紬(ん?)

紬(よく考えたら、私だけ……)

紬(まぁ……いいや、私は見てるだけで……)

紬(見てるだけで、いいはずなのに……)


1.むぎゅうは傍観者だろjk
2.むぎゅうはさわ子と幸せになるべき


※安価 2


紬(でもやっぱり……私、先生が好きなんだ……)

紬(寂しいよ……)

唯「どうしたのムギちゃん?」

律「元気ないなぁ、風邪か?」

紬「う、ううん、なんでもないのよ、お茶淹れるわね?」

律「そうか……じゃあ、お願いするよ」

唯「私レモンティー!」

紬「はい♪」

紬(どうしたらいいんだろう……)コポコポ

紬(いや、私はどうしたいの……?)

紬(女同士で、しかも歳も離れてて……)

紬(ふふ、本人同士がいいならいい、なんてよく言えたものね……)

紬(なにもわかってなかった……私)

紬「あっ……」

ガシャン!

紬「あ、熱っ……!」

澪「ムギ!」

唯「ムギちゃん!」

紬「ご、ごめんなさい……すぐ片付けるから……」

律「バカ!そんなこといいからすぐ冷やせ!」

紬「……ごめんなさい」

梓「……ムギ先輩……?」

ジャー……

紬(……なにやってるんだろう)

紬(今までこんなことなかったのに……)

ガチャ

さ「あら、なんか騒がしいわね」

唯「さわちゃん!ムギちゃんが火傷しちゃって……」

澪「……何かムギの様子がおかしいので、ついててあげてくれませんか?」

さ「そうなの?わかったわ」

律「変なことやって困らすなよ!}

さ「私もそこまでバカじゃないわよ、まかせなさい」

さ「ムギちゃーん、大丈夫?」

紬「せ、先生?……ボーっとしてただけです」

さ「ふむ、あなたがぼーっとなんて、熱でもあるんじゃない?」ピト

紬「ちょ、なにを……」

紬「先生……顔近いです」

さ「あぁ、ごめんなさい……熱はないみたいね」

さ「でも顔赤いし、保健室行きましょう?」

紬「いいです……ほっといてください」

さ「だめよ、火傷もしてるんだし」

紬「冷やしてれば大丈夫です……」

さ「痕残ったりしたら大変でしょう?」

紬「別にそれくらい……」

さ「私、ムギちゃんの綺麗な手好きよ?」

紬「えっ……」ドキ

さ「それに、ピアノやってるんだから、手は綺麗にしなきゃ」

紬「……大丈夫ですよ、そこまで熱くなかったです」

紬(それに、先生と2人きりになったら私……)

さ「もう、意外に意地っ張りね……」

紬「必要ないからいいって言ってるんです……」

さ「……そう、なら私も別についてなくていいわね」

紬「……!はい、結構です」

さ「……まったく、可愛くないわね、人がせっかく心配してるのに……」

紬「……!」

紬「誰のせいで……」

さ「なに?」

紬「先生のせいですよ!!」

唯「ムギちゃん……?」

律「お、おいムギ?」

さ「……どういうことかしら?」

紬「……!」ビクッ

澪「せ、先生が怖い……」ガクガク

さ「言ってみなさい、どうして私のせいなのか」

紬「そ、それは……」

さ「なに?」

紬「……もういいです、私帰ります」

律「おいムギ!」

唯「行っちゃった……」

梓「どうしたんでしょう……」

さ「……はぁ、なぜか私のせいらしいから、あなたたちは気にしなくていいわ」

澪「で、でも……」

さ「いいから、私はムギちゃんと話してくるわ」

澪「わ、わかりました……」

唯「さわちゃん!さっきみたいな顔で脅しちゃだめだよ!」

さ「あ、あら、出てた?オホホ……」


さ「ムギちゃ……っていた!」(部室でてすぐの所)

紬「……」

さ「……話、あるんでしょ?」

紬「はい……」

さ「仕事、終わってからでいいかしら?ゆっくり話したいわ」

紬「はい、私も……待ってます」

さ「ふぅ……みんなにちゃんと言ってくのよ、心配してたから」

紬「すいません……」

さ「謝るんならみんなに謝りなさい」

唯「ムギちゃん!」

澪「ムギ……」

紬「ごめんなさい、心配かけちゃった?」

梓「あたり前です!」

律「なんかあったのか?」

紬「うん……全部終わってから話すわ、ごめんね」

澪「まぁ……ムギがそういうなら」

律「なんかわからんが、がんばってこい!」

さ「……おまたせ」

紬「いえ……」

さ「それじゃあ行きましょうか……ムギちゃんの家でいい?」

紬「はい、お願いします……」

さ「はい、じゃあ乗って」


紬「失礼します……」

紬(どうしよう……なんて言えばいいんだろう)

