80. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 02:54:23.55 ID:rnPM1hhc0
憂『ここは?』

真っ白な世界。ここはどこだろう…。

憂『なんで私…こんなところに…』

唯『ういー』

憂『!?お、お姉ちゃん!!?』

憂『そうだよー♪えへへ。久しぶりだねうい』ニコ

あ…あぁ。お姉ちゃんだ…。お姉ちゃんだ!
私の大好きな…世界で一番愛しているお姉ちゃんが今目の前にいる!
お姉ちゃんは死んでなかったんだ!お姉ちゃんはちゃんと生きていたんだ!
そうだ!あれは夢だったんだ!悪い夢…。私は悪夢を見ていただけだったんだ!

憂『お姉ちゃん!』ギュー

唯『えへへ。ういに抱きつかれちゃった』

憂『お姉ちゃん!お姉ちゃん!』ギュー

唯『憂は甘えん坊さんだねぇ』ヨシヨシ
82. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 02:56:14.06 ID:rnPM1hhc0
憂『お姉ちゃん!私…怖い夢を見てて…。お姉ちゃんが死んじゃう夢で…。私怖くて…辛くて…悲しくて…』ボロボロ

唯『…そっか…。ごめんね、憂…。悲しい思いさせちゃって…』

憂『お姉ちゃんのせいじゃないよ!あれは私の見た悪夢だもん!でも大丈夫…。あれは夢だったんだから…
    だってお姉ちゃんは私の目の前にいるんだから!』エヘヘ

唯『…ごめんね、憂』

なぜお姉ちゃんは謝るんだろう…?なにも謝ることなんかないのに…

唯『憂…よく聞いてね?』

お姉ちゃんは小さな子供を諭すように、優しく、落ち着いた声でゆっくりと話し始めた。

唯『憂…。憂が見た私が死んじゃったっていうのはね夢じゃないの』

お姉ちゃんが意味のわからないことを言う。
お姉ちゃんが死んだのは夢じゃないって…。じゃあここにいるお姉ちゃんは誰?
この人はお姉ちゃんじゃないとでも?
そんなはずはない…。この人はお姉ちゃんだ…。私が大好きなお姉ちゃんだ…。
この愛らしい姿、この優しい匂い、この安心する温もり…。
どう考えてもお姉ちゃんだ…。
83. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 02:58:19.40 ID:rnPM1hhc0
憂『お姉ちゃん…。悪い冗談はやめてよ』

なぜ?声が震える…。

憂『お姉ちゃんは今私の目の前にいるじゃない…』

唯『憂…。よく聞いて…。この私は憂の夢が作り出した私なの。つまり、今憂は夢の中で私と話しているの…。』

これが…。夢?こんなにリアルなのに…?だってお姉ちゃんの温かさも匂いも感じるよ?

憂『…』

唯『憂…。私が死んじゃったほうが現実なの。』

やめて

唯『ごめんね…。私…憂と約束したのに…。』

やめてやめて

唯『憂を一人残して先に死んじゃうなんて…。私…お嫁さん失格だね』

やめてやめてやめて

唯『でもね、憂。私、憂にどうしてもいいたいことがあって…。それで夢を利用して憂に会いにきたんだ』

憂『やめて!!!』ギュッ!

唯『!…』
84. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 02:59:54.41 ID:rnPM1hhc0
憂『お姉ちゃんなにを言ってるの!?これが夢のはずないじゃない!!
    だってこんなにお姉ちゃんを感じるのに!お姉ちゃんが私に笑いかけてくれるのに!』

そうだ…。これは夢じゃない。あっちの悲しくて辛いほうが夢なんだ。でも、もし向こうが現実だとしても私にはこっちが現実だ…。お姉ちゃんがいるこっちが現実なんだ。

憂『お姉ちゃん…。私はお姉ちゃんが大好き。お姉ちゃんがいない世界なんか興味ない』

そう。私にはお姉ちゃんが全て。そのお姉ちゃんがいない世界なんていらない。

だから。

憂『だから…。私はこっちにいる。夢なら夢でいい。お姉ちゃんがいるこっちの世界で永遠にお姉ちゃんと暮らすんだ…』

唯『…憂…』

憂『そうだよ。それがいい。そう考えたら夢のほうが都合がいいね
    だって現実ならいつかは離ればなれになるけど、夢なら永遠。私、お姉ちゃんとずーっと一緒にいられるんだもん』エヘヘ

唯『憂…。ダメだよ』

ダメ?なんで?

憂『どうして?どうしてダメなのお姉ちゃん?
    あっ、そっか現実世界の私はまだ生きてるもんね
    生きてたらいつかは夢から覚める。そうだお姉ちゃん、少し待ってて!今からちょっと起きて、死んでくるから』えへへ
85. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 03:01:35.16 ID:rnPM1hhc0
バシッ!

え?叩かれた??
誰に?
お姉ちゃんに?
どうして?

