Episode.8




《ヤグルマのもり》


律「分かれ道だ…」

唯「う~ん、どっちに行く?」

律「左側に行ってみるか?」

唯「そうだね、ここで止まっててもしょうがないし…」

「そっちの道はやめといた方がいいよ」

唯律「!」

「“ヒウンシティ”へ結ぶ“スカイアローブリッジ”に行くには、まっすぐの道を行ったほうが近いからね」

律「あんたは?」

アーティ「僕はアーティ。
君達は?」

唯「平沢唯です!」

律「田井中律です」

アーティ「ふぅん、唯くんに律くんね…」

アーティ「君達も“ヒウンシティ”へ行くんだよね?」

唯律「…も?」

アーティ「うん。僕も“ヒウンシティ”へ戻るところだったんだ」

律「“ヒウンシティ”の人なんですか?」

アーティ「そうだよ。
さあ、着いてきな。“スカイアローブリッジ”まで案内するよん」

………
……

《ヤグルマのもり出口》


アーティ「ここが出口だよ」

唯「へーっ、ホントだぁ! すぐ出れたあ~」

アーティ「だろう?」

アーティ「さあ、ここを抜けたら…」

アーティ「“スカイアローブリッジ”だ…!!」

唯律「!!」

唯「うわぁーっ! すっごぉ~い!!」

律「デッケェー!!」

アーティ「この“スカイアローブリッジ”はイッシュ地方がほこる、最大の橋だからねえ」

唯「ここを越えたら、“ヒウンシティ”だね!」

アーティ「“ヒウンシティ”もこれまたイッシュ地方最大の都市なんだ」

律「大都市…!」

唯「楽しみだねえ♪」

…………
………
……

《ヒウンシティ》


唯律「……」ポケー

アーティ「……」

アーティ「え、ええと…どうしたんだい?」

律「いやあ…田舎育ちの私達には迫力がありすぎて…。
なんだこのビルの数は……」

唯「感無量だよ…」

アーティ「ははは…、まあそうだよねえ。世界的にも、この“ヒウンシティ”は有名な大都市だからねん」

唯「あーっ! アイス屋発見!!」

律「“ヒウンアイス”だってよ! 行ってみようぜー!!」

キャピキャピ

アーティ「……」

アーティ「ふふっ、なんてマイペースな子達だ。まあ僕が言える立場じゃないけどね」

………
……

唯「えーっ!! 売り切れ!?」

店員「はい、申し訳ございません…。“ヒウンアイス”は人気ですので」

律「諦めるか」

唯「ぶー…」

律「それだけで機嫌悪くするなよ…。
あ、そうだ。アーティさん」

アーティ「なんだい?」

律「“ヒウンシティ”の有名所ってどこですか?」

アーティ「ううん、そうだねえ…。
“バトルカンパニー”や“ゲームフリーク”、“すれちがい ちょうさたい ほんぶ”に“カフェ いこいのしらべ”、“アトリエ ヒウン”…色々な名所があるねぇ」

アーティ「あ、この街には“ポケモンジム”も…」

シーン…

アーティ「…あれ? もういないや。
まあいいか。ぼかぁジムへ戻ろう」

………
……

《ヒウンシティのどこかのビル》


シュッ!

「今参りました、ゲーチス様」

ゲーチス「おや…、こんなところまですみませんねえ」

「いえいえ、ゲーチス様がお呼びになられたら、地方を越えても参上致します。私どもはゲーチス様直属の親衛隊ですから」

ゲーチス「それはそれは心強い…」

ツカツカ

「ゲーチス様あ!!」

ゲーチス「!
おや、デントさんにポッドさん、コーンさんも」

コーン「我ら三人をお呼びで!」

ゲーチス「は?」

デント「え…? ゲーチス様が我ら“ダークトリニティ”をお呼びと聞いたんですが…」

ゲーチス「ふむ…あながち間違ってはいませんが…」

ポッド「?」

「フンフフフ、お前達など呼んではいないさ」

ポッド「なにッ?」

「ゲーチス様がお呼びになったのはこの三人だ」

サキ「サキ!」

澪「……澪」

ミツル「ミツル様だぜ、ひゃっはあ!!」

サキ「そう…我らは新しく形成された部隊、
“ダークトリニティ《改》”!!」

デントポッドコーン「ダ、“ダークトリニティ《改》”だと!?」

サキ「そうだ。お前達三人は“ゆめのあとち”で任務を失敗した挙げ句に、一般トレーナーにジム戦でも負ける始末…。
ゲーチス様は呆られてしまい、私達を新たに直属の部隊としてお作りになったのさ」

デント「そ、そんな…」

ミツル「まっ、クビになるわけじゃあないから安心しな! ひゃはは☆」

ポッド「ふざけんなッ!! ゲーチス様の親衛隊は俺達だッッ!!」

コーン「そう簡単に譲るわけにはいきません!!」

デント「ヤナップ!」

ポッド「バオップ!」

コーン「ヒヤップ!」

ボム!!!

