紬「…唯ちゃんは?」

唯「…1番困るのは、三人が協力して妨害されることかな」

澪梓「あ…」

紬「正解よ」ニコッ

紬「私がみんなに黙ってりっちゃんに告白たとしたら、そりゃみんなは面白くないわよね」

紬「そこで唯ちゃんが、三人で手を組もうって言い出すの」

紬「残りの二人もりっちゃんを取られまいと必死になってその提案に同意する」

紬「それで三人であることないことりっちゃんに吹き込んで潰される」

紬「私は怖かったのはそれよ」

梓「なるほど…」

唯「……ところでどうして私が主犯格になるのかな?」にこー

紬「例えば、よ?」ニコー

唯紬「………」バチバチッ

梓「…分かりました、私も乗ります」

唯「私も乗るよ」

紬「決まり、ね」

澪「あぁ」

紬「みんなで約束をしましょう」

澪「誰かが告白に成功しても恨まない」

唯「邪魔しない」

紬「そしてもちろんこの醜い争いがあったことをバラさない」

梓「……決まり、ですね」

紬「…えぇ」ニコッ

澪「お前ら絶対恨むなよ」

唯「こっちのセリフだよ~」あはは

紬「抜け駆けを防ぐために実行は今日、りっちゃんが戻ってきたら…でいいかしら?」

澪「は、早くないか?」

唯「確かに早いけど澪ちゃんみたいに家が近い人がいると安心できないからな~」

梓「天然ぶるような計算高い人もいますしね」

唯「…そうだね、ぶりっ子しちゃうイタイ子もいるしね」

唯梓「………」バチバチッ

紬「二人ともそんな下らない言い争いしてる暇あったら告白のセリフでも考えといた方がいいんじゃない?最後の思い出作りのために」

澪「ははっお前もだろ?」

紬「あらあら。今の今までびびってた人のセリフに聞こえないわね」

澪紬「………」バチバチッ

ガチャ

律「ごめんごめん、遅くなっちゃった」

澪梓唯紬「【律!・律先輩!・りっちゃん!】」

律「おっおぉ?なんだよ?」

澪(律…私は幼馴染として誰よりも長くお前の傍に居た…それはこれからも変わらない。しかし今日からは恋人として、だ…!)

梓(律先輩…この中じゃ一番付き合いも短いですしいつも素直になれなくて可愛くない後輩かもしれないけど…あなたを想う気持ちだけは誰にも負けません…!)

唯(りっちゃん…りっちゃんが軽音部に引き止めてくれたおかげで私は毎日楽しいよ。りっちゃんに出会えてよかった…これからもりっちゃんと楽しい毎日を過ごしたい…!)

紬(りっちゃん…りっちゃんに出会えてから私楽しいことがいっぱいだよ。あなたは私が見たこともないような世界を見せてくれる…これからもりっちゃんの傍で新しい世界を二人で見つめたい…!)


澪梓唯紬「好きです!付き合ってください!!!!!」


律「………え?」

澪「好きだっ!律!」

律「お?お、おぉ…?」

梓「好きです!律先輩!」

律「え、ちょ…?」

唯「りっちゃん!大好きだよ!」

律「お、おう?」

紬「田井中律さん!大好きですっ!」

律「へぇあ?」

律「……ちょ、ちょっと待てお前らそれは…その…こ…」

澪「告白だ」

律「えっと…」チラッ

梓「告白です」

律「…」チラッ

唯「告白だよ!」

律「…」ソーッ

紬「告白よ」

律「えーっと…全員?」

澪梓唯紬「…」コクッ

律「………えーっと」

澪「律、選んでほしいんだ」

梓「私達の中の誰か一人を」

唯「誰を選んでも誰も恨んだりしないから」

紬「だから…選んで、ほしいの」

律「…………………」

澪(律…頼む…どうか私を…)

梓(律先輩…お願いします…)

唯(りっちゃん…私を…)

紬(りっちゃん…!)

律「えーっと…じゃあ…」

澪梓唯紬「…」ゴクッ…!


律「みんな付き合おうか」


澪梓唯紬「………は?」

梓「い、今なんて…?」

澪「み、みお付き合おうかって言ったんだよな?な?」

律「いや、だから…みんな付き合おうかって…」

唯「」


紬「りっちゃん…それって…」

律「あ、もちろんみんなが嫌じゃなければだけど」

澪「律!いいんだそんな優しさは!律が私以外も傷つけまいと思う気持ちも分からないでもないが…」

梓「ちょっと!私以外って勝手に決め付けないでくださいよ!」

澪「うるさい黙ってろ!」

紬「ぎゃーぎゃー喚かないでちょうだい!なにがなんだかもう…」

唯「ムギちゃんも十分うるさいよ。自分だけ可哀想な面しないで」

律(あれ?みんないつもとなんか違う…)

和「律」ガチャ

律「あれ?どした?」

和「ごめんなさい。名前書いてもらうの忘れて…ってなにこれ?」

澪梓唯紬 ギャーギャー!ワーワー!

