和「ふう……久しぶりね、唯の家の近くに来るのも」スタスタ

和「……」

和「……唯、元気かしら?」

唯「お~い、和ちゃ~んっ」タタッ

和「あっ、唯」

唯「わあ、帰って来てるって本当だったんだね!」

和「ええ。大学も慣れてきたし、せっかくの長期休暇だから」

唯「えへへ……え~いっ」ギュウッ

和「あ……」

唯「和ちゃん分補給~♪」ギュー

和「……」

唯「あ、あれ……和ちゃん、もしかして抱きつかれるの嫌?」アセアセ

和「……どうして?」

唯「だって私が抱きついた途端に黙っちゃったし……ご、ごめんね。昔からの癖でつい……」

和「もう……勘違いしないで、唯」

唯「え?」

和「唯に抱きつかれるのが嫌なわけないでしょ?さっきのはその……久しぶりに唯と触れ合えて、う、嬉しくて……」テレッ

唯「の、和ちゃああああああんっ!」ギュー

和「こ、こらっ///」

……

唯「それじゃあ私の家に行こっか!」

和「唯も実家に戻ってるんだっけ?」

唯「うん!憂が美味しい料理を作って待ってるよ~」

和「ふふ、楽しみね」

唯「和ちゃんは大学どう?楽しい?」

和「ええ、勉強は大変だけどね。唯はどう?」

唯「私もすっごく楽しんでるよ!軽音部は相変わらず楽しいし、新しい友達も出来たし!」

和「よかったわね」ナデナデ

唯「えへへ……ギターも前より上手になったから、後で私の演奏聞いてね」

和「もちろん。期待してるわ」

唯「期待してて下さい!」

和「勉強は頑張ってる?」

唯「…………が、頑張ってるよ?」

和「……あんまりやってないのね。ダメじゃない、ちゃんとやらないと」

唯「ごめんなさい」

和「もう……」

唯「あはは、私って昔からいっつも和ちゃんに勉強しなさいって怒られてたよね~」

和「そうね。大学に入ってまで言う羽目になるとは思わなかったけど」

唯「面目ないっす」

和「ふふ、何よそれ」

唯「……ねえ、和ちゃん」

和「……何?」

唯「私ね、大学生活ってすっごく楽しいんだけど、ちょっとだけ不満なこともあるんだ」

和「一コマの授業が長過ぎる、とか?」

唯「あー、それもあるけど。私の一番の不満は和ちゃんに会えないこと……かな」

和「……勉強見てもらえなくなったから、とかじゃないでしょうね?」

唯「えっ?あ、あははっ、ばれちゃった?」

和「勉強は一人でも頑張らないとダメよ」

唯「う、うん……そうだね」

和「……」

唯「……」

和「本当は……」

唯「……」

和「……私も、ね」

唯「え?」

和「唯と会えないのは寂しいし……ちょっと不満……かな?」テレッ

唯「っ!!の、和ちゃああああああんっ!」ギュー

和「……///」

……

唯「でねでね、澪ちゃんがニコニコ笑っててね……」テクテク

和「へえ……」スタスタ

唯「りっちゃんはそんな澪ちゃんを見ながら呆れつつも嬉しそうでね……」トテトテ

和「そうなんだ」スタスタ

唯「ムギちゃんもね、二人を見ているうちに我慢できなくなっちゃって……」パタパタ

和「ふうん」スタスタ

唯「…………」ピタ

和「唯?どうしたの?」

唯「ねえ和ちゃん、さっきから私の話聞いてくれてる?生返事ばっかりだけど……」

和「……ごめんなさい、よく聞いていなかったわ」

唯「あ……あはは、そうだよね。私の話なんて面白くもないし……」

和「……だって、唯とこうやって話ながら帰るの久しぶりだし、何だか意識しちゃって……」

唯「えっ?そ、そうなんだあ。よかった~」ホッ

和「だから……ね?唯のお話、もっと聞かせてほしいな……?」テレッ

唯「の、和ちゃああああああんっ!」ギュー

……

唯「とうちゃ~く♪」

