その日の帰り道
梓「律先輩」
律「ん?」
律「あずさ・・・・」
梓「なんですか?」
律「もうここら辺までくればだいじょぶじゃね?」
梓「・・・・かな?」
律「うん・・・・」
梓「ねぇ、りつ」
律「なんだよ」
梓「手袋とって・・・・」
律「手袋?なんで?」
梓「別にいいじゃん。ねぇ、とってよ」
律「・・・・・」
ぬぎっ・・・・
梓「そっちじゃなくて、右手」
律「・・・・わかった」
ぬぎぬぎ
律「とったよ」
梓「・・・・ん」
律「・・・・」
梓「・・・・」
ぎゅっ
梓「・・・・」
律「・・・・」
梓「このつなぎかたじゃなくて、あっちがいい」
律「あっちってどっち?」
梓「あっちはあっち」
律「・・・・」モゾモゾ
律「・・・・これ?」
梓「・・・・これ」
梓「てのひらがぶつかってる方がすき」
律「そっか」
律「おぼえとくよ」
梓「うん。おぼえといて」
律「あずさ」
梓「なに?」
律「おまえ、手、あったかいな」
梓「そう?」
律「うん。あったかい」
梓「なら、よかった」
律「・・・・ん」
梓「手、つなぐの、なれてきた?」
律「なんで?」
梓「いや、・・・・最近顔赤くならないなぁ~~~って思って」
律「・・・・そのネタまだひっぱりますか」
梓「しおらしいりっちゃんも好きだよ」ニヤニヤ
律「おまえが言うと悪意しか感じない不思議」
梓「最初のときとか、ずっとなんか手もじもじさせててさぁ~~」
律「そうだっけ・・・・」
梓「『あ、これ絶対手つなぐタイミング計ってるんだなぁ』とか思ってた」
律「・・・・ちょっと、まて、・・・・それ初耳」
梓「だって初めて言うし」
律「・・・・まじか・・・・てことはなに?」
律「私が一生懸命手をつなごうとしてたときにお前は横でニヤニヤしてたわけ?」
梓「そゆこと」
梓「いや、ニヤニヤはしてないけど」
律「ほんとはしてたんだろ?」
梓「してない」
律「してた」
梓「してないってば!!」ギュ
律「いたいいいたい!!めりこんでる!!指先がめりこんでる!!」
梓「ったく・・・・っでも、まぁ・・・・」
律「なんだよ・・・・」
梓「たまににやけては・・・いたかも・・・・」
律「っっく!!///」
梓「へへ~~、赤くなったぁ」クスクス
律「・・・・うっせーし・・・・///」
梓「ふふっ・・・・でも、ただ手つなぐの待ってたわけじゃないからね?」
梓「こうしたら手つなぎやすいかな・・・・とか・・・・そういうこと考えて歩いたり・・・・とか」
律「まじか・・・・」
梓「さっきだって、手袋とってって言ったからわかりやすかったでしょ?」
律「・・・・あ」
梓「私は私なりに律のことみてるんだよ?」
律「・・・・そっすか」
梓「そっす」エヘヘ
律「・・・・なぁ」
梓「なに?」
律「来年・・・・だいじょうぶ?」
梓「なにが・・・・?」
律「いや、・・・・その・・・・部活とか・・・・」
梓「律には私が1人じゃだいじょぶそうに見えない?」
律「いや・・・・べつにそういうんじゃないけど」
梓「・・・・けど?」
律「ちょっと・・・・心配」
梓「心配か・・・・」
律「うん・・・・お前、1人でかかえこみすぎるとこあるから・・・・」
梓「・・・・」
律「なにかあったらちゃんと言えよ?・・・・そのっ」
律「私じゃなくても・・さ・・憂ちゃんとか純ちゃんとかでもいいからさ・・・・」
梓「・・・・」
梓「大丈夫だよ」
律「ほんと?」
梓「うん。なにかあったらちゃんとみんなで悩むようにする。1人で抱え込まない」
律「ほんとに?」
梓「ほんとに」
梓「それに、ちゃんと律に1番に相談するから・・・・内容によるけど」
律「そ、そっか・・・・」
梓「頼りにしてるからね?」
律「・・・・」
律「・・・・・ん///」
梓「また赤くなった」
律「・・・・しかたないだろ///」
梓「りつ」
律「・・・・ん?」
梓「好きだよ」
律「・・・・」
ぎゅ
おわり
最終更新:2011年04月24日 22:47