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帰路

梓「………」

梓「『憂』ってなんて読むんだろう…プロフィール欄にフリガナを打ってないからこうなるんだ…」

梓「う~ん…先輩方があの子をなんて呼んでいたっけ…?」

梓「………」

梓「どうしよう…思い出せない…」

梓「あっ…でもこれをきっかけに電話のチャンスができるはず!」

ピッ…prrrrrrr…

梓「ふふふふ…これであの子と…///」

ガチャッ

憂『あ、もしもし?梓ちゃん?』

梓「あ…あの…今日はありがとう…///」

梓(ああ…癒される声だ…///)

憂『ふふ…わざわざそのために連絡しなくても…』

梓(次は君の声を聞くために電話するよ///)


憂『まだ家に着いてないの?寒いんじゃない?家に着いてからかけた方が風邪引かないよ』

梓「あ…ありがとう…心配してくれて…///」

梓(にゃあああああああああ!!!優しいよ!優しすぎるよおおおおおお!!!いい子すぎるよおおおおおおお!!!///)

梓「また…かけなおすね…///」

憂『分かった。またね梓ちゃん』

プツッ

プープープー

梓「えへへへへ…早く帰らないと!///」


律「う~さっむぅ~…春はまだ来ていないのかよ、おっせぇなぁ…」

澪「まぁ…そうだな…」

律「なぁ…み~お~」

澪「何だよ律…」

律「私にクラシック…教えてくれないか?」


澪「えっ…?」

律「クラシックを教えて欲しいんだ…今回はムギのアレンジとはいえ、元はクラシックだろ?私に教えて欲しい!」

澪「……律…分かった…教えてやるよ…」

律「ははっ…何か恥ずかしいな…///」

澪「はは…変な奴…」

律「いやぁ…ムギに頼んだ時はまさかあんな誤解が発生するなんて…」

澪「ムギには悪いけど面白かったぞ?」

律「だなぁ~ははは…」

澪「まぁ…分からないわけじゃないが…」ボソ

律「ん?今なんて言った?澪」

澪「何でもないよ、さぁてイリオモテヤマネコとニホンオオカミよりもレベルが低い奴にどう教えるか大変だなぁ~」

律「なにを~この~!!」

澪「ははっ…律やめろって…」

律「ははっ…このやろ~!私を甘く見るなよ~!」


平沢家

唯「はぁ~…良い湯だったぁ~…う~い~あがったよ~」

憂「は~い。それじゃ私入るからアイスは冷凍庫の一番手間のを一個とってね」

唯「わぁ~い!アイスアイス~!」

憂「一個だけだからね!二個食べたらお腹壊しちゃうからダメだよ?」

唯「もぉ~だいじょ~ぶだよ~憂」

憂「じゃ、入ってくるね」

バタンッ

唯「アイスアイス~♪」

ブブブブ

唯「お?憂の携帯から電話だぁ~あっ!梓ちゃんだ!憂はお風呂だしなぁ~」

ブブブブ

唯「何回も鳴らすのは悪いし憂にかけさせることを伝えるか…」

ピッ

唯「はい、もしも~し!」


梓(あっ!出てくれた!)

梓「い…今到着したんだ…話しの続きをしよっ…///」

唯『………』

唯(かわいいから憂のフリでもしてみようか…)

唯『しよう!しよう!話しの続きをしよう!あっ…でもどこまで話したっけ?』

梓「あ…そこまで深くは話してないよ…///」

唯『それなら安心だね!』

梓「うん…あ…あのさ…///」


梓「もっとお互いのことを知りたいな…なんて思っているんだけど…///」

唯『確かに梓ちゃんのこともっと知りたいなぁ~』

梓「うん…こっちも知りたいよ…お姉さんも…///」

唯『………』

唯『かっわい~!嬉しいなぁ~ありがと~梓ちゃん!』

梓「え…?あ…うん…///」

梓(何か雰囲気が違うような…)


唯(わぁ~!嬉しいなぁ~私のことも知りたいと言ってくれるなんて!)

唯(これは先輩としてかわいがってあげないとねっ!)フンスッ

唯「うん!それじゃ、わた…お姉ちゃんに代わるね!」

梓『えっ…あっ、ちょっと…』

唯「はいはい代わりましたぁ~!」

梓『あっ…先輩すいません…電話に出てもらって…』

唯「気にしない気にしな~い!」

梓『ありがとうございます…先輩、秋山先輩に今日聞いたのですが…軽音楽の部活に入っているんですか?』

唯「うん!そうだよ~!あっ!梓ちゃんも入る?良いよ~!大歓迎だよ~」

梓『ちょっと…相談があるんです…』

唯「おろ?」

梓『先輩はその…周りから何も言われなかったのですか?』

唯「う~ん…最初は心配されたね~」

梓『軽音楽のイメージが良くないからですかっ!!騒音が出るからですかっ!!』

唯「…お…落ち着いて…梓ちゃん…」

梓『そうやって悪いイメージしか持たれない軽音楽を部活としてやるよりも、学校の中なんかでやらず独立してバンドを立ち上げてみませんか?』

唯(あれ?何か話しが ついてこれない…)


