二次キャラ聖杯戦争@ ウィキ内検索 / 「暁の空に勝利を刻む」で検索した結果

検索 :
  • 暁の空に勝利を刻む
    一体何度目だろうか。 こうして敵として、親友と向かい合うのは。 ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。 枢木スザク。 かつて共に在った二人は今、武器を手にして戦っている。 最初はルルーシュがギアスを手に入れたあの日、シンジュクゲットーで。 ルルーシュの作戦を力ずくで捻じ伏せるイレギュラー――白兜として。 それからルルーシュが日本を制圧するために展開した数々の作戦でスザクは現れた。 ナリタでの戦いでは、もう一息でコーネリアを捕縛できるというところからひっくり返された。 藤堂ら四聖剣を救出する作戦で初めて白兜のパイロットがスザクだということを知った。 式根島でなんとかスザクを仲間に引き入れようとしたが拒絶され、『生きろ』という呪いを掛けた。 もう一人のギアス使いであるマオとの遭遇やキュウシュウ戦役では共に戦った。 ユーフェミアを殺害した行政特区記念式典、その直後のト...
  • 完結編での死亡者
    ... なし※2 097 暁の空に勝利を刻む 消滅 なし 深山町 枢木スザク なし※2 消滅 なし 午前2巡目 深山町 ファニー・ヴァレンタイン(本体) アレックス 099 Trinity soul 消滅 ブリューナクの槍 深山町 アレックス ファニー・ヴァレンタイン(本体) 胴体貫通(ARMSコア破壊) D4C 深山町 ジョン・バックス なし※2 消滅 なし 深山町 ゾルフ・J・キンブリー なし 消滅 魔力枯渇 ??? 冬木大橋 ギルガメッシュ 火野映司 104 終わりに向かう物語 消滅 ロストブレイズ 言峰綺礼 なし※2 消滅 なし ??? 月の裏 魔王ゼロ なし 105 Re;Zero 消滅 なし ※1…複数のサーヴァントから総攻撃を受けた為、特定不能。 ※2…サーヴァント、あるいはマスターの喪失、若しくは令呪の全消費により参加資格を失い、ムーンセルから除...
  • 51~100話まで
    ...BI No.097 暁の空に勝利を刻む ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア&セイバー枢木スザク&バーサーカーアサシン(6人目のファニー・ヴァレンタイン)キャスター(ゾルフ・J・キンブリー) 深山町 早朝2巡目 ◆wYNGIse9i6 No.098 境界線上のバビロンズ・ゲート 泉こなた&ライダー花村陽介&ランサールルーシュ・ヴィ・ブリタニア&セイバージョン・バックス&アサシンキャスター(ゾルフ・J・キンブリー)言峰綺礼&ギルガメッシュ魔王ゼロ 深山町・月海原学園新都・双子館新都・冬木教会地下 朝2巡目 ◆l3N27G/bJU No.099 Trinity soul 泉こなた&ライダー花村陽介&ランサールルーシュ・ヴィ・ブリタニア&セイバージョン・バックス&アサシンキャスター(ゾルフ・J・キンブリー)言峰綺礼&ギルガメッシュ魔王ゼロ 深山町・月海原学園新都・ハイアットホテル前新都・冬木教会地...
  • 本編目次時系列順
    ...BI No.097 暁の空に勝利を刻む ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア&セイバー枢木スザク&バーサーカーアサシン(6人目のファニー・ヴァレンタイン)キャスター(ゾルフ・J・キンブリー) 深山町 早朝2巡目 ◆wYNGIse9i6 ■朝2巡目(6~8時) No.098 境界線上のバビロンズ・ゲート 泉こなた&ライダー花村陽介&ランサールルーシュ・ヴィ・ブリタニア&セイバージョン・バックス&アサシンキャスター(ゾルフ・J・キンブリー)言峰綺礼&ギルガメッシュ魔王ゼロ 深山町・月海原学園新都・双子館新都・教会地下 朝2巡目 ◆l3N27G/bJU ■午前2巡目(8~10時) No.099 Trinity soul 泉こなた&ライダー花村陽介&ランサールルーシュ・ヴィ・ブリタニア&セイバージョン・バックス&アサシンキャスター(ゾルフ・J・キンブリー)言峰綺礼&ギルガメッシュ魔王ゼロ...
  • 金城優
    人物詳細 私立烏田高校3年。長身の少年。オートバイを移動手段として利用する。 烏田高校に所属しているが特待生であり出席を免除されている。 代わりに海外の大学の研究機関に所属している。 買い物用のカートを片手で持ち上げる膂力があり、 相手の行動を誘導する事により自爆へ導く他、天井や壁を利用してアクロバティックな動きをするなど、 多種多様な戦闘スタイルを持ち、その魔法のような闘い方から《魔導士(ウィザード)》の二つ名を持つ、西区最強の狼。 東区最強の《オオカバマダラ》に勝利した実績がある。 以前はハーフプライサー部に所属しており部長として部を牽引していたが脱会している。 洋の成長を楽しみにしている。海外留学のためアメリカへ旅立ち、狼たちは仙を後継者として見ている。 特殊な能力 彼自体は普通の人間である。 人間だよな? 人間ってなんだ? 膂力とずば抜けた運動神...
  • 雨流みねね
    人物詳細 宗教施設・宗教関係者に対するテロ活動を行ってきた筋金入りのテロリスト。 8歳の頃、中東を旅行中に宗教紛争に巻き込まれて両親を失った過去を持ち、 「神」を憎み犯行を行ってきた。ゲームに勝利して神になる目的は「神」であるデウスを殺すこと。 目的のためなら躊躇も容赦も全くしないが、面倒見がよく女性らしい一面も時折のぞかせる。 中東を転々として海外を逃げ回り、今は桜見市に潜伏している。18歳。 爆破テロと変装が得意で、未来日記所持者との対決にも爆弾類を使用している。 同じ犯罪者である火山を追っていたが、それを打ち倒した雪輝を狙うようになる。 雪輝の通っている中学校に大量の爆弾や地雷を設置し、 それを使って雪輝を殺そうとするが雪輝と由乃の日記の連携による「完全予知」の前に敗北。 雪輝のダーツから携帯を守るために左目を犠牲にして逃亡したものの椿の千里眼日記とは相性が悪かっ...
