当然、どうやってと言う疑問の声は上がったが
りっちゃんの広い額、いや顔によってそれは意外と簡単に事進んだ。
りっちゃんの友達の映画サークルの娘がビデオ作成を快く引き受けてくれたのだ。
ただし、後から知ったのだがこのビデオ作成には条件があった。
「私たちが次の映画に役者として出演すること」
梓ちゃんの加入による再結成だから主演は梓ちゃん。これは多数決で4対1によって決まった。
しかしこれはドッペルゲンガーを題材にした話だから、梓ちゃんがもう1役演じなければならない。
編集すればいいとの意見はもっともであるが、そんな優秀な機材を持ち合わせてはいなかった。
役者が足りずに人のいい警備員さんに頼みに頼み込んで出演してもらっているくらいである。
一度試して録った梓ちゃんの一人二役は、演技力も相まって、それは不自然でひどい出来だった。
そこで白羽の矢がたったのが澪ちゃんである。
髪を下ろすと見た目がそっくりな澪ちゃんがもう一人の梓ちゃんの役を引き受けることになったのだ。
最後まで不満タラタラの澪ちゃんだったが、りっちゃんのこの一言で上機嫌になる
「澪って意外にツインテールでも可愛いじゃん」
それ以来彼女はたまにツインテールをプライベートでするようになったのだった。
一通り説明し終えた後、夕日を背にしながら紬先輩は言いました。
「この映画は来週私たちの大学で上映されるんだけど、、、」
少しの沈黙の後、先輩は続けました。
「それで、ここにそのチケットがあって。これを鈴木さんにあげようと思ってたんだけど」
「ネタバレしちゃったからもういらないかな?」
「それに、鈴木さんはこういうお話苦手そうだしね」
先輩は寂しそうな笑顔でいつも通りニコニコ笑っています。
「いえ、いただきます。」
そんな寂しそうな笑顔に私は反射的に言っていました
「え、本当?」と紬先輩
でも、私は
ホラーが大の苦手なのです
そこで私は聞きました
「でも先輩も一緒に見てくれますか?」
「え、ええ!?」
少しの沈黙の後先輩はとびきりの笑顔で答えました。
「鈴木さんさえよければ、もちろん!」
その夕日を背にした笑顔を目にして私はその場で立ち尽くしました。
困った。
先輩のそのとびきりの笑顔を見た瞬間に、私の心はとらわれたのです。
そう私は紬先輩に一目惚れをしたのでした。
少しの沈黙の後
「ところで、どうやら私の考えは当たっていたようね」
ニコニコしながら紬先輩がいいました。
「え」と顔を赤らめながら私
心を読まれた!?
「ほら」と後ろを指差しながら紬先輩
後ろを振り返ると、ぜいぜい息を切らせた確かにツインテールの澪先輩がいました
涙を瞳にためながら澪先輩は言いました
「鈴木さん、なんで私の顔見て逃げるんだよぉぉ」
紬先輩の家から私の家に向かう途中、澪先輩がいいました。
「ムギと鈴木さん、なんだかさっきから顔赤くないか?風邪でも引いた?」
私は「え」と言って、紬先輩の健康を心配し無意識で紬先輩を見ました
でも顔が真っ赤になるのが自分でもわかったので、すぐに照れて顔をぷいと前に向けてしまいました。
私の顔が真っ赤なのは風邪が原因ではないことが自分でよくわかります!ドキドキしているのです!
紬先輩は何か気になるものがあったのでしょうか
私が紬先輩を見た瞬間に別の方向を向きました。
私が苦し紛れに「夕日のせいじゃないですか」と言おうとしたとき
「そ、それは夕日のせいじゃないかな、澪ちゃん。」
と紬先輩がニコニコしながら言いました。
その笑顔にまた私はドキドキしました!
澪先輩は「そうかなあ?、夕日を背に歩いてるのに、、、」と言いました。
私の家から彼女の家に向かう途中、澪ちゃんが言った。
「ムギと鈴木さん、なんだかさっきから顔赤くないか?風邪でも引いた?」
私はボーっと彼女を見ていたのだが、彼女が突然振り向いた。
私は自分の顔が赤くなっていくのがわかったため、照れてすぐに顔を背けてしまった。
自分の顔が赤いのは風邪が原因でないことは自分でよくわかる
彼女と映画を見る約束をして、彼女をどうしても意識しすぎてしまう以上動揺しているのである。
しかし、振り向いた彼女の顔は確かに少し赤かった。
実はあまり体調がよくないのでは?
