よくじつ!


瀧エリ「三花、バンドの調子はどう?」

三花「もうバッチリだよ!この勢いならお披露目も近いかもね!」フフン

しずか「へーすごいねぇ、最近始めたばっかりなんでしょ?」

三花「初めて、2カ月です!」フンス

瀧エリ「でも、あんまり無理しないようにね。ほら、クマさんできてんじゃん」ププッ

しずか「あ、ホントだ。ちゃんと寝なきゃダメだよぉ」

三花「なっ!これは新しいペットのクマちゃんだよ!」グッ

アハハハ



すたじお!

信代「三花寝不足?目の下にクマができてるよ」

三花「まぁねぇ、最近このクマさんがかわいくてさ飼ってるのぉ」フラフラ

姫子「調子悪そうね」

いちご「今日はもう切り上げるわ」

姫子「そうね。そうしましょう」

三花「いや、大丈夫だから練習続けよう!スタジオ代が勿体ないよ」

姫子「いやいや、無理して倒れたら意味無いじゃん。三花は受験勉強もやってるんでしょ?」

信代「そうだよ。いくら志望校のA判定出てるからって、このまま無理し続けたら本番まで持たないぞ!
ほら、肩貸してあげるから今日はもう帰ろう」スッ

三花「大丈夫だってっ!!」バシッ

信代「っつ!」ビクッ
姫子「み、三花!」

三花「ご、ごめん。でも大丈夫だからあと1回だけやらせて・・・」ハァハァ

いちご「わかった。信代フリして」

姫子「いちごっ!!」

三花「はぁはぁ、ふぅ。よしやろう!」フラフラ

信代「・・・じゃ、じゃあ1・2」

姫子「あぁーもうっ!」



よくしゅう!


信代「三花まだ風邪でダウンだって」

姫子「はぁやっぱり、あの時無理させるんじゃなかった」

いちご「ああいうタイプは最後までやらせてあげた方がいいのよ」

姫子「でもさぁ受験生だよ!?冬の大事な時期なのに・・・」

信代「私たちのせいで受験失敗したら・・・」

いちご「・・・そのことなんだけど、話しておくことがあるの」

姫子「何?まだなんかあるの?」

信代「いい話ではなさそうだね・・・」

いちご「ここじゃあれだから、どこかに入りましょ」



ふぁみれす!

信代「はい、レモンティーとコーラ」

姫子「さんきゅ。で、話っていうのは三花のことだよね?」

いちご「そう。もっと言うと三花の受験の話」

信代「正直、あんまり聞きたくないなぁ」

いちご「大事なことだからちゃんと聞いて。」

信代「うっ、うん」
姫子「それじゃ話して」

いちご「三花の受験勉強はうまくいって無い。」

信代「え?でも、志望校はA判定って言ってたじゃん・・・もしかして」

いちご「それは嘘。バンドを続けるため、私たちに心配を掛けないための強がりよ」

信代「三花・・・」
姫子「・・・マジなの?」

いちご「三花の模試結果を見たから間違いないわ。実際、志望校はC判定・・・微妙なところね。
これからの頑張り次第よ」

信代「あの子いつもニコニコしてるから全然気づかなかった・・・どうしよう私たち三花に無理させて、こんな大事な時期に風邪ひかしてちゃって・・・!!」オロオロ

姫子「信代、落ち着いて。これは三花の問題よ私たちにできることは限られてる」

信代「で、でも私たち取り返しのつかないことしたかもしれないんだよ!?」

いちご「この時期にバンドを作ったのも、受験と両立させようとしたのも三花の意志よ。
    あの子が考えて、あの子が決心したの」

信代「ぁっ・・・だからって2人とも冷たすぎるよ・・・少しの間かもしれないけど、
一緒にやってきた仲間じゃん助けてあげたいよ・・・」

いちご「だからこそ2人に話したの。決心してほしかったから」

姫子「うん・・・話してくれてありがとう、いちご。そうね、三花を助けるにはいちごの考えしかないかもね」

信代「ど、どういうこと?」






いちご「このバンドは解散ってこと」



よくじつ!


ピンポーン

姫子「あ、三花?お見舞いに来たよ。そう、メールで伝えた話したいこともあるから」


三花「やあやあ、3人さんいらっしゃい!」

信代「風邪はもう大丈夫なの?」

三花「うん、おかげ様でもう全開だよ!この前はごめんね~わがまま言って困らせちゃってさ。
もう大丈夫だから、今度は最高のキーボードを披露するよっと!」

いちご「三花、その事なんだけど大切な話があるの、実は・・・」





三花「・・・・・・」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


信代「泣き喚いてたね三花。そのあとは机にかじり付いてたけど」

姫子「でも、最後にはわかってくれたじゃん。それに信代も結構渋ってたくせにー」ププッ

信代「だって、せっかく楽しくなってきたところだったし、三花の気持ちを考えるとね・・・条件付きとはいえここでいきなり解散なんてさ」

姫子「三花ならバンドのために馬車馬のように勉強すると思うけどなぁ。三花を信じてあげようよ。
それより『受験成功なら再結成、失敗なら一生口利かない』なんてえげつない条件出したいちごにビックリだよ」フー

