唯「憂~それを口外してはダメって言っているでしょ~」

憂「ご…ごめんなさい、お姉ちゃん…」


憂(どうしてこうなったのかしら…)

唯「それじゃあ、行ってきま~す!」バタンッ

憂(どう見ても女子高校生だ…本当はお兄ちゃんなのに…)


そうあの日を境に平沢唯は変わった……



あのひ!

唯「ちょっと出かけてくる…」

憂「えっ?もうすぐ晩ご飯の時間だよ?」

唯「今日は…いいや、それじゃ」バタンッ

憂(最近、元気がないみたいだけど、どうしたのかな?)



その日、唯は帰宅をすることなかった…

唯「はぁ~」トボトボ…
唯「最近『受験!受験!』ってうるさくなってきたな…」トボトボ

唯「はぁ~」トボトボ

唯「何が苦しいかって、和ちゃんが女子校を目指していることなんだよな…」

唯「和ちゃんと離ればなれになるなんて…」トボトボ…

唯「あれ?もう辺りが暗くなっている…」

唯「あ、でもいいや…」



唯『和ちゃんはどこを志望?』

和『あ~私ね、桜ヶ丘高校よ、高嶺の花かもしれないけど…』

唯『大丈夫だよ!和ちゃんなら頑張れば必ず合格するって!一緒に頑張ろうよ!』

和『唯…知らないと思うけど、そこ女子高よ?見た目的には合格点だけど』

唯『え…そうなんだ…』


唯「あの時、和ちゃんは見た目は合格点とか言っていたけど、そんなに女の子っぽいのかな…」

唯「正直な話、女装覚悟でも受験したいとか思ってた…」

唯「でも、酷い時は和ちゃんがそこに合格しないことを願っていたし…」

唯「あの時の自分は本当に殺したかった…」

唯「でも、決めたんだ!離ればなれになっても和ちゃんとの絆は変わらない!」

唯「どうせ近所だし、また会える!寂しくなんかない!」

唯「それを…グスッ…それを…それを決心するために…グスッ…ここに来たじゃないか…」


唯(そう、ここは和ちゃんに初めて告白をした場所…)

唯(結果は残念だけど、親友として今も付き合っている…)

唯(だから、ここは和ちゃんとの絆の場なんだ!)


唯(ここで思いっきり自分の思いを叫んでやる!)


近くにある公園、人気もなく、唯達の街を見渡せられるほど眺めが良い。

唯がここを告白の場にするのも無理がない。

展望できる所に立つ唯、息を大きく吸い込む。

唯「和ちゃんとの絆はこれからも絶対!何が起ころうと絶対!絶対に……ングッ…親友だから!」

唯「うっ…うわ~ん…」ボロボロ


ひたすら泣いた…
本当に一緒にい続けた人からの独立の決心


唯には一生のお別れを決心するに等しかった。


唯「ヒックヒック…ウッグ…」

「その望みを聞き受けたぞ…」


唯「え?」クルッ

声のした方に振り向いたが誰もそこにはいなかった…


…………
………
……

唯「……ん…あっ!」

時計を見るともう日付が変わってしまっている…

唯「こんなに遅いと…家族から、特に憂から怒られる…どーしよー」アタフタ



唯「……慌てても仕方ない…帰ろう…」

唯・憂宅前

唯「あれ?電気が消えてる…そっかぁ…憂寝ちゃったんだね…」

カチャ…

唯「ただいま…」コソコソ

パチンッ

唯「ひっ!!」

憂「お兄ちゃん!どこに行っていたの!心配していたんだから!」

唯「う…憂……ごめん…」

憂「あっちこっち電話してもいないし、探していたんだよ!」

唯「憂…心配かけてごめん…」

憂「本当に…グスッ…心配ばかり…グスッ…かけて…お兄ちゃんはお兄ちゃんだけじゃないの!」


唯(こんなに心配してくれていたんだ…)

