ミツル「…ロゼリア!」
ロゼリア「ローゼ!」
唯「“アイアンテール”!!」
チー太「」ダッ!
ミツル「受け止めろ!!」
ガキイイッ!!!!
唯「…私、素質とか…難しいことはよくわからないけど……でも!
人を傷つけることを言うのは良くないって知ってる!!
フウロちゃんが傷ついたのも、怒ったのもわかる!!」
ミツル「ロゼリア、“リーフストーム”!!」
ロゼリア「ローゼ!!」
ドオオオッ!!!!
チー太「…!」シュッ
タッ!
ミツル「ひゃはは☆ なにを言おうと勝手だけどな、俺サマが言ったことは真実だぜ?」
唯「そんなことない! フウロちゃんのこと、なにも知らないくせに!」
ミツル「へっ! お前は知ってるのかよ!」
唯「知らないよ! だってさっき会ったばかりだもん!」
ミツル「ひゃはは☆ 話になんねえな! そんだったらお前の言ってることも…」
唯「でも!!」
ミツル「!」
唯「でも…! さっき会ったばかりなのに、色んな良いところを知れたよ!
傷ついたポケモンたちを助けたり、自分の手持ちを置いてきてまで看病させたり…、私をケンホロウに乗せてくれたり、パイロットだったり…。
なにより…、ジムのことを考えてたよ! ジムの仕掛けを用意して、挑戦者が来るのを楽しみにしてた!!」
フウロ「…!」
唯「あなたがフウロちゃんを否定していいわけない!!
チー太、“アイアンテール”!!!」
チー太「チー!!」カキンッ!
ブンッ!!
ミツル「……」
ロゼリア「ローゼ!!」ガキイイッ!!
唯「…!!」
ミツル「…怒りに任せて攻撃してきたのが見え見えだぜ?
…“リーフストーム”!!」
ドオオオッ!!!!!!
チー太「チー!!?」ズサアッ
唯「チー太!!」
ミツル「どんな綺麗事を並べてもなァ。結果的に勝った方が正しいのさ!
結果がッ! 勝者がすべてなんだよッッッ!!!」
ピカアアッ!!!!!
唯「そ、それは…!?」
ミツル「“ひかりのいし”だァ!! これでロゼリアを進化させて、さらなるパワーアップを!!!
そして俺サマが勝者となるッ!! 俺サマがすべてだあッッ!!!!」
ピカアアッ!!!!!!
メキメキメキメキ……
ミツル「きたあーッ!! ロズレイ…ド……だ…?」
チー太(チラチーノ)「チラチー!」
唯「!?」
ミツル「!?!?!?!?」
唯「し、進化した!」
ミツル「ま、まさか…! “ひかりのいし”のパワーがそっちに傾いたのか!!?」
唯「よおーっし! 新たな姿で、“アイアンテール”だよ!!」
チー太「チラチー!!」ダッ!
カキインッ!!!!
ロゼリア「」バタッ
唯「やった!」
ミツル「くそが…!
だが、まだサーナイトがいるんだ!!
サーナイトォオオ!!!」
サーナイト「ナーイ!」
唯「…!」
ミツル「“サイコキネシス”!!!!」
サーナイト「ナーイ!!」ヴオオン!!!!
唯「しまっ…」
ボオオオッ!!!!!
サーナイト「ナイ!?」
ミツル「な、なんだァ! “おにび”!?」
ヒトモシ「ラー!!」
唯「あの子は、さっきの…!」
サーナイト「…ッ」
ミツル「やけどしたか…。だが攻撃が下がるだけで意味ないんだよ!!
サーナイト、はんげ…」
ヒトモシ「ラー!!」バシイッ!!!
サーナイト「!?」
ミツル「“たたりめ”か!? 状態異常だと大ダメージを喰らう技…!!」
ヒトモシ「」バシイッバシイッ
サーナイト「ナイー!?」
ミツル「やめたげてよおっ!!」
ヒトモシ「」スウウッ…
唯「! 出る…! あれは…」
ヒトモシ「ラー!!」ボオオオッ!!!!!!
唯「“はじけるほのお”!!!」
チュドーン!
