~部室~

カチャッ

律「梓ーいるかー?」

澪「んー・・・まだ来てないみたい」

律「まったく、先輩を待たせるとはいい度胸だ」

澪「私たちもまだ来たとこでしょ」

カチャッ

梓「あ、先輩たち来てくれたんですね」

澪「うん」

律「で、話って?」

梓「唯先輩の事なんですけど・・・」

律&澪「!」

梓「先輩たちも、気づきました?」

律「ちょっと変だなぁとは思ったんだ・・・」

澪「いつもの唯じゃなかったっていうか・・・」

梓「やっぱり・・・その事についての話なんです」

律&澪「・・・」ゴクリ

梓「唯先輩と憂が」

律「ちょっと待て梓!」

梓「え?え?どうしました?」

澪「な、な、なんだいきなり大声出して」ビクビク

律「ドアが開けっ放しじゃ他の人に聞こえるかもしれない・・・閉じて隅っこに寄ろう」

梓「あ・・・すいません」

ガチャン

梓「それでは話しますよ」

律&澪「・・・」ゴクリ

梓「唯先輩と憂が・・・」

梓「付き合い始めたみたいなんです」

律「・・・え?」

澪「つ、付き・・・///」

律「・・・女同士って言うか姉妹だぞ!?」

梓「はい・・・」

律「確かに普通の姉妹よりは仲良いけど・・・」

律「付き合うなんて・・・」

澪「あの2人はそーいう関係・・・///」フシュー

梓「み、澪先輩しっかりしてください!」

律「澪はこうなったら戻るまで時間かかるからなぁ・・・」

律「それで、その付き合ってるって言うのは本人たちが言ってたの?」

梓「いえ、そういうわけでは・・・」

梓「唯先輩のブログに書いてあったんです」

律「ブログって・・・あの日記とかのやつ?」

梓「はい」

律「ああいうのってパソコンとかでやるんだよな・・・唯に出来るとは思えない」

梓「それは私も考えました・・・でも内容を見たら唯先輩だってすぐわかりますよ!」

梓「唯先輩のギー太の写真もありました」

律「それで、何て書いてあったんだ?」

梓「うーん・・・はっきりとは書いてなかったんですけど・・・」

梓「なんていうか、流れっていうか・・・」

律「なんだ・・・はっきり書いてないなら、梓の勘違いかもしれない」

梓「そんな事ないです!あれは絶対付き合ってます!」

梓「律先輩も見てみてくださいよ」

律「でも私はパソコン持ってないしなぁ・・・」

梓「一応携帯でも見れますけど・・・ネットカフェ行ってみます?」

律「おぉ、最近話題の・・・」

梓「お父さんみたいな反応ですね」

律「なにをー!」

律「・・・このやり取りさっきやった気がする」

梓「私もです・・・」

律「とりあえず行ってみるか」

梓「はいっ」

澪「う・・・ん?」

律「おーい澪、行くぞー」

澪「あれ?私どうしたんだっけ?」

律「ほら、行くぞ」

澪「え?え?」

澪「行くってどこ・・・」

律「置いてくぞ!」

澪「あ、待っ」タタタッ

律「っと・・・その前に」カキカキ

『都合により今日の部活動休止!by部長』

律「これでよしっと」

―――――
―――

~ネットカフェ~

梓「ここがネットカフェです!」フンス

律「おぉ・・・漫画がいっぱい!」

澪「何か男の人ばっかり・・・」ビクビク

梓「こっちで会員証作ってください」

律「何かめんどくさそうだなー」

梓「この紙に書いてください」

律&澪「はーい」

カキカキ・・・

律「っと・・・できた」

澪「律は書くの早いな」

カキカキ・・・

澪「私も出来た」

梓「じゃぁ店員さんに持っていきましょう」

トコトコ

店員「はい、ご新規様ですね」

店員「年会費は無料となっておりますが、初回のみ諸費用として100円を頂いておりますがよろしいでしょうか?」

