【うさぎ】
梓「皆さんがバラバラになる夢です」
唯「えっ……あずにゃんなかなかバイオレンスだね」
澪「………えっと……梓……その
ホラーな話しか……?」
梓「あわ、違います! えっと皆さんが離れ離れになっていく夢でした」
律「それが怖い夢か」
梓「えっと……はい……」
唯「あずにゃーん!!」ダキッ
梓「うわっ、なんなんですか急に」
唯「よしよし、あずにゃんは寂しがりやだねー」ナデナデ
梓「なっ、べ、べつに寂しかったとかではなくて……」
紬「うふふ、私も梓ちゃんをぎゅっー」ダキッ
梓「もうムギ先輩まで、あーもう挟まれると暑いですって」
澪「そういえばうさぎって寂しくなると死ぬって言うよなー」
律「あー梓は猫だ猫だとおもってたけど、兎の気質もあったのか」
唯「じゃぁ今だけあずにゃんじゃなく、あずぴょんだね!!」
梓「だっー、もうやめてくださいってば」
【スタッフロールは死体A】
律「ま、そんな簡単にバラバラにはならないって……そりゃ進路とかはわからないけどさ」
唯「そうだよあずにゃん、いやあずぴょん! 私達は、そう心!心でつながれてるんだよ!」
梓「唯先輩はたまにさらっと恥ずかしいこといいますね。っていうか、あずぴょんはやめてください」
澪「ま、梓は一個下だし不安な気持ちにもなるよなぁ……」
梓「澪先輩……」
律「で、その梓の夢の中では私達はなんで離れ離れになっていってたんだ?」
梓「え……? その……ちょっとひどいことになってましたけど聞きたいですか?」
唯「え?まさか本当にバラバラの死体に……」
梓「だから違いますってば……」
唯「だよねー。さすがにないよね」
梓「まず、唯先輩はお菓子の食べすぎで死んでしまったことからはじまりました」
律「ぷっ……」クス
唯「えっ? 結局私死んじゃうの?……あずにゃん……りっちゃんもひどい……」ヨヨヨ
梓「あぁ、もう夢ですからそんな泣きそうな目でこっちみないでください」
律「で、続きは?」
梓「次に唯先輩がいなくなったことで、律先輩と澪先輩が喧嘩します。そしてタイミング悪く律先輩が車に引かれて死にます」
唯「ぷっ……」クスクス
律「唯ー! 梓ー!」
梓「あーもう、だから最初に聞きますかって確認とったじゃないですかー」
律「いや、バイオレンスすぎるだろ! 死人ばっかじゃん」
梓「で、澪先輩は車に引かれたのは自分のせいだ と言って病みます」
澪「……なんか全体的に鬱蒼としてきたな」
梓「残された私とムギ先輩はどうしようもなくなって解散ということになり、ムギ先輩はお家を継ぎます」
紬「あらあらうふふ♪」
唯「ムギちゃんだけ無事!」
梓「で、私だけがポツンと一人残されて……って律先輩と唯先輩抱き合ってなにしてるんですか」
律「あきらめろ、唯……これが人望の差だ……きっと梓の中では私達はピラミッドの底辺」
唯「厳しい現実だね、りっちゃん……。私あずにゃんの夢の中じゃ死人スタートだったよ……」
梓「だっー、わざとらしい三文芝居をはじめないでください!!」
【帰り道・エロゲならフラグが立ってる】
澪「なぁ、律……」
律「ん?」
澪「……私達喧嘩別れとかないよな?」
律「なんだ? あっ、梓の夢のこと気にしてるのか。はは、馬鹿だなぁ澪は」
澪「いや、だって」
律「ないない。所詮夢だって」
澪「……だよな。うん、ないよな」
律「あはは、それに私達ってなんていうか、あれ、腐れ縁って感じじゃん?」
澪「いや、もうちょっと言葉選ぼうな律。腐れって……」
律「まぁ、そんな感じじゃん」
澪「うん……だな」
律「澪こそ男ができたからって、この縁切ろうとすんなよー」
澪「なっ、お、お、男……!?」
律「うむ、このうぶな反応じゃまだ先の話しだな」
澪「うぅ……」
律「どのみち、私の感じゃ死ぬまでこの縁は続いてるって」
澪「律…………でもそれは嫌だなぁ」
律「うぉいっ!」
澪「あははは、嘘だよ」
【帰り道・寂しがりやな猫】
梓「あ、あの! 唯先輩?」
唯「ん、なにあずにゃん?」
梓「えっと……さっきの話し気にしてます?」
唯「?」
梓「さっきの夢の話しです」
唯「あぁ、あれねー。うーん、あずにゃんの夢にゲスト出演が死人っていうのはショックだけど……」
梓「うぅ、なんかすいません……ってけど?」
唯「あはは、謝ることじゃないよあずにゃん。
まぁ、そういう夢を見て怖いと思ってくれたってことは、私達と一緒にいたいってことだもんね」
梓「唯先輩……」
唯「それにね」
梓「はい?」
唯「やっぱりあずにゃんはあずぴょんじゃなく、あずにゃんだよ!!」フンス
梓「………」
唯「あれ?」
梓「もう、私の感動を返してくださいっ!!」
【レギュラー出演のあの人】
純「憂はあれだよねー。夢とかあんまり見なさそう。毎日熟睡って感じ」
梓「あー、たしかに夢って眠りが浅いときに見るっていうもんね」
憂「えー、そんなことないよ? 私だって夢を見るときくらいあるよ」
純「え? 例えばどんな夢」
梓「だいたい想像つくけどね」
