憂和の補完
唯と梓は連れだって帰って行った。
星降る夜、静かな公園。
後に残されたのは和と憂の2人。
先ほど、唯に自分の思いをぶちまけた憂は、和の胸の中で泣いている。
和は何も言わず、憂の頭を撫でた。
和(まったく、唯は罪作りな子ね……)
憂「ひっく……、和さん、ほんと何度もすいません……」
和「気にしない気にしない」
憂「はい……」
和「失恋って辛いわよね。私も経験あるわ」
憂「和さんがですか?」
憂は意外そうな顔をした。
それを見た和は苦笑する。
和「あら、失礼ね。私も恋くらいするわよ?」
憂「ご、ごめんなさい」
和「失恋すると、悲しくて辛くて、どうしようもなくなるわよね」
憂「……」
和「でもね、そうやって人は少しずつ強くなるのよ」
憂「……分かりません、今は」
和「そうよね。今は割り切れないと思うわ。思う存分落ち込んでいいわ」
憂「はい……」
和「でも、少し落ち着いたら、吹っ切って前を見ましょう。人生はまだまだ長いんだから」
憂「……はい!」
憂は目尻に涙を浮かべているが、少し楽になったような表情であった。
和はもう一度憂の頭を撫でる。
すると、憂ははにかんだように笑った。
憂「和さん、私のもう一人のお姉ちゃんみたい」
和「あいつほど魅力的じゃないわよ?」
憂「えへへ、お姉ちゃんにはお姉ちゃんの、和さんには和さんの良いところがありますよ」
和「そうかしら? 私は唯みたいに一緒に居るだけで楽しくなるって人間じゃないわ」
憂「相談に乗ってくれます」
和「……そうね。相談くらいならいつでも乗るわ」
憂は嬉しそうにコクリと頷いた。
憂「帰りましょう、和お姉ちゃん」
和「!」
憂「えへへ」
和「まったく、あなたたち姉妹は……」
和はやれやれといった感じで微笑んだ。
頭上では一筋の流れ星が駆ける。
それは、ちょうど唯と梓が見た流れ星だった。
おしまい。
最終更新:2009年10月16日 01:26