あずにゃん日記その20
あずにゃんの成長がとまらない。
髪の毛もどんどんのびてきたから二つにくくることにした。
ちょっと髪の毛がべたべたした。
あずにゃん日記その21
あずにゃんの成長がとまらない
体重を測ったら50kgちかくあった
ご飯あげすぎなのかなー
でも背もぐんぐんのびてるし・・・
今日も夜食に冷凍タイヤキを二つ食べた
あずにゃん日記その22
変な
ニュースやってた。アズニャンがどうのこうのって
あずにゃん日記その23
またニュースやってた。
……
梓「ゆいー! 電話です電話!」
唯「むにゃ……なぁにこんな朝っぱらから」
唯「はいもしもしお電話かわりました」
唯「…………はい」
唯「……はい」
唯「え」
唯「……………………はい」
唯「はい、わかります」
唯「……………」
唯「はい」
唯「……失礼します」
カチャ
梓「にゃ?」
唯「……」ギュ
梓「? えへへ、あったかいです」
唯「……うん……あったかいね」ギュウ
梓「……ゆい……?」
あずにゃん日記その25
明日管理局の人がくる。
あずにゃんを連れて行く。
どうしたらいいかわからない。
夜
唯「……」
憂「……」
梓「どうしたんですか?」
唯「あずにゃん」ギュ
梓「? なんで今日はいっぱいギュウしてれるんですか?」
憂「お姉ちゃん……」
唯「いい子だよ。いい子だよあずにゃん」
梓「にゃ?」
唯「……ぐす」
梓「どうして泣いてるんです?」
憂「後悔しないって、言ったよね。でも、お姉ちゃんの気持ちは痛いほどわかるから」
唯「……うん」
梓「?」
憂「明日おむかえがくるよ」ナデナデ
梓「?」
唯「……ぐす、ひぐ」
梓「なんでゆい泣いてるんです」
憂「悲しいから。人は悲しいときは泣いちゃうんだよ」
梓「そうですか」
唯「あずにゃん……あずにゃん」
梓「お別れするんですか?」
唯「やだ……やだよ」
梓「……なんだか寂しいです」
憂「そうだね……」
梓「でもどうして」
憂「アズニャンは……飼っちゃだめなんだって。危ないからって」
唯「いい子だもん!! あずにゃん悪いことしないもん!」
梓「はい。しないです」
憂「うん、いい子だよ」
梓「なんでういも泣いてるんです?」
憂「だって、だって……一緒だったもん、いきなりなんて寂しいよ」
唯「……ぐす、あずにゃん……」
憂「ごめんね……ごめんねお姉ちゃん、私がもっと反対してたら」
唯「ううん。でも後悔はしてないよ……」ギュウウ
梓「にゃう!?」
唯「いっぱい思い出をありがとう……」
梓「……」
唯「ありがとう……あずにゃん」
梓「…………にゃあ」
……
翌朝
ピンポーン
「いるかしら」
憂「どなたですか」
「管理局の者よ。昨日の電話の件で来たの」
憂「……」
「あけてくれる?」
憂「……はい」
憂「どうぞ」
「おじゃまするわね」
ガチャリ
和「……まったく、あなたたち姉妹ときたら」
憂「和ちゃん……」
梓「にゃあ、誰です」
憂「管理局の人。おむかえだよ」
梓「……」
和「呆れた。ずいぶんと育っちゃって」
唯「和ちゃん……」
和「唯、怪我はない?」
唯「えっ……」
和「大きくなったアズニャンは危険なのよ」
唯「そんなこと……ないもん」
和「じゃないと国で規制されたりなんてしないわ」
憂「……」
和「管理局の権限で施設へ連れて行くわね」
唯「ま、まって……施設って」
和「……一般人に言うべきことじゃないわ」
憂「…………」
唯「それって……」
和「人に飼われたアズニャンはむしろ野生のものより危険なの」
唯「なんで……」
和「ほら、無駄に賢いでしょこの子」
唯「うん」
和「だから……いろいろ仕込まれて可能性があるの」
唯「そ、そんなことしないのに……」
和「ごめんなさい。誰であれ、決まりだから」
唯「そんな……じゃああずにゃんは」
和「狭い檻に閉じ込められるわ」
唯「だめ! そんなのだめ!」
和「落ち着いて。忘れるように努力しなさい」
唯「無理だもん! やっぱりあずにゃんをつれていくのはだめ!!」
和「大人になりなさい。もういい年でしょ」
梓「にゃあ」
和「!」
梓「ゆいをいじめるなです!!」
和「うっ……」タジタジ
唯「……あずにゃん」
梓「ふしゅー。ふしゃああ!!」
和「ち、近寄らないで」
梓「ふしゃあああ!!!」
唯「あずにゃんだめ!!!」ギュウ
梓「にゃあ! なぜです、悪いヤツですゆいを泣かせました」
唯「ちがうの! ちがうの!!」
和「はぁ……びっくりしたわ。あやうく麻酔銃をつかうところだった」
梓「にゃあ、離してほしいです! ゆいの敵です!!」
唯「あずにゃん、いい子だから、いい子だから……」
梓「……」
唯「……いい子いい子」
梓「ほふぅ……」テレ
和「……ずいぶん、懐いてるのね」
唯「……」
和「アズニャンが主人を想って牙を向くなんて初めてよ」
唯「ごめんね。ごめん和ちゃん。でもあずにゃんはほんとにいい子だよ」
唯「優しいんだよ。私のために……アイス買ってきてくれたり」
唯「家事だって手伝ってくれるし、もうおもらしもしないし」
和「……」
梓「にゃあ」
