大宇宙…

その中で二つの力が何千年もの長い間戦い続けていた

ひとつの力は平和と正義を代表するコプーといい、いまひとつは悪と呪いの力であるドルゲ!

激しい戦いは続く…

そして悪の力ドルゲは遂に地球に達した!

ドルゲは、地球の地底奥深く住処を求めて、人間では行く事のできない地下にその根城を造り上げた

そして、ある日…

悪の力ドルゲは地上に向けて行動を開始した!

ドルゲ「ルロロロロロロロロ…、ルロロロロロロロロ…、ドールゲー!」

ドルゲ「悪のエージェント…、その者の名は、中野梓…」


-梓の家-

純「あーもー!勉強退屈ー!」

梓「まだ始めたばかりでしょ…」

純「はあ…、ちょっとトイレ借りるね?」

梓「はいはい」

ガチャ

梓「まったく困ったもんだ」

フッ…

梓「何?停電?」

ルロロロロロロロロ…、ルロロロロロロロロ…

梓「な、何!?」

ドルゲ「ドールゲー…!ドールゲー!」

ドルゲ「選ばれし悪のエージェント中野梓…」

梓「お、お化け…!」

ドルゲ「正義を憎み、愛を呪い、善なるものを嘲る悪!その名はドルゲ!」

ドルゲ「中野梓…!お前を悪のエージェントにしてやる…」

梓「そ…そんなの嫌だ!」

純「~♪」

純「あれ?梓ひとりのはずなのに、話声が?」

ドルゲ「悪のエージェントを嫌だと言えばどうなるか…。まずはそこにいる娘だ!」

梓「じゅーん!逃げてー!」

純「え…?」ガチャ…

純「ば、化物!」

ドルゲ「アントマンよ、その娘を捕らえるのだ…!」

純「うわあああああ!」


-街外れ-

律「ねー、澪ー!どこまで行くんだよー!つまんないよー!ゲーセン行こうよー!」

澪「何いってるんだ、お前が勝手についてきたんじゃないか」

澪「作詞のための気分転換だっていっただろ」

律「ぶー!」

澪「まったく…、このあたりはまだあまり開発されてなくて自然が残ってるんだ。それを楽しめよ」

律「うーん…。あ、でもこのへんて、小さいころよく遊びに来たっけ」

澪「そうだったな」

律「思い出した!確かこの道をこっちに行くと…」だっ

澪「おい待てよ!」

律「あったー!お化けマンション!昔ここでよく鬼ごっことかかくれんぼしたよなー!」

澪「懐かしいな…」

律「久しぶりにやる?」

澪「もういくつだと思ってるんだ。それにもうずいぶん古くなって危ないぞ」

律「そっか…」

純「はあ…、はあ…、」ダッダッダ…

律「おや?こんなところに誰か来る…」

澪「あれは梓や憂ちゃんの友達の…。えーと、鈴木さんか」

純「た、助けて…」

律「どうかしたのか?」

純「あ、梓が…、ば、化物に…」

律「化物!?」

澪「…夢でも見たんじゃないか?」

純「本当に見たんです!ほ、ほらあそこに!」

アントマン「ヒヒヒヒヒ…」

律「え!?」

澪「ほ、本物か!?」

ゴゴゴゴゴ…

律「じ、地震!?」

ルロロロロロロロロ…、ルロロロロロロロロ…

澪「な、何の音だ!?」

アントマンよ、その娘を捕らえよ…!

アントマン「ヒヒヒヒヒ…」「ヒヒヒヒヒ…」

澪「律!ど、どうするんだ!?」

律「ばかやろー!逃げるんだ!」だだだっ!

アントマン「ヒヒヒヒヒ…」「ヒヒヒヒヒ…」

律「くそー!澪!鈴木さんを連れて逃げろ!」

澪「り、律は!?」

律「いいから早く行け!こうなりゃヤケだ!ドラムパーンチ!」ボカ!

アントマン「ヒヒィ!?」

澪「律!すまん!」

澪「このマンションに隠れよう!」

逃がさんぞ…

ゴゴゴゴゴ…

澪「ま、また地震!?」

バキィ!

澪「うわあ!」ガシッ!

純「ゆ、床が!澪先輩!」

澪「鈴木さん逃げろ!それで誰か助けを呼んできてくれ!」

純「で、でも…」

澪「いいから!」

純「…すいません!」ダダッ!

律「澪ー!」

澪「律…?無事だったのか…」

律「何とかまいたよ、さあ早くつかまれ!」

澪「ああ…」

ゴゴゴゴゴ…、バキィ!

律「うわあ!」

澪「律!手をはなせ!このままじゃお前まで…」

律「ばかやろー!そんなことできるか!」

律「絶対にはなさないぞ!」

澪「律…」

律「もう少しだ!がんばれ!」

澪「ああ…!」

ガシイ!!