  • ヒトクイフラグメント
    【0】  成る程、理解した。  やはりお前は正気ではない。 【1】  ”勝利”とは、ひとえに何を意味するのだろうか。  『決まってんだろーが。目の前にいるそいつをぶっ殺しちまうことじゃねーのかよ、かはは』  『随分つまんねーことを聞くんだな、お前。あたしが戦ったらそれでもう”勝利”に決まってんだろ』  『《何を意味するのだろうか》——ふん。そんなことは簡単だ、呆れるほどにな。答えは、——《同じこと》だ』  『……さあね。それこそ、戯言だろ』  ——頭の中で、記憶の中の存在が好き勝手に答えていく。  そんな思い思いの回答を聞いた上で、やはり匂宮出夢はそれを《つまらねえ》と皮肉混じりの一笑に伏した。  たとえばドラマや少年漫画なんかでよく目にする、スポーツの大会なんかでみんなで努力して優勝するシーンで例えてみよう。  遊ぶ時間も惜しん...
  • La Danse Macabre(前編)
    「――世界(ザ・ワールド)!!」 アーチャー、つまりはDIOがその能力(スタンド)の真名を解放した時、 世界はカチリと時を刻むのを止めた。 ありとあらゆる生物が、いや水や空気のような無機物ですら まるで空間に固定された様に静止した世界。 その世界の中で唯一人、DIOのみが君臨する事を許される。 それは最早、大規模固有結界とでも呼ぶべき神秘。 その世界の中でDIOは自分の前で静止するバーサーカーを見据える。 無論、サーヴァントといえどもこの静止した空間では そのルールには従わざるを得ない。 自分の眼前に迫る兇刃を軽く退かし、DIOは鼻で笑う。 「フン、よくやってくれたものだ。  ほんのちょっぴりだが、私を焦らせたのだからな」 狂気に歪む少女のサーヴァントの顎を腕でつぃと上げて、 その顔を一度覗き込んだ後にすぐに手を離して軽く距離を取り直す。 ...
  • oath sign
    . 「ランスロット。君と、話がしたい」 「話す事など、何もありませぬ」         ◆  残念なお知らせだ、マスター。  サーヴァント、仮面ライダーディケイドはそう言った。  愛すべき娘がこの殺し合いに参加している。これ以上に始末に悪い事などあるものかと、衛宮切嗣は応えようとした。  だが、出会って間もないこのライダーが切嗣について知っている事は少ない。  その彼が、残念などという言葉で形容するべき事態など、一つしか有り得ないはずだ。  答えを半ば予測しながらも、認めたくない、認められないと切嗣は先を促した。 「さっきのランサーのマスターな。死んだぞ」  呼吸が止まった。  念話越しに伝えてくるライダーの声は平静そのもの、嘘ではないかと疑ってしまうく...
  • FINAL DEAD LANCER(中編)
    「シロウはどこに行ったのー!?」 時間は士郎とルルーシュが柳洞寺に到着したところまで遡る。 謎のサーヴァントとの戦闘の後、イリヤスフィールとランサーは、再度の襲撃を警戒して大きく回り道をしてから衛宮邸に向かった。 あの正体不明のサーヴァントを士郎に近づけたくなかったが故の行動だったが、そのためにまっすぐ柳洞寺へ向かった士郎らと入れ違いになってしまった。 セイバー二人もランサーもサーヴァントとしては索敵範囲が狭いため、お互いの接近に気付けなかったのだ。 士郎の不在に一度は憤慨したイリヤスフィールだったが、深呼吸して落ち着くと、すぐに士郎が向いそうな場所を導き出した。 「多分柳洞寺ね。前もキャスターが居座ってたし、リンを探してから行くなんて回りくどいことをシロウがするとも思えないし」 あの場に遠坂凛がいたかどうかは覚えていないが、彼女はこの冬木のセカンドオーナー...
  • いくつもの不運と幸運を重ねて
    いくつもの不運と幸運を重ねて 時は待たない。 全ての者に平等に結末を運んでくる。 電子世界の冬木市に僅かに陽の光が差しはじめた頃、枢木スザクは小鳥の囀りで目を覚ました。 「……夜が明けてきたのか。 本当に現実と変わらない世界なんだな、ここは」 大して疲労の抜けていない身体を起こし、スザクは先ほど潜り込んだこの家を物色し始めた。 本来ならもっと睡眠を摂るべきなのだが、昨夜の激戦のせいかはたまたバーサーカーへの魔力供給のせいか、強い空腹感に苛まれていた。 それに一度目が覚めてしまったせいか、腹を満たしたとしてもすぐには眠れそうにもなかった。 そこでまずは食糧を探すことにした。 食糧はすぐに見つかった。 何しろここは普通の民家、台所を探せば食べ物が見つかるのは当たり前の道理だった。 スザクはいくつかの菓子パンとバナナ、そして牛乳...
  • 騎士(奇死)
    騎士(奇死) 空は、未だ漆黒。 既に幾つかの戦乱が行われているこの街―――その、商店街に、枢木スザクは潜伏していた。 騎士である彼がこんな盗人のような真似をするのは非常に似つかわしくないものがあったが、勝つためには隠れ潜むことも重要。 彼の親友『だった』男のように、奇策謀術で攻めてくる者だって、居るかもしれないのだから。 サーヴァント・バーサーカーことサー・ランスロットは、現在徘徊に向かわせている。 狂戦士の性質上令呪を用いない命令で縛りつけることは容易ではないだろう。 確かに彼が戦う傍らで敵のマスターを襲撃することも出来なくはないが、呪いに等しいとある『命令』に縛られているスザクであっても、サーヴァントのような超常の存在相手では厳しいものがある。 考えた末で出した結論が、『バーサーカーを先行させて自分は潜伏する』、お世辞にも騎士らしいとは言えぬ選択だったのだ。 ...