紬(好きです、って言えばいいのかな……)

さ「はい、着いたわよ」

紬「ありがとうございます……」

さ「それじゃ、お邪魔します」

紬「では、いつもの部屋で待っていてください……」

さ「わかったわ」

紬「私は……お茶を淹れてきます」

紬(先生に出すのは最後になるかもしれないわね……」

紬「どうぞ」

さ「どうも……うん、おいしい」

紬「よかった……今日は特に気持ちを込めて作ったんです」

さ「へぇ……どんな?」

紬「……」

紬(言うのよ、勇気を出して私……)

紬「……好きって言う、気持ちです」

さ「な……!」

さ「そ、そう……私もムギちゃんが好きよ」

紬「誤魔化さないでください」

さ「うっ……あ、あのねムギちゃん?」

紬「わかってます……先生とは歳も離れてます……」

紬「先生と生徒だし……それに、女同士です」

さ「そこまでわかってるなら……」

紬「でも、好きなんです!先生を想うと……好きなお茶も淹れられない……」

さ「……はぁ……」

さ「あのね、ムギちゃん……それは思春期によくある……」

紬「勘違い、ですか?」

さ「うっ……あれよ、女子高だから……」

紬「男性の変わりに、ですか?」

さ「……そうよ、わかってるなら、もう忘れなさい」

紬「それじゃあ、この気持ちは消えちゃうんですか……」

さ「ムギちゃん……」

紬「そんなの、嫌です……」

紬「そんな、私の……」

紬「私の初恋がただの勘違いだなんて……」

紬「そんなの、あんまりです……」

さ「む、ムギちゃん……」

紬「先生……お願いです」

紬「そんな風に言わないで……」

さ「……ごめんなさい」

さ「あなたの気持ちを、考えてなかったわ……」

紬「私こそ……ごめんなさい」

紬「でも、今の自分の気持ちに嘘はつきたくないんです」

紬「今の気持ちを勘違いで終わらせてしまったら……」

紬「私はきっと、2度と恋はできなくなってしまう気がするんです」

さ「……そうね、私も決めつけてかかって、悪かったわ……」

さ「最後に聞かせて……私なんかでいいの?」

さ「私なんかより、素敵な人が現れるかもしれないわよ?」

紬「……そうしたら、もっと先生を好きになるように、頑張ります」

さ「ふふ、そう……」

紬「……返事、聞かせてもらえますか?」

さ「……そうね、悪くないかもしれないわ」

紬「え……」

さ「フられ続けてるしね、男に縁がないのかも」

さ「せっかく、目の前に私を好きって言ってくれる人がいるのに、性別なんか気にしてられないわね」

さ「嬉しいわ、ムギちゃん……ずっと好きって、約束してくれる?」

紬「……!はい!」

紬「うぅ……」

さ「ほら、泣かないの!」

紬「泣いてないです!」

さ「ボロッボロ泣いてるじゃない……」

紬「これは……たくあんの汁です!」

さ「へぇ……」ペロ

紬「な、なにするんですか!」

さ「ホントだ、しょっぱいわ」

紬「せ、先生のバカ……///」


数日後

紬「せんせー!いますか?」

さ「む、ムギちゃん!?これは違うの……!」

女生徒「し、失礼しました!」

紬「……」

さ「む、ムギちゃん?泣かないで!」

紬「もういいです……慣れました」

さ「ご、ごめんね~、つい……」

紬(先生にこんな浮気癖があるなんて……)

紬(それに女の子に目覚めちゃったから……)

紬(更衣室に誘いこんでは食べまくってる……らしい)

紬「はぁ……」

さ「ほ、ホントにごめんなさい……それで、なにか用事があったの?」

紬「あぁ……今度澪ちゃんと唯ちゃんがデートする、とか言ってたので」

紬「先生と一緒にストーキングしようかと思ったんですけど……」

紬「どうやら先生にはほかに好きな人がいるようで……」

さ「い、行くわ!」

紬「さっきの方と行かれたらどうですか?」

さ「お、怒らないでよ……さっきの子とはまだ何もしてないわ!」

紬(まだ……ねぇ……)

紬「……わかりました、次は許しませんよ?」

さ「わ、わかってるわよ~」

紬(何回目かしら……私も甘いわね)

紬「じゃあ、仲直りのキスです♪」

紬(これは、何回してもいいけど……♪)


 完



最終更新:2010年01月14日 18:13