私と純ちゃんが出会ったのは小学生の頃
3年生の時のクラス分けで同じクラスになって、しかも席も隣同士だったんだ
教室で初めて会った時、純ちゃんは私に「よろしくね」って声を掛けてくれたんだけど
その頃の私は恥ずかしがり屋で、うまく返事ができなかったんだっけ
純ちゃんは小学生の時から元気いっぱいで、とっても明るくて、いつもまわりにはいっぱい友達がいて
だけど隣の席の私の事もいつも気にかけてくれて……
だから明るくて優しい純ちゃんは私の憧れだったんだ
そんな時にクラスの友達が「明日は純ちゃんの誕生日らしいよ」って教えてくれたの
私も純ちゃんのお誕生日をお祝いをしたくって、家に帰って早速ケーキを作ったんだ
私は料理が得意だから、やっぱりお菓子とかをあげるのが一番かな、って思って
純ちゃんに優しくしてもらったお礼がしたくて、純ちゃんともっと仲良くなりたくて
喜んでくれるかどうかちょっとだけ心配しながら、一生懸命作ったチョコレートケーキ
味見してくれたお姉ちゃんも褒めてくれたし、結構上手に出来たんじゃないかな?
でもいざ渡すとなるとなんだか恥ずかしくって、いつまでたっても渡せなくって……
そしたら純ちゃんの方から「どうしたの?」って声をかけてくれたの
小学校で一番緊張したのってたぶんこの時なんじゃないかな?たった一言「お誕生日おめでとう」って言うだけなのにね
でもね、大事に大事に持ってきたはずなのに、箱の中のケーキはいつの間にかぼろぼろになってたんだ
きっと学校に持っていくときにもう倒れてたんだと思う
箱の中がチョコクリームだらけになってったしね
でもそれを見た時はちょっとだけ泣いちゃった
せっかく純ちゃんの為に作ったのに、せっかく純ちゃんと友達になれると思ったのに
そんな気持ちを込めて作った大切なケーキなのに、って
そんな私を純ちゃんが慰めてくれて、その後で一緒に私の作ったケーキを食べたんだ
純ちゃんは「おいしい!このケーキ今まで食べた中で一番おいしいよ!」って褒めてくれて、嬉しかったけどちょっと悪い気もしちゃった
だって本当はもっときれいな、上手にできたケーキを食べてもらうはずだったから
そのことを謝ったら純ちゃんは「謝らなくていいってば。崩れててもケーキは食べれるし、それに私達友達でしょ?」って言ってくれたの
純ちゃんは私のことを最初から友達だと思ってくれてて……そのことがうれしくってまた泣いちゃった。きっと純ちゃんも困っただろうね
それから2人でいっぱいいっぱいお話をして、最後に純ちゃんが「ねえ、来年は一緒にお誕生会をしない?」って誘ってくれたんだ
「もちろんだよ!私も何か手伝えることないかな?」
私がそう尋ねたら、純ちゃんはこう答えてくれたんだ
「じゃあ来年もこのケーキ作ってくれないかな?ううん、来年だけじゃなくって再来年も、そのまた来年もずーっとずっと!」
……
憂「多分それからかな、純ちゃんと仲良くなったのは」
梓「へえー、昔は純もいい子だったんだね」
純「むっ、誰かが私の話をしている気がする!」ガチャ
梓「もう、明日は新歓ライブの日なのに遅刻なんてしないでよ」
純「掃除当番なんだからしょうがないじゃん」
憂「まあまあ…」
梓「さて、と……それじゃあ純も来たことだし」
純「早速練……」
憂「お茶にしよっか」
純「…習はしなくていいの?私が言うのもなんだけど」
梓「まあ、今日は特別な日だからね」
憂「うんうん、せっかくお菓子も持ってきたんだしね」
純「特別な日……今日って何かあったっけ……?まあいいや。憂、今日のお菓子ってなあに?」
憂「今日はね……」
憂「チョコレートケーキを持ってきたんだよ」
おしまい
最終更新:2011年04月24日 02:10