いちご「とにかく今は三花には受験に集中してもらいたいから」

信代「そうだね!私たちはその間に各々練習だね」

姫子「三花が順調ならセンター試験で終わりだから、2月くらいには再結成できそうだね」

信代「再結成とかなんかプロっぽくていいね!」

いちご「まだ何もしてないけどね」

信代「しかし、三花大丈夫かねぇ。あと1カ月くらいでしょ?」

いちご「あの子は集中したら凄いから大丈夫だよ」

姫子「へーなんだかんだで、いちごって三花のこと信じてるんだねぇ」ツンツン

いちご「う、うるさい」///

信代「あーっいちごが赤くなってる!」アハハ

いちご「とっ、とにかく再開したらすぐにライブするから、練習サボらないようにね」

信代「了解!さぁ来年が楽しみだね!・・・あー寒いと思ったら雪降ってきたよぉ早く帰ろうっ!ヒューッ」タタッ
姫子「あ、ちょっと信代走ったら危ないって!っと、いちごもそれまで曲作りよろしくね!じゃっ」





いちご「・・・」


いちご「・・・悪くない、かな」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

姫子「じゃあね、信代」

信代「うん、じゃ次は大晦日にね!」タタッ




姫子「ふふ、全く信代は元気よね・・・・・っつ!」ズキッ

姫子「・・・だから冬は嫌いなのよ・・・」ズキッ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


~~おおみそか!


ガヤガヤ


三花「みんなーぁ!ひっさっしっぶっりぃぃい!!」ガバッ

信代「お、三花久しぶり!」ガッシット
姫子「うわっ!あんた信代がいなかったら、私といちご潰れてたわよっ!?まぁでも、久しぶりね」ナデナデ
いちご「とりあえず離れて痛い」グイグイ

信代「で、勉強はどう?」

三花「へへん、おかげ様で自分でも驚きの成績を叩き出しております。みんなの存在が私を机に向かわせてるぜっ!」フフッ

姫子「なぁにカッコつけてんのよ。さっさと受かって早く再結成するんだから、しっかりセンターで終わらせなさいよ!」グッ

三花「はっはっはっ、わかってるって姉御」グッ

信代「順調そうで良かったよ。来年もこの調子でね」


いちご「早く、こっち。年越しちゃう」

三花「お、いちごは意外とこういう神事が好きなのかな?」
信代「へー意外だな」
姫子「人は見掛けによらないよ」


いちご「違う、おみくじが引きたいだけ」


三花「私もおみくじ好きだよ!でも、今年の学業だけはお願いします!神様!キリスト様!」
信代「それは宗教違うから」
姫子(いちごって意外と子供っぽいのかしら?)



いちご(今年こそは・・・・・)


アケオメー ゴーンゴーンゴーン アケマシテオメデトウ オメデト


三花「大吉だぁぁ!!『学業は大成す』だって!受かったも同然だよぉみんな!!」パァァ

姫子「気を抜くな三花。たかがおみくじだよ。って小吉かー微妙だなぁ信代は?」

信代「私は吉。まあまあかな。いちごは?」

いちご(・・・・きょ、凶・・・5年連続の・・凶っ・・・・)ズーン


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

唯「あ~ん、みんな待ってよ~」

澪「フラフラしてたら置いてくぞ唯」

梓「出店はおみくじした後でも食べれるんですから、少しは落ち着いてください。唯先輩のせいで遅れてるんですよ」

唯「だって~わたあめちゃんがこっち見てるんだも~ん」

紬「ふふふ私、毎年みんなとおみくじするのが夢だったの~」

律「今年こそ大吉を引いてやるぜ!っと・・・ありゃ?あそこにいるのはいちごと三花じゃなか?」

唯「あ、ホントだ!のぶちゃんと姫子ちゃんもいるよ!」

梓「誰ですか?」

澪「うちのクラスメートだよ。学祭の劇にも出てたぞ」

唯「お~い姫子ちゃ~ん、あけおめー」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

三花「大吉さまぁぁ我に力を~うぅうん」ナムアミ~ダ

信代「神頼みじゃなくて自力でがんばりなよ」ハハハ

ヒメコチャーン

姫子「ん?あっ唯たちじゃない!みんなも来てたんだね。あけおめ!」

三花「なぬぅ!?ここで会ったが100年目!成敗してくれるわ我が宿敵ぃぃ!!」ガッバッ!