憂『…』

右頬に手を当てて考える。なんで私はお姉ちゃんに叩かれたんだろう。
っていうか痛くない。夢では痛みを感じないって本当だったんだ…。
なんて、それはどうでもいいか。
今はなんで叩かれたたかのほうが問題だ…。

憂『…』

お姉ちゃんは泣きそうな顔で、でも凄く怖い顔で怒ってる。
こんな顔いままで見たことない…。
なんで怒ってるんだろう…?
私に対して怒ってるんだよね。
嫌だな…。お姉ちゃんに怒られるのは凄く嫌。
86. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 03:03:40.91 ID:rnPM1hhc0
憂『…お姉ちゃん。なんで怒ってるの?』

とりあえずお姉ちゃんが怒ってる理由が知りたい。

唯『憂』

憂『なに?』

唯『憂は私が死んじゃったのが悲しいんだよね?』

憂『うん。当たり前だよ。お姉ちゃんが死んじゃうなんて絶対に嫌』

唯『じゃあ、もし今回死んじゃったのが憂だったらどう?悲しい?』

憂『…悲しいよ。お姉ちゃんに会えなくなるんだもん』

当然だ…。お姉ちゃんに会えなくなる辛さは身をもって知っている。

唯『じゃあ、今のように私の夢に憂が出てきたら憂はどう思う?』

憂『…嬉しいよ!とっても!』

唯『うん。私も嬉しいよ。…じゃあ、私が憂とずーっと一緒にいるために死んじゃうって言ったら?』

憂『!?………。い、いや!絶対にいや!お姉ちゃんには生きていてほしい!あの世界で生きていてほしい!
    こんな、こんななんにもない世界じゃなくてお姉ちゃんにはあの温かい世界で生きていてほしい!』

87. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 03:04:37.67 ID:rnPM1hhc0
唯『…。憂、なんでぶたれたかもうわかるよね?』

憂『うん…』

唯『じゃあ私が今憂に伝えたいこともわかるよね?』

憂『…。うん…』

唯『憂…。ごめんね。』

憂『謝らないで。全部、お姉ちゃんに責任はないんだから』

唯『ううん。それでもごめん』

憂『…』

唯『本当はもっと優しい言い方もあったんだ。でも…優しい言い方じゃ憂が』

憂『うん。たぶん、絶対に引きずることになってた。今はよくても、そのうちお姉ちゃんがいないことに耐えきれなくなってた』

唯『…ごめんね』

憂『もう、謝らないで。今はそれが一番辛い』

唯『うん…』

88. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 03:05:07.42 ID:rnPM1hhc0
憂『お姉ちゃん…。ありがとう。お姉ちゃんにはいつも…いつも支えられてばかり』

唯『そんなことないよ』

憂『ううん。お姉ちゃんがいなかったら私はいままでやってこれなかったよ』

憂『お姉ちゃんの強さがあったから。お姉ちゃんの優しさがあったから。私はお姉ちゃんの妹として生きてこれたの』

唯『…』

憂『でも…。これから先はお姉ちゃんはいない。お姉ちゃんの支えはないんだよね』

憂『でも…私はくじけない。お姉ちゃんに笑われたくないから』

憂『私は…。お姉ちゃんの分まで生き続けるんだもん』

憂『だからお姉ちゃん…。私のことを見守っていて』

憂『お姉ちゃんの妹のことを見守っていて』

唯『…。うん!私はういのお姉ちゃんとしてお嫁さんとして天国から憂のことを見守ってるよ』

唯『だから安心して』ニコッ

憂『…。ありがとう…おねえ…ちゃん』ギュッ

唯『憂』ギュッ
90. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 03:06:19.49 ID:rnPM1hhc0
憂唯『…』

唯『私…もう…いくね』

憂『…うん』

唯『最後に』

憂『最後に』
91. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 03:08:25.30 ID:rnPM1hhc0







チュ





92. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 03:10:05.37 ID:rnPM1hhc0
憂「…」

憂「…」

憂「夢なんだよね」

ううん。夢じゃない。お姉ちゃんの温もりがまだ残ってる。

憂「お姉ちゃん…。私…お姉ちゃんの分まで頑張る…。だから…」

だから…。

憂「今だけは…泣いてもいいよね?」
94. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 03:12:34.09 ID:rnPM1hhc0


う…。うぅ…うわああああああん!!ああああああああああん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!うわああああああん………………




96. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 03:13:45.08 ID:rnPM1hhc0
空に無数に浮かぶ星の一つがキラリと輝く。
一人の女の子を見守るように笑いかけるように。
温かく。優しいその輝きは、泣いている女の子をいつまでも…いつまでも見守っていた。


98. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 03:15:22.54 ID:rnPM1hhc0
憂「とかどうよ?」

和「長い」


103. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 03:17:19.58 ID:rnPM1hhc0
生徒会室!

和「」カキカキ

和「」ペラペラ

和「」コピーコピー

和「」カリカリ

和「」ガチャガチャ

憂「お姉ちゃん、きょ和「ねえよ」

おしまい!



最終更新:2011年05月02日 22:50