Episode.22




《ライモンジム》


カミツレ「それで、あなたたちはこれからどうするの?
アロエさんに連絡は入れておくけど」

唯「う~ん…」

律「ジムのこともプラズマ団のこともあるしなあ。アロエさんたちには悪いけど、そっちを優先するか」

カミツレ「そうね…。
あ、それなら…“ホドモエシティ”には行くわよね?」

唯律「“ホドモエシティ”??」

カミツレ「次のジムがあるところよ。ライモンの隣町で橋を渡ったらすぐよ」

律「へえ…、じゃあそこに行くとするか」

カミツレ「そう。それなら私は“ホドモエシティ”のジムリーダーに話をつけておくわ」

律「楽しみだな、唯!」

律「……」

律「あれ…? 唯は?」

カミツレ「なにやら、『観覧車~♪』とか言いながら出て行ったけど」

律「あいつぅ!」

律「ゆいい!! 私も乗るからな!! 観覧車ぁ~!!!」ダダッ!

カミツレ「……」

カミツレ「あら、行っちゃった…」

カミツレ「まあいっか。そんな大したことも起こらないでしょう。
とりあえず連絡を…」

………
……

律「……しまった、すっかり道に迷っちまった……」

律「つうかさ、大体この街が広すぎるんだよなー!
…ここはどこだよ!?」

律「ん…? どこかで見たスタジアムだな……。どこで見たっけ?」

律「とりあえず遊園地に戻らないとな…」

ザッザッ

「……」

律「…!?」

律「あれは…!! シルバー!?」

…………
………
……

《かんらんしゃ》


唯「あれだ、あれだ!
えへんっ、先回りをしてりっちゃんを驚かせようの巻!」

唯「まだかな~、りっちゃん…。あれぇ? 行くって言っといたっけ……」

ザワザワ…

唯(あ、誰かいる! りっちゃんかな♪)

「おい! さっさとポケモンをよこせ!!」

唯「!?」

「ひええ、そんなあ…」

「お前が“そだてや”だってことは知ってんだよ!!」

そだてや「でも、預かっているポケモンを逃がせって……」

「だから、解放しろって言ってんだろ!!」

唯(あれは…プラズマ団!?)

下っ端男「解放しないってんならぁ…」ボム!

ドッコラー「コラッ!」ギロッ

そだてや「ひいい!」

唯「大変だ!
…ムー太!!」ボム!

下っ端男「…!」

モール「グリュ?」

下っ端男「なんだ、お前」

唯「ああっ! まだ入れ替わったままだったよお!」

下っ端男「すっこんでろ、雑魚!」

ドッコラー「コラッ!」ドガッ!

モール「リュー!?」

唯「モ、モール!
…ごめん、戻って!」シュウウッ

唯「許さないよ!」

下っ端男「へっ、そっちから仕掛けてきたんだろ?」

唯「その人を助けるためにね!
チー太!!」ボム!

チー太「チー!!」

唯「“スイープビンタ”!」

バシバシバシ!!!

ドッコラー「コラァ…!」ジリッ…

唯「“スピードスター”!!」

チー太「チィー!!」

ドダダッ!!!

ドッコラー「」ガクッ

下っ端男「ぐぅ…! 戻れ、ドッコラー!」シュウウッ

下っ端男「覚えてろ~!!」

唯「ふう…」

そだてや「あの…、お嬢さん。ありがとうね」

唯「ううん! 当然のことですからっ!」エヘンッ

そだてや「うん…、お礼にこれをあげよう!」スッ

唯「なんですか?」

そだてや「観覧車のチケットだよ」

唯「わあ! ありがとうございます!」

そだてや「それじゃあ、私は帰るよ」タッタッ

唯「……ペアのチケットかあ…。
りっちゃんと乗ろう!」

唯「まだかな~、りっちゃん…」

「観覧車…か」

唯「? あれって…」

………
……

律「おーい! 待てよう!」

「!」

ガシッ!

律「よっ! シルバー!!」

シルバー「…!」

律(あ…、やば…。シルバーも澪みたいになってたら…)

シルバー「…なんだ、あんたか」

律「…おお! 私のこと覚えているか!」

シルバー「…なにを言っているんだ?」

律「んー、ちょっとあってな…」

シルバー「ふうん…」

律「つうか…、反応薄くね!?
久しぶりに会ったのに!」

シルバー「こんなもんだろ」

律「はあ~。変わってないなあ…。
お前も少しは感情を外に出してもいいんだぜ?」

シルバー「……。こんなところでなにやってるんだ?」

律「そりゃお互い様だろ。私はお前と…澪を探しててさ」

シルバー「…あいつになら会ったぞ」

律「いや、私も会ったんだけどさ……って、ええ!?
会った!? 澪と?!」

シルバー「ああ」

律「どこで!?」

シルバー「とあるところでな。
…なにかあったのか?」

律「…その、ちょっと…な」

シルバー「……」

律「と、ところで、シルバーはここでなにしてるんだ?」

シルバー「俺か…、俺はな……」

ヒュウウッ…

シルバー「“真実”を確かめに…」

………
……

唯「Nくん!」

N「! 君は…」

唯「また会ったね!」

N「ふうん…。君も観覧車を見に来たのかい?」

唯「見に来た??
あっ! Nくんも観覧車に乗りに?」

N「いや僕は…」

唯「ホントはりっちゃんと乗るつもりだったんだけど…。
しょうがない! そんなに乗りたいなら、Nくんを乗せてあげる!!」

N「あの…」

唯「お姉さんにまかせなさいっ!」フンスッ

N「…」

ガタン… ガタン…

唯「ふぇ~! すごい眺め~!!」

N「…」

唯「あっ! あれ、ライモンジム!!
おお! あのビルは“ヒウンシティ”!!
あ~!! “シッポウはくぶつかん”まで見えるー!!!」

N「……」

唯「ねえっ、Nくんも!」

N「僕は観覧車が大好きなんだ。この円運動……力学……美しい数式の集まり……」

唯「? 私も観覧車大好きだよ~。えへへ~」

N「最初にいっとおくよ。
僕がプラズマ団の王様だ」

唯「…え?」

N「ゲーチスに請られ、一緒に世界を救うんだよ」

………
……

律「なんだって…?
どういう…ことだよ……」

シルバー「その通りの意味だ。
俺はプラズマ団。その王だ」

律「プラズマ団って…」

シルバー「ゲーチスと共に世界を救うのさ」

律「な、なんだよ。どいつもこいつもゲーチスって…!」

シルバー「…世界にいったいどれほどのポケモンがいると思う?」

シルバー「そのほとんどは人間にこき使われ、住み処を追われ、ひどく苦しんでいる…。
俺はそんなポケモンたちを救いたいのさ」

律「…ゲーチスみたいなことを言うんだな」

シルバー「俺は戻ったまでだ。もともとこうである、“真実”の俺に…」カチャ

律「…どうしてもかよ」

シルバー「どうしてもだ」

律「……そうか」カチャ

ボム!

ボルト「ゼブウウ!!」

律「なら、“理想”的なポケモンと人間の絆をみせてやる!!」

シルバー「……」


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最終更新:2011年04月05日 23:16