律「もう一個部活入ろうぜ」

澪「帰っていいぞ」ニコッ

律「聞いてくれよ!?」

唯「もーまたそんな子供みたいなこと言ってー」

律「お前に言われたくないぞ」

紬「りっちゃん、お茶のおかわりはお湯でいいわね?」

律「よくないよ!?」

梓「しょうがないからそれに至るまでの経緯を聞いてあげないこともないです」

律「中野死ね」

梓「田井中はブス」

澪「で、どうしてそうなったんだ?」

律「いやー、掛け持ちってカッコよくないか?」

澪「・・・」

律「でもバンドで掛け持ちはやっぱりどうかと思うんだ?」

唯「部活掛け持ちもどうかと思うけどね」

梓「律先輩の頭の中どうなってんのかと思いますけどね」

律「おい、中野今なんつった」

澪「今から他の部活なんて入ってもしょうがないだろ。ほら、練習するぞ」

律「えー?いいじゃん、みぃおー」

澪「・・・ムギ、どう思う?」

紬「はい、りっちゃん」コトッ

律「マジでお湯出すなよ!?」

梓「大体、部活に入ってどうするんですか」

律「掛け持ちをしてるという優越感?のようなものに浸る」

梓「馬鹿じゃね」

律「みんな部活探しに行こうぜ!あ、中野は留守番な」

梓「おいやめろ」


唯「入りたい部活は決まってるの?」

律「やっぱ軽音部中心でやりたいから、掛け持ちしても許される雰囲気の部活がいいな」

紬「例えば?」

律「バレーとか吹奏楽とか、ガチでやってそうなのは駄目」

澪「なるほど。じゃあ・・・文芸部とかどうだ?」

律「ないわ」

澪「」グスッ

紬「あ、放送局とかどう?」

律「お、なかなか楽しそうだな」

澪「私は無理だ。人前で原稿読んだりするなんて考えられない」

律「よし、行こうぜ!」グイッ

澪「は、はなせー!」





律「というわけでやってきました放送局」

放送局「いやー、助かるよー。人手が足りなかったからさー」

紬「今日は何かあるの?」

放送局「うん。放送機器の点検をしなきゃいけないんだー」

梓「え、機械いじれるんですか?」

放送局「私はたいしたことは出来ないんだけど・・・顧問の先生がね」

唯「なるほどねー。それで、私たちは何をすればいいの?」

放送局「マイクを通して会話をして欲しいの」

紬「え?」

放送局「ちゃんと音が出ているか、バランスはどうか・・・その他もろもろのチェックをしなきゃいけないから」

律「なるほど、音が出てないとチェックが出来ないってことか」

放送局「そっ。普段は音楽流してるんだけどねー。それじゃマイクのチェックできないし」

梓「他に部員はいないんですか?」

放送局「いるけど、みんな幽霊部員なんだ・・・だから、チェックのときは・・・私と、先生だけで・・・」グスッ

梓「ごめんなさい、余計なこと聞きました」

放送局「ま、そういうことだから。よろしくね」

律「おう!」





律「えーと、このつまみを上げればマイクの音が出るんだよな?」

唯「うん、そこの印ついてるところまであげればいいんだってさ」

律「へー」

唯「それじゃ、いってみようか!」

律「おう」


スッ


律『やぁやぁ、生徒諸君!部活動に精を出しているかね!』

唯『ただいまマイクのテスト中!』


澪「すごいな、あいつら」

梓「はい、すごい度胸です」

紬「私もあとで交代してもらおうかな?」


律『いやー、いきなり喋れって言われても何話したらいいかわからなくなるな』

唯『うーん、なんだろうね?』

律『連絡事項とか、あればやりやすいんだけどなぁ』

唯『あ、そうだ!』

律『んー?どうしたー?』

唯『憂ー?今日はハンバーグがいいなー』

律『って、すげぇ個人的な内容だな!?』

唯『えー?いいでしょー?りっちゃんは何かないの?』

律『うーん、なんだろうなぁ。あ、そうだ』

唯「なぁに?』

律『私、後輩がいるんだけどさー』

唯『うんうん、誰とは言わないけどツインテールの子?』

律『そうそう、あたり』

梓「それ確実に私のことじゃないですか」

律『最近その後輩が生意気でなー』

唯『今に始まったことじゃないでしょ?』

梓「んな!?唯先輩まで!?」

律『ちょっとたまに本気で殴りたくなるんだよ。どうしたらいいかな?』

唯『自分の気持ちに素直になるべきだよ』

律『だよな!』

梓「ちょっと!?」

唯『んー?』

梓「唯先輩!変わってください!」

唯「いいよー」スッ

