エレシロ3 【出来損ないの幻】 笑って。頬を包んで。俺の腕の中で眠って。 けれどそんなものはあっさりと崩壊を告げる。 目覚めてすぐにそれは、醜悪な幻だったのだと気づく。 はなから気づいていた事実を今更のように傷つくのはそれを望む俺自身が認めたくないからだ。 結局俺が望む人は、夢などでは生きてはいけないことを。 欲望と願望が練り上げた木偶を抱いている俺が一番、滑稽な道化なのだ。