憂「え?」
純「……あぁ」
憂「え?え?」
【隊員「りっちゃんの単独メタルプレートつくれよ」】
唯「ねぇねぇ、すごい夢を見たよ!」
澪「なんだ唯? あ、口元によだれのあとついてるぞ」
梓「唯先輩また授業中寝てましたね」
唯「そんなことより、すごい夢をみたよ」
紬「唯ちゃん、ちょっと口元失礼するわね」フキフキ
唯「ありがとうムギちゃん……」
律「で、なんだって?」
唯「えっとね、私達がすっごく有名になる夢をみたよ。
デビューしててCDは大ヒットして、商品とかもいろいろ出て」
唯「それでね、コンビニでタイアップ商品とかが出て」
律「……なんかどっかのアイドルみたいんだな」
唯「最後には銀幕デビューだよっ!」
澪「ムリムリムリ、映画なんて無理無理」
律「いや澪、唯の夢だから……」
紬「でも、本当に楽しそうね♪」
唯「爆売れだよ爆売れ! 売れっ子ミュージシャン。あ、でも……」
律「でも?」
唯「りっちゃんのグッズは残ってた気がする」
梓「っぷ」
律「唯っー!! なかのっー!」
【進路決定前】
唯「将来の夢……うーん……」
梓「唯先輩はなにを悩んでいるんですか?」
澪「ああ、さわこ先生に進路希望をまだ出してなくてな」
紬「そうしたら、さわ子先生が将来の夢とかにかかわる進路とかでいいわよ って」
梓「あぁ、それで悩んでるんですか。澪先輩とかムギ先輩はもうすでに?」
紬「えぇ、私は前から言ってた女子大のほうに」
澪「……」
梓「澪先輩?」
澪「あ、いやなんでもないよ? ほーら、唯はやく出さないとまたさわ子先生に……」
『3年生の平沢さん 今すぐ職員室に来なさい』
澪「ほら」
唯「あう……さわちゃん、わざわざそんな校内放送じゃなくても……」
【デジャブ】
ガチャ
唯「ただいまー」
律「ういーす」
澪「あれ、律も一緒だったのか」
唯「なんとりっちゃんも呼び出されていたのです!」
律「いたのだ!」
梓「軽音部から進路未定が二人も……」
律「こらっー、なかのー! 私達はそれだけ真剣なんだぞ!」
唯「そうだよあずにゃん、私達は真剣なんだよ」
澪「で、どうなったんだ?」
唯「そうそう、帰ってくるときにねー、りっちゃんと話してたんだけど、私達の夢はやっぱり武道館だよ!」
律「武道館でライブだー、おー!」
紬「おー!」
梓「って、いつのまにかムギ先輩まで。 いいから真面目に進路希望書いてくださいよー」
唯「ちぇー、あずにゃんのいけずぅー……えっと、第一希望ミュージシャンっと」カキカキ
律「よしかけた」
梓「いやいやいや、前怒られたときと同じじゃないですかー!」
【いつか】
律「よっし、じゃ、唯の分もさわちゃんに出してきてやるよ」
唯「おー、ありがたやーりっちゃんやー」
律「それじゃ行って来る」タッタッタ
梓「本当にあのままで行きましたね……」
澪「……」
梓「澪先輩?」
澪「あぁ、ごめん。ちょっと考え事してた。
そういえば軽音部のはじまりも目指せ武道館って言ってたなぁって」
唯「そうだよ! いまもその途中だよ」
梓「もうちょっと真剣に進路は考えてくださいよー」
澪「……でもそうなんだよな。 あの時、唯も部活に入って律が武道館だーって目標を決めて……」
紬「うふふ、楽しかったわね♪」
梓「澪先輩……ムギ先輩……。 ……わたしもたまに唯先輩たちと同学年がよかったなぁって思うときがありますよ」
唯「あずにゃん?」
梓「いえ、別に恨めしいとかそういうんじゃないんですよ。
この学年じゃないと憂と純とクラスメイトになれなかったわけですし……でもほんのちょっぴり思うときがあります」
唯「あずにゃん、」ガバッ
梓「あー、もうなんんですか。いきなり」
唯「大丈夫だよあずにゃん」ナデナデ
梓「なにが大丈夫なんですか?」
唯「私達がかつて見た夢はまだ続いてて、今ではその中にはあずにゃんもいるから大丈夫だよ」
梓「唯先輩……自分でなにいってるかあんまりわかってないですね」
唯「うん、そうかもね。でも……はじまりは違っても終わりは一緒だといいねって話だよ。ね、澪ちゃんムギちゃん」
紬「えぇ♪」
澪「そうだな……それにきっと律も」
唯「うん、だからあずにゃんは知っておいてね。私達がかつてもこんな夢をみたってこと」
梓「……はい!」
【あの時君は若かった】
――職員室
律「はい、これ私の分。あと唯の分も」
さわ子「はい、確かに。 っとどれどれ」
―第一希望 ミュージシャン―
さわ子「………」
律「さわちゃん?」
さわ子「あなたたち前と変わってないじゃない!! 却下です。まじめに書きなさい」
律「えー、たっくぅ……さわちゃんは文句ばっかり……」
さわ子「文句じゃなありません。指導です。 はい、もう一回書き直しね」
律「ちぇっ……」トボトボ
ガラガラ
さわ子「ったく……あの子たちは……」チラッ
さわ子「……ミュージシャンねぇ…………………ふふ」
さわ子「ほんと、あの子たちと一緒にいると昔を思い出すわ」
最終更新:2011年05月18日 22:54