彼女が何か言おうとしたので、彼女に負担をかけまいと言った。
「そ、それは夕日のせいじゃないかな、澪ちゃん。」
自分でもぎこちない笑顔で、その上声が少し上ずっていたのがわかる。
澪ちゃんは「そうかなあ?、夕日を背に歩いてるのに、、、」と言った。
さて一度部屋に帰って準備をして唯先輩のアパートに行くと律先輩も来ていました。
そして憂と梓は仲良くテレビゲームをやっていました。
憂が言いました。
「純ちゃん、私たちは一時的に同盟を組んだんだよ」
「そう、憎き曹操を完膚なきまでに叩きのめすために」と梓。
どうやら画面を見ると三国志のゲームの赤壁の戦いをしているようです。
梓は呉、憂は蜀を操作しています。
そのとき突然唯先輩が「ういー」といいながら、憂にダキッと抱きつきました。
テレビを見ると操作を誤ったのか、赤い旗が緑の旗に全軍すごい勢いで攻撃を仕掛けていきました。
結局その日はアコギの練習を出来ずに飲み会になってしまいました。
もうそろそろ放課後ティータイムではなくて「居酒屋放課後」にバンド名が変更になるかもしれない
と真面目な顔して律先輩が言い、澪先輩にゴチンと叩かれました。
それにしても、憂と梓が作ったショートケーキはおいしいです!
そういえば私が唯先輩とその日にしたことと言ったら
アコギの練習ではなく飲み会のノリのポッキーゲームです。
私は律先輩と澪先輩の次に唯先輩とやることになりました。
ペアはランダムでくじで決まるので、どうか次こそは紬先輩と!
「何やってるんだ、破廉恥野郎!」と言う意見は最もだと思いますが
大学生が集まって飲み会でやることなんてこんなものなのです。
唯先輩とのポッキーゲーム中にドンと机を叩くような音が3回ほど聞こえた気がしました。
見ると、梓と珍しく憂と紬先輩が、偶然にも残りのポッキーの上に3人同時にグラスを落としてしまいました。
残ったポッキーは粉々になっています。
第2回をもってしてポッキーゲームはお開きになりました。
こんな感じで楽しかった私の一日は過ぎていきました。
私が唯先輩にギターの才能があるけどギターを教える才能がなかったのを知るのはもっと先のお話です。
そういえば私から紬先輩を紹介するのを忘れていました。
今私の隣で映画を見ている紬先輩は名前を『
琴吹紬』さんと言います。
私の親友
中野梓と一緒に放課後ティータイムというバンドを組んでいて、担当はキーボードで、その実力は聞く人ほぼ全てが素晴らしいと評します。
そして作曲さえ手がける才能の持ち主です。
高校の時からの私の一つ上の先輩です。
誰もが知りうる大企業の社長の娘さんで学業優秀、容姿端麗
芯がしっかりしている反面、普段はぽわぽわしてて可愛い人です。
現在は私が通うKO大学の近くにあるN女子大学の2回生です。
先輩がよくご馳走してくれる紅茶とお菓子は絶品で、本当にいくら食べても飽きません。
後、今日本当はこの映画を関係者の特等席で見られたのですが
あえて私の隣の一般席で見てくれるほど心の優しい人です。
そしてそして、私の憧れの、笑顔がとても、とっても素敵な先輩です。
経験則上、紬先輩は私と性格や考えていることが正反対なこともありますし
私は先輩とこれまで以上にお近づきになるために、私はこれから頑張って努力しなくてはなりません。
そのためには一分一秒たりとも無駄には出来ません。
先輩は私にとっては高嶺の花で、高値の花でもあるからです。
でも私は想像せずにはいられないのです。薔薇色の未来を!
さて私は今彼女と映画を見終わった後、一緒に私のアパートの来客用の105号室でティータイムをしている。
また今日も唯ちゃんの家で映画上映記念パーティがあり
唯ちゃんの家の準備ができるまで時間が少しかかるとのことだったので映画の後に彼女が立ち寄ったのだ。
今日一日ドキドキしっぱなしである。それに今も。
私としては待ちに待った彼女との念願のティータイムである。
しかし、困った。
今気づいたことに、私は彼女を振り向かせるための準備に惜しみない努力と惜しみない時間を費やしたのだが
彼女と仲良くなった後の準備をまるでしてなかったのである。
それに経験則上、彼女と私は性格や考えていることが正反対なのだ。
一体何を何から話したらよいものか
さてこれでこの物語はおしまいだ。彼女を振り向かせるために闇雲に努力した日々はこれで終わりだからである。
これ以上書くと最初の趣旨と違う物語を、それこそあることないこと闇雲に書かなくてはならない。
しかしそれでは記録にはならないし、記録とは呼べない。
最後に一言、現実は無味乾燥なものであるが、味わってみると意外と味わい深いものである。
ただし無論これでやっと努力が報われたなどと浮かれる私でもない
というより彼女の話を聞く限り、私の努力はほぼすべてが水の泡と化していたというのは避けようのない現実である。
これからも努力の日々は続くのである。
そして彼女と今以上にお近づきになるため、これからも一分一秒たりとも無駄には出来ない。
彼女は私にとって未だに高嶺の花なのである。
忠告しておくが、皆さんご存知のように現実は決してカルーアミルクほどは甘くはない。
しかし、こうは言っても想像してしまうからやっぱり私は甘い、薔薇色の未来を
後編
「Image」
おしまい
最終更新:2011年05月05日 03:12