1-101■MUSICUS!■+2 SM H2 4321
本来この場で紹介する作品って、皆にやってもらいたい!とか、誰かと想いを共有したい!とか言う幸福衝動の下、突き動かされて、選出される作品が多いでしょう。
ですよね? そうですよね? ええ、ええ、そうでしょう、そうだと思います。
もし違っていたら、大変申し訳ないですが、私は常々そのように考えていたし、
そんな利他精神がエロゲーマーの皆々様にあったからこそ、本イベントの長きに渡る歴史が紡がれてきたんだと確信しています。
だとしたらはっきり申しましょう。この『MUSICUS!』って作品、正直この場には相応しくありません。
皆にやってもらいたい!なんて全く以って思えないし、誰かと想いを共有したい!と、声高らかに叫べる程、そんな楽しい代物でもない。
いや、違うな。あまり深く考えなければ、面白かった、最高だったって感想を垂れ流し発信、そのまま明朗な気持ちでゲームを終える事が出来ます。
テンション高めに叫べます。
そう、あまり深く考えなければ……
しかし、皆が皆そうじゃない。この作品から発せられた「闇」に、誰もが気付かない訳じゃない。
気付いてしまったら心に傷を負います。絶望します。残酷無慈悲な物語に、下手すると人生観すら変えられてしまいます。
OVERDRIVE最終作となった『MUSICUS!』は、それ程までに影響力の強い、根底に劇薬が染み渡った作品です。
主人公、対馬馨が自身の選択によって、自らの運命を切り開いていくロックンロールストーリー
音楽、ロック、バンド活動が彼の周囲に絡んで行く中、重要な決断を迫られつつも前へと歩む彼の「人生」を記しているのが特徴的でした。
グランドED、TRUEルートが存在しない本作で紡がれる、対馬馨の先が見えない道程
そんな形式が示すのは、どの道を攻略の帰結としても自由となる証明であり、どの選択も等しく、僕達ユーザーが選ばせた責任と結果になるって事
対馬馨が自身の価値観を形成していく中、その選択が果たして正しかったかどうか、戦々恐々して進められる物語
そして、クリアして全体を見渡して得られた結論が、少しばかりのユーザーに重い読後感を齎してしまう。
クソで、地獄で、救いがない。無残散々悲惨劇
よくこの手のドリームストーリーで語られるんは、自身の想いに従って生きろ、全うする事は素晴らしい。みたいな希望に満ちたメッセージでしょう。
そんな単純な内容だったら、良かったのにね。
語られていたのは、厳しい「愛」
『キラ☆キラ』の先を確かに描いた、輝き、きらめき、光の見えない世界の話
とても救いようがない、ライターの放ったメッセージだけがそこにはあります。
本作のシナリオライター、瀬戸口廉也氏の生み出す作品が大好き。
そして、だからこそ再認識したのが、このゲームを無条件で奨める事は絶対に出来ないと言う皮肉
私は『MUSICUS!』を、出来るだけ多くの人に、誰にでも気軽にプレイして欲しいなんて、責任の取れない事は絶対言えません。
彼の持ち味を理解してる私が打ちひしがれても自業自得ですが、何も彼を知らない人にプレイして欲しいなんて、そんな無責任な事絶対言えません。
思えばこのモヤモヤ感は、『キラ☆キラ』をプレイし終えた時と、全く同じ。
馨が歩む全ての道で、どのルートが1番彼にとって幸せか。
そんな事を考えるのが、クリアしてから紡がれる、私の日々となりました。
これをプレイした事で、少しばかりの希望に満ちた未来を歩まんとする若人の幾らかが、肩を落として去っていくのは、余りに見るに忍びない。
しかし、昨年最も心に残りまくったのが、何を隠そう本作だった故、泣く泣くこれを推す他ない。
悔しいなあ、悲しいなあ、やるせないなあ、切ないなあ。
私の心は諸行無常、盛者必衰の理をあらわす。
神聖な紹介の場で、こんな愚痴愚痴の戯言、誠に申し訳ない。
ルート毎に好き嫌いあれど、物語としては素晴らしい出来。原画の魅力も如何なく発揮されていました(塗りはもう少々頑張って欲しかったですけど)
しかし、それでも私の主張は変わらない。
内心を正直に申せば、やらない方が良い。
人生に悩んでいる人は本作をプレイして更に悩み、悩んでない人は本作をプレイして新たな悩みの種を植え付けられましょう(ある種一定の方のみに限る)
感受性の強い方も注意。私のように、クリアしてもずっと囚われ続けます。
前述した素晴らしい部分もありますが、演出やシステムはOVERDRIVEの作品内でも酷い部類だし、文章と場面に齟齬も見受けられる。
キャラクターはムカつく奴いるし、ゲームとしての欠点も多い。
