に、全身がまた気持
「………イった…?」
「………ああ……」
澪はむくりと起き上がって、ほぅっと息をついた。
そして、快感で虚ろになった目で、律を見る。
愛した相手を見て、更に体が火照る。
体が焼けるようだ。
耳を澄ませば、心臓の激しく鼓動を打つ音が聞こえてくる。
律も同じようだった。
律も、熱くなって、興奮して、胸が叫んでる。
そして、澪は急に起きあがると、今度は逆に、律をベッドに押し倒した。
「――!?」
澪が私を。
今度は「恋人」が私を愛す番。
「恋人」が私を弄る番。
「恋人」が私を気持ち良くする番。
「律………」
澪は律のパンツをするすると下ろしていった。
律の秘部は既にぐちゃぐちゃに濡れていた。
「あ…………」
律はジロジロ見るなと言わんばかりに、口をへの字に曲げて澪から視線を逸らした。
澪は無言で顔を律の秘部へ近付けた。
律の桃色の楽園は、既に目と鼻の先にあった。
「澪…………」
澪は舌で、その律の楽園を舐めまわし始めた。
「……!!!っつあああぁぁ!!はぁっ…!!」
急に押し寄せてくる快感の波の前に、律は喘ぐ以外の選択肢は考え無かった。考えられなかった。
舌で、陰核のひだを下から上になぞり、這っていきながら、溢れてくる甘い蜜を吸い取る。
「んっうぅぅぅ!!!」
吸い取る時に口をすぼめる為、また違った快感が律を襲った。
嬉しくて
暖かくて
気持ち良い。
「澪っっ!!澪ぉぉ……!!」
律は陰核から大量の愛液を噴射しながら、体を仰け反らせ、先程の澪と同じようにピクンピクンと痙攣し始めた。
「……イったな…」
澪は顔についた律の愛液をキレイに舐めとり、そして勝ち誇るように微笑んだ。やった、とでも言うかのような、良い笑顔だ。
「っ……はぁっ……はぁっ……はぁっ………はぁっ……」
律は、ボーっとして何も考えていないようだった。今は兎に角、快感の渦に溺れていたいのだ。
考えるよりも、気持ち良く居たいのだ。
自慰を覚えた猿のように、何も考えずに気持ち良く、ただ気持ち良く。
―――――
「ふぅっ………」
律の快感の潮が軽く引いた。
そして、ちょうどその時に律は澪に語りかけるのであった。
「なぁ………澪……」
「ん……?」
「今更になって聞くのもあれだが……澪は……澪は本当にこれでいいのか……?」
律は両性愛者、まだ異性を愛すことができる。
しかし、澪は
「…………」
異性に魅力を感じない。
惹かれない。
子孫の繁栄は望めない。
「私が女子校に入学したのも……これのせいだ。どれだけ男から優しくされたり、男が頑張っている姿を見ようとも、私は何も感じなかった。何故か、それが女の場合になった途端に、胸が高ぶるんだ。」
「………」
「そんな自分が凄い嫌だった…前に言った通り、律で自慰を嗜んだ。何度も何度も。このことは今でも、私の心の中の凝りになってる。」
「いつからこんな体になっちゃったんだろう。男と女の恋愛もののドラマが酷く気味悪く思うようになった。恋愛小説で読む心の描写に芯から異を唱えたくなった。それでそのうちに自分の方が異常なんだって悟るようになった。」
「そしてこの軽音楽部。中学よりも律と接する機会が増えた。毎日悪ふざけしたりして、一緒に練習したりして……そして私は……律に改めて恋をした。」
「唯と悪ふざけしてたり、時に真剣に練習に打ち込んだり、時に不安そうにしたりする。そんな律を私は全て愛した。そして、告白した。流石に私がレズであることを隠すわけにはいかない。」
「と言っても女に告白するあたり、自分はもうレズですって言ってるようなもんだけどな…私自身も改めて気持ちに整理をつけたかったんだ…。」
「そうだったのか…」
澪がそんな葛藤に悩まされていたなんて……。
「私は…これでいいのかな…『今』は良い。『今』は良いに違いない。だけど……」
律はベッドから起き上がり、澪に向き直った。
そして笑顔でこう言い放った。
「ははっ……いいよ……その悩み…私が半分担ってやる…!」
「律……」
「だって私は澪の『恋人』だぜ?『恋人』が悩んでたら一緒に悩む。『恋人』が楽しむなら一緒に楽しむ!そうだろ?『未来』だって二人なら怖く無い!二人ならな!」
「律………」
律が『彼女』で良かった。
律は私の全てを分かってくれた。受け入れてくれた。
だからこそ、私も律の期待に応えたい。
「ん…………」
私は、唇を再度律のものと重ね合わせた。
。舌と舌を交え合わせる。
くちゅりくちゅりと心地よい、淫らな音を奏でながら抱き合う。
「はむ……んふぅぅ……」
激しく、激しくキスをする。
熱く、熱く、熱く。
体と体で感じあう。肉と肉がぶつかり合い、快感が生まれる。
――――――
「よし……いくぞ……」
澪と律は秘部どうしを重ね合わせた。
そして、澪が少しずつ動き出す。
「ん……んぅっ……澪っ……!」
律は澪の手と自分の手を絡ませた。
こんなにも私は感じている。
エッチな声を出して……。駄目だ……もう何も……
「はぁっ!!はぁっ!!律!!律!!」
加速する。
擦れあう。
加速する。
擦れあう。擦れあって、快感しか感じない。
「うぁぁ……あああっっ……はぁっ……」
気持ち良い。気持ち良い。気持ち良い。気持ち良い。気持ち良い。気持ち良い。気持ち良い。気持ち……
果て無き快楽の渦に飲み込まれた律。
既に彼女に理性はひとかけらも残っていない。
「はぁっ!!はぁっ!!はぁっ!!はぁっ!!はぁっ!!はぁっ!!」
澪はただケモノのように腰を上下に振るのみだった。
いくら涎が滴り落ちようが、お構いなしに振り続けた。
快楽の奴隷。
こういっても過言では無い程に。
「あ…!!……あ……!!……澪……!…もう………イク……!!…イ……」
「律……私も………一緒に………!!」
二人共泣いていた。
愛しくて、切なくて、狂おしい程に気持ち良くて。
「恋すること」はとてもとても辛いこと。
それが成就してからも、辛い。
満たされる。心は満たされる。
でもそれが永遠に続くのか?
相手が生涯の伴侶となるのか?
少なくとも彼女らはその不安を背負いながらこれから生きなければならない。
二人がカップルとしての関係で有り続ける限り。
「「あっ!!ああああああああああああああ!!!」
腰の動きは止まり、部屋の中には二人の息を切らす声だけが有った。
「へへっ………二人………なら……大丈夫さ……」
律は澪の手を握った。
澪は微笑を浮かべ、こくりと頷いた。
そして、二人共眠った。安らかに、赤子のように。
終わり
最終更新:2011年04月01日 04:12