律「告白されたからじゃあみんな付き合おうか、って言ったらこうなった」

和「告白って…みんな一緒に?」

律「うん」

和「そう…ちょっと!あんた達!」

澪梓唯紬「…?」ピタッ

和「律と付き合うなら律ファンクラブに入ってちょうだい」

澪梓唯紬「……はい?」

澪「和…?なに言って…?」

和「だから律と付き合うなら律ファンクラブに入って。これ入会申し込み用紙」ピラッ

唯「待ってよ和ちゃん!ファンクラブってどういう…」

和「…」サッ

澪梓唯紬「!!!!?」

澪「た…田井中律…」

梓「ファンクラブ…」

紬「会…長…」

唯「真鍋和ぁ!!!!!?」

唯「どういうこと和ちゃん!ちゃんと説明してよ!」

澪「そうだ!大体幼馴染の私になんの許可もなく律のファンクラブを設けているなんて…!」ギリッ

梓「こんなのあるなんて初耳ですよ!」

和「そりゃそうよ。このファンクラブは非公開のだもの」

紬「非公開のファンクラブ…?」

和「田井中律ファンクラブ。それは律に告白してOKが出た者にのみ存在が知らされるファンクラブ」

和「入会資格も律に告白してOKが出た者のみ」

和「ファンクラブ会員=律の彼女、よ」

梓「は、話が突拍子過ぎて付いていけません…」

紬「私も…」

唯「澪ちゃんなんか気絶寸前だよ…」

澪「」

和「だから律と付き合いたいならファンクラブに入りなさいってことよ」

紬「あの…」

和「なに?」

紬「ファンクラブ会長ってことは和ちゃんも…」

和「律が好きよ」

唯「えぇー!!!!!?」

唯「は、初耳だよ和ちゃん!?」

和「言ってないもの」

唯「そんなぁ…」

和「ちなみに憂も会員よ」

唯「」

和「もう一つちなみに鈴木純さんも会員よ」

梓「」

和「さらに言うと曽我部恵さんも会員よ」

澪「」

和「そして斎藤さんも…」

紬「!!!!!!!?」

和「斎藤さんは冗談だけど」

紬「」

唯梓澪紬「」

律「おいおいみんな死んじゃいそうだぞ」

和「私としてはライバルが減るからいいんだけどね」

律「ははっ」ナデナデ

和「もう…」カァッ

澪「待て!ケツを撫でさすな!!」

唯「ずるいよ和ちゃん!生徒会長のくせしてスカート短くしておしりでりっちゃんを誘惑するなんて!」

紬「りっちゃん!おしりなら私も負けないわ!」

梓(くっ…胸もしりもない…)ぐぬぬ…

和「じゃあみんな入会でいいのね?」

梓「はい…(とりあえずは…)」

唯「うん…(不本意だけど…)」

紬「うん…(仕方ない…のかしら…)」

澪「……………」

和「澪は?どうするの?」

澪「………私…は…」

律「澪…」

澪「!律…」

和「ちなみに、ファンクラブ会長が本妻よ」

澪唯梓紬「え?」

和「ファンクラブ会員は彼女で、会長が本妻って感じね」

澪「み、みんなで仲良く分け合おうってことじゃないのか?」

和「違うわ。その時の律の一番が会長をやるのよ」

澪唯梓紬「!!!!?」

澪唯梓紬(ってことは…会長になれば独占するのも夢じゃない…!?)

澪「入る!!!」

和「そう?じゃあこれに必要事項を記入してね」ピラッ

澪「あぁ!」

唯「和ちゃん私も!私もぉ!」

和「はいはい」ピラッ

唯「ありがとー!」

梓「私もお願いします!」

和「どうぞ」ピラッ

梓「ありがとうございます」

紬「はい!はい!」

和「はい、ムギ」

紬「ありがとう!」

澪(会長になって律を説得してこんなファンクラブぶっ潰してやる…!)

唯(会長になってみんなに見せ付けてあげるよ…!)

梓(純…憂…誰が相手でも負けない…!)

紬(とにかくまずは会長に…!)


四人はそれぞれの野望を胸に必要事項を埋めていく。

これからも田井中律を巡る醜い争いは続いていくだろう。


お わ り



最終更新:2011年04月25日 20:37