  • 茶会~マッド・ティー・パーティ~
    時刻は深夜、冬木ハイアットホテルの一室にて、四人の男たちが向かい合っている。 一人は英国人、アーチャー・DIO。マスターは鹿目まどか。 一人はアメリカ人、アサシン・ファニー・ヴァレンタイン。マスターはジョン・バックス。 一人はアメストリス人、キャスター・ゾルフ・J・キンブリー。マスターは羽瀬川小鳩。 一人は日本人、ライダー・門矢士。マスターは衛宮切嗣。 いずれも人間ではなく、サーヴァントと呼ばれる魔力で構成された過去の英霊たちである。 彼らは今、ある一つの目的を達成するために一時的に協力関係にあった。 「…以上が、僕が学園で取得した敵の能力です」 そして、ここにはいない人物の声がテーブルに置かれた携帯電話から漏れた。 その声の主は枢木スザク。同じく不在のバーサーカー・ランスロットのマスターである。 バーサーカーを代理で会合に出席させることは不可能なので、彼だ...
  • 策士策に溺れる
    彼女が学んだことは、自分という存在がいかにちっぽけだったかということ。 単なる一学生、特殊な力など片鱗さえも有しておらず、 妄想の中でしか強くなれないような、個性的でこそあれど唯一ではない存在。 兄の唯一になりたいなんて幼い願いで、聖杯などを志したのがまず最大の間違いだったのだ。 間違いの代償は、きっちりと払わせられるだろう。 どうしようもない。 今の状況を例えるならば、将棋でいう『詰み』の状態にも等しい。 令呪はもう残りたったの一画しかなくて、マスタ—の自分が握れる主導権など皆無———何もかもを、あの少年に奪われてしまった。 こんな自分を認めてくれる世界なんて、どこにあるというのか。 暗く悪臭漂う土蔵の中で、鎖に繋がれたまま少女は呟く。 しかし運命は非情で、彼女に言葉を発する権利すらも許さなかった。 あるべきものがない。だから、言葉を発することさえも叶わ...
  • Assault of Dreadnoughts(中編)
    覇王ゼフィールはこの状況が内心気に入らなかった。 騎竜の上から巨大な妖気探知の主と相対する。 早々に片付けねばならぬ相手であることは間違いない。 だが、彼とて目立ちたくはなかったのだ。 NPC達は未だ夜空の闇に紛れる自分たちに気付かない。 しかし数秒後にはゼフィールの好む静寂とは真逆の状況になるだろう。 だが何より——混沌を好む、自分の従者が愉しそうなのが一層気に入らない。 狂王アシュナードは内心狂喜していた。 己が主人の内心など表情を読まなくても解る。 仕方がないと踏まえた上で全てが気に入らないのだろう。 相手のマスターの刺すような視線も、セイバーと思しき敵英霊の微笑も、 狂王アシュナードの悦びを増すばかりであった。 眼下に蠢くNPC達がこの瞬間から上げる悲鳴もまた、心地よい。 微笑みのテレサは迷わない。 敵の索敵能力の謎も、自分より更に上のス...
  • No.21
    No.21 白い少女が嗤う。自分を嘲るように。 赤い少女が嗤う。自分を嘲笑するように。 怯えていたはずの少女が嗤う。不要なのは貴方なのだと。 迫る狂戦士の石斧。自分を取り巻く女たちの嗤い。 それが間桐慎二が見たはずの、最後の光景だった。 「っ……!はーっ、はーっ……!」 救いのないまま、目が覚めた。 荒い、乾いた息が漏れる。 目覚めた場所は寒風吹きさす新都センタービルの屋上。 慎二のサーヴァント、メドューサと衛宮士郎のサーヴァント、セイバーが死闘を繰り広げた地。 ……そして慎二は、敗北したはずだった。あの衛宮士郎に。 「違う…っ!違う違う違うッ!」 ありえない。間桐家の次期当主であるはずの自分が、衛宮士郎などに敗北するなどあってはならない。 (僕のせいじゃない!僕は悪くない!悪いのはライダーだ!あんなはずれサーヴァン...
  • Trinity soul
     視界が朱に染まっている。  息を吸えば喉が灼かれ、肺は酸素を求めて喘いでいる。  夜の暗闇は太陽ではなく炎によって駆逐された。 「……! ……!」  炎の向こうで、仲間が――ルルーシュが、何か叫んでいる。  しかし、何を言っているのかわからない。  ふと足元に何か大きなモノが落ちていると気付いて、視線を下ろす。  それは炎よりも鮮やかな血で全身を染めた泉こなただった。  死んでいる……いや、まだ息はある。  しかしペルソナ使いでも礼装を所持している訳でもないこなたには危険なレベルの重症だ。  何故こうなった、と考えるもまったく理解できない。突然――そう、突然だった。  微睡んでいた意識は、気が付けば熱と痛みによって強引に叩き起こされたのだから。 「花村!」  駆け寄ってきたルルーシュに肩を掴まれる。  ルルーシュは一度こなた...
  • Night of The Round
    Night of The Round ガウェインとの契約を交わし、今後の行動を決めようと思案していた時、 ルルーシュは不意に眩暈を覚える。 「……ッ!?」 不意に襲われた不快感に頭を抱え、 もう一度頭を上げた時、 そこには思いもよらない光景が目に入る。 「なっ…!?」 先程までの宮殿のような光景は消滅し、 窓から月の光が差し込む長い廊下の真ん中に いつの間にか自分は立っている。 『ムーンセルによる移動が行われたようですね』 傍から白銀の騎士の声だけが響く。 「ガウェインか? 何処にいる?」 ルルーシュの声に反応するように光が集約し、 人の形を成していく。 ものの数秒で始めからそこに居たかのように ルルーシュの傍らに白銀の騎士が現れる。 「常にお傍に」 サーヴァントの霊体からの実体化を初めて目...