和「唯の家に来るのも久しぶりね」

唯「今日はお父さんもお母さんもいないし、着替えなくくつろいでよっ」

和「気兼ねなく、でしょ」

唯「てへっ、そうでした。それじゃあ入ろう」

ガチャッ

唯「うい~、ただいま~」

憂「お姉ちゃん、お帰り~」

和「お邪魔するわね、憂」

憂「あっ、和さんも!お帰りなさい!」

和「ええ、ただいま」

唯「えへへ……ただいま、だって」

和「……何よ?」

唯「何だか和ちゃんも家族になったみたいだなあって……」

和「な、何言ってるのよ……」

唯「あっ、和ちゃん照れてる~♪」

憂「和さん、ご飯にしますか?先にお風呂にしますか?」

和「もう、憂までからかわないの!」

憂「えへへ、つい」

和「……でも、嬉しいわ。その、ただいま……唯、憂」テレッ

唯「の、和ちゃああああああんっ!」ギュー

憂「お姉ちゃんだけずるい!私も~っ!」ギュー

和「わっぷ、憂まで……」

憂「えへへ、和ちゃ~ん♪」

和「呼び名も戻っちゃってるし……もう」ナデナデ

唯「……おかえり、和ちゃん♪」

憂「私ももう一度言うね……おかえり♪」

和「ええ、ただいま」ニコッ

……

唯「いっただっきま~すっ」

憂「召し上がれ~♪」

和「……これはまたいっぱい作ったわね、憂」

憂「和ちゃんが帰ってくるって聞いたから張り切っちゃったんだ。いっぱい食べてね?」

和「ええ、ありがと。いただきます」

唯「はむはむ……やっぱり憂の料理は美味しいね~」

和「んっ……そうね。久しぶりに食べたけど、すごく美味しいわ」

憂「えへへ、喜んでもらえてよかった♪」

和「そういえば唯は寮生活なのよね?食事はどうしてるの?」

唯「むぐっ?うちの寮は食堂があるから気にしなくて大丈夫だよ~」モグモグ

和「食べながら喋らないの。ソースが口についてるわよ」フキフキ

唯「ん……てへへ」

憂「和ちゃんは自炊とかしてるの?」

和「ええ、一応ね」

唯「和ちゃんも料理上手だよね~」

憂「うんうん。久しぶりに和ちゃんの作ったお料理も食べたいなあ」

和「ふふ、憂のリクエストなら受けるしかないわね」

憂「本当!?わあ、楽しみっ!」

和「まあ憂ほど上手じゃないけど……楽しみにしててね」

憂「うんっ!」

唯「はいはい、私も私もっ」

和「ええ、分かってるわよ。でも私と憂だけじゃ不公平だから、唯も何か作りなさいよ?」

唯「えっ!?私も!?」

和「何驚いてるのよ……当り前じゃない」

憂「お姉ちゃんと和ちゃんの手料理……楽しみだなあ♪」

唯「う~、私があまり料理得意じゃないの知ってるくせに~……」

和「もう……馬鹿ね」

唯「えっ?」

和「……唯が私と憂のために一生懸命作ってくれる、それが一番嬉しいのよ?」テレッ

唯「の、和ちゃああああああんっ!」ギュー

……

憂「和ちゃん、あ~ん♪」

和「ど、どうしたの憂?いきなりそんなことを言い出すなんて」

憂「だってさっきから、お姉ちゃんばっかり和ちゃんと仲良くしてるんだもん」

唯「ふっふっふ、憂も私と和ちゃんのラブラブオーラに当てられちゃったんだね!」

和「何言ってるのよ」

憂「ダメ、かな……?」ウルウル

和「だ、ダメなんて言ってないでしょ?泣かないの、もう……あ、あ~ん……///」

憂「はい、あ~ん♪」

和「んっ」パクッ

憂「美味しい?」

和「ええ、もちろん」

唯「憂が食べさせてくれたからもっと美味しくなったんだよね?」

和「は、恥ずかしいこと言わないの!」

憂「じゃあ和ちゃん、私もあ~ん♪」

和「……へ?」

唯「いやいや和ちゃん、あ~んしてもらったらやり返すのが礼儀ってもんだよ?」

