの角 南塔 6F

純「さ、最上階についたよ。ここから北に飛び下りれば、向こう岸に落下できるよ」

梓「うわー、高いなー。これはどうしても飛ばないとダメなの?」

純「もちろん!」

憂「大丈夫だよ、梓ちゃん。これはゲームなんだしね」

純「ほらほら、画面の外側でカワイイ後輩達が見てるんだよ、梓部長。しっかりしたところを

  見せないとね、梓ぶ・ちょ・う」

梓「ピクッ…そ、そうだよね。このくらいで怖がってちゃダメだよね。菫たちも見てるんだし」

憂・純「そうそう。頑張れ、ぶ・ちょ・う!(効いてる効いてる…)」

梓「よし!憂、純、行こう!」

純「OK!」

憂「梓ちゃん、純ちゃん、準備はいい?それじゃあ行くよー。そーれっ!」

ヒューーーーーーーーーー!!


さわ子「飛び下りてる最中は、動きが緩やかなのね」

SE「イメージとしては、風のマントをつけている状態だとパラシュートを開いている感じですかね。

  何もつけてなかったら、普通に落下する感じです」

直「普通に落下って、すごく危険じゃないですか」

SE「落ちるスピードが速いだけで、着地は普通です。着地で怪我するようにはなっていません。

  さっきのキメラの翼やルーラの時と同じ感じです」

菫「そうこう言ってる間に、先輩方は無事向こう岸に着地しましたね。ここまでで約2時間半ですね。

  時間的に、そろそろ休憩を取っていただきましょうか」

SE「そうですね」


港町ルプガナ

女性「港町ルプガナにようこそ」

純「あー、やっと着いたよ~」

憂「ここまでの道のりって、かなり長かったもんね」

梓「私も疲れたよ。MPも残り4だし」

純「とりあえず宿屋で回復したら買物をしようよ。憂のゴールドカードのおかげで、結構いい買物が

  できるよ。私や梓の装備も強化できるし」

男性「よお、姉ちゃんたち!オレと一杯やらねえか?ひっく」

梓「私たちは未成年デス!」

純「梓、変な人に構わない構わない」

ピロロロローン ピロロロローン

菫「先輩方、聞こえますか」

憂「あっ!スミーレちゃんの声だ!」

菫「そろそろ休憩されませんか?約2時間半経過していますし」

梓「そうだね。だいぶ疲れてきてたし、セーブして休憩しようか」


別荘 リビング

菫「麦茶をお持ちしました。それと、憂先輩がデザートを作っててくれたみたいです」

憂「お待たせしました。バナナオレンジムースです。SEさんもよかったらどうぞ」

純「美味しそう!いっただきぃ!」

さわ子「うーん、美味しい!幸せ~!」

SE「ありがとうございます、いただきます。ん?おぉー、これは絶品ですね」

直「平沢先輩、いつの間に作ってたんですか」

憂「お昼ごはんの後片付けの後に、ちょっと仕込んでおいたの。ムースだから傷みやすいし、

  部室では冷蔵庫が使えないから出せなかったんだけど、合宿中ならできるかなって思って、

  作ってみたんだよー」

梓「さっき遅く来たから、電話でもかかってきてたのかなって思ってたら、デザート作ってたんだね」

憂「えへへ…」

梓「ところで菫、プレイの方はこんな感じで続ければいいんだよね」

菫「あ、はい。大丈夫です。先輩方でプレイして気付いた点がありましたら、教えて下さい」


港町ルプガナ

純「憂のゴールドカードのおかげで、身かわしの服も全員分3着も買えたし、憂様様だね」

梓「そういえば、同じ身かわしの服なのに、3人とも服が色違いだね。憂のは水色、純のは黄緑色、

  私のは白でフードの部分だけ紫になってて…」

憂「ほんと面白いよね。キャラごとにちゃんと色分けしてあるんだね。…あれっ?ねえ見て。

  ほらあそこ。女の子がモンスターにからまれてるよ…」

純「ルプガナのイベントなの。あのモンスター、グレムリン2匹を倒したら、舟が手に入るんだよ」

梓「あっ、女の子がこっちに逃げて来た!」

女性「たっ、助けてっ!魔物たちが私をっ!」

グレムリン「ケケケ!その女を渡しなっ!」

憂「ダメだよ!渡さないよ!」

グレムリン「ケケケ、バカなやつ……。お前たちもここで食ってやろう」


グレムリンがあらわれた!

純「さぁ、戦闘開始だ!」


グレムリンをやっつけた!

女性「危ないところを、どうもありがとうございました。私について来て、どうかうちのお爺さまにも

   会ってくださいな。さあこちらへ」

梓「あっけなく倒せたね」

純「梓の先制のラリホーが一発で効いたからね。効く確立は1/2なんだけど、うまくいったね」

憂「おかげですごく楽に戦えたよ」

女性「お爺さま、ちょっと……」

老人「かわいい孫娘を助けてくださったそうで、なんとお礼を言ってよいやら。おお、そうじゃ!

   あなたたちに舟をお貸ししようぞ。この爺にできるのはそれくらいじゃ。どうか自由に乗って

   くだされ」

憂「やったぁ。ありがとうございまーす」

純「これで行動範囲はぐっと広がるよ。あっ、そうだ!ちょっと待ってて。忘れないうちに…」

梓「あれっ?純、そっちはさっきのグレムリンのいた…」

純「こっちの毒の沼地の奥に力の種が落ちてるの。…よし、あった。お待たせ。じゃあ行こう」


梓「舟っていっても、そんなに大きくないんだね。でも、甲板は結構広いんだね」

純「たぶん、ここでモンスターと対戦できるようにしてるんじゃないの?海の上でも当然モンスター

  が出るからね。ところで、これってどうやって動かすのかな?梓、舟を動かしたことある?」

梓「あるわけ無いでしょ!でも、ゲームだから簡単に動かせるんじゃないかな?」

純「憂はどう?」

憂「動かしたこと無いけど…純ちゃん、たぶんこうじゃないかな?このレバーを下げて、こっちの

  レバーをこうして…」

梓「あっ、進み始めた!」

憂「舵をきって方向を変える…のかな?」

純「おおっ、方向転換もしたよ。やっぱり憂はすごいよ」

憂「これ、全然難しくないよ。触ってみたら、何となくできちゃったし。梓ちゃんもやってみる?」


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最終更新:2013年02月23日 22:04