232. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/12/27(月) 21:09:07.29 ID:lPwWqqJZ0
純「中学の前まで、ついたね」

憂「うん」

純「まだ二年もたってないのに、懐かしいなー」

憂「ここを毎朝、先生に挨拶して、学校に入ってったんだよね」

純「うん」


ひゅうううー……


純「うぅ、さむっ……」

憂「手でもつなごっか」

純「ん……」

ぎゅっ
233. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/12/27(月) 21:13:07.80 ID:lPwWqqJZ0
純「夜は寒いねー」

憂「もう暦の上では夏なのにね」

純「……夏は夜」

憂「あ、それ懐かしいね!」

純「暗唱させられたっけ、いえる?」

憂「夏は、夜。月の頃はさらなり。闇もなほ。螢の多く飛び違ひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。だっけ」

純「おぉぉ、最後のほうとか覚えてなかったよ」

憂「今日はまさに月の頃はさらなり、だね」

純「満月だしねー」
235. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/12/27(月) 21:17:08.33 ID:lPwWqqJZ0
憂「蛍は……見たことないや」

純「あ、わたし見たことあるよ」

憂「へえ、きれい?」

純「うん、なんていうか、不思議な感じ。田舎に蛍の見れるとこがあってね」

憂「いいなー」

純「そのうち連れてってあげるよ、今年の夏にでもさ」

憂「ほんと?」

純「ほんと」
236. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/12/27(月) 21:21:08.79 ID:lPwWqqJZ0
しと……しと……

純「あれ、雨だ」

憂「え?ふってる?」

純「うん、微妙に」

憂「ほんとだ……」

純「ちょっと雨宿りしていこうか」

憂「そこまで枕草子に忠実じゃなくていいよう……」

純「うわさをすれば、なんとやら……ってこういうときに使わないか」
238. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/12/27(月) 21:25:09.34 ID:lPwWqqJZ0
ざーーーーーー

純「なかなか止まないね」

憂「このまま朝が着たら、どうしよう、登校して来た後輩たちに変な目で見られちゃうよ……」

純「女子高生が二人、手を繋ぎながらぽけーっとしてるんだもんね……」

純「……もう、濡れてかえろっか?」

憂「走って、帰っちゃおっか」

純「おっ、良いねぇ、いっちゃいますか」

憂「まだお風呂も入ってないし、思いっきり濡れちゃってもいいよね」

純「そうそう、思いっきり濡れちゃってもいいよ」
239. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/12/27(月) 21:29:09.93 ID:lPwWqqJZ0
ざーーーーーー
たったったった

純「いやー!雨の中を!……全力疾走なんて!……はぁっ、青春、だね!」

憂「純ちゃんもうぐだぐだじゃん!」

純「もう若く、ないかも……はぁっ、はぁっ……!」

憂「早くしなきゃ、びしょびしょになるよっ!」

純「もう、びしょびしょでいい……はぁっ……つかれた……さきいってて……」

憂「……」きゅっ

純「手、もう離して良いよ、はは、体も、あったまったし」

憂「……離したくないよ、それなら一緒にびしょびしょになるほうがましだよ」

純「う、憂……はぁっ、はぁっ……」

純「…………!」ぐいっ

憂「きゃあっ!ちょっと純ちゃん!?」

ざーーーーーーー
たったったったっ

――――
――
240. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/12/27(月) 21:33:10.53 ID:lPwWqqJZ0
ひらさわけ!

純「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」

憂「はぁ、はぁ、じゅ、純ちゃん、無理して走らなくてもよかったんだよ?」

純「あれだよ、わたしのせいで憂に風邪引かせたくないし、ね」

憂「別にそれくらい……とにかく、早くお風呂はいろ?」

純「うん……」


純「って」

憂「どしたの?」ぬぎぬぎ

純「(ラスボスと唐突にエンカウント!)」
241. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/12/27(月) 21:37:11.07 ID:lPwWqqJZ0
〜〜〜〜〜〜

純「びばのんのん」かぽーん

〜〜〜〜〜〜

純「いい  おゆ  だったね」

憂「残り湯だったけどね」

純「はやく  ねよう」

憂「何で片言なの?」

純「なんでも  ないよ  うい」
250. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/12/27(月) 21:59:06.77 ID:lPwWqqJZ0
かよう!

