澪アリ「そうだな。冬の支度でもするか。

紬アリ「そうね。」

唯アリ「あっ、律ギリスがいる」

律ギリス「あはー!今日もたくさん遊ぶぞー!」

梓アリ「ほっときましょう」


唯アリ「いいなー私も遊びたいよお」

澪アリ「やめとけ。冬は長いぞ。」

紬アリ「そうよ唯ちゃん。私たちは真面目に頑張りましょう。」

律ギリス「~♪」


梓アリ「それにしても今年の夏は暑かったですよね」

唯アリ「死ぬかと思ったよ…。」

澪アリ「そのかわりたくさん芋虫団子作れたよな」

唯アリ「うん!私芋虫団子大好きっ!」


紬アリ「あっ、ワラジ虫っ。みんな手伝ってー」

みんな「おっけー」

みんな「わっせ、わっせ、わっせ」

ワラジ虫「たーすーけーてー」


律ギリス「おらっ!なにやってんだアリども!」

唯アリ澪アリ梓アリ紬アリ「ひぃっ!」

ワラジ虫「ささささっ」ニゲニゲ

律ギリス「お前らそうやってセコい生き方してんのか?そういうの俺様が許さないぞ」


澪アリ「ひぃーごめんなさいっ」

律ギリス「けっ、弱虫め」


澪アリ「怖くない怖くない怖くない…」

紬アリ「澪ちゃん大丈夫よ。巣に戻って休みましょう。」

梓アリ「そうですね。あんなやつほっとけです」

唯アリ「あっ、飴ちゃん~♪」

梓アリ「いいから行きますよ」


和ナレーション「何だかんだでアリ達は冬の身支度をし、安心していました。
しかし、律ギリスはずっと遊んでばっかで先のことを考えていませんでした。そして、初雪の季節がやって来ました。」


梓アリ「寒くなってきましたね。」

唯アリ「寒いよあずにゃんー」ブルブル

紬アリ「そろそろ外に出るのはやめましょう。外出は来年また。」

澪「そうだな。来年まで外とはお別れだな。」

唯アリ「あっ、あそこに律ギリスがいるよ」

律ギリス「」


唯アリ「ちょっと行ってみよう!」アワアワ

梓アリ「いいですよ唯先輩!あいつは私たちの邪魔ばっかしてたんですよ!」

唯アリ「でも…!」

澪アリ「梓の言う通りだぞ唯。あいつは敵だ。ほっとこう。」

紬アリ「澪ちゃん…。」

唯アリ「ちょっとだけ見てくるよ!」


唯アリ「律ギリス!」

律ギリス「さみいよ…。助けてくれ…」

唯アリ「虫の息だよっ…」

唯アリ「ちょっと待ってて!みんなを呼んでくるよ!」

律ギリス「…」


唯アリ「みんなこっち来て!大変だよー!」

チョコチョコチョコチョコカサカサ

紬アリ「大変!律ギリス」

唯アリ「どうしよムギちゃん!」

紬アリ「とりあえず芋虫団子を!」


澪アリ「むぎ!!」


澪アリ「むぎ、唯、忘れたのか?さっきもいったけどこいつは私たちの敵なんだぞ!!」

澪アリ「夏の日、私たちが冬のために一生懸命働いてきたとき、こいつは何してた?」

唯アリ「演奏してたよ…。綺麗な音で。」

紬アリ「抜群のリズムで。」

澪アリ「そんな遊んでたやつ、こうなって当たり前だろ?」

唯アリ「違うよ澪ちゃん。私たち気づいてたよ。」


澪アリ「…」

紬アリ「私たちが働いてる間、律ギリスはずっと演奏してた。律ギリスの演奏はとても元気があったわ。」

紬アリ「澪ちゃんあの日のこと覚えてる?律ギリスが一日中姿を見せなかったこと。」

澪アリ「ああ…あの日は全然お仕事はかどらなかったよな。」

唯アリ「そうなんだよ澪ちゃん。あの日、律ギリスの演奏がなかったんだよ。そしたら不思議とお仕事やる気おきなかったんだよ。
その時は認めたくなかったけど、次の日律ギリスがいつものように演奏を始めたら…」

澪アリ「みんな元気に働いていたな…」

紬アリ「そう。私たちは知らないうちに律ギリスに支えられてたのよ。」

紬アリ「認めたくない気持ちもわかるわ。でも、律ギリスがいないと私たち…」

律ギリス「…」


梓アリ「見てください…律ギリスの羽…」

唯アリ「ぼろぼろだね…」

紬アリ「…澪ちゃん」チラッ

澪アリ「よしっ、運ぶぞ。律ギリスを。私たちの巣に。」


唯アリ「澪ちゃん!!」

澪アリ「みんな手伝ってくれ!」

みんな「おー!」

みんな「わっせ、わっせ、わっせ」


律ギリス「みんな…ありがとう」グスン


和ナレーション「こうして、律ギリスとアリたちは、冬の間仲良くアリたちの巣で暮らしました。
律ギリスはお礼としてみんなに音楽の楽しさと演奏のやり方を教えました。
そして次の年の夏、アリと律ギリスの愉快な演奏が真夏に響き渡りました。
めでたしめでたし。 これで、3年2組の発表を終わります。」


和「次のプログラムは桜高学祭名物、けいおん学部、演奏です!」

学生たち「キャーキャー、ワーワー!!かっこいー!」




おしまい



最終更新:2011年10月21日 01:43