ミツル「やなかんじ~!!」
キラアン☆
ヒトモシ「ラー!」スタッ
唯「ありがとう! あの時のヒトモシちゃん…追いかけてきたの?
それともここがお家?」
ヒトモシ「ラー…」
唯「ここは危ないからお家にお帰り~」
ヒトモシ「ラー」タタッ
唯「よしっ。
フウロちゃん、貨物機は壊れちゃったけど、一応あの人は追っ払え……」
フウロ「……」
唯「フウロちゃ…」
フウロ「…うん、ありがとう。
じゃあ…フキヨセに戻ろっか……」
フウロ「……」
唯「…フウロちゃん?」
フウロ「……うっ」グスッ
唯「!」
フウロ「…私……、言い返せなかった……。あいつの言葉…、全部当たってて……」
唯「フウロちゃん…」
フウロ「私、やっぱりジムリーダーの素質ないのかなあ…。
だって…、自分のことしか……うぐっ…。それに、街が今どうなって、るか……ひくっ」
唯「……」
唯「…!
ここの屋上に鐘があるんだよね? “タウンマップ”に載ってた!」
フウロ「……?」
唯「今から行こう!」ガシッ
フウロ「えっ…」
唯「いいからいいから~!」
タタッ
………
……
…
《タワーオブヘブン屋上》
唯「あったあった! 鐘だぁ~!」
フウロ「こんなところになにしに…」
唯「空、よっく見えるねえ~! さすが屋上~!」
フウロ「……」
唯「…フウロちゃんは、この大きな空を飛行機で飛び回ってるんだよね。すごいことだよ、それって!」
フウロ「……」
唯「きっといい眺めなんだろーなー…」
フウロ「…うん、いい眺めだよ……」
唯「……。
フウロちゃんは立派だよ!」
フウロ「え…」
唯「ほら! そんな暗い顔しないで!
笑って笑って!」ギュッ
フニャッ…
フウロ「ひ、ひはい…」
唯「えへへ~。
…ダメだよ、フウロちゃんはジムリーダーだもん! 街のみんなにとっての太陽なんだよ!
笑ってなきゃ、街の人たちもみ~んな暗くなっちゃうよ!!」
フウロ「……」
唯「ほら、スマイルスマイル!」ニヘラッ
フウロ「…ふふ、そうだよね。笑ってないとダメだよね!」
唯「うん、そうだよ! フウロちゃんはみんなの元気の源だもん!
フウロちゃんが笑ってる空の下、みんなが笑ってるんだよ!!」
フウロ「…! みんなが…空の下で…」
唯「うん! すごいよねえ!」
タタッ
フウロ「?」
唯「みんなが笑顔になりますよ~に!!
えいっ!」
リンゴーン……
唯「これでみんな、もっと笑顔になるね!」
フウロ「……いい音色…」
唯「えへへ~、早速笑ってるね!」
フウロ「! …ふふ、ホントだ…」
唯「うふふ~♪」ニコッ
…………
………
……
…
《タワーオブヘブン入口》
アララギパパ「おーい!」
フウロ「! アララギ博士!」
律「唯ー!」
唯「りっちゃんも!」
アララギパパ「この様子だと…もうプラズマ団を?」
フウロ「はい、倒しました。
私の功績ではないですけどねっ」
唯「えへへ~」
フウロ「あ…! アララギ博士たちがここにいるってことは…」
アララギパパ「ああ! しっかりと街は守ったぞ! プラズマ団のポケモンたちからな」
フウロ「…」ホッ…
律「そういや、ここにくる途中、たくさんのポケモンが倒れていたけど…」
唯「あっ、あれはプラズマ団がばらまいたポケモンなの!」
フウロ「今私のワシボンが看てくれてる…。
私たちも手伝わなくちゃ!」
唯「うん!」
………
……
…
《フキヨセシティ》
クルマユ「クルマー」
トレーナー「僕のクルマユ!
