40 : ◆OyrpbY5NYE 2012/05/06(日) 22:40:15 ID:68jhmKYE0


 私は携帯をスクロールし、物語を読み進める。

和「澪、お昼食べよう」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/14921/1336143776/

――――――――――――――――――――――――――――――――

 20  ◆PXMKYXNma6 [sage]  2012/05/05(土) 23:59:28 ID:gP3eQLew0 [9/9]

……

――――和ちゃんが毎日私やムギちゃんと一緒に
      ご飯を食べてくれるのは嬉しいんだけど、

――――りっちゃんと澪ちゃんも一緒に食べられたらなぁ

――――りっちゃんにとっての澪ちゃんって、
      きっと私にとっての和ちゃんなんだろうなって思うから

そうね。
律にとっての、澪とは――――

私にとっての――――

――――――――――――――――――――――――――――――――

 ここだ、この>>20から物語を続けよう。
 問題を解決して、ハッピーエンドにしてみせる。
 三浦さんに証明して見せよう、私たちは自由な意志を持ってるってことを。

41 : ◆OyrpbY5NYE 2012/05/06(日) 22:41:24 ID:68jhmKYE0


 朝起きてからずっと、この言葉が離れなかった。

 律にとっての、澪とは――――。
 私にとっての――――。

 私にとっての唯だとしたら、これ以上静観することは出来ない。
 何もしなかった――、では終わらせたくない。

 チャイムが鳴り、先生が授業の終わりを告げる。
 二限が終了し、休み時間を迎えた。

和「澪、ちょっと唯たちの教室に行ってくるわ」

澪「ん。ああ、わかった……」

 少し疲れた声に後ろ髪を引かれつつ、唯たちの教室へと向かう。

42 : ◆OyrpbY5NYE 2012/05/06(日) 22:42:11 ID:68jhmKYE0


 唯たちの教室で相談を終え、自分の席へ戻ってきた。
 澪は心細かったらしく、私の元へ近づいてくる。

澪「なあ、和。何の話してたんだ?」

和「秘密よ。でも悪い話じゃないし、澪のためでもあるの」

澪「……そっか」

和「大丈夫よ、澪」

澪「え?」

 自分にも『大丈夫』と念押しして。

和「今日は五人でお昼にしましょう」

 澪にそう言い、「ちょっと協力してくれるかしら」と耳打ちをした。

43 : ◆OyrpbY5NYE 2012/05/06(日) 22:42:55 ID:68jhmKYE0


 昼休み――保健室

律「へへー、澪のウインナーもーらい!」

澪「コラッ! 律、勝手に弁当をとるな!」

和「澪、代わりに卵焼きあげるわよ」

律「んん、そっちも捨てがたい……」

唯「いーなー、私も和ちゃんの卵焼き欲しい!」

和「ダメよ、もう無いんだから」

紬「よかったわね。久しぶりにみんなで一緒に食べれて」

澪「そうだな。和のおかげだよ、ありがとう」

和「大したことしてないわよ。ちょっと外に出てくるわね」

44 : ◆OyrpbY5NYE 2012/05/06(日) 22:43:34 ID:68jhmKYE0


 保健室を後にし、人気の無い場所を探す。
 校内はどこも賑やかなので校庭へ出ることにした。

 ベンチで昼食を食べている子や、
 友達と談笑している子を横目に、歩みを進める。

 周りに人がいないことを確認し、私は独り言を呟き始めた。

和「ねえ、不思議に思ってるかしら?
  どうやってファンクラブの子たちを回避したのかって」

和「簡単よ。昼休みになった時、澪は教室に居なかったんだから」

和「つまり、こういうことよ」

45 : ◆OyrpbY5NYE 2012/05/06(日) 22:44:28 ID:68jhmKYE0


 ◆◆◆◆◆

 唯たちの教室