  • Power Age
    夏の土用の丑の日にはうなぎ、とは平賀源内のセールスによるものと伝えられているが、実際の夏場のウナギは一年で一番不味い時期に当たるという。 だが、脂ののった身と栄養素は夏場のスタミナ食としては十分である。ムーンセルが舞台として用意した「SE.RA.PH」に季節感は無いが。 そのうな重をバックスは3杯も食べていた。 どうやらこの聖杯戦争では、魔術回路が無い一般人には体力を魔力に変換するエミュレータが、アバターに備わっているらしい。 本来摂食を必要としない仮初の肉体ではあるが、食事によって体力、ひいては魔力を回復できるようだ。 バックスは栄養ドリンクの摂取、及び昼食でその事を突き止めた。 空になった重箱を片付けさせ、さらに栄養ドリンクのキャップを開けようとした時、アサシンが音もなく表れた。 なぜか巨大な大剣、もしくは槍を肩に担いで。 「まだ疲労はとれていないよう...
  • 境界線上のバビロンズ・ゲート
    結論から言えば、ジョン・バックスは死にかけていた。 「ひゅー……ひゅー……」 力なく開いた口から漏れる弱々しい呼吸。 小刻みに痙攣を繰り返す指先。 白濁した眼球は物体を捉えられず、視界は霞がかったように真っ白だ。 体に血液を送り出す心臓の鼓動はゆっくりと遅くなっていく。 限界をはるかに超えて魔力をアサシンに供給した結果、 正規の魔術師ではないジョン市長は生命維持に支障をきたすほど魔力を消耗していた。 他のマスターから狙われないために新都山奥の双子館に身を隠したことが仇になった。 今、市長の周りには誰もいない。 足取りが漏れるのを恐れて世話役のNPCさえも置いていなかったため、市長がこうして動けなくなっても誰にも発見されないのだ。 柳洞寺を攻撃に向かったアサシンが戻るまでまだ時間がかかる。 市長の命はそれまで持たないかもしれない―― ...
  • 神の座を目指す彼らの名を誰もが心に刻むまで
    新都のビル群の真ん中に建つ冬木市庁舎。 その最上階の執務室で、一人の男性が傍らに立つ秘書の報告に耳を傾けていた。 「警察、行政からの情報は以上です、市長」 「ご苦労、私はこれから客人との会談に臨む。 暫くの間、職員たちの指揮権は君に預ける」 「はい」 市長と呼ばれた男性は秘書にそう告げ、執務室を出るとエレベーターに乗って数階下のフロアへ向かい、多少の緊張を抑えながら応接室の扉を開いた。 そこには、中世ヨーロッパの王族のような装いの巨漢がいた。傍から見れば時代錯誤甚だしい服装だが、その巨漢には不自然さを感じさせない、一種独特な雰囲気があった。 「……来たか」 重々しく口を開いた巨漢に、市長はやや恭しく答えた。 「遅れて申し訳ない。しかし私も、市政に携わる者としてこなさなければならない仕事がありましてな。 それでは交渉を始めましょ...
  • go to the next victim
    ベルンの覇王、ゼフィール。 デインの狂王、アシュナード。 王にして屈強の戦士でもある二人の主従は。 何度かの交戦を経て目的地であった教会へと辿り着いていた。 「ようこそ、歴史に名高き王たちよ。歓迎しよう」 彼らを出迎えた神父――言峰綺礼は、正しく中立であった。 令呪やサーヴァントの交換について問えば微細に答える。 しかし他のマスターやサーヴァントの情報は頑として話さない。 あくまで監督役。 それ以上の肩入れはしない。 言峰綺礼としても、開くべき傷、弱さを持ち合わせない二人の王相手に、 さして興味を覚えることなく、ただ監督役としての分を果たすのみであった。 神父から得た情報は、実りある物だった。 ゼフィールが当初、アシュナードから得たサーヴァント変更についての情報は。 対象サーヴァントとそのマスターとの契約を破棄させ、マスターから令呪を奪う ...
  • 最終確認をしよう
    遠坂邸の地下室に集まった10人の男女。 彼らは来るべき戦いに備える為、作戦の最終調整を話し合っていた。 「DIOとディケイドの対策はある程度固まってきたが、出来る事ならもう一手なにかほしいな。気休めでも何でも少しでも手札が必要だ」 「でもこれ以上はどうしようも無いんじゃないかな?私たち皆お互いの能力を知ったうえで対策立てたんだからさ、さっきのセイバーさんみたいに急に新しい能力に目覚めることも無理だし・・・」 「だよなぁ・・・。それにサーヴァントって修行しても能力は変化しないんだろ?よく分かんないけど」 「ええ。経験を積むという意味では無意味ではありませんが、生前の力を取り戻すことはありませんし、なにより新たな力を得るのは不可能です。それこそディケイドのような能力を持っていない限りは・・・」 こればっかりはどうしようもないと諦めていた時、ずっと何か考えていたルル...
  • 没No.25
    No.25 白地の青のラインが入ったワンピースにタブリエを被せ、ベルトで止めた特徴的な制服を着た少女は、この聖杯戦争に対し怒っていた。 ハンマーとノギスを組み合わせた外見の万能工具「スプレンディッド・インパクト」を振り上げ、高らかに叫ぶ。 「う~、ハートに火がつきましたよ。絶対許せません、こんなこと!」 彼女の名前は「ナノカ・フランカ」。 百年か千年に一人の天才児と謳われながら、驕り高ぶることなく努力を続け、人並み以上に豊富な感情と元気と体力と正義感を持ち合わせた少女である。 結果、大いに成功し、大いに失敗する。具体的には発明で爆発を起こす。 親友が陰謀に巻き込まれ、監禁されれば自ら救出に行き、街をドラゴンが襲えば発明品で倒そうとする。 そんな彼女が目の前で殺し合いを始めると言われて、黙っているはずが無かった。 「絶対この戦いを止めて見せますからね!」 ナノカは参...