唯「ひどいことなんてしないよ……絶対絶対」
和「……」
憂「お姉ちゃん……」
和「……そうね」
唯「!」
和「……じゃあ少しだけ猶予をあげる」
唯「えっ」
和「私、一度上にかけあってみるわ」
唯「ほんと!?」
和「でも約束。絶対になにも事件を起こさないこと。絶対よ?」
唯「うん! 当然だよ!」
和「そうね、次結果をもってこれるとしたら数ヶ月先になるわ」
和「それまでにしっかりとしつけてみなさい」
和「調教以外でアズニャンをしつけることに成功したら、きっと管理局の見方も変わってくる」
唯「……わぁ!」
憂「和ちゃん怒られない?」
和「今回の件は私に任されてるから。心配しないで」
梓「?」
唯「あずにゃん!」ギュウ
梓「うぎゃ、苦しいです」
唯「一緒にいられるよ!」
和「決まったわけではないわ。観察期間ってだけ」
唯「でも和ちゃんならなんとかしてくれる! そうでしょ?」
和「尽力するけど。私たちのアズニャンに対する認識が全て正しいとは思ってないから」
和「……この子は、いろんな可能性をもった子よ」
唯「うん!」
和「すこし、なでてみていいかしら」
唯「いいよー。はいあずにゃんおとなしくしてー」
和「……」オソルオソル
梓「にゃあ」
和「!」ビクッ
憂「怖がらなくてもいい子だよ」
梓「にゃあにゃあ」
和「……」サスリサスリ
梓「♪」
唯「ね?」
和「……そうね、貴重な映像がとれたわ」
唯「えへ」
和「不思議ね。こうして見ると危険生物ってことを忘れるわ」
唯「全然危険じゃないよー」
和「……それじゃあ、結果を楽しみにね」
唯「うん!」
憂「ありがとう和ちゃん!」
唯「ありがとう!」
梓「ありがとうです」
数年後…
梓「ゆい博士ー」
唯「んー? なぁに?」
梓「お茶にしませんか?」
唯「およ、もうそんな時間。じゃあちょっと休憩ー」
梓「どうぞ」
唯「ん」
梓「ゆい博士。論文すすんでますか?」
唯「んもうあずにゃん! ふたりきりのときは唯って呼んでよ」
梓「すいません……」
唯「今度の論文はまぁまぁかなー」
梓「ゆいが壇上にあがる姿はカッコイイです」
唯「そ? ありがと」ナデナデ
梓「えへへ」
ガチャリ
和「ちょっと唯! なにのんきにお茶してるの!」
唯「わわっ、和ちゃん!」
和「日記じゃないのよ? 早く書き終えないと次の学会間にあわないわよ?」
唯「そ、そうだね、頑張ります!」
和「あなたの論文にアズニャンの未来がかかってるってことをしっかり自覚なさい」
唯「わかってるよぉ」
和「学会にはお偉い先生や局の人もたっくさんくるんだから!」
和「前みたいなふざけた内容ではだめよ」
唯「ふざけてないよ~、あれがあずにゃんの育成論なんだから」
和「はぁ……あのね、だっこしてぎゅーしてチュッなんて書き方でいいわけないでしょ」
和「育成法を確立した第一人者がこれじゃ先が思いやられるわ」
唯「大丈夫大丈夫。今度はあずにゃんについてきてもらってパフォーマンスもするから」
和「あのね……あぁ、頭が痛いわ」
唯「えへ」
和「とりあえず来週までに形にするのよ!?」
唯「はーい」
和「気の抜けた返事ね」
唯「論文きらーい。私あずにゃんと遊んでるほうがいいなー」
梓「にゃあ」
和「……はぁ、どうしてこんなんで博士号をとれたのかさっぱりわからないわ」
唯「まだまだ未開拓分野だからねー」
和「それだけ期待されてるんだから頑張りなさい」
唯「よし! さっそく作業にもどります!」
梓「頑張ってください!」
唯「の前にあずにゃん日記書こっと」
和「それ、毎日かいてるの?」
唯「うん、出会った日からずっとずっと。一日何回も書いたりもしてるよ」
和「その情熱をもっと他のところに……っていまさら何言っても無駄ね。へんにこだわっちゃうところがあなたのいいところだもの」
あずにゃん日記その1644
今日もあずにゃんは可愛い。
お手伝いをさせてる間は趣味でメイド服を着せている。
ふりふりした愛くるしい生き物がせかせか動きまわる姿を、目で追いかけているだけで幸せだ。
この論文の発表を終え、管理局局長が声明をだしたら運動はますます加速するだろう。
でもきっとうまくいく。
隣から不思議そうな顔でのぞきこんでくるあずにゃんの顔をみてると、そんな気がしてくる。
そうだ、一般人によるあずにゃんの安全な飼育が可能になったら、次は結婚できるように働きかけてみよう。
そうしよう。さすがに無理かな? でもやるとしたら、きっともっと忙しくなっちゃうな。
唯「ふー」パタン
梓「日記終わりました?」
唯「うん!」
梓「結婚って書いてました? 結婚???」
唯「読めるんだね」
梓「はいです」
唯「頭いいね。いい子いい子」ナデナデ
梓「えへへ、もっとなでていいですよ」
唯「よし、もう遅いからあずにゃんは寝なさい。明日またナデナデしてあげるから」
梓「はい。約束ですよ!」
唯「今日もとっても楽しかったね」
唯「明日はもーっと楽しくなるよね」
唯「ね、あずにゃん♪」
梓「にゃあ♪」
おわり
最終更新:2011年05月22日 00:05