澪「あ、はい」

律「痛い出費・・・」

店員「ではこちらの会員証にお名前をお願いします」

律「おぉ、何かかっこいいな」

澪「私だけのカード・・・」

カキカキ

店員「ではお席の方なのですが・・・お連れ様とご一緒ですか?」

律「ど、どうするんだ?梓」

梓「一緒でお願いします」

店員「どの部屋もパソコンが2台しか設置してないのですが、よろしいでしょうか?」

梓「はい」

店員「少々お待ちください」カタカタカタ・・・

店員「では15番のボックス席でよろしいでしょうか?」

梓「はい」

店員「お時間の方はいかがなさいますか?」カタカタ

梓(うーん・・・先輩のブログを見るだけだしなぁ・・・)

梓「1時間でお願いします」

店員「はい、では会員証をお預かりします」カタカタ

店員「何かご注文がありましたら備え付けの電話をご利用ください」

梓「これで手続きは終わりです!部屋に行きましょう」

律「なんか・・・」

澪「かっこいい・・・」

トコトコ

スッ

ガチャッ

律「これがネットカフェ・・・」

澪「結構広いな」

律「お、プレステ!」

律「よし、何かゲームしよー」

梓「律先輩・・・目的忘れてませんか?」

律「ん?目的?」

梓「本当に忘れないでくださいっ!唯先輩の事です!」

律「そうだった・・・」

澪「唯がどうかした・・・あ」

澪「唯と憂ちゃんが付き合って・・・///」

律「澪!気をしっかり持つんだ!」

澪「今度は大丈夫・・・それで、ネットカフェと何の関係があるの?」

梓「んっと・・・唯先輩が付き合う事になった経緯が、唯先輩のブログに書いてあるんです」

澪「ブログって・・・日記とかの」

梓「はい」

澪「唯にそんな事が出来ると思わないけど・・・」

律「澪もそう思うよな」

梓「論より証拠、百聞は一見に如かずです!とりあえず見ましょう」

律「ま、待て梓!」

梓「ど、どうしました・・・?」

律「ここに来るまでにジュース出る機械あったろ・・・あれはもしかして・・・」

梓「飲み放題ですよ」

律「それを聞いて安心した!澪と梓は何が良い?」

澪「えーと・・・オレンジジュース」

梓「メロンソーダでお願いします」

律「了解!」

ガチャッ

澪「そういえば梓はネットカフェによく来るのか?」

梓「普段は月に1回くらいですね」

澪「梓は家にパソコンは?」

梓「あるんですけど、ネットカフェはキャンペーンやってたりするので・・・それに釣られて」

澪「そんなのもあるのか・・・」

梓「とりあえず起動します」ポチッ

ガチャッ

律「ジュースですよー」

澪「ありがと」

梓「ありがとうございます」

梓「じゃぁ唯先輩のブログに行きますね」

梓「えっと、タイトルは・・・」カタカタ

梓「これですっ」カチッ

律&澪「・・・『けいおん日記』・・・」

梓「まず1つめの証拠がコレです」カチッ

律「これは・・・」

澪「唯のギー太・・・」

律「いや、でも同じギターはいくらでもあるじゃないか」

梓「2つめの証拠は記事を1から読んでみるとわかります」カチッ

『△月○日 はじめまして!今日からブログをはじめます!私は軽音楽部をやっている
 高校3年生です!あと、ちょっと変な恋をしてます・・・
 その相手とは!なんと妹なんです!・・・でもこの気持ちはまだ伝えてません・・・
 いつか伝えられると信じて元気に更新します!』

律「ここまでは普通か」

澪「妹が好きって時点で普通じゃ・・・///」

『×月△日 どうしよう・・・妹が風邪を引いてしまいました・・・
 お姉ちゃんにうつらないようにって言われてあんまり看病できませんでした・・・
 大丈夫かな、ずっとそばにいたいのに・・・』