ダキッ

唯「ごめん…憂…ダメな兄で…」

憂「グスッ…グスッ…お兄ちゃんのバカァ…グスッ」


唯「憂…本当にごめん…絶対に憂から消えたりしないから…」

憂「グスッ…グスッ…次こんなことがあったら…許さないから…」



憂「ん…?何この胸の膨らみ…」モミモミ

唯「ひゃあっ!」

憂「えっ」

唯「えっ」


唯「気づいたんだけど…これ…胸だよね……」

憂「そうみたいだね…」

唯「もしかしてだけど、股って――」

憂「ダメー!!///」

唯「で…でも、変だよ…物足りないというか、なくなったって感じだし…」

憂「そういう意味じゃないけど、確かめちゃダメー!!///」


唯「憂…でも、今自分の身体がどうなっているかなんて知りたいよ…」

憂「ん……それなら、私が確認するから、お兄ちゃんは目を閉じていて!///」ドキドキ…

唯が穿くズボンをゆっくり脱がす憂。

出てきたのが顔に似合わない下着のトランクスである。

それも憂はゆっくり脱がす…

そこにはいつもあるはずのものがなかった…

憂と同じ姿をした下半身だった…


憂(これが…お兄ちゃんの下半身…本当に女性の身体じゃない…!)ゴクリッ

唯「憂ーまだー?恥ずかしいよー」

憂「あ、ごめんね。もういいよ…」ポ~

唯「う…憂…?」

憂「お兄ちゃんがお姉ちゃんになっちゃった…フフ、フフフ…」ポ~

唯「憂が壊れちゃった…」



憂「夢だよ、これは。うん、きっとそうだよ!」ドカッゴンッ

そんなことを憂は言い、頭をぶつけながら自分の部屋に戻っていった…

唯(あれ?どうしたら良いんだろ…憂はどんな感じか言ってくれなかったし…自分で調べてみようっと!)

唯は自室にて鏡で調べることにした。



唯(女の子の身体ってどんな感じなんだろ…)

唯(前、友達にエロ本を見せてもらったことがあったけど、あんな感じなのかな…?)

唯「よ、よ~し!ゴクリッ」ドキドキ


唯「わ…割れている…エロ本のまんまだ…す、スゴい…///」ドキドキ…


唯「というか、女の子になっちゃったんだね…///」

唯「この中って一体どうなっているんだろ?」

唯「よ~し!調べてみようっと!」


唯「あ……な、な、何今の!?スゴく変な感じがしたんだけど…///」ドキドキドキドキ

唯(鼓動が止まらない…)

唯「あうっ!…ふっ、ふぅ…あっ…クッ…///」ドキドキドキドキドキドキ

唯「な…なんか出ちゃいそう…トイレまで間に合わないよ…うっ…あっ…」ハァハァ…

唯「あっ…あっ…ああっ……」プシャー



唯(スゴい……何か分からないけど、とても気持ちが良い…)ハァハァ…

唯「ハァハァハァハァ……///」

唯「あ……おしっこもらしちゃったね……」

唯「あれ?このおしっこ……黄色じゃない……それに、おしっことは違う匂いがする……」

唯「………」


唯「明日の朝、物知りの憂に聞いてみようと!」

唯は床をキレイにして床に就いた。





よくあさ!

憂「お兄ちゃ~ん、起きなよ…休日だけどご飯が冷えちゃうよ…」

憂(なんか…今朝見た夢のせいでお姉ちゃんをみるのが恥ずかしい…///)

憂(それにしても、お兄ちゃんは女の子みたいな顔をしているよね…)

唯「スヤスヤ……」

憂(フフッ、可愛い寝顔…この顔を見る度にお兄ちゃんがお姉ちゃんだったらなぁ~と思っちゃうんだよね…)

憂「お兄ちゃん、起きなよ~!」ユッサユッサ


むにゅっ

憂「えっ」

我が手を疑う憂、もう一回触ってみる…

むにゅっむにゅっ

憂「えっ……えっ……///」(あれは夢じゃなかったの…?)