コプー「地球の子らよ…。我がコプーの力を与える…!」

コプー「コプー!」バッ!

ビカー!ビカビカビカー!

律「バローム!」

澪「クロース!」

ピカァァァァァ…!

バロム・1「バ、ローム!」

(バロムとは友情のエネルギー。そのエネルギーで律と澪は正義のエージェント、バロム・1になったのだ!)

律(澪…)

澪(律…)

澪(二人が一人になったのか!?)

律(何だかすごい力が湧いてくるぞー!)

コプー「お前たちの強い友情のエネルギーが、超人バロム・1になったのだ…!」

コプー「戦うのだ律…!戦うのだ澪…!」

アントマン「ヒヒヒヒヒ…」

バロム・1「うおりゃー!」ドカア!

アントマン「ヒヒィィー!」

バロム・1「バ、ローム!」

アントマン「ヒ、ヒヒィー!」

バロム・1「やった…」

バロム・1「う…」ふら…

律「…」

澪「…」

コプー(地球の子らよ、聞くがよい…)

コプー(宇宙には、二つの者が戦い続ける。一つは私、正義なる者コプー…。もう一つは邪悪なる恐ろしき者ドルゲ…!)

コプー(お前たちは正義のエージェントだ…。悪なるドルゲと戦うのだ…)

コプー(私の寿命も尽きた…。だが、お前たちがバロム・1であることを誰にも喋るな…!喋ればただちに災いが…。ぐはっ)ドカァァァン!)


-そのころ-

梓「はあ…、はあ…、」

ドルゲ「ルロロロロロロロロ…、まだ嫌だというのならば、あの娘だけではなく次はお前の両親だ…」

梓「!」

梓「も…、もうやめて…。わかったから…」

ドルゲ「悪のエージェントになるというのだな?ルロロロロロロロロ…」

ドルゲ「よし…!お前は今から暗闇に蠢く醜いゴキブリのような悪のエージェント、ゴキブルゲとなるのだ…」

梓「ゴ…、ゴキ…!?」

ドルゲ「ルロロロロロロロロ…、ルロロロロロロロロ…」

(ドルゲは、悪の細胞である。それは、一種のガン細胞の働きをする。その細胞に侵された人間は、醜い悪のエージェントになるのだ…)

ゴキブルゲ「ブルッ…!ブルルルルルル…!」

ドルゲ「ゴキブルゲよ…!コプーの正義のエージェントをこの地球から消せ…!」

ドルゲ「コプーの正義のエージェントがその力を出す前にだ!」

ゴキブルゲ「ブルゥゥゥゥー!」


-翌日・朝-

律「はっ!」ガバッ!

律「こ、ここは…?私の部屋…?」

律「…夢だったのかな…?着替えなきゃ…」

律「ん?何だこれ?ポケットに何か…」

律「夢じゃない…?」


-学校-

澪「律、おはよう」

律「あ、澪…。昨日のことなんだけど…」

澪「ああ…、鈴木さんが憂ちゃんに電話して、それで唯が私たちの家に電話してくれたんだってな」

律「いや、それもそうなんだけどさ、あの化物のこととか…」

澪「化物?そういえば変な夢をみたよ。正義のコプーとか、悪のドルゲとか…」

律「!」

律「その夢、私も見た!やっぱりあれは夢じゃないんだ!」

澪「まさか…」

律「ほら!こんなのもポケットに入ってたんだ!後で梓や鈴木さんにも話を聞きにいこう!」

澪「う、うん…」

唯「りっちゃん澪ちゃんおはよ~。昨日はたいへんだったねえ~」

律「唯、昨日はありがとな」

唯「いえいえ~。ところであんなところで何してたの?」

澪「え~と…。二人で鬼ごっこを…」

唯「え~!二人だけでずるい!今度は私も誘ってね!」

律「あはは…」


-放課後-

唯「りっちゃん澪ちゃん、部活いこ~!」

律「ごめん、私たち、ちょっと用事があるから先行ってて」

唯「え~、今日はムギちゃんも掃除当番だし…。しょうがないからあずにゃん分補給でもしよ~っと」

澪「練習しろよ…」


-梓たちの教室-

憂「あれ?律さんに澪さん?こんにちは、どうかしたんですか?」

律「憂ちゃん、鈴木さんいる?」

憂「純ちゃんですか?今日はお休みです。何でも精神的に強いショックをうけたとか…」

澪「そうか…。梓は?」

憂「梓ちゃんはもう部活に行きました。でも…、何だか様子が変だったんです」

澪「様子が…?」

憂「はい、話しかけても全然返事もしてくれなくて、純ちゃんのお見舞いに行こうって行っても…。まるで人が変わったみたいで…」

律・澪「…!」


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最終更新:2011年03月19日 23:42