―――
律「…はぁ…はぁ…どうだ…?」
まどか「はぁ…はぁ…さやか、ちゃん…」
唯「!! みんな、あれ!!」
ほむら「魔女が…グリーフシードに…」
梓「あれ…あの青い光は…!」
紬「やった!さやかちゃんのソウルジェム!!」
まどか「さやかちゃん!」パシィッ
杏子「さぁ、それをさやかの手元に」
まどか「うん…」ストッ
さやか「…う…うーん…」ムクリ
杏子「さ…さやかぁーーっ!!!」ダキッ
さやか「ふえっ!? ちょっ…ちょっと!!いきなり抱きつかないでよ!///」
紬「……」ポワーッ
律「…ムギ…おまえはいつもどおりだな…」
紬「どんとこいです…」
―――
さやか「みっみなさんご迷惑をお掛けしましたっ!」ペコッ
律「いいよ、気にすんな!」
さやか「律さん…」
ほむら「…いるのでしょう?インキュベーター」
ほむら「残念だったわね…私の勝ちよ」
QB「…どうやらそうらしいね…悔しいけれど」
ほむら「悔しい?感情を持ち合わせていないあなたが…」
QB「……」
QB「けど無駄だよ、もうすぐこの街にワルプルギスの夜が来る」
杏子「ワルプルギスの夜っていえば…」
マミ「確か他の殆どの魔女を凌ぐ強さを持った巨大な魔女…」
さやか「でも魔法少女4人なら勝てるでしょ!」
QB「…気づいていないのかい?さやか 最近は魔女の出現率が高まっている」
QB「おそらく別の世界と干渉した影響だろうね」
梓「まさか…私達がここに来たから…」
律「魔女たちの力が活性化したってことか!」
ほむら「…ワルプルギスに…4人でも勝てないというの…?」
唯「ならどうすればいいの!?」
まどか「…5人なら…」
ほむら「!?」
まどか「魔法少女…5人なら…どう…?キュゥべえ…!」
QB「…そうだね…5人目の戦闘力にもよるけれど…」
QB「もし『仮に』、まどかが5人目の魔法少女だとすれば…」
QB「…勝算はある」
ほむら「……!!」
唯「…ま…まどっちってそんなにすごいの!?」
QB「そりゃあもちろん!」
QB「…ただ…」
ほむら「……ッ」ギリッ
ほむら「…魔法少女としての力が強力という事は…すなわち」
杏子「…魔女になったらさらに危険、ってわけか」
QB「…そのとおり でもそれ以外…勝つ方法はないよ…」
QB「…どうするんだい? まどか…」
ほむら「…ダメよ、まどか 貴女は…」
QB「…暁美ほむら、これは彼女が決めることだ」
QB「君が口を出すべきではない」
ほむら「……」
まどか「…ほむらちゃん…」
QB「…どうするんだい?今すぐに決める必要はないけれど…」
まどか「…分かった、考えさせて」
律「まどか!正気か!?」
さやか「そうだよ!あたしみたいになっちゃうんだよ!?」
まどか「…だから考えさせてってば…」
まどか「そりゃあ…そんな大事な事だもん…」
まどか「…今すぐには決められないよ…」
マミ「…鹿目さん…」
杏子「…なぁ、今日はもう遅いし帰ろうぜ?な?」
マミ「そうね…行きましょう、キュゥべえ」
唯「あ、あのー…」
律「私達は…」
まどか「唯さんはわたしのうちに泊まっていってください」
唯「ありがとーまどっち!」
さやか「あ、律さんは…」
(分担略)
―まどホーム―
まどか「ごめんなさい、ベッド一つしかなくて…」
唯「い、いや…それはいいんだけど…」
唯「お布団とかも…ないの?」
まどか「…あー、えと…」
唯「流石にシングルベッドに二人で入ったらきついよー」
まどか「…ご、ごめんなさい」
唯「い、いややややや謝らないで!謝っちゃダメェ!!」
唯「あ…あのさ、まどっち…」
まどか「…はい」
唯「キュゥべえに…どんなお願いするの…?」
まどか「…それが…願い事は決まってる…んですけど」
まどか「…やっぱり…魔女にはなりたくないなぁ…って…」
唯「…まどっち…」
まどか「…おかしいですよね、軽音部の皆さんがさやかちゃんを元に戻して」
まどか「…すごいなぁって…思ったのに…」
まどか「…元気付けられたって…思ったのに…」
まどか「もし…さやかちゃんと違って…戻れなくなったらどうしようって…」
まどか「…そんなこと…かんがえちゃって…」グスッ ヒック
唯「…泣かないで?まどっち」
唯「…! そうだ…ちょっと待ってて」スッ
まどか「…?」
唯「…えへ…これくらいしかあげられるものがないんだけどさ」
唯「はい」トスッ
まどか「これ…『ん』の…キーホルダー…?」
唯「そうだよ、け い お ん ぶ の『ん』!!」
唯「修学旅行でね、お土産として買ったやつ!」
まどか「そ…そんなだいじなもの…受け取れません!」
唯「…ねぇまどっち、要するに魔法少女でいたいんでしょ?」
唯「それで…魔女にはなりたくない、と」
唯「だったら」
唯「魔女にならなければいいんだよ!まどっち!!」
まどか「そ…そんなこと…」
唯「ううん、まどっちが私のことを覚えていてくれたら…」
唯「魔女になんてならないよ!」
唯「…私ね、もう…帰れなくてもいいかな、なんて思い始めてるんだ」