むにゅむにゅ…

唯「ん……うん……あれ、憂……?」

憂「あっ、あっ、これはその、えっと、その……」アタフタ




ちょうしょく!

憂「やはり夢じゃなかったのね…」(喜んで良いのやら悲しんで良いのやら…)

唯「そうなんだ……どうしよう……」パクパクモグモグ

憂(本当に心配しているのかしら…?)


憂「お母さんやお父さんはともかく、学校とかどうするの?正直、それが一番心配だな…」


唯「学校!!」ピタッ

唯「そういえば、どうしよう…あと数ヶ月もあるよ…」

憂「とにかく、志望校に入っていた男子高とか選択できなくなるね…」

唯「逆を言えば、女子高を選択できる!!」

憂(スゴいプラス思考…)


憂「とにかく、まだ残っている中学生活とこれからの高校生活をちゃんと考えないと……」

唯「そうだね…」

憂「それに…///」チラッ


唯「ん?」


憂「女性用の服を買わないと…///」

唯「あっ、それもか」ポンッ

憂「今日は休日だし、お兄ちゃんの服を買いに行こうよ!」

憂「どうせお兄ちゃんは女性服について知らないでしょ!」

唯「憂……ありがとう……」

憂「何か『お兄ちゃん』というのも変だね…『お姉ちゃん』と呼ぼうかな……///」

唯「あはは…お姉ちゃんか……」



かいもの!

唯「ブラって何か張り付く感じで気持ち悪いよ~」

憂「ブラを付けないと胸の形が悪くなっちゃうよ?それでもいいの?」

唯「う…女性は大変だなぁ…」

憂「ほら、お姉ちゃん、次はショーツだよ!」

唯(何か女性でも楽しいなぁ…一時大変なんだろうなと思っていたけど…)


憂「私ねこうして買い物をすることが夢だったんだ~」

唯「えっ?友達と行かないの?

憂「行くけど、お姉ちゃんと行くのが夢だったの!お兄ちゃんであっても」

唯「ふえ?どうして?」

憂「兄弟で買い物は憧れるものなの!あっ、でも、今は姉妹だね!」

唯「ふ~ん、そうなんだぁ~」



楽しい買い物が終わった後、唯は憂から着せ替え人形とされたのである。




がっこう!

唯(う…どうしよう……いくら、先生に連絡してあると言ったって不安だよ……)

―「唯?どうしたの?」

唯「ギクッギクッ!」

唯(その声は……)

和「おはよう。珍しく早いわね!」

唯「あはは…おはよう、和ちゃん」(早く行ってぇ~!)

和「どうしたの?そっちは職員室よ。早く登校したかと思えば、まだ寝ぼけているのね…」

唯「いや~ちょっと用事があってね~また教室で!」アセアセ

和「……唯、また、何かやらかしたの?」

唯「そ、そんなことじゃないよ!ちゃんとした用事だよ!」

和「そう…なら良いけど…」

唯「ホッ、危なかった~」



和「HRの時間が近づいているというのに、唯はまだ現れない…どうしたのかしら……」


ガラッ
先生「おー、皆席につけー」

生徒「きりーつ、礼」
生徒「着席」

先生「今日は皆にお知らせがある、平沢についてだが」クイクイ

和(唯がどうかしたのかしら?)

ガラッ
唯「女になっちゃっいました~!…あはは…」

生徒一堂「………」

唯「………」

和「………」

唯(視線が痛いのですが……)

先生「えーそうなんだ。事情はよく分からないが身体が変わってしまったのだ。プッ」


唯(何が『軽いノリで行け』だ!完璧に騙された…!)ガックリ

先生「――とまあ、ククッ、皆は平沢をいつものように…プッククッ…接してやれ……ウーオカシイ…」

生徒「はーい」


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最終更新:2010年01月09日 01:23