Episode.27




《ホドモエシティ》


唯「じゃあ次は“フキヨセシティ”ってところを目指そう!」

律「よし、そうするか。
んで、どうやってそこへ行くんだ?」

唯「うーんとねえ…」

ヤーコン「“6ばんどうろ”にある“でんきいしのほらあな”を抜けたらすぐだ」

唯律「“でんきいしのほらあな”?」

ヤーコン「そうだ。あそこの野生ポケモン、特にデンチュラは手強いぞ」

律「デンチュラ…」

ヤーコン「ふむ…。
よし、ワシも行こう。
“でんきいしのほらあな”の入口にいるから、そこで落ち合うぞ」

唯「わかりました!」

律「んじゃ、また後でな!」

………
……

《6ばんどうろ》


唯「ここだね~、“6ばんどうろ”!」

律「“でんきいしのほらあな”はこの先だな」

唯「あれ?」

律「どうした? 唯」

唯「あの人って…」

律「なんだ?」

「ふむ、では―――はここらを徘徊していると…」

おじいさん「そうじゃな。わしもこの前―――が“7ばんどうろ”を通っていたのを知り合いから聞いたよ」

「―――は“15ばんどうろ”にいたな…。
“ほうじょうのやしろ”という所にも行ってみるかな」

おじいさん「わしの知っていることはすべて話したぞ」

「ああ。ありがとうな、爺さん」

おじいさん「またなにかあったら聞きにきなさい」スタスタ

唯律「アデクさん!」

アデク「む?
…おぬしたちは“5ばんどうろ”で会った……」

唯「平沢唯ですっ!」

律「田井中律です!」

アデク「唯と律か…。
こんなところで会うとはな…。おぬしたちは何をしてるんだ?」

律「“でんきいしのほらあな”ってところに行く途中です」

アデク「なるほど…“フキヨセシティ”に?」

唯「はい! ジムに挑戦しに!」

アデク「ハッハッハ! ついこの間会ったばかりなのに、もうフウロに挑戦とな! 逞しくて良いことだな!」

律「フウロ?」

アデク「フキヨセのジムリーダーだ。貨物機のパイロットでもある。
ワシも他地方に行くのに乗せてもらうこともしばしば…」

律「へえ!
パイロットか!」

唯「なんかカッコイイねえ~」

アデク「フウロはあれで強い! 精進することだな。
それじゃあワシは用があるから、ここでお別れだ! さらばだ!!」ザッザッ

律「はい!」

唯「さよなら~!」

律「……」

律(アデクさんはプラズマ団のことをどう思ってるんだろ…。
コクランさんともただの知り合いって訳じゃなさそうだったしな…)

唯「あっ! あれが“でんきいしのほらあな”じゃない?
ヤーコンさんもい……。…りっちゃん?」

律「…。え? あ、ああ!
よし、行くか!」

唯「? 変なりっちゃん…」

………
……

《でんきいしのほらあな入口》


唯「あっ、ヤーコンさんだ!」

ヤーコン「! …やっと来たか」

律「先に中に行っててもよかったのに…」

ヤーコン「ふん! そういうわけにもいかん。ワシがついていけるのはここまでだからな」

唯「? じゃあなんでここで待ち合わせをしたんですか? 一緒に行くんじゃないなら、私たちだけでも…」

ヤーコン「ふん! あれを見てみろ」

唯律「?」

ビリビリ…

律「なんだあれ…」

唯「“クモのす”?」

ヤーコン「あれはデンチュラというポケモンの技、“エレキネット”だ。
あれでは通れん…。だからワシはあれを駆除しに来てやったのさ」

律「それで…」

ヤーコン「ワシもプラズマ団のやり方は気にくわん。
お前たちがプラズマ団を阻止するために旅をしているのなら、それを手助けするさ。まあお前たちにプラズマ団を阻止できるかは知らんがな」

律(いちいち突っ掛かってくるなあ、このオッサン…)

唯「でも、ありがたいです!」

ヤーコン「…ふん。そう思ってもらわないと、こちらとしても不満だな。
…メグロコ!」ボム!

メグロコ「グロッコ!」

ヤーコン「このネットを壊せ! “すなじごく”!!」

メグロコ「グロッコー!!」

ビュアアアッ!!!!

唯「すごい威力!」

シュウウ……

律「あんな大きな巣がもう消えちまった…」

ヤーコン「呆気ないものだな。よくやった、メグロコ」シュウウッ

ヤーコン「それじゃあワシはもうここに用はない。帰らせてもらうぞ」

律「ずいぶんとせっかちだな」

唯「あ、ヤーコンさん! ありがとうござい…」

ヤーコン「…そうだ」ピタッ

唯律「!」

ヤーコン「ワシはプラズマ団とあまり直接は関わってはいないが、奴らがとても大きい組織ということは分かる。
お前たちと対峙していた娘も相当な実力者だろう…」

唯律「……」

ヤーコン「…心してかかれよ」

唯律「…!」

律「あ…」

唯律「ありがとうございました!!」

ヤーコン「……ふん」スタスタ

………
……

《でんきいしのほらあな》


ビリッ!

