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第1回 20160510、第2回 20160517 - (2016/07/07 (木) 02:27:36) のソース
<p><strong><span style="font-size:22px;">使用史料</span></strong></p> <p><span style="font-size:16px;"> 『義和団事変ノ際外国新聞記者戦況視察ノ為帝国軍ニ従軍一件』(外務省記録)<br /> JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.B08090185700</span></p> <p><strong><span style="font-size:22px;">講読箇所</span></strong></p> <p><span style="font-size:18px;"><span style="font-size:16px;"> 319-323コマ 本文六行目(「~紹介状公布致置候」)まで</span></span><br /> <span style="font-size:16px;">※今回は簿冊中の横文字史料は省きました</span> <br /> </p> <p><strong><span style="font-size:22px;">第1回の指摘事項と復習参考</span></strong></p> <p><span style="font-size:16px;"> ・史料を読むにあたって...</span></p> <p><span style="font-size:16px;"> ・まず何を確認する?<br /> → どのような史料郡に含まれている?<br /> いつ、どこで(どこの機関で)、だれが(どの機関が)作成した?何に書かれている?<br /> 誰から誰に宛て出された?</span> </p> <p> <span style="font-size:16px;">⇒ 今回の史料では....(319コマ)</span></p> <blockquote> <p><span style="font-family:arial, helvetica, sans-serif;"><span style="font-size:14px;">・『外務省記録』に含まれている『義和団事変ノ際外国新聞記者戦況視察ノ為帝国軍ニ従軍一件』<br /> ・外務省罫紙に記載されている → このタイプの外務省罫紙では....<br /> ・起草と発遣の日時は最初に書いてある → 確認すると...「明治33年7月24日起草・発遣」<br /> ・差出人、宛名は<br /> ・「青木外務大臣」 → 「桂陸軍大臣」<br /> ※双方とも大臣の名でやりとりされている<br /> ※これらの情報は、通常末尾に記載されていることが多いです。</span></span></p> </blockquote> <p><br /><span style="font-size:16px;"> ・内容<br /> ①『デイリー・テレグラフ』から(在上海日本領事館へ)日本軍への従軍許可願が出さ<br /> れ、領事館から外務省にその旨連絡があったことを陸軍省へ報告。<br /> (許可を得られれば希望の軍隊に付属する自由が欲しい、同紙通信員の資格は在上海<br /> 英国総領事が証明してくれる)<br /> ②なるべく許可したいがどうかと陸軍省へ照会</span></p> <p><span style="font-size:16px;">※今回は簿冊中の横文字資料は省きました。<br /> コマ318(上海領事から本省宛の史料)を見ると、デロンが上海で日本領事館に願い出た<br /> ことが分かります。</span></p> <p> </p> <p>・単語・フレーズ<br /> ※今回読んでいくのは、記者の願出を外務・陸軍関係諸機関がいかに処理するかという<br /> 往復史料です。そのため、文書中に示されている行動は誰のものかに注目して整理し<br /> てみると、各アクターが一定の処理を行う際に使われるフレーズが浮かんできます。</p> <p>例)〔〕は挿入()<>は省略・補足等</p> <p>ロンドン、デイリー、テレグラフ通信員ナル者、<北清地方ニ於ケル帝国軍隊二付随スル従軍記者タル(其筋ノ)許可>ヲ得度旨①申出候<br /> ①デロン → 在上海日本領事館</p> <p>尤モ同人(=デロン)ノ資格ニ付テハ上海駐在英国総領事ニ於テ之ヲ証明スベク<br /> 尚又同人ハ右許可(=<北清地方ニ於ケル帝国軍隊二付随スル従軍記者タル(其筋ノ)許可>)ノ上ハ、〓戦地ニ於テ同人ノ希望スル帝国ノ軍隊ニ附属スル自由ヲ与ヘラレ度希望致居候旨<br /> 在上海小田切領事ヨリ〔外務省へ〕電稟有之候間<br /> ⇒ ここまで領事から本省への連絡内容おわり<br /> → 次はどのようなことが述べられる?と予測しておく<br /> (連絡事項に対する外務省の処置説明?連絡?依頼?伺?照会??)</p> <p>〔外務省はとしては〕可相成ハ右許可相成候様致度<br /> 此段〔外務省から陸軍省に対し〕及御照会候也</p> <p> </p> <p>★本日の頻出くずし字<br /> ☆☆☆☆☆ ・候 ・致 ・趣 ・於 ・居 ・可 ・旨 ・与<br /> ☆☆☆☆ ・許可・得度・申出・明<br /> ☆☆☆ ・総 ・電 ・尚 ・右/左</p> <p>※間違えやすい崩し字<br /> ・カタカナのクとリ</p> <p>☆単語<br /> ・電稟:電信での稟申}</p> <p><br /> 第二回の指摘事項と復習参考<br /> 文責:渡邊 桂子</p> <p>◆320コマ<br /> ・最初に確認する事項<br /> 罫紙 :陸軍省<br /> 年代 :M33.7.25付<br /> 差出人:中村雄次郎(陸軍〔省〕総務長官)<br /> 受取人:浅田徳則(外務〔省〕総務長官)<br /> その他:陸軍省送達 臨清発第110号</p> <p>・簿冊全体が往復史料であることを念頭に<br /> → 319コマの外務省発史料に対する返信と予想<br /> 冒頭に「機密送第一八七号を以て~」=319コマ → 返信史料だと確認できる<br /> ⇒ 内容はどのようなものになる?? → 許可がOKかNGか</p> <p>◆323コマ<br /> ・最初に確認する事項<br /> 罫紙 :在桑港(サンフランシスコ)日本領事館<br /> 年代 :M33.7.18付(書かれた日) → M33.8.10接受(受けとった日)<br /> 差出人:陸奥広吉(在桑港領事伯爵)<br /> 受取人:青木周蔵(外務大臣子爵)<br /> 部局等:主管―政務局(内田康哉)、大臣・総務長官も閲了<br /> 陸海軍 参謀 軍令へ<br /> その他:公信第118号(桑港日本領事館からの発信番号)<br /> 受第13146号(外務省の受信番号)</p> <p>※320までとは別の案件になります。<br /> 323(読んだところまで)から分かる主なやりとりの流れは以下の通り<br /> ①サンフランシスコ・クロニクル → 在サンフランシスコ日本領事館<br /> ②在サンフランシスコ日本領事館 → 外務省(日本)<br /> ③外務省 → 陸海軍・参謀本部/軍令部<br /> 323コマは②の段階のもの</p> <p><br /> ・単語・フレーズ</p> <p>★本日の頻出くずし字<br /> ☆☆☆☆☆ ・候 ・儀 ・然(cf.蔵) ・置 ・段 ・難<br /> ☆☆☆☆ ・発 ・送 ・臣<br /> ☆☆☆ ・徳 ・電 ・尚 ・右/左</p> <p>※復習の際、例えば「発」を調べる際には「受」「着」も調べると効果的です。<br /> また、例えば「儀」を調べる際には「義」「議」も調べると幅が広がります。</p> <p>☆単語<br /> ・解纜:船が航海に出ること。出帆。</p> <p> </p>