唯「ムギちゃーん、大丈夫だったー?」

紬「えぇ、大丈夫よ。ありがとう」

澪「あの時はびっくりしたよ」

律「私はー?私はー?」

澪「お前は認知しろ」

律「えっ」

唯「ムギちゃん、ちょっと良いかな?」

紬「?なあに?」

ヒョイ

唯「たかいたかーい!」

紬「えっ!ちょっと…唯ちゃんっ!」ぱたぱた

唯「やっぱりちょうどいい軽さだー!」

和「あんまりやっていると危ないわよ唯」

唯「和ちゃんもやってみなよー!」

和「え…?」

紬「和ちゃん、お願いだから!やらないで!」

和「ムギが嫌って言うなら…私はいいわよ…」

紬「ほっ…」

唯「ぶー!そんなこと言うとこうしてやるー!」ガバッ

紬「きゃっ…!」

和「え…?」

唯「肩車ー!どう?和ちゃんの肩から見える景色はー?」

紬「良いけど…降ろして!和ちゃん!」

和「それなら降ろすけど…」

唯「和ちゃん降ろしちゃだめー!」

ガラッ

教員4「授業始めるぞー」

紬「和ちゃん、授業始まるから降ろして!じゃないと私、授業受けられないわ…」あせあせ

和「もちろん、そのつもりなのだけど…あれ?なんか引っかかって外れない…」

和「うーん…どうしよう…?」

唯「このまま受けてみたらいいじゃん!なんか面白そう!」

紬「へ…?」

教員4「…えっと…真鍋、琴吹を下ろしたらどうなんだ…?」

和「すいません。下ろしたくても下ろせないんです。何か引っかかっておりまして…」

教員4「まあ…真鍋が言うなら信じないわけではないが…」

唯「うふふふぅ~かわいいなぁ~」

紬「…うぅ……///」ギュッ

和(首元があったかい…)

澪「・・・」

澪(いいなぁ~和…)

教員4「え~…じゃ、この問題を…誰に解いてもらおうかな…」

和「・・・」カキカキ

紬「・・・」

紬(和ちゃんのノートのまとめ方わかりやすくて良いわね…私も和ちゃんみたいなまとめ方を今度からしてみようかな~)

教員4「それじゃ、真鍋解いてみるか」

和「あの…このままですか…?」

教員4「琴吹を下ろせないんだろ?仕方ない」

和「は…はぁ……悪いけどムギ、動くわね。落ちないように気をつけてね」

紬「うん」ギュッ

和(あれ…なんかこれ…良いかも…)

和「えーと…」カキカキ

律(ムギを肩車しながら黒板で問題を解く和…予想だにしなかった光景だな…)

澪(いいなぁ~和~いいなぁ~…)

和(あれ…?なんか計算が合わないわね…どこか間違えたかしら…)

紬「和ちゃん、和ちゃん…」ヒソヒソ

和「どうしたのムギ?」

紬「ここ…数字を書き間違えているわよ」

和「ああ、やっぱりね…えっと…どこらへんだっけ?」

紬「ここ!ここ!」ぴっぴっ

生徒5「はわぁぁぁ~一生懸命に教えているところ、かわいい~」

生徒6「真鍋さんと代わってほしいなぁ~」

澪(!?私と同じことを考えている人が他にもいるのか…!)

和「あ、本当だわ、ありがとう。ムギ」

紬「えへへ…」ニッコリ

律澪「!?」

生徒5・6「これは…!!」

教員4「いい…すごくいい…!!///」

律「先生ー生徒に萌えすぎでーす!」

教員4「し…仕方ないだろ!…って、そうじゃない!」

律(うわー)

唯「・・・」

唯(むー!私が肩車すれば良かったぁー…)

