唯「憂に別々の部屋で寝ようと言ったらどうなるか」


憂「え……」

唯「だから、今日は別々の部屋で寝ようって」

憂「な、なんで? 何かあったのお姉ちゃん?」

唯「んぇ? 別になにもないけど……今日は何かひとりがいいなって」

憂「えっと……わたし、ひとりじゃやだな……」

唯「一日くらいいいでしょ、ねぇ憂?」

憂「……」シュン

唯「じゃ私、お風呂入ってくるねー」

憂「あっお姉ちゃん、まだ話はっ」

 バタンッ

唯「さぁて」

唯「ここで今回の企画を説明させていただきます」

唯「憂をお部屋に一人で寝かせ、その様子を観察する……」

唯「方法は憂がお風呂にいる間にクローゼットに侵入して隠れて」

唯「そして戻って来た憂がベッドに入るのをただ待つのみです」

唯「憂はお姉ちゃんがいなくて寂しくて泣いちゃうのかな?」

唯「お姉ちゃんお姉ちゃんって私を呼んじゃうのかな?」ニシシ

唯「まあそのまま放っておいては可哀想なので、」

唯「憂が寝付いたら私もベッドにお邪魔するつもりです」

唯「……では、続きをどうぞ」

唯「ふーんふーふーん♪」ウォッシュウォッシュ

 チャポン

唯「ばばーんばーばんばんーばーんー♪」

 ザバッ

唯「うーいー♪ ういうい~♪」フキフキ

憂「呼んだ? お姉ちゃん!」ガチャッ

唯「ひゃっ!」

憂「あっ……ごごごめん!」バタンッ

唯「……裸を憂に見られてしまいました」

唯「ああ、姉妹でこんなエッチなことをしてしまうなんて……許して下さい神様」

唯「ふーんふふーんふー♪」フキフキ

唯「ういー、お風呂あがったよー!」

憂「あ、うん!」

 トテテテ

憂「あれ、お部屋戻らないの?」

唯「へ、あぁうん、ちょっとね」

憂「廊下寒いから気を付けてね?」スタスタ

唯「うっ、うん。分かってる、だいじょうぶだよ」

唯「ふぅっ、あぶないあぶない……」

唯「さて、憂の部屋に侵入です!」ガチャッ

唯「ほほぅ……」クンクン キョロキョロ

唯「いつも来てるから別に新鮮味はないね」

唯「……お? 椅子にちょっと温もりが残ってる……」

唯「……」ペタペタ スリスリ

唯「……すぅーっ」

唯「お、おほ……これが憂のお尻の匂い……」

唯「く、くせになる……」スンスン

唯「……まだ憂が上がってくるまでは時間あるし、しばらくこれを……」

唯「しゅん、すっ、……はぁ」

唯「……すん、すっすっすっ……」

――――

 トン ト トン…

唯「……むへ?」

唯「はっ、憂が上がってくる音だ!」

唯「え、えっとく、クロゼトト……」ドタバタ

 ガチャッ

 バタン

憂「……」

憂「お姉ちゃんがいるような気がしたけど……気のせいだよね」

唯「……」ドキドキドキドキ

憂「ひとりで寝たいって、どうしたんだろ……恋、とかしたのかな」

憂「……」

唯(ど、どうにか……)

憂「はぁっ」ドサッ

唯(お、早速ベッドインかな)

憂「ふぅー……」

唯(ため息多いなぁ)

憂「……お姉ちゃん」

唯(うおっ!?)ギクッ

憂「はぁ……」

唯(あ、ひとりごとか……)ドキドキ

憂「おねえ、ちゃあん……」グスッ

唯「おっ」

憂「ぐ……は、ぐすっ……ふ、ぅ……えぅ」グスグス

唯(涙を必死にこらえてる……)

唯(そんなに寂しいんだったらお姉ちゃんの部屋行ったっていいのに。いい子だなぁ憂は……)

憂「は、ぅ……ふぇ、ええぇ」ポロッ

唯(あぁ、泣いちゃった)

唯(たった一晩ひとりなだけなのに……可愛すぎるよ憂……)

唯(いますぐ抱きしめてあげたいけど……もうちょっとだけ)

憂「おねえちゃん……っ」

唯(む、背中を向けられてしまった)

憂「はぁ、ずっ。……ぐすっ」

唯(こっち向いて~)

憂「……おねえちゃん、うぅ」

唯(んー……もう出ていってあげようかな?)

 ペロンッ

唯「!?」

唯(お、おしり……!? う、憂の……)

憂「……は、はぁっ、ぐす、ぐすっ」プチプチ

唯(上も脱いで……え、何する気なの、憂?)ゴクッ

憂「は、うぅ……」モゾッ

唯「???」

憂「は、あぁ……おねえちゃんっ、ん……」ピクン

唯(な、なんか苦しそうだよ?!)

憂「はあっ、はっ……うぅっ!」

唯「っ!」ガタッ

唯(な、なに今の声……あんな声、憂は出せない)

憂「ぁっんぁ……おねえちゃん、おねえちゃぁあ……」グチュッグチュッ

唯(! お尻……お股のとこに手を当ててる)

唯(だいじょうぶなのかな……う、憂が変になっちゃってたらどうしよう)

憂「はぁ、っく、う……! ああはっ、く!」グチュチュチュ…

唯(わたしが……憂を変にしちゃったの?)

