律「はぅあっ!!」ガバッ
澪「はぁあっ!!」ガバッ
律「はぁっ…!はぁっ…!」
澪「はぁ…はぁ…!」
律「っ……(夢か…)」
澪「っ……(夢…)」
律「……澪、今何時?」
澪「……えっと…11時20分…」
律「昼じゃんっ!」
澪「昼…だな」
律「……澪、腰、どうだ?」
澪「うん…治った」
律「…よし、出かけるか(気分一新したいっ)」
澪「…そうしよう(楽しいことして忘れようっ)」
律「と、その前に…」
律「シャワー浴びさしてっ(寝汗が…気持ち悪いっ!)」
澪「あ、ああ…(私もシャワー浴びたい…でも…!)」
律「じゃ、すぐ終わるから!」
澪「ま、まって!」ガシッ
律「ん?」
澪「私も…一緒に入る…!(私を一人にしないでっ!)」
律「お…おお…(これは予想外っ…)」
………
……
…
律「よし、行くか!」
澪「うんっ」
………
……
…
律「さぁーて、何から見ますか!」
澪「とりあえず、昼食取らないか?」
律「さんせー!」
澪「私…パスタ食べたいな、パスタ」
律「スパゲティ?」
澪「パ、ス、タ」
律「同じだよぅ」
澪「同じゃないっ」
澪「ここにしよう!ここっ!ここのパスタ美味しいんだっ」
律「うわ、また高そうな店を…」
澪「ほら、入るぞっ」グイ
律「ああっ、急ぐなよ」
「いらっしゃいませー」ニコ
「三名様でよろしいですか?」
澪「え…?」
律「いえ、二人です…ケド」
「あっ…失礼しましたっ」ペコリ
「お二人様ですね、ご案内いたします」
澪「…」
律「三名様だってっ。澪が二人分食べそうな顔してるからじゃねーの?」クス
澪「なにがっ!」
律「ほら、店員さん行っちゃうぞっ」
澪「ああっ!」パタパタ
律「……」
「お待たせしました」
「『白鳥のカルボナーラ』と」コト
「『かわいいあんかけパスタ』でございます」コト
「ご注文は以上でよろしかったですか?」
澪「はい」
律「はーい」
「では、ごゆっくりどうぞ」ペコリ
律「……かわいいあんかけパスタ…か。思ったより可愛くないな」
澪「はぁぁ…!」パァァ
律「なんだ、澪のパスタ、二人分くると思ったんだけどな」
澪「私そんなに食べないもん」
律「それじゃ、いっただきまーすっ」ズルルッ
澪「無視かよっ」
澪「……」クルクル
律「これ意外と美味いぜ」モグモグ
澪「……パクッ」
律「はんはけは熱ひっ」ハフハフ
澪「……モク…モク…」
律「れもやっはうまひら、ほへ」モグモグハフハフ
澪「………ゴクン…」
律「……」ゴクン
澪「はぁぁ……おい…しいっ…!」パァァ
律「…まぁ、ゆっくり食べていいから…」
澪「……」モクモク
律「……」モグモグ
澪「律、口にあんかけついてる」
律「え?かわいいあんかけが?どこ?」
澪「ああそっちじゃない、反対側」
律「ん……あ、あった」ヌル
澪「よし」
律「……」
澪「…パクッ……モク…モク…」
律「……澪、あーん」
澪「っ!?」ムグッ
「ありがとうございましたー」ペコリ
…
律「うぅ…いたいよぅ…」
澪「律があんなことするからっ」
律「ちょっとふざけただけじゃん…」グスッ
澪「…」プイ
律「でも私は白鳥がフラミンゴになる瞬間を目撃できたので満足ですっ」キリッ
澪「………はぁ」
律「えへへー」☆
澪「…次、どこ行く?」
律「んー、服でも見て回らない?」
澪「いいね」
律「よーし、レッツゴー!」
………
……
…
律「いやー、今日は楽しかったなー♪」
澪「うん、楽しかったな!」
律「澪、うち寄ってくだろ?」
澪「ああ、荷物もあるし、そうするつもり」
律「夕飯は?うちで食べてく?」
澪「いや、荷物持ったらすぐ帰るよ。律にも迷惑かかるし」
律「私はいいんだけどな…。ま、澪が言うなら仕方ない。帰してあげよう」
澪「はは、なんだよそれ」
………
……
…
澪「これでよしっ…と」
律「これで澪ともお別れか…」
澪「…なんだよ、私と離れるのが寂しいのか?」ニヤニヤ
律「うん…」
澪「……律…」
律「……私、もう澪なしでは生きられない体なのっ」
ゴツン
律「じゃあまたなー」ノシ
澪「またねー」ノシ
律「……」
律「………行ってしまわれた…か」
…
律「……さて、数学の宿題でもやろうかね」
律「ん…私今すごく偉いこと言った?」
律「……おお、何だかやる気がわいてきたぞ!」
律「よっしゃあ、宿題!やってやるぜー!」
律「………」
律「やるぞー!」
………
……
…
律「実数aがこの範囲内で動くとき…」
律「f(x)の最大値は…(……澪……)」
律「区間端の値を調べて…(澪……澪…)」
律「……澪…じゃなかった、aの範囲で場合分け…っと」
律「できた!完璧だ!」
律「この勢いに乗って英語の予習とかしちゃったりして!」
律「うはー!どうしちゃったんだい律っちゃん!今日は俄然やる気ですなっ!」
律「よーし、教科書81ページッ!」パラララララ
……ストン…
律「……お?」
律「……なんだこれ…メッセージカード?」
律「私こんなの書いたっけ…?」
律「……ラブレター…とか?」
律「……」ドキドキ
律「…と、とりあえず読んでみるか…」カサ…
明日、日曜日の朝9時
音楽室で待ってます。
律「………」
律「ラブレター…?」
律「ラブレターなら…私、告白されるのか…?」ドキドキ
律「……女の子に…!?」
律「…いやいや落ちつけよ律」
律「紙には『明日、日曜日』と書いてある」
律「つまり、このメッセージカードが仕組まれたのは、日曜日の前日である土曜日」
律「すなわち今日しかありえないっ!」
律「そして今日この教科書に触れられる状況にあった人物、すなわちこのメッセージカードの主は……!」
律「くーっ!可愛いことするなぁあいつはっ!!」
律「メールじゃないのがあいつらしいな」
律「まったく可愛いやつめ」
律「私が英語の教科書開かなかったらどうするつもりだったんだよ」
律「まぁ結果的に開いたってことはやっぱり私とあいつは強い絆(?)で繋がってるんだなぁ♪」
律「さて、明日が楽しみだ!」
‐日曜・午前9時・桜高音楽室前‐
律「……」ドクン ドクン
コンコン
「……どーぞ」
律「……っ」
ガチャ…
「……おはよう」
律「……ああ、おはよう」
律「澪」
律「……どうしたんだよ、メッセージカードなんかで呼び出して」
澪「……あのさ……律……」
律「お…おう………」
澪「昨日借りたパンツ返す。はいこれ」
律「お、はやいな」
澪「一刻も早く返したかったんだ」
律「そっか。澪らしいな」
澪「それじゃ用も済んだことだし、二人きりの練習、始めよっか」
律「よっしゃ、やるか!」
ロッカー「♪」
完
最終更新:2010年01月14日 21:02