唯「和ちゃん!ムギを返してもらうよ!」

和「返すもなにも唯が勝手にやったことじゃない…」

唯「ムギちゃん今から下ろしてもらうからねー!引っ張るよー!」

ぐいっ…

紬「!?ちょっと待って唯ちゃん!!」

唯「やだー!今度は私の番だもーん!」

律「って、おい!引っかかっているものってまさか…!」

澪「ぱ…パンツ…!?///」

紬「見ないで!!引っ張らないで!!///」

唯「ムギちゃーん!今度は私だよー!」ぐい

紬「だ…だめっ!!唯ちゃん待って!!///」ギュッ

澪「あ…和の様子が…」

和「」

和「ぜえ…ぜえ…」

澪「だ…大丈夫だったか?和?」

紬「ごめんなさい!和ちゃん!ごめんなさい…」

律「まさかムギの足で首が絞まっちゃうとわな…まぁ、無理やり引っ張られたらそりゃ力むわな」

唯「うううう…痛いよぉ~ひどいよぉ~…」ズキンズキン

律「人の言うことを聞かないお前が悪い」

紬「なにかタグみたいなものが引っかかっているみたいなの…ちょっと変なところにあるみたい」

澪「・・!」

澪「じゃ…じゃあ、ムギ、今から私がゆっくり抱えていくから引っかかっているものを外していくんだ」

生徒6(!?秋山さんに先を取られた!!)

紬「それなら…澪ちゃんお願いするわね」

澪(よっしゃぁぁぁぁ!!)

澪「そ…それならいくぞ…!」わくわく

ガシ

紬「ん…んん…ここかしら?んんっ…ん…」

澪(あぁ…小さなムギが私に寄りかかっていてくれる…良い匂いがするなぁ…///)

唯「いいなぁ~澪ちゃん…」

紬「ん…ん、んっ…こ…ここだわ…んっ…」

和(なんだろう…そのつもりじゃないんだろうけど…)

律(ムギの声がいやらしく聞こえる…)

ピリピリ

紬「やったわ!澪ちゃんもう大丈夫よ!」

澪「そ…そうか…なら行くよ」ヒョイ

紬「あ…離れられたわ!」ぱっ

和「ふぅ…」

和(やっと離れられたと思う一方…首元が寂しく感じるわ…)

唯「あー!和ちゃん!クリーニングのタグだよー!」

和「あら…そのせいだったのね。すっかり忘れていたわ…ムギ、こちらこそごめんなさい」

紬「くす…和ちゃんがそんなミスするなんて意外ね」ニコッ

和「・・///」

和「え…えぇ…ま、まあ、私だって完璧な人間じゃないのだから…///」

澪(なぜ和まで顔を赤らめる…!)

紬「ねぇ、和ちゃん…」

和「ムギ、どうしたの?」

紬「授業中、和ちゃんのノートすごく分かりやすかったと思ったの。今度いつか勉強の仕方を教えてくれるかしら?」きらきら

和「・・・」

和「……ふ…ふんっ…き…来たければ勝手に来ればいいじゃないっ…わ…私今から生徒会の用事があるからっ…///」スタスタ

バタン

律「・・・」

澪「・・・」

唯「ムギちゃん!ムギちゃん!私もその時ついていっていい?」

紬「えぇ!一緒にやりましょ!」

唯「わーい!ムギちゃんありがとー!」ギュッ

紬「あ…もう唯ちゃんってば!」

唯「むふふふぅ~かわいいなぁ~」


……

唯「ムギちゃん、お昼ここで食べようよ、ここ」ぽんぽん

紬「唯ちゃん…そこはちょっと…」

唯「んふふふぅ~いいからいいから~」ぽんぽん

紬「う…うん…」てとてと…ぽん

澪(あ、いいなぁ…)

律(うわ…私があんなのをやった日にはもう略取の犯罪者になりかねないわ…)

唯「はいムギちゃん、あ~ん!」

紬「う…うぅ……」

唯「このメンチカツ今朝私が作ったんだよ~!」

澪「ええっ!?」

律「憂ちゃんが九割作ったんじゃなく…?」

唯「ちょっと二人ともひどいよ!ムギちゃんに食べてもらいたいと思って作ったのに!」

紬「私のために…?」

唯「うん!ほらほらあ~ん!」

紬「う…はむ…」もぐもぐ…

紬「あ…美味しい…」

唯「ね!ね!」ギュー

紬「ゆ…唯ちゃん…苦しいよ…」

唯「むふふふぅ~!」

ガラッ

和「唯!」

唯「あれ?和ちゃん?どうしたの?」

和「さわ子先生が呼んでいるわよ。早く行ってきなさい」

唯「え~!さわちゃん空気読んでよ!も~!」タタタタ

バタン

和「・・・」ニヤリ

律「和…お前もか…」

澪(ああ…ライバルが増えていく…)