しかし、それでも興味が湧いたと言うなら、私は止めません。貴方にとって、必ず心に残る作品となるのは確実。
奥深くて上質な物語です。クリアした私自身が保証致します。
おっかなびっくりプレイし始めて、何だあ、全然大した事ないじゃんと思ってくれたらこれ幸い。
貴殿が本作を「幸せな物語」として終えられる事、この場で紹介した身として、どうか心より強く祈っています。
1-183■MUSICUS!■+2 SM H1 1100
まず何よりも瀬戸口がエロゲに帰ってきてくれたことに感謝しかない。長い文章でも不思議とスラスラと頭に入ってくる文章力は健在であった。
キラキラ発売から12年経ってMUSICUSは世に出た訳だが、まさにキラキラの先にある物語だと思う。
キラキラは音楽を通じて青春のきらめきや人の模様を描いた作品だとしたらMUSICUSは音楽そのものにフォーカスを当てひたすらに掘り下げていく作品であるように思う。
そこには楽しいことだけではなくて自分の人生を音楽に賭けることで「普通のルート」から逸脱していくことによる不安や焦燥感がこれでもかと描かれている。
創作と向き合うことの苦しさを正面からこれだけ取り扱った作品も珍しい。
そして花井是清というキャラクターの持つ質感、説得力がまた凄いのである。
これがあるから全編を通して主人公である馨が音楽との向き合い方を人生を掛けて模索していくことにも共感できる。
何か創作活動をしたことがあったり、社会のルートの正道から外れてしまった経験があったりしたら是非このゲームをやってみて欲しい。刺さりまくるものがあるはず。
あと花井三日月というキャラクターは瀬戸口作品のヒロインの中で一番好きになった。ケイクンサンとかデスとかあざといのに可愛いキャラ造形最高かよ。
1-073■MUSICUS!■-- S- H1 1036
システムが古臭いだの、演出が弱くてそこまで曲が印象に残らなかっただの色々と文句言いたいことはあるんだけど、
それ以上に瀬戸口廉也が描くシナリオに強く惹きつけられて結局入れてしまった。
キラ☆キラ以来の復帰作という事で当初から期待していましたが、終わってみるとこれぞロックンロールとも言える作品。
特に今回はバンドの立ち上げから地道に仲間集めして知名度を築き上げていく展開なので、
バンド仲間と一心同体になるかのような連帯感が得やすかったのが個人的には良かった。
また、死生観も上手く物語に絡ませていて、大半のルートで物語の根幹を成している所もこの作品の特徴的な所。
とあるルートでは大きく感情を揺さぶられ、翌日まで引きずられてしまうくらいに影響を受けてしまった。
その後に続く展開が薄々と分かっていてもクリックする手が止められなかったし、実際にその場面になると心臓の動悸が止まらなかった。
今の時代に敢えてこういう展開をやってのける辺りは瀬戸口廉也氏の手腕の成す所と言うべきか。
キラ☆キラを踏まえた上で、今の時代に即したバンド音楽メインの作品を最後まで上手く書き上げた所が何よりも一番の魅力でした。
1-033■MUSICUS!■-- SM H1 773
一昨年に行われたCFから生まれた今作、
予定より余裕で遅れてくるわ、なんか急に値引きし始めるわ、発売日が一般と大して変わらないわと本当に腹立つことが多かった作品です。
しかも演出やUIに関しては今回投票する作品の中でも最低です。
それでも瀬戸口廉也が描いたキラ☆キラのその先の物語は最高でした。
今作で描かれるのは音楽への向き合い方、その先では苦しいこともたくさんありその中でどう向き合うかを悩み続ける主人公たちが描かれます。
花井是清というあまりに個性が強すぎるバンドマンの最期によってかけられた音楽の価値呪いへの答えを追いかけても見つからない。
ならどうすればいいか?そんな答えを提示してくれたのはやっぱり彼で…その言葉は音楽だけじゃなくて様々な創作に繋がる言葉だと思います。
永遠かもしれない音楽への呪い…という名の恋の物語は本当に面白かった。
1-123■MUSICUS!■-- SM H1 770
俺たちの瀬戸口が帰ってきた!という事で迷わずCFぶっこみました。
プレイし終えて、キラ☆キラがライトなバンド物だとしたら、こっちはよりディープなバンド物と感じましたね。
それぞれの音楽観の話でスゲー感心しました。漠然と聞いてきた音楽でも人によって全然違う景色になるんだなあと。
キラ☆キラのきらりBADラスト程の最大瞬間風速があるシーンはなかったけど、音楽を題材としたシナリオとしてはMUSICUSのが良かったと思います。
でも澄ルートは簡便な!きついから!
まあこのきつさが瀬戸口ゲーやってる感あってよかったな!