唯(私のせいで……ど、どうしよう、どうしたら……)

憂「ぁっあ、おねえちゃんっ、おねえちゃあんっ……!!」ビクビクッ

唯(……憂っ)

憂「は、ちゅう、ちゅうしてっ、ちゅうしたいよぉ、おねえちゃっ……あ!!」

唯(ちゅ、ちゅう!?)

唯(……ちゅうをすれば、あれは収まるのかも……よし!)

憂「あぁっ、いっ、い……!!」ビクン、クンッ

唯「ういっ!」ドバーン!

憂「あ、っ……ぅああわあああわわわ!!?」

唯「じっとして憂! 今ちゅーしてあげるから!」ガバッ

憂「へ、ちゅっ!?」

唯「そう、ちゅう!」

唯「ほら、じっとするんだよ」ぎゅーっ

憂「ぁ、あ……」プルプル

唯「目閉じないとちゅーできないよ?」

憂「っ……」ギュッ

唯「よしよし……じゃあ、ふぅー……ちゅーするよ」

唯(……ぅあ、かわいいなぁ)

唯(……)

 むにゅっ

憂「んぅっ……」

唯(……ちゅーってどれぐらいやったらいいのかな)

憂「ん、ちゅっ、ちぅっ……」ぎゅうううっ

唯(わわ、くちびるが吸われてる……)

唯(あ、吸ってあげたらいいのかな……)

唯「ん……ちゅぅ……」

憂「んっ、ふ……」

唯(……痛かったりしないかな、だいじょうぶかな)

憂「んんっ……ぁ、ちゅぅぅ……」ぎゅうう

唯(抱っこももっと強くしてあげた方がいいかな?)ぎゅうっ

憂「んっぁふ……、ぅ」

唯(……)チラッ

唯(わうっ、近っ……でも幸せそうだね。うまくできたのかな)

憂「っ、ふ……」ブルッ

唯(でも、まだ体が震えてる……ちゅーをやめちゃだめだね)

憂「んぁぅ、ぅー……ふ、んうぅ」モゾ

唯(逃げたら治らないよ、憂)ギュウッ

唯「ちゅうぅ……ちゅぴっ、ちるるっ」

唯(あぅ、憂の唾が……)クラッ

憂「んーっ、んー……ぶはっ!」

唯「あっ……」

唯(逃げられちゃった……)

憂「はー、はぁーっ、ふ、はあーっ……」

唯(……って、それどころじゃない)

唯「だいじょうぶ、憂?」

憂「へ、はぁ……」ゴクッ

憂「ら、ぁいじょうぶ……」

唯「……」

唯「もっとちゅーするよ?」

憂「だ、だめ……いまは、まっへ……」

唯「……うん」

唯「でも、まだ抱っこしといてあげるね」ギュッ

憂「ありがと。……ふぅ、はぁぁ……」

唯(……息、えっちぃ感じだなぁ)

唯(ちゅーしちゃったんだから、当たり前かも)

憂「……はぁ」

唯(……ちゅー、したいけど。だめだよね)

唯(憂は待ってって言ったもん)ギュー

憂「……はぁ、ふぅ」

憂「……ありがとうお姉ちゃん」

唯「もう平気?」

憂「うん。……あ、ぇっと、服着てもいい?」

唯「ほぇっ、あっ、うんっ」ササッ

唯(あわわ……あんなかっこの憂に抱っこして、ちゅーまで……)カァッ

憂「……」ゴソゴソ

唯「……」

憂「いいよ、お姉ちゃん」

唯「あ、うん……」

憂「ありがとね」

唯「へ?」

憂「ちゅーしてくれて、ありがとう」ニコッ

唯「……」

憂「お姉ちゃん?」

唯「……ううん。憂が無事ならよかった」

憂「?」

唯「ごめんね憂、寂しがらせちゃって」ぎゅっ

憂「そんなこと……もうどうでもいいもん」

唯「ごめん、ごめんね。これからは、毎日一緒に寝るからね?」

憂「うん、ちゅーもしようね」

唯「あ、ぁ……うん。憂がしたいなら、もちろん」

憂「えへへっ」

唯「……へへ」ナデナデ

憂「……今日はもう寝よっか、お姉ちゃん」

唯「そだね。疲れちゃった」

憂「じゃあ、このまま抱っこしながら寝る?」

唯「わーい、憂の抱き枕だ♪」ぎゅー

唯「やわらか……疲れが3倍取れるよ」

憂「これからは我慢しなくていいから、いつでも抱っこしたまま寝かせてあげるね?」

唯「えへ、ほんとに? やったぁ……」ムニャ

唯(……あぁ)

憂「おやすみ、お姉ちゃん」

唯(そういうことだったのかぁ……)ムニャムニャ

唯「おぁふみぃ……」ぎゅーっ

――――

唯「……毎日いっしょのベッドで寝ているくらい仲の良い私たちですが」

唯「妹に「別々の部屋で寝よう」と言ったらどうなるか?」

唯「そう思って今回の企画を実行させていただきました」

唯「結果ですが……ふむ」ペラ

唯「お互いをいかに愛し合っているか、よく確認できた夜でしたね」

唯「私たちがお互いに隠していた気持ちさえさらけ出して……」

唯「えぇと。今回のことで分かったのは」

唯「大好きな人ともっと仲良くなりたいときは……」

唯「別々の部屋で寝ればいい、ということでございます!」

唯「どうも、ありがとうございましたー♪」


   お わ り



最終更新:2011年03月05日 02:36