ガチャ
律「おーっす」ゾロゾロ
唯「あ~ず…って、まだきてないのか~」
澪「でも、カバンはあるからトイレにでも行ってるんじゃないか?」
紬「それじゃあ、お茶の準備をして待ちましょう」
唯「? ねえねえ、このノート、なにかな?」
律「なになに…?AZUSAの作詞ノート?」
唯「すごい!あずにゃん作詞なんかするんだ!」
唯「どんな詞が書いてあるんだろう…」ワクワク
律「ちょっと見てみようぜ!」
澪「おい、人のものを勝手に…」
紬「私にも見せて~」
澪「…」
唯「え~と、タイトルは『こんな部は嫌だ』」
律「なんかお笑いのネタみたいだな」
律「まあいいや、どれどれ…」
ギターはある アンプもある ベースにドラムにキーボード
人もいる 曲もある なのに楽器にさわらねえ
音楽の 話もねえ たまにくるのはコスプレ魔
練習ねえ あるわけねえ 俺らの部活にゃやる気がねえ!
俺らこんな部は嫌だ 俺らこんな部は嫌だ 外バン組むだ
外バン組んだら 猛練習して すごいライブするだ
一同「……」
律「…なんだコリャ」
紬「これって私達のことかしら…」
澪「まあ、そうだろう…」
唯「あずにゃん、私達のこと、こんなふうに思ってたんだ…」
澪「確かに、作詞の基本は自分の思ったことを素直に書くことだけどな…」
律「だからってなあ…」
唯「はっきり外バン組むって書いてあるし…」
澪「だから、普段からちゃんと練習しようって言ってるんだ」
唯「うん、今日はあずにゃんが戻ったらちゃんと練習しよう」
律「そうだな…」
紬「…あら?」
唯「どうしたの?」
紬「まだ続きがある…」
一同「……」
唯「ちょっと怖いけど…」
律「見てみるか…」
金持ちで 沢庵で あんたは一体何者だ
部長から 指示もねえ 本人毎日クルクルパー
ベースだけ 少しまし だけど結局向こう側
指導もねえ 注意もねえ あんたは絶対顧問じゃねえ!
俺らこんな部は嫌だ 俺らこんな部は嫌だ 外バン組むだ
外バン組んだら 猛練習して メジャーデビューするだ
一同「……」
紬「…見なきゃよかった」
律「…っていうか、これただの悪口だろ」
唯「クルクルパー…」
律「…」
紬「澪ちゃんでさえ、ベースよばわり…」
澪「…私も所詮、律や唯と一緒ってことか…」
澪「ハハハ…。そうだよな、練習しようなんて言ったって、結局お茶飲んで喋ってるだけ…」
澪「所詮、私なんて口だけのろくでなしさ…。ハハハ…。ハハハ…」
律「っていうか、なんで唯だけないんだよ」
唯「うん…。みんなには悪いけど、やっぱり私とあずにゃんには特別なものがあるんだよ」
唯「そう、私達にしかわからない何かが…」
紬「…まだ続きがあるわ」
唯「」
技術もねえ 知識もねえ 今だに楽譜も読めやしねえ
それなのに なぜかある 絶対音感持ち腐れ
お茶飲んで ケーキ食べ なのに全然太らない
それなのに 胸だけは 順調に成長 なんでだよ!
俺らこんな部は嫌だ 俺らこんな部は嫌だ 外バン組むだ
外バン組んだら 猛練習して 世界を目指すだ
一同「……」
律「丸ごと一つとはな…」
唯「…っていうか、後半これなに?」
唯「ただの当てつけじゃん。練習とか外バンとか関係ないし…」
律「まあ、気持ちはわからなくもないが…」
唯「悲しいよ…。あずにゃんが私達のことこんなふうに書くなんて…」
紬「そうね…」
律「そうだな…」
澪「ハハハ…」
唯「もう、これからあずにゃんにどうやって会えばいいんだろう…」
律「うーん…」
紬「あら…?まだ続きがあるわ」
律「またかよ…。もういいよ…」
紬「待って、これは…」
唯「え…?」
ライブ見て 入部して お茶に合宿 学園祭
毎日が 楽しくて ずっと続くと思ってた
律先輩 ムギ先輩 お別れなんて嫌ですよ
澪先輩 唯先輩 ずっと一緒にいてください
私この部じゃなきゃやだ 私この部じゃなきゃやだ どこにも行きたくない
卒業したなら 後を追いかけて 絶対にまたバンド組むです
梓「そーしましょ♪そーしましょ♪そーしましょったらそーしましょ♪」
梓「いぇいいぇいいぇい…」ガチャ
一同「…」
梓「はっ…。せ、先輩方、居たんですか…」
律「あーずさ?」ニヤニヤ
梓「な、何ですか、律先輩…」
律「」スッ
(AZUSAの作詞ノート)
梓「ブーーッ!」
梓「み、見たんですか…」
梓「…すいません」
律「ん?なんで謝るんだ?」
唯「そうだよ、あずにゃん」
紬「誰も怒ってなんかないわ」
澪「ああ」
梓「え…」
律「卒業したっていつでも会えるさ」
唯「私、絶対遊びにくるよ!」
紬「梓ちゃんも、いつでも会いにきていいのよ?」
澪「私達は、大切な仲間なんだからな?」
梓「先輩…。うう…」
唯「あ、あずにゃん?」
梓「すいません…。私、寂しくて…。皆さんとずっと一緒にいたくて…」
紬「あの詞は、愛情の裏返しだったのね」
唯「もちろん、みんなわかってたけどね!」
澪「ああ」
梓「先輩…」
紬(二人が一番ショックを受けてたことは内緒にしておきましょう…)
澪「よし、じゃあ今日はみっちり練習するぞ!」
一同「おー!」
律「あ、そうだ。その前に」
梓「はい?」
律「嘘でもクルクルパーって言ったのは許せねー!こうしてやるー!」ギリギリ
梓「ひえ~!」
終
最終更新:2011年03月26日 21:44