ヤナップ「ナップ!」 バオップ「バオッ!」 ヒヤップ「ヒヤッ!」

サキ「…澪、」

澪「ああ…」カチャ

澪「コロぽん!」ボム!

コロぽん「コロー!!」パタパタ

デントポッドコーン「!!!」

澪「“エアカッター”!!」

コロぽん「コロー!!」ビュオッ!!

ドオオオオン!!!

ミツル「ひゃはは☆ さすがッ」

サキ「“スピードボール”で捕まえただけあるな。スピードもパワーも桁違い…フフ」

澪「…」シュウウッ

サキ「さて、邪魔者もいなくなりました。
ゲーチス様、御用件の方を…」

ゲーチス「ええ…。“ライモンシティ”へ行き、『彼ら』を呼んできてほしいのです」

ミツル「『彼ら』…?」

ゲーチス「サキさんが知っていますよ。サキさんに従ってください」

ミツル「…。りょ~かい」

澪「…わかりました」

ゲーチス「いや、澪さん。あなたは残ってほしいのです」

澪「?」

サキ「フンフフフ、では行って参ります」

タッ!!

…………
………
……

《バトルカンパニー前》


唯「ええっ、ここ!?」

律「ああ。“バトルカンパニー”だ!」

唯「カフェに行きたかったあ…」

律「お前はそれしか頭にないのか…」

律「あのな…、ここに来たのにはちゃんとした理由があるんだ」

唯「どんな?」

律「私、“ちかすいみゃくのあな”でプラズマ団の奴と戦って思ったんだ。奴らは強い…!!」

唯「……うん。私も“ゆめのあとち”で戦ったから分かるよ」

律「今の私達じゃあ太刀打ちできない相手だ!
ランスやヒートがいれば、まだなんとかなるかもしれない…。でも、今手元にいるのはモールただ一匹!
なら、バトルをしてレベルをあげようじゃねえか!!」

唯「うん! だからここに来たんだね!」

律「そうだ! ここはお誂え向きにバトルをする施設だ!!
“バトルカンパニー”でポケモンを鍛えよう!」

唯「おーっ!!」

………
……

《バトルカンパニー》


律「すいまっせーん!」

受付「はい、いかがなさいましたか?」

律「私達、バトルをしたいんですけどー」

受付「それでしたら、どうぞエレベーターをご使用ください。階はすでに指定してありますので」

唯律「ありがとうございま~す」

ウィーン

グオオオン…

チーン!

ウィーン

唯「着いたね!」

律「降りるぞ~」

タッ!

唯「…ん?」

ザッ!!

トレーナー「来たな、挑戦者!
いざ勝負!!」

唯「わあぁっ」

トレーナー「ポカブ!」ボム!

ポカブ「カブゥ!」

唯「え、えっと…」

律「落ち着け、唯!
深呼吸だ!!」

唯「すぅぅ…は~……」

唯「よし! まずは…」ピッ

ポケモン図鑑『ポカブ、ひぶたポケモン
てきの こうげきを みがるに よけて はなから ひのたまを うちだす。 ほのおで きのみを やいて たべる。』

唯「チー太、お願い!」ボム!

チー太「チー!」

トレーナー「ポカブ、“ニトロチャージ”!」

ポカブ「カブカブゥ…」ボウッ!

ドンッ!!

チー太「チー!?」

唯「ううっ…、チー太! “おうふくビンタ”!」

チー太「チー!!」ダッ!

ポカブ「」シュッ!

チー太「チー!?」キキィッ!

ポカブ「カブカブゥ!!」タタタッ

律「速い!!」

トレーナー「“ニトロチャージ”は繰り出すごとにすばやさがあがる技!
そのすばやさで、“ヒートスタンプ”!!」

ポカブ「カブゥ!!」ブオッ!

チー太「!?」

ドオオオオン!!

チー太「チー…」

律「なんとか直撃は防いだけど…」

トレーナー「だがこれでトドメだ!
“ニトロチャージ”!!」

ポカブ「……」シーン

トレーナー「どうした、ポカブ? はやくトドメを…」

唯「あなたのポカブ、もう“ヒートスタンプ”しか出せないよ!」

トレーナー「なに…!?」

律「! “アンコール”か…!」

唯「そう! そして…」

トレーナー「だったら“ヒートスタンプ”をするまでだ!」

ポカブ「カブゥ!!」ブオッ

唯「攻撃のパターンは読めてる!!」

チー太「チー!」バッ!

ポカブ「ポカァ!?」

唯「“スイープビンタ”!!」

チー太「チー!!」バシバシバシッ!!!

ポカブ「カブ…」ドサッ

トレーナー「ああっ!」

律「よくやったな、唯!」

唯「うん!」

律「この調子で頑張……」

トレーナー達「……」ズラー

律「うっ…」

唯「感無量だね…」

律「お前それ言いたいだけだろ」

…………
………
……

唯「はあ~…やっと全員倒したのかな?」

律「そうだな。もうトレーナーもいないみたいだし…」

「いや、ここにいるよ」

唯律「!!」


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最終更新:2011年04月05日 22:49