純「中途半端に寝たせいで眠いー……」テクテク

憂「でも、風邪も引いてないし、よかったね!」

純「あ、あそこにいるの梓じゃない?」

憂「お姉ちゃんもいる……って、お泊りしてたんだから当たり前だよね」

純「……なんであの二人、手つないでんの?」

憂「て、手ぐらい繋ぐよ、ふつう、わたしたちだって昨日繋いでたじゃない」

純「いや、あの異様なオーラは……」

憂「異様なオーラとか言わないでよぉ……!」
253. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/12/27(月) 22:03:07.31 ID:lPwWqqJZ0
唯「あ、ういー!純ちゃーん!おはよぉー!」ブンブン

梓「お、おはよ、ふたりとも」

憂「おはようお姉ちゃん、梓ちゃん」

純「おはようございます」

唯「あのねぇ、二人とも、わたしとあずにゃんnもがっ」

梓「ちょ、ちょっと唯先輩は黙っててくださいっ!わ、わたしから話しますから!」

純「……こ、これは……アレ、だよね……」

憂「うぅ、純ちゃあん……」
254. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/12/27(月) 22:07:07.97 ID:lPwWqqJZ0
きょうしつ!

梓「と、いうわけで……」

憂「き、聞きたくないようー……!」ぎゅーっ

純「よしよし……」

梓「唯先輩と付き合うことになりました……///」

憂「お、お姉ちゃんが……取られちゃったぁ……」ビエエ

純「この泥棒猫!」ずびしっ

梓「ひどっ?!」
256. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/12/27(月) 22:11:09.31 ID:lPwWqqJZ0
きーんこーんかーんこーん……

純「あ、授業始まっちゃう。またね」

憂「あぁ……おねえちゃあん……」ヨロヨロ…

梓「数学だっけ、準備しなきゃ」

ガラッ

先生「よーし宿題集めるぞー」

梓「」

梓「えっ、しゅくだ……純!?」

純「うん、プリント三枚」ヒラヒラ

梓「完っ全に忘れてたぁあぁああ……!!!」

純「あはは、自業自得だね」
258. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/12/27(月) 22:15:10.01 ID:lPwWqqJZ0
ほうかご!

憂「あーあ……お姉ちゃんと梓ちゃん、三連休の間に……」

純「まぁあの二人だし……、祝福してあげようよ、友達としてさ」

憂「うん……そうだね」

純「……わたし、一人っ子だからさ、よくわかんないんだけど」

憂「うん」

純「平沢姉妹は、なんていうかいつまでもきっと仲良しだよ、だから梓に取られたなんていわないでさ、前向きに考えようよ」

憂「……そうだよね、いいお姉ちゃん離れのタイミングなのかも」

純「まぁ、寂しくなったらいつでもわたしがいるからさ!どんと胸に飛び込んでおいでよ!」

憂「うん、純ちゃんありがとう!」だきっ

純「おーよしよし」
259. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/12/27(月) 22:19:10.57 ID:lPwWqqJZ0
和「あら?憂に、鈴木さんじゃない」

純「あ、こんにちは!……あれ?うい?」

憂「わ、和ちゃん!」がばっ

純「……あー……」ヒュウウウ・・・

和「あらあら。憂、唯と梓ちゃんが付き合い始めたって……その様子じゃ知ってるみたいね……」

憂「うん、和ちゃん、寂しいよう……」

和「だいじょうぶよ、唯は憂を蔑ろにしたりなんかしないわ」

憂「そ、そうだよね!和ちゃんありがとう!」ぎゅうーっ

純「あ、あの……」

憂「和ちゃあーん……!」

純「和先輩が羨ましい!!!」


おわり!
265. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/12/27(月) 22:20:48.93 ID:lPwWqqJZ0
終わりです。支援レスありがとうございました
このSSは"梓「唯先輩を恥ずかしがらせたい」"の空白の三日間を埋める補完SSです
よければこちらもどうぞ



最終更新:2011年03月03日 21:43