和「ムギ、一緒にご飯食べましょ」

紬「うん!食べましょう!」


和「ムギ…これどうかしら?」

紬「もらっていいの?」

和「も…もちろん!こ…これを…!///」

澪(和ぇ…)

律(こいつ…唯をさしおいてまでムギにご飯を食わせようとしているぞ)

紬「これ…和ちゃんが作ったの?」

和「え…えぇ…///」

紬「こんなに美味しいの初めてだわぁ…さっきからもらってばかりじゃ悪いから…私のをあげるわね」

和「そ…そんなの悪いわよ…」

和(ひゃっほおおおおおいやぁぁぁぁ!!!ムギュ弁!ムギュ弁をゲットよぉぉぉぉ!!!)

紬「この玉子焼きでいいかしら?」

和「な…なんでもいいから、さっさとしなさいよね…///」

律「」

澪「」


紬「うふふふ…和ちゃんったら唯ちゃんみたいに焦らなくても…」

和「そ…そうだったわね…あ、あ~ん…///」

和(こ…これで澪がしてもらったようにムギュから食べさせてもらえる…///)わくわく

紬「和ちゃん、弁当箱の裏いいかしら?」

和「」

ちょん

紬「えへへ…どうかしら?和ちゃんほどのできじゃないけど…って和ちゃん?」

和「・・・」ずーん

律「ぷっ…くくくく…」

澪「く…くくく…笑っちゃダメ、笑っちゃダメ…でも…」

和「・・・」

和「……!あぁ!私の右手がああ!!」

紬「え?どうしたの?」

和「じ…持病の病気で右手があああ!!このままじゃ私、箸持てないわ!!」

律(こいつ…図ったな…)

澪(その手があったか…!?)

紬「ど…どうしよう…どうしたら良くなるの?」

和「お…おそらく…玉子焼きを人から食べさせてもらえば…良くなる…はずよ…ああ!早く!!早くしないと!!」

紬「そ…それなら和ちゃん口を開けて!」

和「あ…あ~ん…///」

和(こ…これでやっと…ムギュに食べさせてもら…)

律「ほいよ」

和「・・・」かぷ

もぐもぐ…ごくん…

和「・・・」

和「う…うぅ…うっ…」

律「あれ…?和?おーい」

和「うぅ…うっ…うぅ…」

紬「和ちゃんまだ右手が痛いの?」おろおろ

和「うっ…うっ…うわああああああああん!!!!律のばかあああああああああ!!!!」ダッ

律「・・・」

澪「・・・」


……

教員6「えぇーと…真鍋はどうしたのかね?」

律「た…体調が悪くなって早退しました…」

教員6「そうなのか…まあ仕方ないな…」

律「・・・」

教員6「それなら次は琴吹…次を読んでもらえるかな?」

紬「は…はい!」

生徒6「琴吹さん頑張って!今度こそ大丈夫よ!」ひそひそ

紬「うん!」こくり

紬(教科書は持った…後は登って読みあげるだけね!)

紬「ほっ…ほっ…」よじりよじり

生徒5「・・・」ハラハラ

紬「はっ…!」

生徒6(やったじゃない!)ブイッ

紬(ありがとう!)

紬「えーと…ここからね…」

教員6「今日は大丈夫かね?」

紬「はい!」きらきら

生徒5・6(!?い…今の顔…いい…///)ぽ~




カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ

メイド「ふむ…これはいける…」ジュルリ


紬「……となりけり」

教員6「うん。よろしい。いつもの調子に戻ったな」

紬「は…はいっ…!」

紬(調子が戻ってもまだ身体が戻っていないけどね…)

紬「はぁ…」ぺたん

紬(私…元に戻れるかしら…)


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最終更新:2011年03月01日 22:58