澪「ふっ、ふふふっ…ふははははは!!!なんだなんだ?
  ちょっと大きな声出しただけで怯えちゃって…なっさけないなぁ、おい?」

梓「臆病者の澪先輩にだけは言われたくありませんね」ボソッ

澪「なんだと!」

梓「とにかく私は唯先輩のこと諦める気なんてありませんから」

澪「梓、お前っ!!」

梓「あぁ、それと私今度の日曜日唯先輩に告白します」

澪「な、なんだと!」

梓「もし私と唯先輩がくっついても嫉妬しないでくださいね。それじゃ」

澪「ま、待て梓!」

澪「くっ、これはまずい。非常にまずい!」


……

律「で、今度はどうすんのさ?」

澪「決まってるだろ、先手を打つ!」

律「というと…?」

澪「私が先に唯に告白するんだよ!」

律「振られたらどうすんだよ」

澪「何を言ってるんだ?私はファンクラブまで持ってるんだぞ。いわば学園のマドンナだ。その私が振られるわけ無いだろ。」

律「お前この前といってる事真逆じゃねぇか」

澪「そうだ、私の魅力と唯への愛があんなちんちくりんに負けるはずが無い!」

律「今のは何気に私も傷ついたぞ」

澪「という訳で律はうまくムギを部室から引き離してくれ」

律「梓はどうするんだ」

澪「それは大丈夫。明日は二年生は学年集会があるからな」

律「ふーん」

澪「ぬかるなよ律」

律「へいへい」

律「おーいムギ部活行く前にちょっと話があるから付き合って欲しいんだけど」

紬「うん、分かったわ律ちゃん」

澪「それじゃ、私達は先に行こうか唯」

唯「え?う、うん」


澪「どうだ唯、私の淹れた紅茶もなかなかだろ」

唯「うん!すごいおいしーよ!」にこっ

澪(くはぁ…かわいいー)

澪「それで今日は唯に言いたいことがあって…」

唯「うん、なぁに?」

澪「実は私、唯の事が…」

唯「?」

澪「実は私唯の事が好きなんだ!」

澪(い、言っちゃった、遂に言っちゃった!)

唯「え、えへへありがと。私も澪ちゃんのこと好きだよ」

澪「唯…そうかやっぱりお前も…」


……

律「それでさー澪の奴がさ」

紬「うん、ところで律ちゃん私に話って?」

律「あ、あぁうん。それはだな~、あの、そうだ新曲のことなんだけどさ」

紬「律ちゃん本当は私に話なんて無いんでしょ?」

律「い、嫌、断じてそんなことは無いぞ!」

紬「嘘ね。大方澪ちゃんから唯ちゃんにアタックするための時間稼ぎを頼まれたってとこかしら?」

律「ど、どうしてそれを!?」

紬「ふふ、私の百合センサーをなめないで」

律「ゆ、ゆり?なんだって?」

紬「ううん、気にしないで。でも、いいの律ちゃん?澪ちゃんのこと好きなんでしょ?」

律「ムギ…お前そこまで気づいてたんだな」

紬「えぇ、律ちゃんよく考えて。これが最後のチャンスかもしれないのよ?」

律「いや、いいんだ。今のあいつに私が入り込む余地なんて無いさ…」

紬「律ちゃん…」

律「私はあいつが良ければいいんだよ……」


……

唯「ちょっ、澪ちゃんどうしたの?近いよ」

澪「いいだろ?私は唯の事が好きで唯は私のことが好きなんだから」

唯「でっ、でも…」

澪「唯かわいいよ唯」

唯「み、澪ちゃん何だか怖いよ…」

澪「大丈夫、怖がらなくていいよ…優しくするから」

唯「み、澪ちゃん、なんか変だよ?」

澪「ふふ、そうさ私は変だ。君に出会った瞬間からおかしくなってしまったんだ。君が私を狂わせてしまったんだよ?」

唯(澪ちゃん完全に目がイっちゃってるよぉ…)

澪「唯、愛してるよ」

唯(あ、愛してるって…、え?え?さっきのそういう意味だったの?で、でも私達は女の子同士で…もう訳が分からないよぉ!)

澪「唯、一緒に幸せになろう」

唯「ちょっ、澪ちゃん待って…!」

梓(うう…昨日あんなことがあったし気まずいよぉ)

梓(でも、ここで引いたらダメだよね。絶対唯先輩を私のものにして見せるんだから!)

