こんにちは、
秋山澪です
そろそろ唯の誕生日なので、誕生日会を行おうと思っています
先ずは……そうだ、ケーキを用意しないと
それも、とびきり大きなデコレーションケーキを
プレゼントは何がいいかな?ぬいぐるみとか、唯は好きかな?
でも、誰には内緒の誕生日会
唯が知ることがない、だれも、私以外に知ることがない誕生日会……
唯……ふふふ……
きっと唯も喜んでくれるよね
唯のためにケーキ、買ってきたよ
デコレーションケーキをワンホール
チョコプレートには「ゆいちゃんたんじょうびおめでとう!」って書いてあるんだ
でも、私一人で食べるから……ああ、また太っちゃう……
それと、唯へのプレゼント
ウゴウゴルーガのぬいぐるみ、探すの大変だったんだ
――それじゃあケーキ、開けるよ
もちろん、ろうそくも唯の年と一緒の数だよ
ひとつ、ふたつ、みっつ……火を灯して……
――電気を、消すよ
ほら、ケーキがろうそくの火に照らされて……きれいだね
「ゆ……唯……」
ゆら、ゆら――
蝋の焦げた匂い
オレンジ色に照らされているチョコプレート
「ゆいちゃんたんじょうびおめでとう!」の文字も、ろうそくの灯りでよく見える
蝋が溶け、ケーキの白いクリームへ、ぽとり、ぽとり――
ああ、そうだ
誕生日なんだから
せっかくの唯の誕生日なんだから……お祝いの、歌を
――ハッピーバースディの歌を歌おう
「ハッピバースディ、トゥユー、ハピバースディトゥユー」
唯の、生まれたこの日を
「ハッピバースディ」
唯に内緒で――
「ディア、ゆーいちゃーん」
――祝福しよう
「ハッピバースディ、トゥ……、ユー」
誕生日、おめでとう!
「おめでとう、唯!」
それでも蝋燭は……
その蝋の身が全て溶けきるまで――
身に宿したゆらめく炎が、消えるまで――
「ゆいちゃんたんじょうびおめでとう!」と書かれたチョコプレートをオレンジ色に、照らしていました
「唯……誕生日、おめでとう、おめでとう」
私は――蝋燭の灯す暖かな灯りが消えたその部屋で
唯のことを想い
唯のことを祝福し
唯のためのデコレーションケーキを
唯のために「ゆいちゃんたんじょうびおめでとう!」のチョコプレートだけ残して
ああ……蝋の味がする
fin.
最終更新:2011年03月18日 00:05