  • No.8
    No.8 魔術師たちの闘争の終焉から半年間が過ぎた。 私が召喚した紅き弓兵、直向きすぎる所がたまにキズな正義の味方の男の子、そして血を別けたたった一人の妹。 様々なものを失ったけれど、それでも本当に大切なものを守ることができた。 ――だが再び聖杯戦争の幕は開く。 倒したはずの強敵たちが立ち塞がり、仮初の街で新たな死闘を繰り広げる。 あの時と同じく、遠坂凛は闘争への一歩を自らの意思で選びとる。 なぜ?どうして? 疑問は尽きない。 だが今度こそ私が終わらせる。あるはずのない戦いを。二度目の聖杯戦争を。 「ここは……私の家、か。」 気がつけばあの言峰教会から自宅へと転移していた。 空間転移の魔術はかなり高等な術なのだが、これも聖杯の力というやつだろうか? だがこれで嫌でも聖杯の存在を信じざるえなくなったわけだ。 そもそもあの教会にいた言峰綺礼は本物な...
  • 終わりに向かう物語
    日は落ちた。三度目の夜。 紛れもなくこれが最後の夜であると、誰もが確信している。 時は、午前零時。 暗闇の中にあってなお、太陽の如き輝きを放つ一人の男――名をギルガメッシュ。 金の髪、赤い瞳、黄金の鎧。只人が見れば無意識に頭を垂れる、圧倒的な存在感を放っている。 彼こそは人の歴史に燦然と名を刻む、万夫不当の英雄王だ。 そしてその側には、英雄王とは対照的に漆黒の礼服に身を包む長身痩躯の男が一人。 言峰綺礼。神父のNPCにして、ギルガメッシュのマスターとしてこの聖杯戦争に参戦したイレギュラー要素である。 彼らは、敵を待っている。 もうすぐここに――西と東の街を結ぶ冬木市の要所、冬木大橋へと、敵がやってくる。 「英雄王よ、一つ質問がある」 綺礼の問いに、ギルガメッシュは目線で先を促す。 この決戦の地に着いて、ギルガメッシュはただの一言も発していない...
  • 本多忠勝
    人物背景 本多忠勝(ほんだ ただかつ 1548年 - 1610年12月3日) 安土桃山時代から江戸時代前期にかけての武将・大名で、幼い頃から徳川家康に仕える家臣。 江戸幕府の創業に功績を立てた「徳川四天王」の一人として数えられる。 通称は「平八郎」。「忠勝」の名は「ただ勝利するのみの男」の意味で家康より名づけられた。 生涯において五十七の合戦に参加したが、一度としてかすり傷一つ負わなかったと伝えられており、 そのあまりの強さから武田軍から「家康に過ぎたるものは二つあり、唐のかしらに本多平八」と賞賛されている。 大友家の名将・立花宗茂と並び、豊臣秀吉から「天下無双」と評された。 ……だが、どうやら今回の聖杯戦争で呼び出された彼は史実とは異なる世界から呼び出されたらしい。 パラメーター 筋力A 耐久A+ 敏捷B 魔力D 幸運C 宝具A 属性 ...
  • 絆物語(後編)
     「ペルソナ」  再びあらわれた世界のアルカナ———伊邪那岐禍津大神———  ある種の禍々しさを纏ったソレは、不気味に名無とリインフォースを見つめる。  (なんだ……この感じ………まるで透明の水に墨汁を垂らしたかのようなドス黒い魔力の感じは……!?)  吐き気を催すような魔力を感じ取ったリインフォースだったが、悠長に考えている時間はないようだ。  獲物を見定めた鷹のように、低空飛行で一直線に名無に向かって襲い掛かる。  そうさせまいとリインフォースは貫通力と速度重視の魔力弾の弾幕を展開する。  さすがに危険を感じたのか、手に持った矛を回転させ防御する伊邪那岐。  その隙に名無は、悠の方へ踊りかかるが、慌てることなく日本刀で受け止め、返す刃で名無の首 目掛けて刃を走らすが——————  「うひょおう!?」  珍妙な掛け声とともに身体...
  • Imagine Bleaker
    Imagine Bleaker 羽瀬川小鳩は、夢を見ていた。 それはとても幸せな夢で、聖杯戦争という現実を忘れてしまいそうなくらいの、優しい夢。 ―――そもそも彼女は、あまりに不純な動機で聖杯に選ばれた稀有な存在である。 普段から吸血鬼を自称し、奇抜な衣装に身を包んで様々な設定を自らに課して生きている。 別にやらなければ誰かが死んでしまうとか、彼女が本当に吸血鬼だとか、そういった設定はない。 とあるアニメにどっぷり嵌まってしまい、それで思春期によくある病を発症してしまっただけである。 ……厨二病という、特効薬の存在しない病を。 それまでは馬鹿馬鹿しいことに情熱を燃やす、ちょっとばかし頭の足りない美少女だった。 それでも心まで吸血鬼になりきれてはおらず、内面はあくまで年相応の少女に過ぎない。 少々友達が少ない、ある少年の残念な妹。 それが、本来羽瀬川小鳩...
  • OP~導入
    OP~導入 聖堂の様な場所で『貴方』は目を覚ます。 見覚えが有る様な無い様な、 そんな印象をくらくらとする頭で感じ取る。 辺りには似たような人間が何人も倒れており、 『彼』、『彼女』らは『貴方』と同じ様に 頭を抱えながら起き上がり始めている。 不意にコツコツと靴音が響き渡り、 『貴方』を含む全ての人間がそちらに目を向ける。 其処には聖堂ならば居ても当然の者、 だが妙に似つかわしくない雰囲気を醸し出す 神父が厳かに立っていた。 「ようこそ、新たな召喚者達よ。  お前達は聖杯によって選ばれた。  己の願望を叶えたいと欲する者は  己の右腕を見てみろ」 静かに告げる神父の言葉に『貴方』は 思わず自分の右手に視線を遣る。 覚えの無い刻印が手の甲に刻まれている。 「それは令呪。  それを刻みし者は聖杯の力の一端である  サーヴァントを使役...
  • Memento mori(前編)
    1 魔術師殺しは策謀を巡らせ蠢動する 「――――――っ!?」 新都をトラックで走り回っている最中、衛宮切嗣は突然訪れた痛覚に顔を顰めた。 マスターの些細な様子の変化を鋭敏に感じ取ったのであろう、傍らで霊体化しているライダーが怪訝そうな声音で声を掛けた。 「おい、どうしたマスター?何かあったのか?」 「…僕は大丈夫だ、それよりも一瞬で良い。ペガサスフォームを使ってくれ。 探る場所は深山町の大橋前だ、説明している時間が惜しい」 ライダーとしては今はディケイドライバーの修復に全力を注ぎたいのだが、切嗣は恐らくそれを踏まえた上で言っているのだろう。 ともかく指示に従ってペガサスフォームで索敵を行なったところ、今までは見られなかった異常を発見した。 「こいつは…何かが飛び回っているな。何かまでは分からないがどうも“見られている”、そんな気がするな。 ...
