梓「最近唯先輩はどう?」

憂「どうって?」

梓「律先輩がどうとか言ってない?」

憂「軽音部の皆さんの話はよく聞くよ。でもたしかに律先輩の話が多いような」

梓「やっぱりか」

憂「なにか問題でもあるの?」

梓「お願い憂。憂から唯先輩に律先輩は諦めるように言って?」

憂「え?それどういう意味?」

梓「余計なことは気にしなくていいの」

憂「わかったよ~」

純「うん」

梓(このままじゃ全然演奏できないからね…唯先輩だけでもあのおかしな輪から抜け出させないと…)


その後の帰り道

唯「ふんふーん。今日は私の大勝利だったなー」

唯「もうすぐりっちゃんも私にメロメロになるはずだね~」

唯「ただいまー」ガチャ

憂「お姉ちゃん!律さんのことは諦めて!」

唯「な!?」

唯(何故憂がその事を…!私は憂にりっちゃんが好きなことを言ってない…)

唯(知っていたとしても憂は応援してくれると思ってた…なのにりっちゃんを諦めてだって?)

唯(…この言葉から導き出される答えは1つ…憂もりっちゃんのことを…!!)

唯「悪いけど…私は1歩も譲らない。憂が相手でも絶対負けないよ」

憂「え…」

唯「いい闘いをしようね、憂」

唯(決まった…)

憂(ゲームの話?)



次の日

梓「唯先輩に言ってくれた?」

憂「うん。私に負けないって言ってたよ。」

梓(は?どういうことなの?)

梓(まさか憂も律先輩のことを好いてるというの?)

梓「くっ…まさか憂まで手込めにするとは…おのれ律先輩」

憂「?」

梓「憂の裏切者ー!!」ダッ

純「行っちゃった」

憂(手込め…?またゲームの話かな?)

憂(あぁ…なるほど。きっと律さんが魔王の役なんだね。で、梓ちゃんが勇者、私が仲間だったけど律さんの手下になっちゃったってことだねきっと)

憂「読めたよ梓ちゃん」


――――

梓(唯先輩、澪先輩、ムギ先輩)

梓(そして憂まで律先輩の虜)

梓(これ以上混沌とした状況になる前に早くなんとかしないと)

梓(他に律先輩のことを好きになる恐れがあるのは…)

梓「和先輩!和先輩が危ないです!!」

唯「!?」

律「どういうことだ梓!?」

梓(あ、しまった…ここ部室だった)

澪「な、和が危ないって…」

律「私生徒会室いってくるぜ!」ダッ

唯「私も!」ダッ

梓「あ!待ってくださーい!間違いですー!」ダッ

紬「あっ…りっちゃんのケーキ食べかけ…」


――――

律「和ー!大丈夫かー!」

和「あら、律どうしたの?」

律「和が危ないってきいて…」

和「まぁたしかにちょっと危ないわね。実は今書いてる書類を明日までに提出しないといけないのよ。最近忙しくて全然手をつけてなかったの」

律「…へー」

和「それを知って駆けつけたってことは…手伝ってくれるって解釈してもいいのね?」

律「あは、あははは」


梓(すいません、律先輩)

梓(私は部室に戻らせていただきます。そこに転がってる唯先輩を引きずって)

唯「うぅ…急いで走ったから転んじゃったよー…」

梓(とにかく律先輩がいない今がチャンス!四人だけででも練習するんだ!)

梓「さぁ!練習しましょう皆さん!」

紬「りっちゃんがさっきまで口を付けていたフォーク…」

澪「駄目だぞムギ。私だって我慢してるんだ」

梓「何をやってるんですかあんたら」

澪「え?」

梓「失礼。何をやってるんですか先輩方」

紬「違うのよ!まだ未遂だから!」

梓「まだって」

梓「そんなことより練習しましょうよ」

澪「え?律は…?」

梓「大事な用があるって…当分帰ってこないと思います」

紬「りっちゃんいないの…?」シュン

梓「律先輩抜きでもできますよ。ほら唯先輩も起きて」

唯「りっちゃんがいないと元気出ない」

梓「演奏してるうちに元気になりますって」

澪「りっちゃん…」

梓「呼び方変わってますって」

ジャーーン

唯「……ふぅ」
澪「ん」
紬「……」

梓(テンションが……)

梓(うわぁぁ!律先輩がいてもいなくてもまともな練習ができないよー!)

梓「わかりましたから!律先輩連れてきますから元気出してくださいよ!」ダッ

梓(あのテンションに対応できる気がしない)


生徒会室

律「ふぅ…これで終わりか?」

和「大体はそうね。細かいところは私がやっておくわ。お疲れ様」

律「あぁ…私にはめちゃくちゃ疲れたぞ…」

和「ごめんなさいね。手伝ってとは言ったけど、まさか本当に律が手伝ってくれるとは思わなかったから」

律「友達が困ってるのを見捨てられるわけないだろ」

和「律…」

梓(どうしてこうなったの)

律「それに、こんな大変なことをいつもやってるんだよな。和って」

和「そう、ね」

律「いつも私達を支えてくれてありがとうな、和!」

和「……」ポッ

梓「すすすいませーん!律先輩を借りていきまーす!」ガッシ

律「え?なんだなんだあぁー……」

ダダダダ…

和「な、なんだったの?」

和「……」

和「律…」ポッ


――――

梓「連れてきましたよー!」

律「はぁっはぁっ…今日は走ってばっかりだ」

唯澪紬「りっちゃーん!!」ハハハグッ

律「おおおう。なんだよみんなして」

唯「し、心配したんだよー?」

澪「よく無事に帰ってきてくれたな…!」

紬「さぁ、ケーキを食べましょう!」

梓「あのー。私にはなにもなしですか?」

律「おかしいだろ」

梓「なにがですか?」

律「ムギがケーキをあーんしてくれて」

紬「りっちゃんあーん」

律「唯が肩を揉んでくれて」

唯「痒いとこございませんかー?」

律「澪が私の髪を解かしてくれてる」

澪「ふふふふ…律の髪きれいだなー…」

律「この三人、私のこと好きなんじゃないの?」

梓「気付くまで長かったですねー」

律「私どうすればいいの?」

梓「誰か一人選んだらいいんじゃないですか?てか選んでくださいよ。このままじゃ練習できません」

律「澪か唯かムギか?」

梓「えぇ」


終わり



3  ※おまけ2
最終更新:2011年04月24日 21:18