信代「なに訳わかんないこと言ってんの、抑えて抑えて」ガッシ

三花「う゛ぅぅぅ」ハァハァ

唯「三花ちゃん??姫子ちゃんたちはお参りとおみくじしたの?」

姫子「これはちょっとした病気だから気にしないで。私たちはもう終わったよ。おみくじはいまいちだったけどね」ハハ


澪「やっぱり出遅れたかー唯がフラフラしてるからだぞ」
唯「えへへ~ごめんね澪ちゃん」
律「ま、私たちは遅れてきてもみんな大吉を引かせてもらうけどな!」フフン
紬「楽しみだわぁ」

ピクッ

三花いちご「・・・」ゴゴゴゴコ

澪「ふっ2人ともどうしたんだ?」ビクッ

ゴゴ゙ゴゴゴォ

三花いちご「あなたたちには負けないっ!」クワッ

澪「えぇ!?ちょ、ちょっとどういうことだ信代!?」ビクビク


信代「あー・・ごめん、こっちの話だから気にしないで」ハハハ

姫子「さっ、2人とも帰るわよ。じゃまた新学期にね、みんな勉強頑張って」ガッシ 
信代「じゃあね~」ガッシ

ズルズルズル

三花「HTTブッ倒す・・そしてブッ生き返す・・・・」ブツブツ
いちご「5年連続で凶って・・凶て・・・・」ブツブツ

ズルズル

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


唯「うん、バイババーイ」フリフリ

澪「・・・な、なんだったんだ?」

律「さぁ?しかし、言い知れぬ殺気を感じたな・・・」

梓「な、なんだかこわい方たちでしたね・・・」

唯「そう?みんないい子たちだよ~」

紬「これを振ればいいんだったかしら?お代はどこで渡せばいいの?」

梓「・・・むぎ先輩空気読んでください」


~~~予備校!


瀧エリ「ふー今日はこの辺にしとこうかな」

ちか「あ、じゃ私もキリいいから一緒に帰ろっと」

瀧エリ「おっけ~三花はどうする?」

三花「んーわたしはもうちょっとやってくよ。今日は先に帰ってて」カリカリ

瀧エリ「わかった。がんばってね」
ちか「じゃ三花また明日ねーお先」

三花「うん、バイババ~イ・・・」カリカリ

三花「・・・・ふーちょっと休憩して自習室行こっと」

スタスタ、ガチャ

三花「自習室さん失礼しまーす。おっ、和と風子だ。2人だけ?」

高橋風子「あ、三花ちゃん。この時間は人少ないから」
和「あら、三花じゃない。自習室に来るなんて珍しいわね」

三花「あはは、久しぶりに来たよ。こんなモノもらったらがんばらない訳にはいかないからね!」ジャーン

和「それは合格祈願のお守り?」
風子「あっ、もしかして彼氏から?」

三花「まぁね!親友という名の彼氏たちから頂いたのさ」フンス

風子「親友?彼氏たち?」
和「よくわからないけど頑張らないとね。三花もセンター利用でしょ?」

三花「うん、R大文学部狙ってるの。2人はどこだっけ?」

風子「私たちはH大の法学部が第一」

三花「おおーさすがは優等生諸君ですなぁ。でも和は生徒会長だったし、うち一応進学校だから推薦の口はいくらでもあったんじゃないの?」

和「もちろん推薦はいくつかあったわよ。でも、今の志望校じゃないといけない理由があるのよ」

三花「ふ~ん、そういうもんかねぇ。平凡な私からしたら勿体ないと思うけどなぁ」

和「そうね。楽をするのは簡単だけど、苦労をしてでも譲れないモノがあるのよ。三花にもそういうモノとか人があるでしょ?
たぶん、それと一緒よ。」

三花「・・・なるほど・・・・うん!和の言いたいことよくわかるよ!!大事だよねそういうの!
よし!勉強勉強!っと早速で悪いんだけど、ここ教えてくれない?」エヘヘ



じゅけん!


三花「ば、馬鹿な緊張しすぎて会場に入れない・・・だと・・」

姫子「なぁにアホなこと言ってんのよっ」バシッ

三花「っつうぃ!効いたよ姉御の紅葉まんじゅう!!」ハハハ

信代「なんか見送りに来て損した気分だよ。三花、全然緊張してないじゃん」アハハ

いちご「馬鹿は緊張感がないのよ」プイッ

三花「こらこら~せっかく皆が来てくれて感動したのに、私の気持ちが台無しじゃないかい?」ヘヘヘ

姫子「それだけ減らず口叩ければ十分ね。さぁさっさと行って終わらして来なさい!」グッ
信代「がんばってね!終わったらお祝いだからさ!」グッ
いちご「落ちたら一生口利かないから」グッ

三花「おうっ!見せてやるぜっ連邦のMSの性能とやらを!!」グッ



三花「よしっ!ア○ロ・ミカいっきまーすっ!!」ダダダッ



姫子「・・・あの子ってオタク?」
信代「え、そうなの?」
いちご(・・・・ガノタ?)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

三花「見えるっ!私にも見えるぞっ!!」ヌリヌリ

試験官「そこ静かに」

三花「・・・すいません。ついノリで・・」

プププッ、ナニアノコー、アハハ、ウルセー

瀧エリ(あの子なにやってんのよ・・・)ヌリヌリ
ちか(なんか私が恥ずかしいよ・・・)ヌリヌリ

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最終更新:2011年03月23日 03:49