唯「あ…あのさ…梓ちゃん…話しが見えないんだけど…」

梓『私は軽音楽をやりたいんですっ!でも、中学の時、悪いイメージしかないせいで部活としても許してくれなかったんですっ!ならいっそのこと、教育親とか教師とか頭が堅い連中の目が届かないところでやったほうがマシですっ!』

唯「ストップストップストーップ!!落ち着いてよ梓ちゃん!!」

梓『あっ…すっ…すいません…つい…』

唯「梓ちゃんの過去に何があったかわからないけど、今の私達の軽音部はそんなひどい立場にはないよ」

梓『本当…ですか…?』


唯「うん!みんなかっこいい!とか、がんばれ!って言ってくれるんだぁ~!私ね、今まで部活をしたことなかったんだよ?」

梓『えっ…?』

唯「でも、このままじゃいけないと思って何も知らずにこの部活に入っちゃったけど、この部活を通してね、私は変わった気がするんだぁ~!本当だよ?私達の部活ならだいじょ~ぶだよ!」

唯「だからね…人の目が届かないところでやるなんて寂しいこと言わないでよ…ね?」

梓『………』

唯「音楽ってさぁ…誰かに聞いてもらうから頑張れるんだよね?本当は学校の人もに聞いてもらいたいんでしょ?」

梓『グスッ…』

唯「ん?」


梓『うぅ…グスッ…グスッ…』

唯「えっ…?あわわ…泣かないでよ…梓ちゃん…」

梓『やるです…うぇっぐ…』

唯「へ…?何を…?」

梓『先輩達の部活に入部するです!』

唯「や…やったぁ~!!ありがとぉ~梓ちゃ~ん!!これでますます楽しくなるねぇ~!!」

梓『よ…よろしく…お願いします!平沢先輩!』

唯「う~ん…唯先輩がいいなぁ~」

梓『はい…?』

唯「私達さ!下の名前で呼び合うんだ!だから梓ちゃんも私達の下の名前で呼んでよ!」

梓『ゆ…唯先輩…?』

唯「うん!うん!そんな感じだよぉ~!」


憂「ふぅ…気持ち良かったぁ…あれ?お姉ちゃん誰かと話している?」



梓『唯先輩…なんかすいませんでした…』

唯「ううん気にしないで!良かった良かった♪」

梓『あっ…でも…この電話…』

唯(しまった…!憂の電話に出ちゃったんだった…)

唯「か…代わるね!」

唯「たった今代わりましたぁ~!憂で~す!」

憂(え…?)


梓『あっ…うん…良いお姉さんだね…///』

唯「えっへん!!」

梓(なんかあの子の感じとは違うような…)

唯「梓ちゃんっていい子なんだねぇ~!かわいいし!」

梓『!そ…そんなに誉めないでよ…は…恥ずかしい…///』

唯(あっ、かわいいなぁ~もっといじっちゃおうっと…)

唯「梓ちゃんはもっとオープンに行こうよ!」

梓『えっ…オープン…?』

唯「うん!実は私は〇〇だぁ~とか!」

梓『わ…私…///』

唯「………」ワクワクワク

梓『私……たい…///」

唯「えっ…今なんて…?」

梓『君と…付き合いたい…///』

唯「………」

唯(あっちょんぶりけ)


憂「お姉ちゃん…誰と話しているの…?」

唯「げっ…」

憂「あっ…私の携帯…私の電話じゃないっ…!」

唯「」

唯(あはは~大ピンチだぁ~…)


梓『あの…返事…///』

憂「もうっ!お姉ちゃんったら…またイタズラを…!!」

唯「ひっ…!あ…あはは…ちょっと用事ができたんだ~ごめんっ!!」

ブツッ

ツーツーツー


梓「………」

梓「さ…避けられた…」ガーン

梓「そんな……頑張って告白したのに……」ポロッ

梓「グスッ…ヒクッ…グスッ…うわああああん!」


ドア外

ベーシスト「………」

ベーシスト(梓もほろ苦い経験で大人になるもんだな…)フッ

ベーシスト(でも、どこのいけすかねぇ野郎なんだ?梓の心を奪っちまうなんて…)

ベーシスト(まぁ…付き合うことにならないからいっか…)


憂「お姉ちゃん…私の携帯で誰と電話していたの?」

唯(あわわわ…梓ちゃんだって言いたいけど、梓ちゃんが憂に告白したなんて言えないよぉ~…)