  • 開幕、聖杯大戦
    バーサーカーが駆ける。 無人の深山町の中心へと、凄まじい速度で侵入していく。 瞬間、狂戦士の目前の何もない空間が歪み、銀に輝くスフィア盤が出現。同時に外敵たるバーサーカーへと迎撃の魔法を叩き込む。 その砲撃の威力は決して侮れる物ではない。並のサーヴァントが無防備で受け続ければ深手も負うだろう。 だが、ここにいるのは円卓の騎士随一と呼ばれた騎士。 バーサーカーが両手に構えた剣を竜巻の如く旋回させると、四方から放たれた魔力砲撃はひとつ残らず弾き散らされた。 「……見えたか、アーチャー」 「フン、誰に言っているのだアサシン」 そこから遥か彼方、バーサーカーの侵攻を眺めていた三つの影――アーチャーとアサシン、そしてキャスター。 理性なきバーサーカーと歩調は合わせられないため、まずバーサーカーを先行させ敵の手の内を見る作戦だ。 「自動迎撃用のトラップを兼ねた結界...
  • Assault of Dreadnoughts(後編)
    空飛ぶバカ、アストレアは目の前の異形がバランスを崩した事など気にも留めない。 剣を構え……クリュサオルで両断する。 ライダーとセイバー、空を飛ぶ2つのサーヴァントを相手に善戦し続けたテレサはついに大きなダメージを受けた。 「ガハァッ!」 足場のない空中で戦っていたため、当然地面まで自由落下する事になる。 空中で錐揉み回転しながらも、たった今自分を奇襲した魔術の使い手が誰か確認する。 (あ…あいつか!?) アシュヒトが乱入者相手に戦闘しているその近くに4人の新たな参加者を視認する。 うち二人は既に見たことのあるバーサーカーの主従、もう片方はセイバーと思われる主従。 キャスターには見えず、恐らくは魔術を使えるセイバーが自分に魔法を放った形跡がある。 今の状況は、非常にマズい。 「セイバー!?」 自分の従者が大ダメージを受け、つい...
  • It's just like OVER HEAVEN
    アーチャーのサーヴァントが夜の街を駆けていく。 その真名を“DIO”——悪の帝王とも評される吸血鬼にして最強のスタンド使い。 DIOは高層ビルの屋上に降り立ち、東の空を仰ぎ見る。 「日の出まであと二時間といったところか——」 DIOは呟く。 サーヴァントになったとはいえDIOの本質は吸血鬼だ。 といっても、それは便宜上の呼称であり世間一般のそれとはやや性質が異なる。 ニンニクや十字架は苦ではない。 心臓に杭を打たれても痛手にはならない。 首だけになってもしばらくは生きていられる。 招かれなくても他人の家に押し入ることができる。 聖書や銀の弾丸にも怯まない。 流れる水の上だって歩みを止めることはない。 世間に知られている吸血鬼の弱点 をすべて克服したようなDIOだが一つだけ——乗り越えられなかったものがある。 吸血鬼とはおしなべて朝日を浴びれば灰になる運命を...
  • Yes,I Can.
    「知ってるか? 缶ビールの一気飲みの方法」 ジョン・バックスの元に戻ってきたアサシンのサーヴァント、ファニー・ヴァレンタインは開口一番、そう言った。 アサシンはバックスの返答を待たず、右手に缶ビール、左手に万年筆を持ち、ペン先で缶ビールの下部に穴を開けた。 中身がこぼれないよう穴に口を当て、その体勢を保ったまま上部のプルタブを引っ張り開口する。 すると大気圧の作用でビールが一気に穴から噴出した。 アサシンはビールを一滴もこぼさぬよう喉へ流し込んでいく。うめき声をあげて飲み込む必死な形相。 その姿を眺めるバックスは、きちんと味わえているか疑問に思った。 「ブハァーーーッ!! イエスッ、イエスッ!」 ビール缶を一気に空にして、満足そうに何度も腕を上下に振るアサシン。バックスの脳裏に幾つもの思考が浮かぶ。 彼は一体何をしているんだ? いや、何をしているかは分か...
  • FINAL DEAD LANCER(後編)
    騎士王と光の御子。 いつかと同じ二人の激突は、しかし以前とは全く違う様相を呈していた。 「ぐっ……!」 セイバーから苦悶の声が漏れる。だが、手を止めることは許されない。 そんなことをすれば、たちまちのうちにランサーの朱槍の餌食になるだけだ。 ランサーの槍さばきは、前回対峙した時とは別人ではないかとさえ思えるほど強壮にして苛烈だった。 以前は容易く捌き、反撃に転じる余裕さえあった攻撃が、今は防ぐだけで精一杯。 以前は容易に相手の守りを突き崩したこちらの攻撃を今はあっさりと防がれる。 以前は追いつけた敵のスピードに、今は追いすがることすらできない。 「その見えない剣はもう通用せんぞ、セイバー!」 そして、今のランサーには何故か“風王結界(インビジブルエア)”による剣の隠蔽が通じていない。 刀身の長さを正確に把握しているとしか考えられない的確な攻めに...
  • Anything Goes!
    Anything Goes! OOO 仮面ライダーオーズ、前回の三つの出来事! 一つ、泉こなたのサーヴァントとして聖杯戦争に呼ばれた火野映司! 一つ、オーズの姿が見たいと願うこなたの前で映司は変身する! 一つ、その姿を見つめるサーヴァントの姿が映司達の傍に! OOO 「ここは本当に冬木市なのかしら…」 遠坂凛は自宅を拠点として結界を張った後、周囲の散策に出ていた。 もちろん凛の張る結界ではキャスタークラスに通用しない可能性も高い。が、こっちのサーヴァントもキャスターだ。 変な結界を張らないよう凛が監修した上で陣地作成のスキルを活用させてもらった。 しかし出て感じたのは異常なまでの違和感だった。 もしかしたら何らかの魔術結界の中に囚われているのではないかと思うほどだ。 違和感の原因は分からない。 サーヴァントを問いただしもしてみた...