ただ澄→弥子ルート と進んだんでかなり救われた気はする。
弥子ルートの馨は幸せそうだなあ・・・・(しんみり)
音楽やってないときの馨の方が幸せそうなのが皮肉効いてる。
このゲームのメインヒロインは是清さんで間違いない。
1-148■MUSICUS!■-- SM H4 656
路上でギターとか弾いてる人たちへの意識が変わる作品。
個人的にはバッドエンドが一番読んでて楽しかった作品でした。
成功しない場合の主人公の心情やそれに対するヒロインの存在。金田も相変わらずクズながら良いやつですし、エロシーンもそのルートが一番エロかったです。
だからといって他のルートは面白くなかったかというとそういうわけでもなく、
特に三日月とのエンドは途中の悲劇に対する受け止め方は読んでて没入できましたし、最後の演出には鳥肌が立って余韻に浸れるいい終わり方だったと思います。
自分はメーカーの過去のゲームはプレイしてないので、もしかすると過去作に対する内容なども盛り込まれているのかもしれないので、プレイしてみたくなる作品でした。
1-137■MUSICUS!■+2 SM H1 654
このゲームは過去に音楽や、あるいは些細なものでも何らかの創作活動をしたことがある人には恐ろしいほど刺さるものがあると思います
驚くほどに音楽そのものとの向き合い方をテーマにした作品でした
選択肢も自分自身の音楽観を選ばせるようなものであり、各ルートはヒロインによって別れているというよりも人生の選択そのものと言っていいような説得力があります
全ルート終わった時には長い人生を旅してきたような感慨に囚われました
また一癖も二癖もあるキャラクター達はとても生き生きとしていて魅力的です
こんな奴いないだろと思いつつもなんか実在しそうな気もしてしまいます
これがオバイブ最終作とのことですが勿体ないという感に堪えない素晴らしい作品でした
1-066■MUSICUS!■+1 SM H1 458
オバイブの遺作となった今作。
今回この作品に関しては色んなこと書こうとしてやっぱやめて、ってのを繰り返した。
俺はロックンローラーじゃないしロックンロールは分からないし
俺みたいなクソ野郎にはこの作品をどう表現していいのか分からないけどとりあえず伝えたい。
サンキューロックンロール、今までありがとう。そしてお疲れ様でした。最高にイカしたゲームたちをありがとう。
クレジットに出てくる三ツ矢さんの名前を見てちょっとしんみりしちゃいました。
1-179■MUSICUS!■+1 SM H3 357
久しぶりの瀬戸口シナリオ、相変わらず変人が多くて結構な手前でした
音楽に対する諸々な部分は創作をしている人とそうでない人で感じ方は異なってくるのかもしれないけど、
そういったものが無い自分でもぐらぐらを初めて聴いた時は心に刺さった
原画がすめらぎ琥珀さんなのにHが少なすぎるのはちょっと惜しいところだけど、とにかく絵がエロくてムスコも大満足でした
1-082■MUSICUS!■+1 SM H1 305
まず真っ先に思ったのが、「ああ…久しぶりに文字を読むエロゲだな…」という感想。
心情も丁寧に文にしてくれるからとても読みやすかった。
OVERDRIVEがずっと続けていた「音楽とは」という答えが今作で導き出されたように思える。
最高にハッピーな三日月エンドのEDが流れた時、何故か涙を流していた俺がいた。
1-061■MUSICUS!■-- SC H3 292
澄というヒロインの人生を考えて3日ぐらい実生活に影響が出てしまった、そんなゲーム。
金田が本当に嫌いとか演出が弱いとか色々不満点を挙げたらキリがないが、僕は面白いとゲームだと思います、好きかといわれてたら苦い顔すると思いますが......
好きなキャラは主人公と花井さんです、異常者が好き。
1-132■MUSICUS!■+2 -- -- 274
とても面白かったのですがとても恐ろしい物語でした。
キラ☆キラと比べるとより音楽の光と陰を感じさせられました。
個人的に印象に残ったのは楡さんの無駄と無価値は違うというシーンで過去作でもあった
むだの価値という考え方が主張されていてなんだか安心してしまいました。
1-031■MUSICUS!■-- -- -- 226
ところどころ散見される皮肉が効いたロックバンドストーリー。
花井是清の存在感と花井三日月の魅力が途轍もない作品。
葬式での弔い演奏。
歌う三日月とギターを弾く馨の姿は物悲しくも胸を打たれます。
屈指の名シーン。
1-085■MUSICUS!■-- -- H1 217
お帰り瀬戸口。システムは正直不満だらけだけど貴方の文章はビジュアルノベル形式でこそやはり映えるよ。
OVERDRIVEは個人的には苦手だったメーカーだけど、「カナリア」から始めて最後までやりきったんだなと。お疲れ様でした。
1-047■MUSICUS!■-- SM H2 210
少し迷ったんですが、このゲームにも投票を。
なぜ迷ったかというと、年末に買ったのでまだ全ルート終わってないんです。だけど現時点で投票してもいいくらい面白いので投票です。
ですのでこれ以上は感想はなしで。
1-016■MUSICUS!■+1 SC H4 168
音楽ってのは何か、人生ってのは何なのか。
気持ち悪くなる作品で間違いないが、その気持ち悪さが不思議と胸に響いた。人生そのものを凝縮したようなすごい作品だった。
1-094■MUSICUS!■-- SM H1 144
おかえり瀬戸口。かつてクリエイターを目指していた身としてはぐさぐさぐさぐさぶっ刺さりすぎて痛い。でもこの痛みこそが彼の持ち味であり真骨頂でした。
最終更新:2020年01月27日 08:55