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信代「姫子!心配したんだよ!」

いちご「・・・・落ち着いてるの?」

三花「うんっ話してくれるって!姫子、4人揃ったから聞かせてもらってもいいかな?」



姫子「うん・・・・みんなも気付いてると思うけど、私の左手には古傷があってね。中学のソフトボール部で左手の腱を痛めて以来、
   握力が弱くなっちゃって・・・寒い日とか雨の日は今でも疼くのよ。右利きだから、
   ソフトボール部は無理をしなければ大丈夫だったの。でも、医者には今度無理して痛めたら
   最低限の握力までしか戻らないって言われてた・・・」

姫子「最初、ギターくらいなら大丈夫だろうって思ってたんだけど、コード押さえるのって結構に力いるんだよね・・はは・・・
   ・・・でも、部活引退してから無気力になってた私にとって、三花が教えてくれたギターは楽しくてさ・・・・
   夢中になって練習してたら、もうやめられなくなっちゃって・・・みんなと一緒に音楽したくて、
   ライブしたくて毎日、毎日夢中で弾いて・・・・そんな毎日が日常になっていって・・・」

姫子「指のことなんかお構いなしでさぁ・・今まで十分気をつけてきたはずなのにおかしいでしょ?
   冬の寒さで疼いてるのに無理して難しいリフ練習したりさ・・・・たまに唯に負けないぞ!っとか意地になって
   HTTの曲練習したり、ふふ・・・だから、痛くても我慢してやってたのよ。」

姫子「・・・・でも、それがいけなかった。最近は左手も調子が良かったんだけど、今日だけはやけに疼いてさ・・・
   ライブ前にいちごに悟られたんだけど、強がって大丈夫なフリしたの。実際はめちゃくちゃ痛かったんでけどね・・はは・・・
   でも、私たちの初ライブだったし、自分のためにも、みんなのためにも絶対にやめたくなかったの・・・・
   で、無理して弾いたら案の定、3曲目の途中で左手の爆弾がドカーン・・・・・・痛すぎて左手が動かなくなっちゃてさ・・・・
   なんとかライブはやり遂げたけど・・・・そのあと、事情を知ってるいちごに、左手のこと問い詰められたらパニくって
  “ギターできなくなったら、バンドやめさせられるっ!!”とか考えちゃって・・・・
   ふふ、いちごがそんなことするはず無いのにね・・・・で、気付いたら逃げ出してた・・・・・
   ・・・・・みんな・・ご、ごめんね・・・・け、怪我しっちゃって、ごめんねっ・・・・
   ・・・ぐすっ・・ぅっ・・・・めいっ・・わくぅ、かけて、ごめ・・っん・・・・わ、わたし・・・もっぅ、ギター・・・・・・できない・・か・ぅ・・・・」ポロポロッ


三花「・・・・ごめんよぉ、ごめんよぉ・・・ひめこぉ」ポロポロ
信代「・・・・姫子ぉ」ポロポロ
いちご(・・・・本当にダメね、私って)ウルッ



ぅうわあぁぁ・・・・・・・やだぁぁぁやめたぐなぃよぉぉっ


・・・・・・


・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


いちご「みんな落ち着いた?」

三花・信代・姫子「うん」

三花「とにかく!姫子は、まだギター出来ないとは決まったってないんだから絶対諦めないこと!」

姫子「・・・うん」ズキッ

三花「いちごは、今後の予定を考えて!」

いちご「・・・わかったわ」

三花「信代はもうメソメソしない!」グッ

信代「うっ・・三花だって泣いてたじゃん!」グッ

三花「あれ~そうだっけー?」アハハ

信代「ひ、卑怯者~っ」

姫子「ふふっ」

いちご「姫子は明日、朝一で病院に行って検査してもらって。終わったら報告してね」

姫子「うん、わかってる!」ズキッ



~~~よくじつ!


三花「あ、姫子からメール・・・・検査結果出たのかな?」

『三花、いちご、信代へ。検査に行ってきました。結果は明後日話すから、3時にいつものファミレスで』

三花(・・・・神様おねがい・・・)



~~~ふぁみれす!