  • 死亡者リスト
    此処から先は本スレの空気を(主にトラ的な意味で)ぶち壊す異空間ですが構いませんか? どうせタイガーだろ? 帰る、でも悪乗りは大概にしろよタイガー。
  • ガウェイン
    人物背景 「アーサー王伝説」に登場する円卓の騎士の一人であり、アーサー王の甥にあたる。 もう一人の聖剣の担い手であり、アーサー王の影武者とも言われた。 完全なる理想の騎士。相手を軽んじる事もなく、侮辱する事もなく、 相手が力不足であってもその戦意と覚悟を汲み取って、礼節をもって相対した。 王に対しては影に徹し、ひとたび号令が下れば颯爽と戦場に赴き涼やかな笑顔で勝利する。 アーサー王の片腕と称されたランスロット卿に並ぶとされる高潔な騎士。 月を象徴とするアーサー王に対し、太陽を背負うガウェイン卿。 王の影武者を務め、見目麗しく、アーサー王がもしも倒れた場合の代行候補の一人であると周囲には目されていたが、 本人はその評価を意に介することなく、王の右腕であり続けた。 ただし、王を盲目的に崇拝していたがため、王の苦悩を知ることはなかった。 そんな完璧ぶりを発揮したガウェイン卿...
  • 夢見るように眠りたい
    それは、夏の暑い日だった。 ぎらぎらと照りつける太陽の下を、小鳩は歩いている。 隣には兄がいた。三つ年上の、高校二年生。 小鳩と兄は夏休みの貴重な一日を冷房の効いた家ではなく蜃気楼が見えそうな道路の上で過ごしていた。 「あんちゃ…」 あまりの暑さに設定を忘れ素が出そうになる。 兄が振り返る前にごほんと咳払いし、 「ククク…我が眷属よ…貴様に我の足となる光栄を授けよう…」 「もう疲れたのかよ…家出て五分だぞ」 「うう…だって暑…ククク、こ、この煉獄の饗宴はもはや飽いた。  貴様に我を興じさせる権利をやろうというのだ」 「俺だって暑いんだからおんぶなんて勘弁してくれ。  だからゴスロリやめて薄着にしろって言ったろうが」 「わ、我が闇の力が具現化したこのドレスを脱ぎ捨てるなど…!貴様は我ら夜の血族の証をなんだと」 「お、自...
  • 踏み越えた その先で
     これまでに、オレのこの手を掴んだのは、四人。  そして今、五人目に手を伸ばされたとき。  オレは…… 『タカ! トラ! バッタ!』 『♪タ・ト・バ! タトバ タ・ト・バ!!』 『言ったとおりだったろう? 意外にすぐに見つかるってさ』  セイバーのサーヴァント――イスラ・レヴィノスが言う。  最初の場所、イスラと対面した小さな小部屋から出てすぐ、オレ――天海陸の耳に飛び込んできたのは奇妙な歌だった。 「じゃあ今のは?」 「こんな夜中に歌う酔狂なやつじゃなければ、間違いなく他のマスターとサーヴァントだろうね」  イスラが霊体化を解く。申し訳程度の戦闘準備だ。  先ほど一瞬だけ発動したイスラの宝具――“紅の暴君”が陸に強いた魔力の消耗は、行動にさほど影響を与えるものではなかった。  魔力を吸収する...
  • BROKEN BLADE
    『最悪の状況』とは、どういうことを言うのだろうか。 人によってそれは様々だろうが、少なくともランサーのサーヴァント——クー・フーリンにとって、 己は傷つきマスターを敵サーヴァントに支配されたいまの状況は。 (まだ、巻き返す目がないわけじゃねえ) 最悪、と呼ぶほどのものでは無かった。 なにせ、生きている、己も、マスターである鳴上悠も。生きているのなら——まだ戦いは終わっていない。 いま、悠とランサーは早朝から営業していたファーストフード店に入り、食事を摂っていた。 ナイフ使いのアーチャーとの交戦からさほど時間は経っていない。 何をするにしろ荒れに荒れた地下街からは早めに離れるべきだと判断しそそくさと移動した。 目についた店に入り、カウンターでホットドッグとコーヒーを注文し、二階席の奥の方へ座り、現在。 ずっと動き回っていたため悠はひどく空腹だった。...
  • ナイト・オブ・ナイツ
    結果こそが全て。 そう理解したはずだった。 だけど本当に理解していたのだろうか。 自分は、未だに甘さを捨てきれていなかったのではないか。 そうだ、甘かった。 何もかもを甘く考えすぎていた。 枢木スザクは現実を現状を省みる。 マスター相手に片腕を持って行かれた――これはまだいい。 右腕が使えないのは大きなハンデだが、万全の状態でも完敗を喫したのだ。 匂宮出夢がマスターの中でも特別強かったとも考えられるが、それこそ甘い考えだと切って捨てる。 たとえ出夢がマスター中最強だったとしても、この地に召喚されたあらゆるサーヴァントはそんな彼女よりももっと強いのだ。 マスター一人にすら勝てない自分が、況やサーヴァントに勝てるはずもない。 やはり聖杯戦争にて勝利のカギを握るのはサーヴァント……。 今更ながらにそう思い至ったからこそ、マスターとサーヴァントとの繋がりを辿りバーサ...