唯「いだっ!」

律「なんだこの電流…。洞穴の所々に流れてる…」

「そりゃあ“『でんき』いしのほらあな”ってだけの名前だからね」

唯律「…!」

律「お前は…! プラズマ団の王の…!」

唯「Nくん!!」

N「…」

律「なんでお前が…!
シルバーはどこだ! ここにいるのか!?」

N「“でんきいしのほらあな”……ここ、いいよね。電気を表すのは数式。そしてポケモンとのつながり。
……人がいなければ、僕の“理想”の場所だ」

律「……」

N「さて…、君たちは選ばれた…」

唯「選ばれた…?」

N「ゲーチスも、実は“ウバメのもり”で君たちに会った時から、君たちに興味を持ったらしくてね」

唯律「……」

N「ゲーチスは君たちがどれほどのポケモントレーナーか試すそうだよ。
この先にプラズマ団が待ち構えている…。
二人で協力してプラズマ団を倒すんだ」

律「…シルバーはどこにいるんだ」

N「シルバーはここにはいないよ。彼は休んでいるのさ」

律「! シルバーになにかあったのか!?」

N「さあ…、なにもないといいけどね。それじゃあ僕はいくよ。
頑張ってね」スタスタ

律「……」

唯「りっちゃん…」

律「シルバーは…大丈夫だよな……。
今はここを進むことに集中するか!」

唯「うん、りっちゃん! 先に進めばシルベルくんのことも分かるかもしれないし!」

律「シルバーな!
…へっ、プラズマ団なんて私たちの敵じゃないぜ!!」

唯「ないぜー!!」

…………
………
……

《ライモンシティ・・・スタジアム》


ゲーチス「みなさん、お揃いのようですね。
七賢人、ダークトリニティ《改》、ダークトリニティ、下っ端たち…」

ゲーチス「今から、これからのそれぞれの持ち場等をご説明していきます」

ゲーチス「まず七賢人には、三つの持ち場を担当してもらいます。
西のイッシュ、東のイッシュ、我らの城。
前の二つについては七賢人以外についても担当をお願いします。
下っ端は三つに分かれてそれぞれ七賢人たちをサポートする形で…」

ゲーチス「さて、割り振りですが…。
西のイッシュにはギーマさん、シキミさん、ダークトリニティ《改》が担当。
次に、東のイッシュにはレンブさん、カトレアさん、ダークトリニティ。
最後に、我らの城にはマツブサさんとアカギさんでお願いします」

皆「はっ」

ゲーチス「…おや。
カトレアさんがお見えにならないようですが」

レンブ「……。カトレアならすでに東のイッシュにいるようだ。先程連絡があった」

ゲーチス「…そうですか、ふふ」

レンブ「……」

ゲーチス「それでは…若干欠けてはいますが、プラズマ団のみなさん。
我らは何年も前から、誰にも悟られぬよう身を隠して、計画を重ねに重ねてきました。
しかし、もうそんな地道にやることはありません…」

ゲーチス「時は満ちました!!
思う存分動き回ってください! ポケモンたちのために!! この世界の未来のために!!
伝説のドラゴンポケモン、ゼクロムとレシラムを復活させるのです!!
そして我らの王、NとSを英雄にするのです!!」

ゲーチス「英雄は…我らの手に!!!」

ワアアッ!!!!!

チス… ゲーチス…

…ゲーチス! ゲーチス!

ゲーチス! ゲーチス!

ゲーチス! ゲーチス!

ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス!

ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス!

ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス!……

…………
………
……

《でんきいしのほらあな》


スタッ!

「ご苦労様、ブルンゲル。戻ってて」

シュウウッ

「シキミ、ここでいいのかい?」

シキミ「ええ、ギーマさん。
ゲーチス様が言われるには、もうすぐトレーナーが二人…」

タタタッ…

シキミ「…来たみたいですね」

ギーマ「クク、早速仕掛けてみるか!
…ズルズキン!」ボム!

ズルズキン「ズルー!」ダッ!

タタタッ…

唯「チー太、“くすぐる”!」

チー太「チー!」フキフキ

ピカアアッ!!

律「おおっ、バッジを磨いて“フラッシュ”か! 考えたな!」

唯「えへへ~、シッポウジムでも使った戦法だよ~」

律「すげえな!」

唯「りっちゃんもおでこが光って“フラッシュ”してるよ!」

律「ほっとけえ!」

唯「でも…、これだけビリビリなら十分明るいから、必要ないかもね」

律「まあそれでも薄暗いしなあ…。
プラズマ団の奴ら、結構倒してきたけど…、まだ出口は見えないなー」

唯「もうすぐかなあ…」

シュタッ!

唯「?」

律「…なんの音だ?」

ババババッ!!

チー太「チー!?」

律「な、なんだ!?」

唯「野生のポケモンだよ!」ピッ

ポケモン図鑑『ズルズキン、あくとうポケモン
なわばりに はいってきた あいてを しゅうだんで たたきのめす。 くちから さんせいの たいえきを とばす。』

唯「ズルズキン…!」

律「さっきのは“ヘドロばくだん”か!」

ズルズキン「ズルー!」ダッ!

律「攻撃を仕掛けてくるぞ! 気をつけろ、唯!!」

唯「ええと…チー太、“スイープビンタ”!」

チー太「チー!」

ズルズキン「…」シュッ!

ドガアッ!!!

チー太「チー…!」メキ…

唯「ああっ!」

律「“かわらわり”か!」

ズルズキン「…」ググッ

チー太「チー…」

唯「“アイアンテール”で対抗して!」

チー太「チー!!」

カキイイッ!

ズルズキン「!」

タッ!

チー太「チー!?」スカッ!

唯「かわされた!」

唯「…なら、もう一度…」

律「待て、唯!」

唯「!?」

律「あのズルズキン、なんかおかしいぞ!
常に道の真ん中に立って、私たちを通さんとしてる!!」

唯「それって…」

律「ああ…。それに図鑑通りなら、集団で襲いにかかってくるはずだ!!
ってことは、コイツは野生じゃない!!
明らかにトレーナーの指示で動いている!!」

「ご名答です!」

唯律「!!」


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最終更新:2011年04月05日 23:25