ガチャ

梓「こんにちはー」

唯「あ、あずにゃ…」

澪「唯…」

ちゅっ

梓「!?」唯「!?」

澪「ふふ、唯の唇って甘いんだな」

梓「そんな…嘘、そんなのって…」

澪「なんだ、誰かと思ったら負け犬じゃないか。いや、お前の場合負け猫と呼んだ方がいいかな?ふふっ」

梓「唯先輩、嘘…ですよね…」ポロポロ

唯「あ、あずにゃん?え、えっと泣かないで」

梓「いやっ!!来ないで!来ないでくださいっ!!」ダッ

唯「あ、あずにゃん!待って」

澪「お、おい唯ちょっと待て」ガシッ

唯「離してよっ!!」

澪「ひっ!!」パッ

唯「あずにゃん…!」ダッ


澪「え……?」
















澪「え……?」


……

梓「ひっく…ひっく…えっぐ…」

唯「あずにゃん…」

梓「っ!!唯先輩、何でついてきたんですか…!」

唯「だってあずにゃんが泣いてたから…」

梓「同情なんてやめてください!惨めになるだけです…」

唯「あずにゃん、私何がなんだか分からないよ…」

梓「分からないって…澪先輩とキスしてたじゃないですか!」

唯「あれは…私が澪ちゃんを勘違いさせちゃったから…」

梓「……どういうことですか?」

唯「澪ちゃんに好きっていわれて告白されたんだけど、私はそういう意味だと思わなくて私も澪ちゃんのこと好きだよって言っちゃって……」

梓「それで無理やりキスされたんですか?」

唯「む、無理やりっていうか…はっきり拒否できなかった私が悪いんだよ」

梓「そうだったんですか…とにかく、唯先輩は澪先輩に恋愛感情を持っていたわけではないんですね?」

唯「そうだね…。っていうか、女の子同士でそういうことするのって考えたことも無かったから…」

梓「そうですか…」

唯「ねえあずにゃん?」

梓「はい?」

唯「あずにゃんも私の事好きなのかな?」

梓「っ!そ、そうですよ!私も唯先輩のことが好きです!
  だから唯先輩と澪先輩がキスをしてるところを見て逃げ出したんです……」

唯「あずにゃん、私もあずにゃんの事大好きだよ」

梓「でも、それは私の好きとは違うんでしょう……?」

唯「ううん、そんなこと無い。もちろん澪ちゃんたちのことも好きなんだけどその好きとは違う。あずにゃんへの好きは特別なんだよ。」

梓「え?でもさっき唯先輩はそういう事考えたこと無いって……」

唯「うん、だからたった今気づいたんだ。あずにゃんへの気持ちはそういう事だったんだなぁって。
  私もあずにゃんと同じ。あずにゃんが誰かとキスをしてるところなんて見たらきっと私泣いちゃうよ。
  あずにゃんはずっと私のそばに居て私の事だけを見てて欲しいって、そう思ったんだ」

梓「唯先輩……」

唯「だから、あずにゃん私の恋人になってくれないかな?」

梓「はいっ……当然です!唯先輩こそ私の目の届く範囲に居てくださいね?」

唯「うん、約束する!あずにゃんを置いて勝手にどこかに行ったりしないよ」

梓「唯先輩…好き、大好きですっ」

唯「私も大好きだよあずにゃん」


……

紬「そろそろ、二年生の学年集会も終わった頃だし戻りましょうか」

律「ああ、そうだな」




律「入るぞー」

ガチャ

澪「ひぐっ……えっぐ…ぐすっ…うぇっ…ぅえっ…」

律「澪……」

紬「澪ちゃん……」

澪「なんで…なんで…あんなに好きだったのに」

律「澪……今日はもう帰ろう」

澪「うぅ…律ぅ……」

律「ムギ、悪いな。今日は解散だ」

紬「えぇ、分かったわ。唯ちゃんと梓ちゃんにも伝えておく」

律「ありがとう」


律の家

律「落ち着いたか?」

澪「…………」

律「その……残念だったな唯の事は」

澪「…………」

律「でもさ、これも唯が選んだことだし、本当にあいつのことが好きなら暖かく見守ってやろう」

澪「いやだ…やだよぉ…唯を取られたくないよぉ…」

律「澪……」

澪「ひっく…えっぐ…」

律「なぁ、澪私じゃダメなのか?」

澪「え…?」

律「私じゃ澪を笑顔にさせられないのか?」

澪「律……」

律「澪、私はずっと前から…出会ったときからずっとお前の事を見ていたんだ。
  お前の笑顔が見たくて……お前を喜ばせたくて楽しませたくて色んな事をやってきた」

澪「…………」

律「私は唯にはなれない……けど、絶対に澪を悲しませたりはしない」

澪「…………」

律「だから…澪、私と…」

澪「No, Thank You」

律「」

澪「ごめん、律。今はまだお前のことそういう目で見れない」

律「そっか、そうだよな……悪かった……って、今はまだ、って…!」

澪「…………今までずっと親友だと思ってきたんだ。いきなりそういう目で見ろって言われても無理だ…」

律「それじゃあ、もしかしたら……!!」

澪「いつかはそういう日が来るかもな…」

律「…………へへ…うへへへ……」

澪「な、なんだよ!!」

律「なんでもないよ、へへへへへ……」



翌日
唯「あ~ずにゃんっ」ダキッ

梓「にゃっ、だ、ダメです唯先輩」

紬「あら、うふふ…」

唯「え~なんで~?私たち恋人同士なのに~」

梓「それは…」(だ…だってこんなところ澪先輩に見られたら…)

がちゃ

澪「……」

梓「あ…み、澪先輩」

唯「み、澪ちゃん…」

澪「なんだ、相変わらずだな、お前ら」

梓「え?」

唯「あれ?」

梓「あ、あの…澪先輩いいんですか?」

澪「何がだ?」

梓「い、いえ何でもありません…」

梓(何があったんでしょうか…?)

唯(さぁ…全然分からないよ…)

紬「澪ちゃん昨日律ちゃんと何かあった?」

澪「別に、いつも通りだ」

紬「ふぅん…ねぇ澪ちゃん、あんまり油断してると私が律ちゃんのこと取っちゃうかもよ」

澪「えっ!?ダッ、ダメだそれはっ!!」

紬「うふふ、冗談よ」

澪「む、ムギ!」

唯「どうしたの?澪ちゃん、顔赤いよ」

梓「熱でもあるんですか?」

澪「な、なんでもないっ!」

ガチャ

律「おーす、ってどうした、澪。顔真っ赤だぞ?」

澪「う、うるさい、馬鹿律っ!!」

律「なっ、なんでぇっ!!」



おしまい



最終更新:2011年02月21日 02:05