まどか「! …どうしてですか…?」
唯「だって、部室でいつもどおり過ごしてたらさ」
唯「いっぱいかわいいものと出会えて」
唯「いっぱい不思議なものが見れて」
唯「いっぱい…い~っぱい魔法が見れた」
唯「魔女は怖いけど…みんな魔法少女なんだよね」
唯「今も…昔も!」
まどか「…唯さん…」
唯「だからこのキーホルダーを私だと思ってよ!」
唯「それで、あのときの演奏を思い出して!」
唯「これがあれば…まどっちも軽音部!だよ!!」
まどか「…唯さん!!」
唯「もしまどっちが魔女になったら」
唯「そのときは」
唯「皆でまどっちを助けに行く!!」
唯「約束だよ!」
―――
唯「zzz~」
まどか「………」
QB「…眠れないのかい、まどか」
まどか「…まぁね」
QB「…美樹さやかが元に戻ったのはまぐれで奇跡なんだ」
QB「そうそうあんな事は起きない」
まどか「…いいよ、別に」
QB「…まどか?」
まどか「私、魔法少女になるよ」
QB「…願いはなんだい? はたしてそれは…」
QB「君の魂を差し出すに足る願い事かい?」
まどか「…もちろん」
まどか「…でも…」
まどか「…ちょっとだけ…切ないなぁ…」
QB「…さぁ、願い事を言うんだ、まどか」
まどか「…私の願いは―――」
―――
マミ「キュゥべえの言った通りね…」
杏子「ああ…魔女の出現率が高まってる…」
さやか「それだけじゃないよ、個々の魔女が強力に…」
ほむら「今日だけで強くなった委員長の魔女、影の魔女、
鳥かごの魔女を倒したわ…」
さやか「…今戦ってるこいつは…」
魔女 ISABEL
ほむら「…芸術家の魔女ね…」
杏子「ちっ…4人がかりなら大した事無いと思ってたが…」
さやか「流石にずっと戦いっぱなしじゃきついわね…」
マミ「でも…そんな甘い事言ってられないわ!」コォォォォォ
マミ「…いちか…ばちかよ…!」
マミ「ティロ・フィナーレ…オーバードライブ…!!」
杏子「よせ! お前今日だけでどれだけティロ・フィナーレ撃ってるか
わかってんのか! そんなことしたら反動で腕が…!」
ズドォォォォォォォォォォォォォォォォォォン
ほむら「!?」
さやか「もっ、もしかして!」
マミ「いっ、いいえ、私じゃないわよ…?」
ほむら「私でもないわ」
杏子「あ、あたしでもねーぞ…」
さやか「…じゃあ一体誰が…?」
まどか「誰でもないんだったら五人目の魔法少女しかいないでしょ?」
まどか「さやかちゃん♪」
さやか「まっ…まどか!?」
ほむら「ど…どうして契約を…」
杏子「つ…強いな…お前…」
マミ「…どんな願いで契約したの…?」
まどか「…それは…」
―――
梓「………い… …てください……」
澪「…う…~ん…?」
梓「澪先輩! おきてください!!」
澪「こ…ここはどこ…」
梓「部室! 部室ですよっ!!」
澪「はははは梓 そんなわけ…」パチッ
澪「……」
澪「ぶ…部室だ…っ」
澪「…夢…だった…のかな…」
唯「違うよ!夢じゃないよ澪ちゃん!」
梓「そうです!私達確か魔法少女に会って…」
律「魔女っていうのも見た!はっきり覚えてる!!」
紬「それにいっぱい!疲れるまで演奏もしたよね?」
唯「…あのさ…言いづらいんだけど…」
唯「けいおんぶ の 『ん』のストラップ…」
唯「まどっちにあげちゃった…」
澪「…あれ?唯…お前もか」
唯「…へ?」
紬「実は私も…」
律「私も…さやかに」
梓「私も杏子にあげちゃいました…」
唯「…なぁーんだ!みんなあげちゃってたんだ!?」
梓「でもこれで…」
律「ああ、離れていてもあいつらは…」
澪「軽音部の部員だ!」
紬「みんな、疲れちゃったでしょうし…お茶にしよ?」
唯「さんせーい!!」
―――
まどか「…いよいよだね…」
杏子「ああ…まさかあいつと5人で戦うとはな…」
ほむら「…まどか…本当に魔女化しない決意はあるのね…?」
まどか「もちろん!みんな一緒だから…こわいものなんて何もないよ!」
マミ「しかしまさか…たったひとつの願い事で軽音部の皆さんをもとの世界に
還しちゃうだなんて…」
さやか「杏子が知ってたら反発してただろうなぁ」ニヤニヤ
杏子「うっ うるさいなさやか! 黙ってろ!!」
マミ「鹿目さん…後悔してないの?」
まどか「後悔するような願い事なら最初からしてませんよ」
まどか「離れていても…軽音部のみなさんとはいつでも一緒!」
まどか「これがある限りはね!」スッ
マミ「あら?それって…」スッ
さやか「あっ、あたしも」スッ
ほむら「私もよ」スッ
杏子「あたしもだ」スッ
さやか「け」
ほむら「い」
マミ「お」
まどか「ん」
杏子「ぶ」
まどか「…あははっ」
さやか「さてと…行きますか!」
マミ「ええ…準備は出来てるわよ!」
ほむら「ふふ…私が守るのはまどかだけよ?」
杏子「はっ、聞いてねーよ! 行くぞ!!」
バッ バッ バッ バッ バッ
魔女 ワルプルギスの夜
fin
最終更新:2011年04月06日 03:23