憂「何も言わないならいいもん。履歴見れば分かるし…とにかく私の携帯を返して!」

唯「だ…ダメ…今はダメだよ~…」

憂「私の携帯でしょっ!!もう、次からアイス買ってあげないんだからっ!!」

唯「何でこうなるのおおおお!!!!」



♪~

律「………」

澪「おい、律!」

律「あ…ごめんごめん…」

澪「今のはヴァンハルのコントラバス協奏曲ニ長調だ。ウィーン古典派の一人で…私の好きなディッタースドルフを師事して…」ペラペラ

律「………」

律(やべぇ…全然分からん…とにかくわかるのはコントラバスがめっちゃ弾いている楽しそうな曲ぐらいしか…)

澪「というわけなんだ…律、分かったかぁ?」

律「知識については分からん」

澪「ハァ…だから、イリオモテヤマネコとニホンオオカミに負けるんだよ…」

律「そこは関係ねぇっー!!」


翌日・音楽室

澪「ほ…本当か?」

唯「うん!本当だよ~!」

紬「梓ちゃん、本当に私達の部に入ってくれるのね!」

唯「本当の本当だよ~!」

律「いやぁ~良かったぁ…新歓前に一人確保出来るなんて…」

唯(私…後輩の代わりに何かを失ったような…)

澪「しかし、何で唯が梓の入部のきっかけになったんだ?」

唯「あはは~憂の電話にね~…」

唯(ぐはっ…言えない…梓ちゃんの告白のこと…)

澪「憂ちゃんの電話に唯が…どういうことなんだ…?」

唯「あ…えっと…梓ちゃんが私にも話したいということになってね~…」

紬「それでそれで?」

唯「うぐっ…私達の部の楽しさを伝えたら入りたいって…」

律「でかしたぞっ!!唯っ!!」バンッ

唯「あたっ…あはは~痛いよぉ~律っちゃ~ん…」

律「んで…他になんか話したのか?」

唯「」

律「だが…な…」

唯「へ…?」

澪「昨日から全く連絡が取れないんだ…せめて私達がどんな風に部活をやっているかを見せたかったんだが…」

唯「………」

唯(やっぱり、あの時の梓ちゃんの告白のせい…かな…?)




唯(やっちゃった…)


紬「梓ちゃん…せっかく入部したいって言ったのに…」

律「風邪で連絡取れないとか…」

澪「まぁ…いいや…今日ダメでも明日があるからまた聞いてみるよ…」

唯「………」

唯(どうしよ~…)


……

憂「もう~お姉ちゃんったら…着信履歴を全部消して返すなんて…私宛ての電話なんだし重要な連絡だったら困るじゃない…」

憂「あっ…梓ちゃんからの電話完全に忘れてた!今かけても大丈夫かな?」

憂「かけちゃお~と!」ピッピッピッ

prrrrrrr…

prrrrrrr…

prrrrrrr…

憂「う~ん…今忙しいのかな~?」

プツッ

『この電話は電波が届かないところにあるか電源が入っておりません…』

憂「仕方ないまたかけ直そう…」

ピンポーン

憂「宅配便かな?は~い!」



ちょっとその数時間前

梓「………」

梓「やっぱり電話で告白したのがダメだったのかな?でもよく考えたらフラレたのが確定じゃないような…」

梓「………」

梓「直接言いに行こう!!」

梓「直接会って言わなきゃ真意なんて分かんないもんねっ!!やってやるです!!」


玄関

ベーシスト「梓~出かけるのか~?」

梓「うん!」

ベーシスト(目の色が違う…ははっ…変わったな…梓も)

ベーシスト「頑張れよ!若者!」ニッ

梓「ありがとう」ニッ



で、今

梓「………」

梓(直接聞かないと…)

ピンポーン

憂「は~い!」

ガチャッ

憂「あっ…梓ちゃん!」

梓「う…うん…///」

憂「来てくれるなら連絡してくれても良いのに…あっ、もしかして昨日の電話ってそのことだったの?」

梓「ち…違うけど…ただ…会いたくて…///」

憂「ごめんね~昨日お姉ちゃんが私の携帯に勝手に出ちゃったから話しの続き、できなかったね。さあ、上がって!」

梓「へ…?」


憂「え?どうしたの?」

梓「昨日かけなおした時に出たんじゃないの…?」

憂「その時、私お風呂に入っていたから全然出れなかったの。こっちからかけ直したかったけどお姉ちゃん、私の携帯の着信履歴全部消しちゃって…」

梓「………」

梓(え?どゆこと?この子じゃなくて唯先輩が出たってどういうこと?)

憂「梓ちゃんごめんね…でも、こうしてまた会えたから良かったね!」ニコッ


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最終更新:2010年01月12日 06:45