和「みんな、特に律なんだけど。澪と一緒にご飯食べたいわよね?」

律「そうだな、ここんとこずっとファンクラブの子たちが居るもんな」

唯「うん。ファンクラブも大事だけど、やっぱり寂しいなって」

紬「和ちゃん、何か考えがあるの?」

和「簡単なことなんだけど。澪には保健室に行ってもらうわ、昼休みの前に。
  ファンクラブの子たちは『お見舞いに行きたい』って言うでしょうけどね」

唯「そうだよ。あんなに熱狂的なのに」

和「それは私が説得するわ。流石に度が過ぎるもの」

律「頼んだよ和。じゃあ私たちは――」

和「昼休みに保健室に来てくれるといいわ、弁当を持ってね」

46 : ◆OyrpbY5NYE 2012/05/06(日) 22:45:51 ID:68jhmKYE0


 ◆◆◆◆◆

 和と澪の教室

和「澪、授業中に『体調が悪いので保健室で休ませて下さい』
  って言ってくれる? それでファンクラブの子たちを避けましょう」

澪「大丈夫かな……保健室にまで押しかけて来るんじゃ」

和「そこは私が何とかするわ。澪は保健室で待ってればいいの。
  律と唯とムギには言ってあるし。澪の弁当は私が持って行くから」

47 : ◆OyrpbY5NYE 2012/05/06(日) 22:47:09 ID:68jhmKYE0


和「まあ、こんなわけね。何のひねりも無いでしょう?
  でもこんなものよ、状況を変えるのって」

和「あなたの『認識の及ばない範囲』でも私たちは行動してるの」

和「昨日だって、晩御飯を食べたしお風呂にも入った。
  作戦だって考えたのよ」

和「その上で、あえて無意識に振舞ってみたの。
  だからあなたには『認識出来なかった』のかもしれないわね。
  何が起こっているのか」

和「気がついたら『五人で保健室に居た』ように写ったかもしれないわ」

48 : ◆OyrpbY5NYE 2012/05/06(日) 22:47:49 ID:68jhmKYE0


和「みんなを待たせるのも悪いからそろそろ行くけど、
  一つだけ言っておくわ」

和「私たちの行動を操ったり、私に『あばばばばばばばば』と言わせたり、
  唯に私のことを『まどかちゃん』って呼ばせたりしないこと。いいわね」

和「じゃあ私、保健室行くね」

49 : ◆OyrpbY5NYE 2012/05/06(日) 22:48:41 ID:68jhmKYE0


唯「お帰り、和ちゃん。どこ行ってたの?」

和「たいした用じゃないわ、それより弁当食べないと」

唯「ギクッ」

律「ギクッ」

和「そのわざとらしい『ギクッ』は何? 私の弁当が……空じゃない!」

律「すまん! 美味しそうだったんで、つい」

和「あばばばばばばばば」

唯「まどかちゃん落ち着いて! あ、間違えた」

澪「まどかって誰だ?」

紬「まどかちゃん、私の弁当食べていいわよ」

和「わたしは『のどか』よ!」

50 : ◆OyrpbY5NYE 2012/05/06(日) 22:49:44 ID:68jhmKYE0


 和と澪の教室

 時間は掛かるだろうけど、ファンクラブの件は何とかなるだろう。
 とはいえ、澪と断絶させるわけにもいかない。
 大きなイベントでもあればいいんだけど。澪と交流できるような。

澪「和、考え事か?」

和「大したことじゃないわ。困ったら相談させてもらうけど」

澪「そっか、わかった」

 ファンクラブの件は一旦置いて、これからどうしよう。
 久しぶりにみんなで集まれたし、表情も明るかった。

?「真鍋さん。ちょっといいかしら」

和「あなたは……えっと、誰だったかしら」

茜「三浦茜っていいます。お話よろしいですか?」

51 : ◆OyrpbY5NYE 2012/05/06(日) 22:51:13 ID:68jhmKYE0


強引ですが終わりました。
アンカーの人頑張ってください


和「澪、お昼食べよう」 6

最終更新:2012年05月07日 07:59