どうもありがとう!」
唯「いえいえ」
トレーナー「」タタッ
律「これで最後だな」
唯「終わった~!」
フウロ「お疲れ様。
どう? ジムで休んでく?」
唯「じゃあお言葉に甘えて~」
アララギパパ「私もそうしよう。老体にはこたえるな」
ウィーン
フウロ「はい、紅茶ですよー」コトッ
唯「わあい♪」
律「サンキュー!」
アララギパパ「ありがとな」
ズズ…
唯「おいし~!」
律「うめー!」
アララギパパ「うむ、いつもと変わらぬ美味さだ!」
フウロ「ふふ、喜んでもらってよかった」
唯「…ん~」
フウロ「どうしたの?」
唯「そういえば、あのヒトモシってポケモンは大丈夫なのかなあ…。やっぱり野生ポケモンだったのかな?」
フウロ「それは…」
ゴオオオ……
アララギパパ「む!」
律「この音って…!」
フウロ「貨物機が稼動してる!
まだプラズマ団がいたの!?」
唯「見に行こう!」
……
…
《滑走路》
ガチャッ…
フウロ「操縦席にだれかいる…」
ピョンッ!
ヒトモシ「ラー!」
フウロ「!」
唯「ヒトモシちゃん!?」
アララギパパ「ろうそくポケモン、ヒトモシがなぜここに…」
ヒトモシ「ラー!」
フウロ「! そうかっ。この子、常習犯だ!」
唯「常習犯?」
フウロ「前から貨物機の調子が悪かったの。その原因はこのヒトモシが悪戯をしていたから!」
ヒトモシ「ラー♪」
フウロ「プラズマ団が乗った貨物機にも乗っていて、それで落とされたんだね…。
でも、私たちを助けてくれたんだよね。悪戯の件は許せないけどっ」
ヒトモシ「ラー」
唯「もう悪戯はしちゃダメだよ~。ほら、今度こそお家に…」
ヒトモシ「ラー!」ヒッツキ
唯「!」
アララギパパ「ふむう…私が思うに、そのヒトモシは自分をゲットしてくれるトレーナーを探していたんじゃないか?
だから住み処からこのフキヨセまで…」
律「それで気に入ったトレーナーが唯ってことか」
唯「……。…そうなの?」
ヒトモシ「ラー♪」
唯「えへへ、そうだね…。
えいっ」ポンッ!
唯「ヒトモシ、ゲットだよ!」
律「やったな、唯!」
唯「うん、りっちゃん!」
唯「ニックネームは…“ラー太”がいいかなっ」
フウロ「…ふふ、よかったね」
唯「うん!」
唯「出てきて、ラー太!」ボム!
ラー太「ラー!」
アララギパパ「ポケモンが自分から……こんなゲットの仕方もあるのか。興味深いな」
律「唯はすごいですよ。手持ちのチラーミィもムンナも、ポケモンたちから慕ってきてゲットしたんです!」
フウロ「…彼女の姿勢がポケモンたちを引き寄せるのかな」
律「?」
フウロ「アロエさんが言ってたの。
『彼女はポケモンと向き合う“真実”の心を持ってる』って。
最初は言葉の意味が分からなかったけど、今はわかった気がする…」
律「…“真実”の心、か」
唯「ラー太~、もう悪戯はしちゃダメだからね~」
ラー太「ラ~!」
唯「えへへ、分かればいいんだよ~。いい子いい子~」
ラー太「ラー♪」
…………
………
……
…
アララギパパ「色々とありがとうな」
律「いえ…」
フウロ「プラズマ団から街を守ってくれてありがとう。
あと、唯ちゃん」
唯「私?」
フウロ「あなたの言葉ですごく救われたの。ありがとう♪」
唯「いや~照れるねえ~。
でも、思ったことを言っただけだから!」
フウロ「ふふ♪」
律「んじゃあ私たちはこれで」
アララギパパ「ああ、じゃあな!」
唯「さようなら~!」
フウロ「あっ、そうだ! これ!」ブンッ
唯「!」パシッ
フウロ「“ジェットバッジ”だよ! 持って行って!」
唯「ありがとう!!
お元気で~!!」
タタッ
フウロ「…行っちゃった」
アララギパパ「なかなか愉快で、それでいて頼もしい子たちだったな!」
フウロ「はい」
アララギパパ「さて、私たちはそろそろジムの中に…」
フウロ「…『空の下、みんなが笑ってる』か…」
アララギパパ「? どうした?」
フウロ「ふふ、なんでもないです♪」
アララギパパ「??」
Episode.29 fin
最終更新:2011年04月05日 23:35