澪「ふぁーあ……ってもう六時だヤバイ!!」ダッ

澪「はぁ……はぁ。ムギもう帰っちゃったかな?」

紬「みーおちゃん♪」

澪「ひゃおぅ!! お、驚かさないでくれ……」

紬「ごめんごめん。でも私だって心配だったんだからね?」

澪「心配?」

紬「澪ちゃん可愛いから誘拐されっちゃったんじゃないかと」

澪「(ボッ//)ば、可愛いわけあるか! ……心配かけたのは悪かった」

紬「(澪ちゃん照れてる。可愛い……)じゃ、早速ジョギングにいきましょ!」

澪「ああ。気合入れて走ろう」


~~二十分後~~

澪「つ、疲れた……」

紬「そうね……普段動かないから余計に辛いわ」

澪「でも結構汗かいたな。これで一歩痩せたんじゃないか?」

紬「ふふ。そう思うでしょう? でもこんな話があるの……」

澪「な、なんだよ。怖い言い方止めろ」

紬「昔ね、あるところに(以下怖いダイエット話が続く)」


澪「…………」

紬「ご、ごめん澪ちゃん……。そんなに怖がるとは思ってなくて」

澪「……怖かった。怖かったよぉ……」

紬「(ブハッ!! 何この子可愛い)本当にごめんね?」


澪「もう、するなよ?」

紬「(上目遣いと泣き顔のコンビ……! 澪ちゃん、恐ろしい子……)え、ええ。分かったわ」

澪「絶対だからな?」

紬「ええ。約束するわ」

澪「……ったく。律じゃないんだからムギも止めてくれよ」

紬「うふふ。可愛くてつい……」

澪「! 可愛くなんてないって言ってるだろ! 大体太ってるし……」

紬「太ってなんかないわよ? それにダイエット二人で頑張って痩せるって言ったじゃない」

澪「それもそうだな。でも唯が羨ましいな、どんなに食べても太らないなんて」

紬「そうね。でも私今だけは唯ちゃんが羨ましくないわ」

澪「え? どうして?」

紬「だって痩せてたらこうやって澪ちゃんと一緒にダイエット出来なかったじゃない」

澪「ば、馬鹿!! なに言ってんだよ!(え、ムギが凄く可愛い……)」ドキドキ

澪「……」ボーっと紬を見ている

紬「澪、ちゃん?」

澪「あ! ご、ごめんボーっとしてた。別に変な事考えてたわけじゃないからな!」

紬「? そう? あら、もう7時じゃない」

澪「ホントだ。そろそろ学校の準備しなきゃいけないから解散するか」

紬「そうしましょっか。じゃあまた学校でね」

澪「うん。(……なんか寂しいな。学校でも会えるのに)」

澪「(こんな事考えて私おかしいんじゃ……)」

紬「澪ちゃん? 早く帰りましょ?」

澪「あ、ああ」

紬「(澪ちゃん顔赤い? 今の顔凄く可愛かったなぁ……)」


~~帰宅後 澪家~~

澪「(ああもう変だ私。さっきからムギの事ばっか考えて)」

澪「(こんな日はさっさと登校して歩きながら頭ひやそ)」


~~紬の家~~

執事「おかえりなさいませ。……少しお顔が赤いようですが?」

紬「ふっぇ!? べ、別にそんな事ないわ。運動したからよ」

執「そうでございますか? では学校の準備を」

紬「わかってるわ。(なんか澪ちゃんに早く会いたくなってきちゃった)」

紬「……今日は早めに学校行くわね」


~~学校~~

紬「あ、澪ちゃん」

澪「ムギ! おはよう、って言っても今朝あったけどな」

紬「そうね//なんか変な感じがするわ」

澪「私も」


「「…………」」


澪「(ど、どうしよう。変に意識しちゃって気まずい……)」

紬「(二人きりだから喋りたいけど、何しゃべろう……)」

澪「あの、さ。ムギってなんでダイエットしてるんだ?」

紬「それはやっぱり痩せたいからかしら。正直今のままだとヤバイし……」

澪「なんで痩せたいんだ? 最初から思ってたけどムギって太ってないじゃん」

紬「それを言ったら澪ちゃんだって太ってないじゃない」

澪「いや、私は……」

紬「澪ちゃんこそなんで痩せたいの?」

澪「私は……律とかにからかわれるのとかが嫌だったし……」

紬「(澪ちゃん律っちゃんと仲いいな……)律っちゃんが理由なの?」

澪「ちょっ、はしょるなよ。まぁ、でも間接的にならそうだな」

紬「(私はホントに澪ちゃんと仲良くなれてるの?)」

