―――

唯「という訳で今日はあずにゃんが泊まりに来ました!」

梓「お、お邪魔します……」

憂「ふぅん……」ジロ

梓「うっ……」

憂「ねぇ、梓ちゃん」

梓「な、何……」

憂「……頑張ってね!」ニコ

梓「え……?」

憂「今丁度お風呂沸いたところだから二人で入ってきて」

唯「はーい!って、そういえばあずにゃん着替え持ってきてなかったね」

梓「あ……」

憂「もー、泊まりに来るなら着替えくらい持ってきなよー。そんなに家も遠くないのに……」

梓「ご、ごめん……」

唯「あずにゃんも着たきり雀は嫌だよね?私の寝巻き貸してあげよう!」

梓「あ、ありがとうございます……」

唯「あ、でも流石に下着はサイズが違いすぎるから我慢してね」

梓「そ、それはそうですよ!っていうか仮にサイズが合ってても下着まで普通貸しませんよ!」

唯「えー、そうかなー」

梓「そうですよ!」

ゴシゴシ

唯「お客様、痒いところは御座いませんか」

梓「また何を言ってるんですか……」

唯「ぶー、あずにゃんはノリ悪いなー」

唯「それにしてもあずにゃんの髪きれいだねー、日本人形みたい」

梓「よく言われます」

唯「はい、じゃあ流すよー」

唯「次は身体だねー」

梓「い、いいですよ身体は……自分で洗いますから」

唯「まぁまぁ、どっちみち常に触れてないといけないんだからそっちの方が効率いいでしょ?」

梓「そういえばそういう設定でしたね……」

唯「ん?何か言った?」

梓「い、いえ、何も……」

唯「ふーおいしかったーご馳走様ー」

梓「ご馳走様」

憂「お粗末さまでした」

梓「手繋ぎながら食事ってかなり食べにくいですね……しかも私は左手使わなきゃいけなかったし……」

唯「だから食べさせあいっこしようって言ったのにー」

梓「恥ずかしいから嫌ですよ……」

唯「ぶー憂やムギちゃんはやってくれたのにー」

梓「それは憂とムギ先輩だからですよ」


in the bed

唯「今日は極上の抱き枕があるから良く眠れそうだよー」ギュウ

梓「そんな事言って昨日だって憂とこうしてたんでしょう……」

唯「んーそうなんだけどー……やっぱりあずにゃんは特別かな」

梓「嘘ですよ、唯先輩は誰でもいいんですよ」

唯「そんなことないよ。あずにゃんどうしてそんな事言うの」

梓「だって唯先輩は誰にでもスキンシップとるじゃないですか」

唯「……確かに私はみんなが大好きだけどあずにゃんはその中でも私にとって特別な存在だよ?」

梓「だったら証明してくださいよ……」

唯「え……」

梓「私が唯先輩にとって特別な存在だって言うのなら証明してみせてくださいよ」

唯「証明って……そんな……」

梓「…………ごめんなさい……なんでもありません……」

唯「あずにゃん……」

梓「…………」


梓「…………嫌なんですよ」

唯「え……?」

梓「今が終わってしまうのが嫌なんです……」

唯「あずにゃん……?」

梓「先輩達だって卒業して大人になって社会に出て恋をして結婚して家庭が出来て……そしたらきっと私の事なんて忘れちゃいます……」

唯「そんな事無いよ!私はあずにゃんの事忘れないしずっと一緒に居たいって思ってるよ!」

梓「そんなの無理ですよ。きっと大人になったら色んなしがらみが出来て唯先輩の中の私なんてどんどんちっぽけな存在になっていきます。」

唯「そんな事……」

梓「ありますよ。それが大人になるって事なんだと思います。今が精一杯になって過去なんてたまに振り返るだけ……」

唯「あずにゃん、そんな寂しい事言わないでよ」

梓「私は大人になんかなりたくありません。明日なんて来なければいいのに、時が止まってしまえばいいのにって……最近よく思います」

唯「…………」

梓「唯先輩が将来私より身も心も許せる相手が出来て私の知らないその人に私には見せない顔を見せて……」

梓「そしていつか私より大切な物がいっぱい出来て……そしたら私なんかに構ってられないでしょう?」

唯「…………」

梓「……そんなの嫌です」

梓「大好きだから……」

梓「唯先輩が大好きだから……嫌なんです……」

梓「グスッ……ご、ごめんなさい……変な事言って……」

唯「…………」チュッ

梓「!!」

唯「あずにゃん。私もあずにゃんと同じ気持ちだよ」

梓「唯先輩……」

唯「私もあずにゃんの事忘れたくないし忘れられたくない……」

唯「だからさ……忘れないように私の身体に跡、付けて。私もあずにゃんに付けてあげるから……」

梓「唯先輩、いいんですか?私もう戻れませんよ?」

唯「いいよ。あずにゃんとだったらどこまででも行きたいよ」

梓「唯先輩……」

唯「あずにゃん……ちゅ……はむっ……あ」

梓「んっ……はぁっ……唯先輩!好き!大好き!」

唯「ちゅう……んんっ……私も……はぁっ……私も大好きだよ!あずにゃん!」


―――

梓「すーすー……」

唯「あーずにゃんっ!!おはよっ!」

梓「はっ!ゆ、唯先輩!何でここに!」

唯「何でって……あずにゃん忘れちゃったの……?昨晩あんなに激しく愛し合ったのにー……」

梓「っていう事は……やっぱり夢じゃないんですよね。うぅ……顔から火が出そう……」

唯「えへへー、あずにゃーん。これからよろしくねー!」

梓「は……はい!」

唯「とりあえず学校行く用意しないと……。あずにゃん一度家に戻る?」

梓「いえ、それはいいんでシャワー浴びせてもらえませんか?」

唯「いいよー、行ってきなー」

梓「あれ?唯先輩は?」

唯「私はあずにゃんが起きる前に浴びてきたから」

梓「え……だって唯先輩は人肌に触れてないと……」

唯「ああ、それね……なんかもう治ってた」

梓「え?」

唯「えへへー、欲求不満だったのかなー。なんかあずにゃんと徹底的に触れ合ってスッキリしたら治っちゃったー」

梓「そんなバカな……」

唯「そういうあずにゃんも病気治ったよね」

梓「え……あ、ああ!そ、そうですね!」

梓「と、とりあえず私シャワー浴びてきます!」

憂「あ、梓ちゃんおはよう」

梓「う、うい!」

憂「ねぇ、梓ちゃん、何かお姉ちゃんがやたらスッキリしてたっていうか……大人な顔になってたけど何か知らないかな?」

梓「そ、それは……」

憂「梓ちゃん、忠告しておくけど、お姉ちゃん泣かせたら承知しないからね?」

梓「は、はい!!」


――――

律「で、病気が治ったのはいいんだけどさ……」

唯「あずにゃーん」スリスリ

梓「ふにゃあ……唯せんぱぁい」

律「何で治ったのにそんなくっついてるんだよ!!」

唯「だって私達恋人同士だもん」

律澪紬「え……」

梓「ちょ……唯先輩!」

唯「いいじゃーん、減るもんじゃないし」ナデナデ

梓「ふにゃあ……」


澪「…………」

紬「仲良きことは美しきかな」

律「おかしーし……こんなの絶対おかしーし……」

澪「り、りつぅ……」ギュ

律「ん?」

澪「わ、私も24時間人肌に触れていないと死ぬ病気にかかっちゃったぁ……」

律「」


おしまい



最終更新:2011年05月07日 00:48