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この愛を、世界に」を以下のとおり復元します。
* この愛を、世界に  ◆i7XcZU0oTM

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「…………」

 重い足取りで、路上を歩く。
 …………今でも、あの感触が、手に生々しく残っている。
 肉を貫く感触。
 骨を砕く感触。
 皮膚を切り裂く感触。
 全て、残っている。
 一生消えないんじゃないかと思える程、生々しく。
 ――――全て、夢だったなら。
 こんな殺し合いも、私があの人を殺したことも、全て夢なら。
 どれだけ、良かっただろうか。
 だけど、これは現実……。間違い無く、現実……。

(……母ちゃん、間違ってるのかな)

 いいや、そんな事はない。
 子を持つ親なら、誰だって思うだろう。
 ――――何が何でも、自分の子供を守りたい。
 こんな、いつ、誰に襲われるか分からないような状況なら、なおさら……。

「…………」

 どちらにしろ、もう、後には引けない。
 ……殺す気でやったんじゃないけれど……1人、殺してしまったのだから。

「…………あら」

 突然の風が、鼻を刺激する。
 ……潮風だ。
 どうやら、近くに海があるらしい。……そこから少し歩くと、開けた場所に出た。
 暗くてはっきりとは分からないものの、船がいろいろ停めてある。

(港……かしら)

 近くに、誰か、いるんだろうか。
 そう思って、少し辺りを見回した時だった。
 ……煌々と光を放つその一点に、私の目は引き付けられた。
 船だ。
 明かりが煌々と灯る船が、港に停泊している。
 その近くに、文字の書かれたパネルが立ててある。
 それには……。 

『渡し船乗り場はこちら →
 利用は自由です。運賃はいりません。定期的に出発し、定期的に帰ってきます。
 大体30分もあれば、次の船着場に着くでしょう。
 中にある物は、自由に使っても構いません。
 詳細は、船内に置いてあるマニュアルを参照してください。
 それでは、よい船旅を。          ひろゆき
#aa(){{{
 運航ルート:F-6(イマココ) → C-6 → B-5 ┬→ C-5
                         └→ F-6
}}}

 B-5でのみ、C-5へ向かう船とF-6へ向かう船の2つが出ます。望む場所に向かう船に、お乗換下さい。
 地名等は、各自に支給された地図を参照してください。』



 と、書いてあった。

「渡し船……」

 どうやら、ここは……F-6らしい。
 慌てて地図を取り出し、確認してみると。
 ……随分、端にいるようだ。しかも、かなり狭い。
 このままじゃいけない……。でも、丁度良かった。
 これに乗れば、ここから出られる。
 この地図の大部分を占める陸地は、海を渡った向こう側にある……。

「……行かなきゃ。これを逃したら、タイムロスになっちゃう……」



◆ 



 少しして、船は出港した。
 船は、小さなフェリーのような感じで、船内には大部屋が1つと、ソファーの並ぶホールがあった。
 船外にも、椅子が多く備え付けられているお陰で、ゆっくりくつろげる。
 船内には小さな売店が、船外には、2つ自動販売機が備え付けられていた。
 ……一応、中を見て回ってみたものの、誰もいなかった。

「……あまり、ゆっくりしてはいられないね」

 売店から、オレンジジュースを失敬する。
 ……さっきから、少し喉が乾いていたから、丁度良かった。
 ただ飲むだけなら、水があったけれど……あまり、飲みたくはなかった。
 このバッグには……あの人の、支給品も入っている。
 それと一緒に入っている水。あまり、良い気分はしない……。
 そんな事を考えながら、グイッと一気にジュースをあおった。

(……そう言えば、私の支給品、まだ確認してなかったわ……)

 もっと、強い武器が欲しい。
 殺し合いに乗った人を倒すためにも。
 もっと、強い武器が……。
 でも、あの人の支給品に、この刃物以外に、武器は無かった。
 なら、他に武器があるとすれば、私の支給品だけ……。

(……やっぱり、こういうのは見てみないと分からないわよね)

 意を決して、私の支給品を取り出す。


 ……。
 …………。
 ………………。


「銃に、服に……チラシ?」

 銃……名前は、「ベレッタM92」と言う名前らしい。
 どんな名前であれ、銃があればやりやすい。
 こっちの服は……「防弾ベスト」と言うらしい。
 着ると、銃弾を防ぐことが出来る、そんな感じの優れものだ。
 これは……タケシに、着せてあげよう。これがあれば、銃から身を守れるはずだから。
 こっちのチラシは……何だか、変だ。
 一応、文面に目を通すと……。 

#aa(){{{
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      /:  ヽ.  ヽ. イ /´'''7´  \.ヽ `ヽ、_ノ
}}}



 ……チラシには、筋肉モリモリの人が、堂々と写っていた。

「……これは、役に立ちそうにないわね」

 とりあえず、今必要無い物……防弾ベストとチラシを仕舞う。
 ……これで、準備は整った。
 後は、やるだけ。
 でも、私はもしかしたら。
 ――――取り返しのつかないことを、しようとしているのかもしれない。
 でも、今更後悔した所で、時間は戻らない。私は、もう決心したのだから。

(タケシ……) 

 何処にいるのかも分からない。
 でも、探さなければならない。
 ……タケシを、何としてでも守るために。
 その為にも、一刻も早く、向こうに渡ってしまわなくては……。
 私は、船が到着するのを……ただ、待った。


【F-5・海上・渡し船船内/1日目・深夜】
【カーチャン@ニュー速VIP】
[状態]:健康
[装備]:アロハ調館内着@現地調達、匕首@現実、ベレッタM92(15/15)@現実
[道具]:基本支給品一式×2、PDA(忍法帖【Lv=01】)、不明支給品(武器無し)×1~2、防弾ベスト@現実、壁殴り代行のチラシ@ニュー速VIP
[思考・状況]
基本:タケシを生き残らせる
1:海を渡って、タケシを探す
2:タケシの害になりそうな参加者を排除する
3:2の為なら自分の命も厭わない


≪支給品紹介≫
【ベレッタM92@現実】
装弾数15+1発、使用弾薬9mm×19弾。
信頼度、知名度共に高い拳銃らしい。

【防弾ベスト@現実】
身に付けることで、身に付けた部分を銃弾から守ることができる。
ただし、銃弾の衝撃までは防ぎ切れず、また重いために行動が阻害される可能性もある。
後、全ての銃弾を防げる訳ではないので、過信は禁物。

【壁殴り代行のチラシ@ニュー速VIP】
内容は本文を参照。
その名の通り、壁殴り代行のサービス内容が書かれているチラシ。数十枚単位で入っていた。
何の役に立つかは、よく分からない。


|No.23:[[バカとノートと機関銃]]|[[時系列順>第一回放送までの本編SS]]|No.25:[[かなりやばい資料見つけました]]|
|No.23:[[バカとノートと機関銃]]|[[投下順>00~50]]|No.25:[[かなりやばい資料見つけました]]|
|No.11:[[ワッフルワッフル]]|カーチャン|No.:[[]]|

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