澪「ムギ?」

紬「……澪ちゃんはさ、私の事どう思う?」

澪(!! ど、どうって……。仲間だとか友達って意味か?)」

澪「(でも最近妙にドキドキするし……)」

紬「(……やっぱ仲良くなれてないんだ……)ご、ごめんね。変な質問しちゃって」

澪「そんな事思ってない!」

紬「澪ちゃん……」

澪「あ、大きい声出してごめん……。でも変な質問だなんて思ってないんだ」

澪「ただ、なんかムギに対する気持ちがどんなだか分からなくて……」

紬「? どういう意味なの?」

澪「それは、あの、そのぅ……(なんて言ったらいいんだ……)」

澪「(ムギ見てドキドキしますなんて言えないし……)」

紬「(澪ちゃん優しいから困ってる……。私ってば、ホント最低……)」

紬「いいわよ。無理して答えないで?」

澪「っ! 好きだよ!!」

紬「え?」

澪「あっ! その変な意味じゃなくて……」

澪「(わわわわ、私何言ってんだ!! いくらなんでも焦り過ぎだろ……)」

紬「……あはは」

澪「!? (わ、笑われた?)ちょ、笑うなよ」

紬「だって澪ちゃん必死なんだもの」

澪「必死で悪かったな!(くそっ、かっこ悪いな私)」

紬「でも、私も澪ちゃんの事好きよ?」

澪「////仲間だからな」

紬「ええ。頑張ってる澪ちゃんも、照れ屋な澪ちゃんも」

澪「ばっ! 恥ずかしい事言わないでくれ……」

紬「だって本当の事だもの」ニコッ

澪「/////」

澪「……私も」

紬「?」

澪「私もっ、ムギの優しいトコとか、笑った顔とか好きだよ」

紬「澪ちゃん……」

律「ほっほーう! 澪しゃんはムギの事が好きだったんですね」

澪「り、律ぅ!!?」

 教室からダッシュで飛び出す律。

律「みんなー! 澪ってばムギのことが大好きらしいぞー!!」

澪「ちょ、待てー!!!!」

紬「あ、澪ちゃん……」

澪「ほら、ムギも追いかけるぞ!」手を差し出す

紬「ええ!?」

澪「ほ、ほら!///」

紬「うん……」

澪「待てー律ー!!!」

紬「(澪ちゃんの手、温かいな)」

紬「ね、澪ちゃん」

澪「ん? 律見つけた?」

紬「大好き」

澪「ばばばばばばばばばば」

紬「うふふ。澪ちゃん可愛い」

澪「ば、馬鹿!! ムギもふざけすぎだ」ペシっ

紬「! 叩いてくれた……」

澪「あっ……って、なんでそんなに叩かれるのが嬉しいんだよ」

紬「仲良しの証じゃない。澪ちゃんと」

澪「……もーいい。早く律探すぞ(何これ可愛い可愛い可愛い)」

紬「ええ」ニコ


その後軽音部全員に大好き宣言がバレてからかわれるのはまた別の話。

おしまい




~~その日の放課後~~

唯「澪ちゃーん。律っちゃんから聞いたよ~~~」

梓「澪先輩、ムギ先輩、お幸せに!」

澪「り・つー!!」ゴンっ

律「痛った!! 酷いよ澪しゃん……」

澪「この馬鹿律! お前のせいでクラスの皆に笑われたんだからな」

紬「み、澪ちゃん。もう許してあげてもいいと思うわよ?」

律「そーだそーだ」

澪「ムギ、律は放っておくと調子乗るぞ?」

梓「そうですよ。律先輩には一回ビシっと言った方がいいです」

律「ちょ、梓。先輩を売るとは何事だー!」

梓「今度からは放送室を使って学校中に放送すべきです」

澪・紬「「ええ!!?」」

唯「あはは~。いい考えだねあずにゃん!」

律「ふっ。梓、今こそお前は私を超えたようだな……」

澪「……はぁ」

紬「澪ちゃんは私と仲良しって言われるの嫌い?」

律「お、どうなんだ澪ー?」ニヤニヤ

唯「どうなの澪ちゃん!」

梓「澪先輩どうなんですか?」

澪「え、えっと、ってか、なんで皆の前で言わなきゃいけない」

律「二人っきりで何かするって事!? キャー不潔ぅ♪」

澪「ち、ちがっ!! わかった、言う、言うよ」

紬「(照れてる澪ちゃんやっぱ可愛いなー)」

澪「えっと、ゴホン。私はだな、その」

唯「ヒューヒュー!」

梓「あんまりからかっちゃ可哀想ですよ」ニヨニヨ

澪「む、ムギのこと、す」

紬「す?(あーもー可愛いな、澪ちゃん)」