  • Memento mori(後編)
    4 集う者達 時を暫く遡る。 遠坂邸の居間にてサーチャーを介して哨戒を行なっていたリインフォースだったが突如異変に襲われた。 「サーチャーが……!?」 ルルーシュの頼みで柳洞寺周辺に飛ばしていたサーチャーの悉くが一瞬にして破壊されたのだ。 ステルス性能を高めていたはずのそれらを見抜き、一瞬で破壊し尽くす。 そんな事が可能なのは自分と同じキャスターかあるいは間諜に長けたアサシン、若しくは視野と射撃能力に秀でたアーチャーか。 「どうした、キャスター?」 ふと横で書斎にあった地上の聖杯戦争に関する資料を読んでいたルルーシュが声を掛けてきた。 それにリインフォースも今起こった異変を正直に話した。柳洞寺にいるマスターはルルーシュの仲間なのだから当然のことだ。 「何だと…?」 話を聞いたルルーシュは携帯電話を開いたが―――着信はゼロ。 ...
  • 完結編の死亡者名鑑
    トワイス・H・ピースマン              ooooo            oooooooooo             oooooooooooooooo           oooooooooooooooooo          ooooooo         o        ooooooo     °    i        ooooo   ̄ ̄    ̄ ̄ i        oooo   ━┳   ━┳ 7       7 -、o    ‐‐‐  l ‐‐‐ l.)       | λ           〉   |,l       ヽ          __    i |        i          <二   i l         i  i、        --   イ"         '-"l `゙...
  • No.17
    No.17 ――――――『試練』には必ず「戦い」があり、「流される血」がある。 ―――――― ――――――『試練』は供え物。 立派であるほど良い。―――――― ◆ 「聖杯は我々が手に入れなくてはならない」 冬木市に建つホテルの一室。 椅子に腰掛けたサーヴァントは、小型のテーブルを隔てて向こう側の席に座る己のマスターに向けてそう言った。 宣言した彼の眼光は鋭く、そこからは彼のした覚悟が見て取れるだろう。 一方のマスターは、サーヴァントの言葉をさながらクラシックでも聞くかのような表情で聞いている。 「私は民の為に聖杯に願いを託す……"市長"、あなたもそうだろう?」 「当然だとも。ああいうものは、より多くの者に有益に働くように使わなくてはならない」 "市長"と呼ばれたマスターはそう言うと、...
  • ゾルフ・J・キンブリー
    人物背景 軍人であり階級は中佐。 「紅蓮」の二つ名を持つ国家錬金術師。 白いスーツとコート、帽子を愛用する総髪・吊り目の男。ホムンクルスの協力者。 普段は紳士然として慇懃無礼にも似た言動の人物だが、本性は殺人に美意識を見出すサイコパス。 しかし単なる快楽殺人鬼というわけではなく、自らが殺した相手を記憶するなど殺人に関して独自の理念を持つ。 同時に「意志を貫く人は好き」として、自分の行動理念に従って生きる人物には敵や殺す対象でも敬意を払う。 また、自身はこの世界にとって異端の存在であると自覚している。 ホムンクルス達への協力についても、「大きな世界の流れの中で(人間とホムンクルスの)どちらが生き残る力を持つのか(観てみたい)」と述べたり、 己の存在の是非を賭けたりと、レイブンら通常の人間の協力者とは一線を画している。 また、イシュヴァール戦を戦い抜いた経験や体術は相当な物...
  • フェスティバル
    【1】   「くそ、予想以上にひどいな。」  叔父である間桐雁夜とトキとの戦闘を終えた慎二は、屋敷の損傷具合を調べるため拠点である間桐邸を周っていた。  一階を除いて破壊されていたためある程度は覚悟をしていたが、予想以上に被害がひどい。  これではここをメインの拠点にすることは不可能だろう。  しかし今移動すれば他の参加者に鉢合わせするかもしれない。  先ほどの戦いは宝具同士のぶつかり合いでとても目立っていた。  またライダーとバーサーカーは酷いダメージと魔力消耗をしており自分も疲労がひどい。  キャスターは無傷だが真正面からの戦いには向かず、また信用も出来ない。  しかしこのままここに篭っていても大した効果が有るとも思えない。  リスクを承知で安全地帯まで逃げるか、此処に残り少しでも回復に専念するか・・・  「移動するぞライダー、ここはもう破棄する...
  • エンジェロイド・タイプΔアストレア
    人物背景 空にある天上世界シナプスの技術者ダイダロスによって創造された局地戦闘用エンジェロイドタイプΔ(デルタ)「Astraea」(アストレア)。 近接戦闘に特化しており、その点については他のエンジェロイドの追随を許さない。 戦闘能力と感情制御が搭載されている反面、電算能力は必要が無いとされて搭載されなかった所為もあり、頭脳面では極度の低スペック。その影響もあってか漢字も一切読めない。 端的に言うと「バカ」。 武装はエンジェロイド一の加速性能を誇る最速の翼「超加速型の翼」、ピンポイントながら絶対的な防御力を持つ最強の盾「aegis=L」(長時間発動不可)。 そしてあらゆる防御壁をも切り裂く最強の剣の超振動光子剣「chrysaor」(クリュサオル)等を装備しており、 近接戦闘では最強を誇る半面、遠距離兵器やセンサー類は装備されていないので、距離を取られると一切の攻撃手段を失う...
  • Re;Zero
     そこは広大な空間だった。  壁や天井のない、どこまでも果てしなく続く白亜の領域。  純白の空と大地の狭間にただ一つ、宙に浮かぶ異物がある。  水晶の立方体に囲まれた単眼のオブジェクトだ。水晶はフォトニック純結晶によって構成された檻。  その内部に魔術師たちが追い求めてきたもの――月の中枢、聖杯がある。  西暦2032年。人類は月面で奇跡を発見した。 ――ムーンセル・オートマトン。  太陽系最古の遺物。あるいは神の自動書記装置。あるいは七天の聖杯(セブンスヘブン・アートグラフ)。  その機能は万能、宇宙の物理法則すらも書き換える。故に、万能の願望機――『聖杯』と呼ばれる。  聖杯戦争とは、このムーンセルの所有権を巡って行われる闘争である。  己の魂を霊子化し、ムーンセルにアクセスしたウィザード達は、ムーンセルより己の剣たるサーヴァントを与えられる。  サー...
  • @wiki全体から「暁の空に勝利を刻む」で調べる

更新順にページ一覧表示 | 作成順にページ一覧表示 | ページ名順にページ一覧表示 | wiki内検索

目安箱バナー