姫子「・・・・ダメだった。もうギターは弾けないって・・・・」

信代「そんなぁ・・・・」

三花「・・・うそ・・・・・・・」

いちご「・・・・」

姫子「大丈夫!私の中ではもう整理は出来てるから!これからはヴォーカルに専念するよ!!」

信代「姫子は本当にそれでいいの!!?本当は・・・本当はっ・・!」

姫子「・・・・実を言うとね、怪我したとき頭の隅っこではなんとなくわかってたの。あぁ、もうこの手じゃ弦は押さえられないなぁって・・・・・
もちろん未練タラタラだったけど、それもあの日みんなの前で全部吐き出せたから・・・・・私はもう大丈夫っ!」ニコッ

三花「・・・・」
信代「・・・・そっか、姫子がそう言うなら私は信じるよ!」
いちご「・・・・本当にいいのね?」

姫子「えぇ、もうギターに未練は無いわ。だから、早く新しいギターを探して練習しましょ!」

いちご「そうね。日程的にもギリギリだから、腕のいいギターを見つけないと・・三花「ダメっ!!!」

姫子「み、三花?」

三花「絶対にダメっ!!!!」

信代「でも、早く姫子の代わりのギターを入れないと・・・」

三花「このバンドのギターは姫子なの!!姫子の代わりなんていないっ!!!」ポロポロ
  「そりゃ歴は短いかもしれないけど、4人で支え合って、4人で奏で合って、4人で創り上げてきたバンドなの!!」ポロポロ
  「だから、この4人以外の誰かを入れるなんて私は絶対に許さないっ!!」ボロボロ

姫子「三花・・・・・・」
信代「・・・・・・うん」
いちご「じゃあ、どうするの?姫子に無理矢理ギターやらすの?それともあなたがギターをする?キーボードは?」


三花「・・・・・姫子のギターじゃないなら、もうこのバンドにギターはいらないわ!!!」
「いちごっ!今すぐ、曲をギター抜きで書き直して!!メロディラインは打ち込みで作って、私といちごの2人でPCでもフットでもなんでも使ってやるわよっ!!!」


信代「・・・・・」ポカーン
姫子「き、気持ちは嬉しいけど、それはいくらなんでも・・・・いちご「ぷっ、あははははははっ!」ケラケラ


姫子・信代「いちごが声出して笑って・・・る?」ポカーン
三花「・・・・・いいわね?いちご」


いちご「あはははっ・・・・・はぁ、えぇ面白そうね。それに、私も姫子以外のギターなんていらないわ」フン

信代「わ、私だって!」グッ



姫子「ふふふ、ありがと。みんなっ!」



~~~~たいばん!


純「今日はHTTとあと1組だけなんだよね?」

憂「うん、なんでも同じクラスの人たちのバンドなんだって~楽しみだよね~♪」パァァ

純「2バンドだけの対バンなのにもう一杯じゃん!桜校生以外もたくさんいるし、そのクラスメートのバンド結構すごいんじゃない?」

憂「んー私はよく知らないけど、お姉ちゃんの高校最後のライブだから楽しみだよー」

純「そうだねぇ。あーぁ、これで澪先輩も見納めかと思うと凹むわぁ」ハァ



~~~~MOVSがくや!


三花「さ、さぁ、つっついにこの時が、き、き、きたよ!!!」ブルブル

信代「だから、そのブルブル震える健康器具気に入りすぎでしょ・・・・・」

三花「いや~ここに来たら、乗っとかないと気が済まないんだよ」ハハハ

姫子「3年2組のみんなも来てくれてるね。他のお客さんはHTTとうちのファンで半々ってところかな。」

信代「どうせ、姫子といちご目当てのファンだって」ヒヒヒッ

いちご「この間、信代にファンレター渡しに来た子がいたよ」

信代「えっ!?マジで!どの子???」

いちご「覚えてない」

信代「ちょ、ちょっと頼むよ、いちご様ぁ!」

三花「さぁて、私たちがHTT相手にどこまで出来るかってとこね!」

姫子「でも、対バン勝負って伝えなくて本当に良かったの?」

いちご「HTTは自然体の時が一番いい演奏をするの。“フェアな勝負”でしょ?」

信代「確かにねー!一番いい相手を倒すのが気持ちいいもんだ!」ガハハ

三花「出番は私たちが先!前座じゃないわよメインは私たちっ!!HTTは閉店前のほたるの光にしてやるわっ!!!!ハハハハハハ!!!」

姫子「あはは、三花、興奮しすぎよ。とにかく、ここまで色々あったわね」
  「最初に三花に誘われた時は、なんの冗談かと思ったわよ」フフフ

いちご「手口が強引過ぎるのよ」

信代「廊下で土下座、土下寝された時はびっくりしたよ」ハハハ


三花「強引さとノリが私の良さですから~ぁははは」
  「・・・・思えば、私の受験のせいで解散したり、姫子の左手が爆発したり」

姫子「いや、爆発はしてないわよ」


三花「ふふん♪でも、やっとここまで来たね。」

姫子いちご信代「うん」


三花「負けないと思う・・・・私たちなら。そんな気がするっ!!!」


姫子いちご信代「うんっ!!」




MOVSサンオネガイシマース!




三花「ここが私たちのゴールでスタート!!」


いっっっくぜぇぇぇぇっぇ!!!!!



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最終更新:2011年03月23日 19:58