澪「好き、です……///」

紬「ブハッ!」

律「うわっ、ムギが倒れたぞー!!」

梓「たくさん鼻血でてヤバイですよ! 唯先輩、先生呼んできて下さい!」

澪「え!? むぎ、ムギー!!」

唯「了解! 絶対助けるよ!!」


 大量に鼻血を吹いた紬は2キロほどダイエットに成功したそうな
 澪がその後一人で泣きながら地道にランニングしたとかしてないとか


おしまい



~~コンビニ~~

澪「……ダイエット宣言したものの新発売のシュークリームか」ゴクリ

律「澪ー? 私はもう買ったぞ!! 澪も買っちゃえー」ニヤニヤ

澪「うっさい。(うー買ったら太るよな……。でも美味しそうだし…)」

紬「あれ? 律っちゃんに澪ちゃん?」

律「おー、ムギ!」

澪「ムギもコンビニとか来るんだな」

紬「うふふ。あんまり来た事ないんだけどね」

律「見てくれこのシュークリーム!! 苺味なんだってさー! 新発売の!」

紬「うっ……(美味しそう……)」


澪「馬鹿律」ペシっ

律「いたー! 何すんだよぅ」

澪「お前なぁ、ダイエット中の女子に向かって、あっ!」

律「ほほー! ムギはダイエットしてるんだ?」

紬「あ、う、うん……。(どうしよう、バレた……)」

澪「ムギ、ごめん……」

律「という事はさっきまでシュークリームに未練タラタラな澪しゃんも?」

澪「そ、そんな訳あるわけ無いだろ!! 馬鹿な事言うなよ!!」

紬「澪ちゃん、それって自爆してると思うわ……」

律「二人揃ってダイエットですかそうですか~。部長を仲間外れにするとは良い度胸ですな」

澪「べ、別に律は太ってないだろ!」

律「なにおう! 女たるもの常に自分を磨き続けるべきなのですよ」

澪「え、誰が女なんだ?」

律「澪しゃん酷い……」

紬「まぁやっぱり律っちゃん太ってないしダイエットなんてやる必要ないわよ」

紬「(それとダイエットは澪ちゃんと二人でやりたいし……)」

律「んー、まぁ私にはダイエットなんて必要ないな! 部長だし!」

澪「意味がわからん……。ま、行くぞ律」

紬「澪ちゃんと律っちゃんはこれから何するの?」

律「何って、別に家に帰るだけだぞ? 家近いから一緒にコンビニ来ただけだし」

紬「(澪ちゃんと話すチャンスかも!)」

紬「澪ちゃん、あのこの前言ってたDVD貸すからちょっとこない?」

澪「え?」

律「DVD!! 私も見たい!」

紬「(あ、どうしよう……。律っちゃん嫌いじゃないけど、今は澪ちゃんと話したい……)」

澪「(なんか二人で話したいのか?)」

澪「駄目だ。ムギに借りようとしてるのラブラブ系のだからな。律飽きちゃうだろ?」

紬「あ、そうなの。だから律っちゃんには向かないんじゃないかしら?」

律「なんだー。じゃあ私帰ってるねー。バイビー☆」

澪「はいはい。気をつけて帰れよ」

紬「また明日ねー」

澪「ふぅ……。で、なんか用なのか?」

紬「用って訳じゃないんだけど……」

紬「(言えない。一緒に居たかっただけなんて言えるわけないじゃない!)」

澪「……私もムギと話してるの楽しいからいいけどさ」

紬「!! 澪ちゃん……」

澪「ダイエットの話をする前はさ、ムギがなんか一歩引いてる感じでさ」

澪「仲間なんだけどちょっと遠かったんだ」

紬「…………」

澪「でもさ、ダイエットの話してからムギが私と同じ事で悩んでるって知って嬉しかった」

紬「澪ちゃん……」

澪「ダイエットなんていつもは全然続かないんだけどムギと一緒なら頑張れる気がするしさ」

紬「……うん、私も。澪ちゃんと一緒だと頑張れる気がする」

澪「//じゃ、二人で頑張って唯と律を見返そう!」

紬「うん! 手始めにランニングを再開ね!」

澪「この間みたいな反則で抜け駆けするなよ?」

紬「う、うん」

澪「……今度さ、痩せたら二人でご褒美旅行行かないか?」

紬「ふぇっ!? ふふふ、二人で!?」

澪「あ、嫌ならいいんだけど……」

紬「ううん!! 誰かと二人で旅行って憧れだったの!」

澪「じゃあ約束だな」

紬「うん!」



おしまい



最終更新:2011年04月01日 21:22