和「そんな礼儀聞いたこともないんだけど……」

憂「……」ジワッ

和「ああっ!?ほら憂、あ……あ~ん///」

憂「あむっ。美味しい~♪」

和「ま、まったくもう……」

唯「和ちゃん和ちゃん、私にもあーんして!」

和「唯まで!?」

憂「和ちゃん、もう一回もう一回!」

和「ちょ……もうダメ!終了!」

唯「え~?」

憂「残念……」

和「何でそんなに残念がってるのよ……」

唯「じゃあ今度、和ちゃんが料理した時にやってね?」

憂「あ、それいいね!」

和「また勝手に決める……。分かったわよ、今度ね」

唯「やった♪」

憂「えへへ~♪」

和「もう……こ、こんな恥ずかしいことをするのはあなたたちだけだからね?」テレッ

唯「和ちゃん可愛いいいいっ!」ギュー

憂「和ちゃああああああんっ!」ギュー

……

和「ふわ……ちょっと眠くなって来たわね」

憂「あ、もうこんな時間なんだ……そろそろ寝ようか?」

唯「え~、もっとお話しようよ~」

和「また明日ね、しばらくこっちにいるから」

唯「ちぇ~……」

和「それに唯、あなたも眠いんでしょ?さっきからずっと目を擦ってるじゃない」

唯「眠いけど……久しぶりに和ちゃんに会えたんだし……」ゴシゴシ

和「ほら、あんまり目を擦っちゃダメよ」

唯「うん……」ウトウト

憂「お布団敷けたよ~」

和「あ、ごめんね手伝えなくて……って」

憂「どうかしたの?」

和「……何でここに3組の布団が用意されたのかしら?」

憂「えっ?一緒に寝るんじゃないの?」

和「私一人でいいから、唯と憂は自分の部屋で……」

憂「一緒に……寝てくれないの?」ウルウル

和「う……」

唯「和ちゃ~ん、一緒に寝ようよ~」ギュウッ

和「はあ……分かったわよ。三人で寝ましょう」

憂「わ~い♪」

唯「和ちゃんと一緒に寝るのも久しぶりだねえ」

和「……あんまり抱きついて来ないでよ?」

唯「えへへ、善処します!」

憂「前向きに検討します!」

和「政治家答弁はやめなさい……しょっと」モゾモゾ

唯「和ちゃ~ん♪」ギュウ

憂「和ちゃん♪」ギュー

和「……結局布団に入った途端に抱きついて来てるし」

唯「和ちゃんは抱きつかれるの嫌?」ニヤニヤ

憂「え?嫌……なの?」ウルウル

和「……唯、私が何て答えるのか分かってて言ってるでしょう?」

唯「憂は分かってないよ~?」

和「もう……唯と憂に抱きつかれて、悪い気分がするわけないじゃない。あったかいし……う、嬉しいわよ。すごく、ね」テレッ

唯・憂「の、和ちゃああああああんっ!」ギュウウッ!

和「こら、寝られないでしょっ///」

……

唯「和ちゃん、もう帰っちゃうんだね……」

憂「寂しいなあ……」

和「もうすぐ大学始まっちゃうからね。楽しかったわ、唯、憂」ナデナデ

唯「ん……次こっちに帰ってくるのっていつ?」

和「う~ん……今回みたいに帰省できるのはやっぱり長期休暇の時だけだから……」

憂「そうなんだ……」

唯「……」

和「……」

憂「……」

唯「ね、ねえ和ちゃん!今度は私が和ちゃんのとこに遊びに行っても……」

和「ねえ唯、憂」

憂「和ちゃん、どうかしたの?」

和「ちょうどここと今私が一人暮らししてるとこの真ん中くらいに遊園地が出来たの知ってる?」

唯「ふぇ?う、うん、一応……」

憂「すごく大きいとこらしいね」

和「実はね、そこのチケットを持ってるんだけど……来週の日曜は空いてるかしら?」

唯・憂「!!!」

和「よかったら一緒に行かない?その……三人で///」テレッ

唯・憂「の、和ちゃああああああんっ!」ギュー!


おしまい



最終更新:2011年05月20日 03:05