梓「よっと」ガタッ

律『うっわ』

梓『どうも、生意気な後輩です』

律『ねーわ』

梓『私、律先輩に相談があるんですよ』

律『え?相談?』

梓『はい。すっごい嫌な先輩がいるんですけど、どう接したらいいですかね?』

律『あぁ?』

梓『いるんですよー、私の隣に』

律『おい、こら中野喧嘩売ってんのか』

梓『えー?何の話ですか?』

澪「お前ら!喧嘩するな!放送中だぞ!」

律「だって梓が」

澪「だからって駄目だ!ムギ、代わってくれ!」

紬「はい!」キラキラ

律「むー、ムギぱーす!」スッ


紬「よいしょ」ガタンッ

梓『なんていうか・・・いいんですかね、こんな好き放題やっちゃって』

紬『まぁ、テスト放送だし。いいんじゃないかしら』

梓『じゃあここでお便りでも読みましょうか』

紬『来てるの!?マイクチェックしてるだけなのに!?』

梓『えぇ。じゃあ一枚目読みますねー』

律「って、あいつ原稿持ってないじゃないか」

澪「何をする気だ?」

梓『カチューシャつけた先輩がすれ違い様に唾を吐きかけてきます、どうにかなりませんか』

紬『その先輩、最低ね!』

律「って、おいぃ!!私そんなことしてないぞ!?」

梓『あ、もう一通来てますね』

紬『あら、素敵ね』

梓『背の低い茶髪で短髪の先輩に路地に連れ込まれてエッチなことされました』

紬『あら、カスね』

梓『名前は聞いてないけど、なんかすっごい田井中ーって感じの顔立ちでした。犯人見つけて晒し者にしてください』

律「中野ぉぉぉぉ!!!!」





放送部「・・・」

律「あの、本当にすみません」

澪「私がちゃんと止められなかったから・・・」

梓「律先輩、誠意が足りません。もっとちゃんと謝るように」

律「お前も悪いだろぉ!?」

放送部「いや・・・その、生徒たちは楽しそうに放送を聞いてたよ?」

唯「ほえ?そうなの?」

放送部「うん、ただ・・・先生たちが・・・ちょっとね・・・」

律「本当にごめん」

放送部「ううん、みんな楽しい放課後過ごせたから、今回は大目にみてくれるって言ってるから平気だよ?」

澪「ほ、本当か?」

放送部「うん!また、遊びに来てね?」

律「おう!ありがとう!」

紬「人手が足りなくなったらいつでも呼んでね?」

唯「次は澪ちゃんへの質問コーナーとか面白そう」

澪「やめてくれ」





部室




律「いやー、放送部面白かったなー」

澪「でも入部っていうのはちょっと違ったな」

律「だなー。私、あんな高そうな機械いじれないし」

紬「他にも何かあたってみる?」

唯「むー」カチカチカチカチ

梓「なにしてるんですか?」

唯「よさそうな部活がないか和ちゃんに聞いてるんだよー」

律「なるほど、和なら生徒会で色んなところと繋がりありそうだよな」

澪「あーあ、和まで巻き込んで・・・」

紬「りっちゃん、どうぞ」コトッ

律「って、お湯二杯目!?まだ一杯目そこにあるけど!?」

ピローン♪

唯「あ、きたきた」ピッ

澪「なんて?」

唯「オカルト研なんてどうかしら、だって」

澪「却下」

律「うーん、オカルト研はなぁ・・・他にないのか?」

唯「んー、聞いてみるー」カチカチッ

律「おう、頼む」ズズッ

律「・・・って、お湯飲んじゃったよ」

紬「・・・」クスクス

律「静かに笑うなよ」


ピローン♪


唯「ん。和ちゃん返事早いねー」アハハ

紬「和ちゃんなんて?」

唯「・・・」

澪「唯?」


唯「あはは、これいいかも」

律「なんだ!?」

唯「黒魔術研究会」

澪「きゃっk」

律紬梓「面白そう!!!!」

唯「でしょ?」

澪「・・・」イジイジ・・・

律「っていうか、なんだかんだでお前らもノリノリじゃん!」

梓「だってまさか黒魔術ってくるとは思いませんでしたから」

澪「ほらほら、練習しような練習」

紬「澪ちゃん、どうぞ」コトッ

澪「お湯!?」

律「見学とか、させてもらえるのかな」ワクワク


ピローン♪


唯「ん、また和ちゃんだ」ピッ

律「え?」

唯「あ、黒魔術研究会の人達に聞いてくれたみたい」

梓「それで?」

唯「今から行っていいってさ。行ってみる?」

澪「え゛」

律「よっしゃ!行こうぜ!」





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最終更新:2011年01月27日 02:06