唯「にしても、エキサイトして汗かいちゃったよー」

梓「はい。明日、朝食前にお風呂入りましょうね」

唯「早起きできるかなあ」

梓「早起きしてください」

唯「あずにゃん先輩、厳しいっス!」

梓「……二人きりのお風呂」ボソッ

唯「え?」

梓「なんでもないです///」

梓「電気消しますよー」

唯「えー、もうちょっと起きてようよー」

梓「ダメです。明日も歩くんですよ」

唯「今夜は寝かさないぜ!子猫ちゃん!」

梓「はいはい」

パチン

モゾモゾ

パシッ

唯「あたー」

梓「ひとの布団に潜り込まないでください!」

唯「夜這いごっこだよ、あずにゃん!」

梓「……」


梓「……」

唯「しゃれこうべ」

梓「ぶっ」

唯「……」

梓「く……くくくく……」

唯「……」

梓「……唯先輩?」

唯「くかー」

梓「寝ちゃった……」

唯「くいー」

梓(……いつか私が行き倒れてた理由、話した方がいいのかな)

梓(……でも)

梓(真実を知ったら唯先輩、罪悪感でつぶれちゃうかも)

梓(どうしよう……)

ウー ウー

梓「火事かな?うるさいなあ」

ウー ウー マリアノバラー

梓「……ん?これ消防車のサイレンじゃない」

ドンドンドンドン

女将梓「お客様、起きてください!お客様!」

唯「ほ、ほえ?」ムクリ

女将梓「申し訳ありません。大変なことになりました!ういうい山のうい族の襲撃です!」

梓「えーっ!!」


そのころ、里長の家

梓6「目標は、ここあずにゃんの里に依然進行中」

梓7「戦車大隊、蒸発!」

里長梓「状況は芳しくないわね……」

梓8「15年ぶりだな」

梓9「ああ。間違いない。うい族だ」

里長梓(始まるのね……あずにゃんの里とういうい山の戦争が)

里長梓「旅の唯先輩の保護を最優先。宿に連絡を!」

梓10「ダメです!信号拒絶!受信されません!」

里長梓「なんですって!?」


最終防衛線

梓1「き、来ますよ!」

梓2「絶対に唯先輩と、あのちんちくりんを守り抜くです!」

梓3「ヤッテヤルデス!」

梓9999「来てみろ、ハエども」

ド ド ド ド ド

憂「おねーちゃんおねーちゃん」

憂「おねーちゃんだいすき」

憂「めっ!」

憂「ういういうい」

憂「ういたん!ういたん!」

梓1「ギャー!怖い怖い!」

梓2「撤退です!」

梓3「あ、待ってー!」

唯「あずにゃん、なんでそんなに慌ててるの?」

梓「うい族から逃げるんです!早く準備してください!」

唯「ういうい山のうい族はそんなに怖くないよ?」

梓「なにを言ってるんですか!」

ギュッ

梓「ゆ、唯先輩?」

唯「大丈夫。私がいるからね」

梓「/////」ホワン

バターン

「おねーちゃーん」

梓「ギャーーーーー!!!!!」

唯「わあ、うい族がいっぱい!」

梓「」ブルブルブル

憂1「おねーちゃんおねーちゃん」

憂2「うい、おねーちゃん、すきー!」

憂3「おねーちゃん、だっこー!」

唯「みんなどうして、私のところにきたの?」

憂1「おねーちゃん、うい、よんだ!」

唯「え?呼んでないよ?」

憂4「ちがーう、おねーちゃん、よんだ!」

憂5「うい、おねーちゃんよんだから、きた!」

憂6「そうそう!」

唯(うーん、うい族の聴覚は優れてるからなあ)

唯(はて、いつ呼んだっけ……)

唯「……あ」

……

ドヤドヤ

チャポン

唯「ういー!極楽極楽」

客梓1「やだー!唯先輩オヤジくさいー!」

客梓2「チョベリバー!」

……

唯「あの時だ……」


憂1「おねーちゃん?」

唯「あーごめん、私がうっかり……」

憂2「?」

唯「みんなもう帰っていいよー。間違いだったんだ」

憂1「……」ウルウル

憂2「くすん」

憂3「えーんえーん!」

唯「わ、わわわ」

唯「ご、ごめんごめん!泣かないで!」

憂一同「あーんあーん!」

唯「だっこしてあげるから!ほら、高いたかーい」

憂1「……えへ」

憂2「わたしもわたしもー!」

梓「ゆ、ゆゆゆ唯しぇんぱい!」

唯「ほえ?あずにゃん?」

梓「そ、そいつらは危険です!離れてください!」ガクガク

唯「えー?怖くないよ?うい族だよ?」

梓「いいえ、怖いです!いいですか唯先輩、私が行き倒れてた理由は……」

梓「……そいつらに追い剥ぎされたからです!」

唯「え、えー!」

憂1「あ、ちんちくりんだー!」

憂2「あそぼあそぼ!」

憂3「あずさちゃーん!」

梓「ギャーー!」

唯(追い剥ぎ?)

……

唯「めっ!」

憂一同「ごめんなさい……」

唯「これからは、いい子にするんだよ?」

憂一同「はーい!」

唯「約束できるなら、お小遣いあげる!」

憂一同「やったー!」

梓「あ、そんなにむったんを……」

……

憂一同「さよーならー」

唯「またねー」

梓「もう来ないでくださいねー」

ゾロゾロ

里長梓「あのうい族を鎮めるとは……さすがは唯先輩ですね」チュッ

唯「わ……でへへ」

梓「むっ」

里長梓「あらあら、ほっぺでもジェラシーしちゃうのかしら?」クスクス

梓「むー!」

唯(……本当は全部私のせいなんだけど)

里長梓「……もう行ってしまうのですか?」

唯「うん、次は澪ちゃんの里やムギちゃんの里に行ってみようと思うんだ」

里長梓「どちらも遠いですよ?」

唯「あずにゃんといっしょなら、どこまでも行けるよっ!」

梓「///」

里長梓「あらあら、あなたたちがうらやましいわ」

「さよーならー」

「また来てくださいねー」

「お土産買ってきてくださいねー」

唯「ありがとう!また来るね!」

梓「もう来ません!」

唯「……さて、行こっか」

梓「唯先輩はもうお小遣いなしですからね」

唯「えー!シドい!」

梓「あんまりお金に余裕がないんです!」

唯「いーじゃん、里のあずにゃんたちからいっぱい食べ物もらったんだし」

梓「そんなに欲しいのなら、私の目の届く範囲にいてください!」

唯「へーい」

梓「ほら、迷子になると困るから手をつないで」

唯「ほいほい」ギュッ

梓「/////」


二人の旅は、まだまだ続く……



おわり



最終更新:2011年05月18日 20:57