律「確かこの日らへん・・・」

澪「憂ちゃんが風邪引いたって落ち込んでたよな」

『×月□日 やっと妹の風邪がなおりました!何もなくてよかった・・・
 やっぱり元気な妹が1番大好きです』

律「2日で治ってるところも一緒か・・・」

澪「・・・」

『×月○日 今日は妹と靴を見に行きました!でも高くて買えませんでした・・・
 でも妹が、今の靴もかわいいよって言ってくれたので嬉しかったです♪
 妹と買い物に行くのが1番楽しい!』

―――――
―――

梓「そして、これが現時点で最新の日記です」カチッ

『◎月◎日 今日からは2人で更新する事になりました!
 2人の出来事をいっぱい書いて、素敵なブログにしたいと思います♪
 これからもよろしくお願いします!』

梓「・・・信じてもらえました?」

律「・・・あぁ」

澪「どう考えても・・・唯だ」

律「という事はやっぱり」

梓「そういう事みたいです」

澪(女の子同士で・・・凄いなぁ///)

梓「先輩たちはどう思いますか・・・?唯先輩のこと」

律「どうって・・・」

律「そりゃ最初はびっくりしたけど」

律「唯は唯で憂ちゃんは憂ちゃんだ」

律「好き同士なら祝わないとな!」

澪「私も律と同じだよ」

梓「ふふっ」

梓「先輩たちならそう言うと思いました!」

梓「私も最初はびっくりしたんですけど、やっぱり憂は憂でした」

梓「今日の唯先輩はちょっと変だったけど・・・」

梓「きっとそのうちいつも通りになります!」

律&梓(とは言ったものの・・・)

律&梓(気になるから要チェック!)

澪(そっか・・・唯は自分の気持ちに素直になったんだ・・・)

澪(私もいつか・・・)

梓「そう言えばこの事、ムギ先輩は知らないんですよね?」

律「そういえば・・・今日の唯にも普通に接してたしな」

梓「言うべきでしょうか・・・?」

律「あんまり言いふらす事じゃないけどムギだけ知らないのもアレだしなぁ」

律「唯がいないときに、1回言ってみよう」

梓「わかりました」


梓「そういえば結構時間余っちゃいましたけどどうします?」

律「そりゃぁもちろん・・・」

律「ジュース飲みまくりだ!」

澪「私は・・・漫画読みたいな」

梓「じゃぁ私はパソコンしてますね」

―――――
―――

~翌日、唯の家~

唯「ういー朝だよー」

憂「ん・・・」

憂「お、お姉ちゃん!?」

憂「どうしたの?こんな朝早くに・・・もしかして何か」

唯「ふっふっふ」

唯「1人で起きたんだよ!」

憂(あれ・・・まだ夢なのかなぁ)ツネ

憂(夢じゃない・・・お姉ちゃんが私より早く起きるなんて・・・)

唯「昨日ういと一緒に寝てるときに思ったんだけどね」

唯「私はういの彼女だから・・・もっとちゃんとしないと!って思って」

憂「彼女・・・?」

唯「うん!」

憂「じゃぁ私は彼氏かな?」

唯「ういは女の子だから彼女に決まって・・・あれ?」

憂「あはは、それじゃどっちも彼女だよー」

唯「むむ・・・難しいですなぁ」

唯「うーん・・・」

唯「ういは彼氏と彼女だったらどっちになりたい?」

憂「私は・・・お姉ちゃんのお世話したいから、彼女かな」

唯「ういが彼女かぁ・・・」

唯「じゃぁ私は彼氏ね!」

憂「うんっ!」

唯「でも彼氏ってどんな事すればいいのかな・・・」

憂「うーん・・・お父さんっぽい事すればいいんじゃないかな?」

唯「ふむふむ」

唯「・・・あ、じゃぁりっちゃんを観察すればいいんだ!」

憂「律さん?」

唯「うん、昨日あずにゃんがね・・・りっちゃんの事お父さんっぽいって言ってた!」

憂「あはは、そうなんだぁ」

唯「今日からりっちゃんを観察して立派な彼氏になるね!」

憂「お姉ちゃん・・・がんばってね」

唯「うん!」

―――――
―――


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最終更新:2011年05月11日 23:57